ゴブリンスレイヤー(第9話『往きて、還りし』)のあらすじと感想・考察まとめ

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地下の遺跡の奥にあったのは、失われた古代の技術である「転移の鏡」だった。ゴブリンはこの鏡を使って水の街の水路に現れていたのだ。鏡を守ろうとするゴブリンとの戦いに勝利したゴブリンスレイヤーたちは、水の街に隠された真相に気がつく。それは、剣の乙女の過去と恐怖についての秘密が関わっていた。
今回は「ゴブリンスレイヤー」第9話『往きて、還りし』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ゴブリンスレイヤー」第9話『往きて、還りし』のあらすじ・ストーリー

転移の鏡

1

一行の後ろの壁に備え付けられているのが謎の鏡。

ゴブリンスレイヤーたちは、謎の鏡を前に困惑していた。
女神官「御神体か何かでしょうか?」
蜥蜴僧侶「迂闊に触れるとマズイのではありますまいか?」
女神官「とは言っても、調べないことには…。」
女神官は恐る恐る鏡の表面に触れてみた。すると鏡が光始め、光が収まると、そこにはゴブリンの集落の様子が映し出された。ゴブリンの集落に流れている川には、先日水路でゴブリンが乗っていたのと同じ形の舟が浮かんでいた。
妖精弓手「もしかして、ここの奴らってこの中から飛ばされて来たんじゃないの?」
鉱人道士「これがゲートを作り出す古代の遺物だっちゅうわけか。失われた呪文を自在に発動できる魔法の鏡…。どんだけの価値になるのか、見当もつかぬわ。」
妖精弓手「誰かがこれで、ゴブリンを呼び寄せて。」
鉱人道士「武器を与えて、こん地下に住まわせて。」
蜥蜴僧侶「鏡はあの怪物に守らせていたということですな。」
女神官「どうしましょう、ゴブリンスレイヤーさん…。」
その時、部屋に続く通路の奥から複数の足音が響いてきた。一行には緊張が走る。
蜥蜴僧侶「先の爆発音は響きましたからな。小鬼どもの出入り口がここにあるなら、看過はできますまい。」
鉱人道士「奴ら、ここを取り戻しに来おるってわけか。」
妖精弓手は「ちょっともう勘弁してよ…。」とウンザリとして表情を浮かべた。
女神官は「ゴブリンスレイヤーさん…。」とゴブリンスレイヤーの方を向き、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶はゴブリンスレイヤーの指示を待った。
ゴブリンスレイヤーは師匠の「俺のポケットには何がある?」という言葉を思い出しながら思案していたが、女神官の方を見ると、「安心しろ。問題にもならない。」と言った。

2

前回のゴブリンの襲撃で凌辱されかけたことを思い出し、手が震えてしまう妖精弓手。

ゴブリンスレイヤーが考案した作戦の準備をしながら、妖精弓手は前回の戦いでゴブリンに凌辱されかけたことを思い出し、手が震えていた。ゴブリンスレイヤーは妖精弓手を心配して「いけるか?」と確認した。妖精弓手はゴブリンスレイヤーの方を振り向くと、「当然。そっちこそ、こないだみたいに吹っ飛ばされないでよ。」と強がってみせた。
蜥蜴僧侶「小鬼殺し殿、要塞の用意はできましたぞ。」
鉱人道士「つーても、急ごしらえだかんな。」
ゴブリンスレイヤー「十分だ。そっちはどうだ?」
女神官「はい、準備できてます。」
ゴブリンスレイヤー「よし。術はいくつ残っている?」
女神官「えっと…、あと1回です。」
ゴブリンスレイヤー「温存しろ。使いどころがある。」
蜥蜴僧侶「拙僧は2回。竜牙兵をもう1度呼ばなければ3回となりますが…。温存する気はありますまい。」
ゴブリンスレイヤー「頼む。盾を持たせて、あの娘を守らせろ。」
蜥蜴僧侶「承知。拙僧は鏡でよろしいかな?」
ゴブリンスレイヤー「あぁ。」
鉱人道士「儂はあと2回ってとこかの。」
ゴブリンスレイヤー「取っておけ。切り札だ。」
鉱人道士「なら、使いどころまでかみきり丸を手伝うか。」
あらかた術の使い方を確認した後、妖精弓手がしみじみと「うちは恵まれてるわよね。呪文使いが3人いるって。」と言い、鉱人道士が「たまさかには、耳長娘も素直になるか。」とからかった。妖精弓手は「失礼ね!私はいつだって素直よ!」と鉱人道士に言い返し、「で、私はどうすれば良いの?」とゴブリンスレイヤーに聞いた。
ゴブリンスレイヤー「奴らを惹きつけてから仕留めろ。数を減らしつつ、1匹でも多く誘いこめ。」
妖精弓手はゴブリンスレイヤーの言葉を聞いて「無茶苦茶言われてる気がするんだけど…。」と言って憂鬱そうな表情をしたが、「良いわ。やったげる。」と気持ちを切り替えた。

