私の頭の中の消しゴム(韓国映画)のネタバレ解説まとめ

『私の頭の中の消しゴム』とは、イ・ジェハン監督・脚本の韓国の映画。日本では2005年に公開。
建築会社社長の娘キム・スジンと、スジンの父が経営する建築会社で現場監督として働くチェ・チョルス。2人は偶然に出会い恋愛を経てやがて結婚し幸せな生活を送っていた。そんな中スジンが若年性アルツハイマー病におかされていると判明する。症状が進みスジンはチョルスの事も忘れ始めるが、それでもなおチョルスはスジンを支えようとする。病という困難を抱えながらもお互いを愛し続ける男女のラブストーリーである。

このカンヌンからの消印がある手紙を頼りに、チョルスはカンヌン市中の療養所を車で周って、スジンが居ないか順番に捜していった。そしてあと最後の療養所に行く前に、チョルスは車の中で化粧水を顔につけて気合いをいれた。以前スジンとデートするときにしていた化粧水で、スジンが「懐かしいにおい」と言っていたものだ。
最後に訪れた療養所にやはりスジンは居た。看護師の話では、介護がないと服が着られない時があるが、療養所の生活に馴染んでいるとのことだった。看護師に招かれスジンの部屋まで行くと、壁にはスジンとチョルスのツーショットの写真が1枚だけ貼ってあった。

そしてチョルスがベランダの方へ出て行くと、スジンがスケッチブックを持って椅子に座っているのが見えた。スジンは、看護師に「お客さんですよ」と言われ振り返ってチョルスを見たが、チョルスだとは分からなかった。スジンが立ち上がった拍子にスケッチブックが落ちてしまったのでチョルスが拾いに行った。そのスケッチブックには何枚にも渡って男性の顔が描かれていて、最近描かれたものこそ子どもの殴り描きのようだったが、最初の方のはチョルスを思い出して描いたと分かるような絵だった。チョルスがスケッチブックを拾ってスジンに渡すと、スジンは丁寧にお辞儀をして「ありがとう」と言った。
初めて来た人を見るような様子のスジンに、チョルスは「僕を覚えていますか?」と聞いたが、スジンは「どちら様ですか?」と答えるだけだった。チョルスは少し間をおいてから「初めまして、チェ・チョルスといいます」と言うと、スジンはお辞儀をして少しにっこりした。

食事の時間になり、看護師とスジン・そしてチョルスで向かい合わせで食堂の席に座った。看護師に介助されながらご飯を食べていたスジンが、何か懐かしいにおいがすることに気がついた。「叔父さんだったかな。バス、どこかで…記憶、夢、夢…思い出せない」と言ってからスジンが顔を上げると、チョルスがスジンを見つめて泣いていたので「どうして泣いているんですか?」と言った。チョルスはとっさにポケットから出したサングラスをかけ、泣いているのを隠して無理やり笑顔を作ろうとした。

化粧水だけではなく、もっとスジンに思い出してほしいと思ったチョルスは、看護師に外出許可を求めた。

食事中、チョルスの化粧水のにおいに気がついたスジン

自分がつけた化粧水にスジンが気づいて、記憶を思い出そうとしているのを見て泣くチョルス

チョルスがやっとスジンに言えた言葉

チョルスとの思い出のコンビニに歩いていくスジン

外出許可が出たスジンは看護師と一緒にゆっくりとした足取りでソウルの街中を歩いていた。そこはスジンがチョルスと最初に出会った思い出のコンビニの近くだった。スジンが自らの意思で思い出の場所だということに気がつけるように、看護師はなにも言わずにスジンと一緒に歩いていると、スジンはコンビニを見つけて立ち止まった。看護師の方を一度見てから、スジンは一人でコンビニのほうへ歩き始めた。

スジンがコンビニの中に入ろうとすると、缶コーラを持ったチョルスが中からドアを開けた。そしてスジンの目の前で缶コーラを開けた。スジンは缶コーラに少し手を触れてから中に入っていくと、コンビニ店員の格好をしたイ先生がレジ台の下から財布と缶コーラを持って立ち上がった。そして店の奥ではこちらもコンビニ店員の格好をしたチョルスの大工の師匠が掃除をしていて、スジンを見つけるとにっこり笑った。スジンがコンビニの通路の方に目をやると、スジンの家族やチョルスの母が、コンビニのお客さんのように立ったままスジンの方を見ていた。思い出のコンビニで、スジンとチョルスが知り合う大切なきっかけになった“コーラの横取り”を全てスジンが知っている人で再現したのだった。
皆を見て笑顔になったスジンは、チョルスを見て「ここは、天国なんですか?」と言って、満面の笑みで涙を流した。チョルスも笑顔で「はい」と答えた後、スジンの手をとってコンビニを後にした。