3

竜牙兵はゴブリンの矢から女神官を守った。

4

鏡を取り外そうとする蜥蜴僧侶に、女神官は錫杖をてこの原理で使って加勢する。

ゴブリンが通路を大挙して押し寄せ、まずは妖精弓手が弓矢で次々とゴブリンを射殺していき、ゴブリンスレイヤーは鉱人道士が事前に用意していた石をゴブリンの頭に命中させ、絶命させる。しかしゴブリンの数が多すぎて、1匹1匹倒していては間に合わない。
女神官が更なるゴブリンの襲撃を目撃して、「右側来ます!」「左から3!右から4!」と状況を報告し、妖精弓手とゴブリンスレイヤーは女神官の報告を聞いて臨機応変に対応した。一方ゴブリンも毒を塗った弓矢を準備しており、妖精弓手と女神官に向けて矢を放った。妖精弓手は自ら身を屈めて矢を避けたが、危うく矢は女神官に命中しそうになった。すると竜牙兵が女神官の前に立ちはだかって彼女を庇い、その様子を見た妖精弓手は「ふーん、結構かわいい奴よね、これ。」と竜牙兵を褒めた。
蜥蜴僧侶は妖精弓手の言葉を聞いて「お褒めにあずかり恐悦至極。」と答えつつ、短剣で何とか鏡を壊す為に壁から取り外そうとしていた。しかしいくら力を込めても鏡を外すことが出来ず、蜥蜴僧侶は「とはいえ、何ともはやこの鏡…、どう据えられているものか。」と困惑した。
そこで蜥蜴僧侶は、「おぉ気高き惑わしのブロントスよ、我に万人力を与えたもう。」と呪文を唱え、自身の筋肉の力を何倍にも強くして短剣を振り下ろした。
その間、ホブゴブリンが1体登場した。ゴブリンスレイヤーは「俺がやる。祭壇から離れるな。」と鉱人道士に指示を出すと、前衛に出てゴブリンを次々に屠っていく。妖精弓手は弓矢で応戦するが、持っていた矢の本数がなくなってしまい、「オルクボルグ、矢!」と叫んでゴブリンが持っていた矢を放り投げてもらって援護を続けた。鉱人道士もゴブリンスレイヤーと妖精弓手の攻撃を潜り抜けたゴブリンを素手で倒しながら、「鱗のまだか!」と蜥蜴僧侶を急かした。
少しずつ鏡は壁から離れていたが、蜥蜴僧侶の力だけではまだ時間がかかりそうだった。女神官は錫杖を蜥蜴僧侶がいる位置と反対側の鏡の裏側に差し込み、てこの原理で鏡を取り外すために助力し始めた。
まだ時間稼ぎが必要だということを確認すると、ゴブリンスレイヤーはゴブリンが勢いに任せて仲間同士の相討ちをするように戦術を変えた。ゴブリンスレイヤーの戦い方を見た鉱人道士は「わざと小鬼どもの中に誘導しておるんじゃ!」と彼の意図に気づき、妖精弓手は「本当にもう信じらんないわね!」と呆れた。
鉱人道士「耳長の!もっと多く撃てんのか!」
妖精弓手「うるさい!ならもっと良い矢を寄越しなさい!」
鉱人道士「石でも投げりゃよかろうが!」
妖精弓手「嫌よ!」
2人が戦闘の最中でもいつものやり取りをしている後ろで、蜥蜴僧侶と女神官はもう少しで鏡を取り外すことに成功しそうだった。竜牙兵も手伝い、最後に力を合わせて一押ししたことで、鏡を取り外すことが出来た。
女神官「ゴブリンスレイヤーさん!」
ゴブリンスレイヤー「鏡面を上に掲げろ!下に入れ!」
鉱人道士は「仕事だ仕事だノームども、砂粒一粒転がり廻せば石となる」と呪文を唱え、術を発動する準備を整えた。ゴブリンスレイヤーはホブゴブリンに短剣を投げつけ、一撃だけで肩にダメージを与えると後衛に駆けて戻った。そこでゴブリンスレイヤーは女神官に「光!」と指示を出し、女神官のホーリーライトはホブゴブリンに目くらましとなった。
次に鉱人道士が「ストーンブラスト!落とせ!」と術を発動して、部屋の天井をホブゴブリン目がけて落下させた。さらに鉱人道士は「ノームやノーム、バケツを回せ、ぐんぐん回せ、回して離せ!フォーリング・コントロール!」と唱えて、部屋の天井を大きな岩にしてゴブリンに降りかからせ、次々に潰して殺していった。
部屋の天井が岩となって落下してくる間、ゴブリンスレイヤーたち一向は大きな鏡の下に避難して難を逃れた。

5

ゴブリンスレイヤーたちが転移の鏡の下から這い出すと、地下水路の天井と壁が全部崩れ落ちていた。

地下水路の天井や壁が全て崩れ落ち、ゴブリンはそれらの下敷きになって全滅した。蜥蜴僧侶が鏡を盾にするように支えてゴブリンスレイヤーたちは鏡の下に逃げ込んでいたため、全員無傷だった。
妖精弓手は鏡の下から這い出すと、仁王立ちになって「全くもう!何考えてるのよ、オルクボルグー!」と不満げな声でゴブリンスレイヤーに言った。女神官も妖精弓手の隣に座り込み、「びっくりしました…。」と呟いた。
妖精弓手「びっくりで済むの!?」
女神官は苦笑いを浮かべながら「何か…、ちょっともう慣れてきちゃいました。」と返事をして、妖精弓手は呆れたような表情を浮かべた。
蜥蜴僧侶「やれやれ、転移の鏡があってようございましたな。瓦礫が吸い込まれていくとはいえ、如何せん重いのが堪えた。」
鉱人道士「ま、鱗のが一番働いたからの。しっかし、向こうの奴らが可哀相だのう。もしかすっとこらぁ、大昔の旅行装置かなんかだったんかもな。え、かみきり丸?」
ゴブリンスレイヤー「興味がない。」
女神官「街の下じゃなくて良かったですよ、本当に。」
ゴブリンスレイヤー「街の下なら下で、また別の手を考えた。」
ゴブリンスレイヤーは妖精弓手の方を見て、「火も水も毒も爆発もなしだぞ。」と兜の下でドヤ顔でもしていそうな声音で言った。妖精弓手は「オルクボルグ~?」と何かを企んでいる表情で言い、ゴブリンスレイヤーは「何だ?」と返事をした。その瞬間、妖精弓手は「えいっ!」とゴブリンスレイヤーの腰に蹴りを入れ、ゴブリンスレイヤーは崖沿いに下の方へ落ちていった。女神官は「ゴブリンスレイヤーさん!?」と驚いて心配そうに崖の下を覗き込むが、妖精弓手は女神官の隣で満足そうな表情を浮かべていた。
妖精弓手は、非人道的な方法でゴブリン退治をしないようにという意味で火も水も毒も爆発もなしだとゴブリンスレイヤーに約束させたのに、よりにもよって落石でゴブリンを全員押しつぶすという方法を取って自分との約束を守ったと満足しているゴブリンスレイヤーに、怒りと呆れを感じ、一発痛い目に合わせたくなったのだ。