スジンはチョルスの車の助手席に乗って外を眺めていた。もう以前のようにチョルスの仕事道具は載っておらずオープンカーの状態になっていたので、スジンはとても気持ちよさそうに座っていた。スジンが運転しているチョルスの方を振り返ると、チョルスが小さな木の彫刻をスジンに見せた。チョルスが大切にしていたスジンを彫った彫刻だった。スジンは彫刻を見てにっこりと微笑んでまたチョルスを見た。チョルスはスジンの目をじっと見つめて「愛してる」と初めて言った。スジンはもっとにっこりと笑ってチョルスに頬を近づけた。やっとスジンに「愛してる」と伝えられたチョルスは一粒の涙を流した。スジンがチョルスの方へ寄り添ったまま、夕暮れの中車は走っていった。

チョルスがスジンを思って彫った大切な彫刻を見て微笑むスジン

「愛してる」とやっと伝えられたチョルスは、スジンに抱きつかれ涙を流した

『私の頭の中の消しゴム』の登場人物・キャラクター

キム・スジン(演:ソン・イェジン、日本語吹替:小林さやか)

建築会社社長の娘。服飾の会社に勤めており、その会社の上司と不倫関係にあった。しかし駆け落ちの当日上司は来ず、失意の中コンビニに立ち寄った時運命の相手チェ・チョルスと出会う。やがてチョルスと恋愛関係になって結婚するが、物忘れがひどくなってきたため病院を受診すると、自分が若年性アルツハイマー病におかされていることを知る。やがてチョルスのことも忘れ始めたため、これ以上チョルスを悲しませたくないと姿を消した。
チョルスと付き合う前に作戦を立ててわざとらしく偶然会ったふりをしたり、建築士の試験を受けているチョルスを終わるまで待っていたりと、健気で可愛らしいスジンだが、チョルスとチョルスの母の関係をよくしようと懸命にチョルスを説得するなど、頼もしい一面も持っている。

チェ・チョルス(演:チョン・ウソン、日本語吹替:三木眞一郎)

スジンの父が社長を務めている建築会社の現場監督として働く。小さい頃に母親に捨てられ、預けられた寺で師匠に習い大工の知識を身に着けてきた。その培ってきた確かな大工の経験があるため、仕事中施工過程のことで上司と揉めることがあったが、建築に対する愛情がゆえの熱い行動だった。
スジンに対しては始めの頃はクールな対応をするときもあったが、付き合う前から密かにスジンをイメージした彫刻を彫ったり、スジンの病が分かってからも懸命に支えようとするなど、スジンへの深い愛情が見える。

ソ・ヨンミン室長(スジンの元不倫相手)(演:ペク・チョンハク、日本語吹替:堀内賢雄)

スジンの上司で、元不倫相手。スジンと駆け落ちを約束した日に待ち合わせの場所に来なかったにもかかわらず、仕事の都合で再びスジンの上司となった時(この時には離婚して既に独身)には、未練がましくスジンに言い寄った。会社を辞めたスジンのために家までスジンの私物を持っていったが、帰って来たスジンに見つかって殴打されてしまう。

アンナ・チョン(ヨンミン妻の同級生)(演:イ・ソンジン)

紳士服部門に異動になったスジンの新しい同僚。スジンが不倫していたヨンミンの元妻と友達であるため、なにかにつけスジンにきつい言動をとっている。

キム社長(スジン父)(演:パク・サンギュ、日本語吹替:小島敏彦)

建築会社の社長。スジンが不倫をした時も、スジンがチョルスと結婚したがった時も、常に広い心で受け入れてきた。それは祖父の代から伝わっていて自身もスジンに教えた「許すということは心の部屋を一つ空けるということ」という言葉からの行動だった。スジンの病が進行し、日常生活も介助が要るようになるかもしれないという時には、まだ若いチョルスの将来を考え自分たち家族が面倒を見ようと提案したり、スジンが姿を消した時はちゃんとチョルスに会って離婚届を渡すなど、スジンとチョルスを常に見守ってきた。

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