真相と救い

8

ゴブリンスレイヤーは剣の乙女に真相を確かめた。

ゴブリンスレイヤーたちは神殿に戻った。ゴブリンスレイヤーはそのまま休むことなく神殿の庭に行った。そこには剣の乙女がいて、「ご無事で何よりですわ。」とゴブリンスレイヤーに微笑みかけたが、ゴブリンスレイヤーは「確認に来た。」とだけ言葉を返した。
剣の乙女「はい、何でしょう?私に答えられることでしたら、何なりと。」
ゴブリンスレイヤー「全部、知っていたのだろう?」
剣の乙女「はい。その通りですわ。」
ゴブリンスレイヤー「そうか。」
剣の乙女「どうしてお気づきになったのですか?」
ゴブリンスレイヤー「気づいた訳ではない。知り得る立場にある者には、全員聞くつもりでいた。」
剣の乙女「全員…。何だ、そうだったのですか。そんなことなら、もう少しはぐらかせば良かったかしら?でも、最初に問われるというのは、嫌な気がしませんね。疑われた理由を聞いても?」
ゴブリンスレイヤー「いくつかある。あの白い…、何と言ったか?」
剣の乙女「アリゲーター?」
ゴブリンスレイヤー「ああ。確かそんな名前だったはずだ。あれが偶発的遭遇だとは思えん。」
剣の乙女「では、計画的だと?」
ゴブリンスレイヤー「少なくとも我々を追い返そうとし、一方でゴブリンどもを襲う程度には。」
剣の乙女「いささか強迫観念めいていませんか?」
ゴブリンスレイヤー「これほどの遺跡が、正確な地図はなく鼠退治の依頼もなく、冒険者に放置されている。見張りでもいなければ有り得んことだ。」
剣の乙女「冒険者についてお詳しいのですね。」
ゴブリンスレイヤー「俺は冒険者ではないがな。つまり、地下を見張る何某かがいたということだろう。あれは使徒だ。地下の守護獣か?」
剣の乙女「皮肉ですわね。至高神の御使いが守って下さるのは、街だけなんて。」
ゴブリンスレイヤー「お前なら気づいたはずだ。女を殺すのも、その場で腸を引きずり出すのも、死体をそのままにするのもゴブリンの手口ではない。」
剣の乙女「ええ、あれらは獲物を巣穴に連れ帰り弄び、そう簡単には殺してもらえず…。あの鏡を使って何か企んでいた。例の魔神とやらの手勢です、黒幕は。もうこの世にはいません。私たちとは全く無縁なところで、勇者様に。」
そう言いながら、剣の乙女の脳裏には10年前にゴブリンに捕まり、巣穴の中で凌辱された上に火が点けられた棒で両目の視力を奪われた時の光景がまざまざと蘇っていた。
剣の乙女は続けて、「だって…、だって、ゴブリンに襲われれば、きっと私泣いてしまいますもの。地下での動きは聞いていました。私への復讐を企てていることも、察しがつきました。それならば、どうとでも…。でも、誰に言えましょう。剣の乙女と呼ばれた英雄が、どうかゴブリンから私を助けて下さいなどと。誰も思いもよらないでしょうね。」と言葉を続けた。
剣の乙女「私をどうするおつもり?」
ゴブリンスレイヤー「どうもしない。ゴブリンではないからな。」
剣の乙女「だから、理由をお聞きにならないのですね。」
ゴブリンスレイヤー「話すなら聞こう。」
ゴブリンスレイヤーの言葉を聞いて、剣の乙女は今まで誰にも打ち明けられなかった苦悩を語り始めた。

13

剣の乙女の脳裏に甦った10年前の回想。

9

剣の乙女はゴブリンスレイヤーに救いを求めた。

剣の乙女「怖くて辛くて痛くて恐ろしくて、そんなことがこの世にあって、そういうことをする者がこの世にいる…。分かってもらいたかっただけです。結局、誰も分かっては下さいませんでした。あの転移の鏡を差し上げても良いのです。あなたになら…、あなたならきっと、分かってくださると…。」
ゴブリンスレイヤー「あれは捨てた。」
剣の乙女「え?古代の遺跡、値千金の財宝ですのよ?」
ゴブリンスレイヤー「他のゴブリンが使い方を学習せんとも限らん。鏡面をコンクリートで固め、沈めた。あの何だ…、白いのには良い寝床だろう。」
剣の乙女「本当に…、本当に面白いお方…。タガが外れているのね、きっと。」
ゴブリンスレイヤー「かもしれん。」
剣の乙女は自嘲する笑いを浮かべると、ゴブリンスレイヤーの顔を見上げて「ねぇ、私からも聞いてよろしい?」と声をかけた。ゴブリンスレイヤー「答えられるとは限らん。」という返事を返したが、剣の乙女は構わずに「小鬼を退治して、何か変わりましたか?」と聞いた。
剣の乙女「勇者様が魔神を滅ぼせば、世界はきっと救われるのでしょう。でも、小鬼に襲われた15歳の少女が今も救いを求めていたとしても、そんなことを気にかけてくれる人はどこにもいない…。小鬼を退治しても、何も、何も変わらないじゃありませんか。」
俯いた剣の乙女に、ゴブリンスレイヤーは「それで良いと、俺は思っている。」と答えた。
ゴブリンスレイヤー「お前は酷い目にあったと言っていたな?俺はそれを見ていた。最初から最後まで。」
剣の乙女「でしたら…!」
ゴブリンスレイヤー「だから、お前の気持ちは分からない。」
剣の乙女は「私を、助けてはくださらないのですか…?」と呟き、ゴブリンスレイヤーは無慈悲にも「ああ。」と答え、剣の乙女に背を向けて立ち去ろうとした。剣の乙女はその場から動けなかった。しかし、ゴブリンスレイヤーが歩きながら突然「だが、ゴブリンが出たなら俺を呼べ。ゴブリンは俺が退治してやる。」と剣の乙女に声をかけ、その言葉を聞いた剣の乙女は思わずその場に座り込んでしまった。
剣の乙女「夢…、夢の中でも…?」
ゴブリンスレイヤー「ああ。」
剣の乙女「来てくれるの…ですか?」
ゴブリンスレイヤー「ああ、俺はゴブリンスレイヤーだからな。」
剣の乙女は初めて自分の恐怖を受け止めてくれる人を見つけたことに嬉し涙を流し、「わ、私は…、あなたを…、お慕い申し上げております…。」とゴブリンスレイヤーに告白したが、その時には既にゴブリンスレイヤーの姿は消えていた。

氷菓子

11

氷菓子を作って食べる話題で盛り上がるゴブリンスレイヤーたち。

次の日、ゴブリンスレイヤーたちは馬車に乗って水の街を出発した。馬車の中で、一行は楽しそうな会話を交わしていた。
妖精弓手「楽しかったなー。」
鉱人道士「小鬼に組み伏されてピーピー泣いとった癖に、よう言うわい。」
妖精弓手「あら、勝って生き延びたんだから良いじゃない。報酬も貰えたし。」
蜥蜴僧侶「ま、あの転移の鏡はちと惜しい気もしましたがな。価値ある資料、異端を滅ぼし功徳も積めた。拙僧としても十二分。問題なしですな。」
鉱人道士「儂はこの金で美味いもんでも食えりゃ文句はないがのう。」
妖精弓手「ドワーフは食い意地ばっかりよね。」
女神官はそんな仲間の様子を見て微笑んでいた。ふと女神官が会話に参加していないゴブリンスレイヤーの方を見ると、水の街で仕入れたカナリアが入っている篭を手にして寝てしまっていた。女神官はゴブリンスレイヤーに近づき、「お疲れ様でした、ゴブリンスレイヤーさん。」と囁いた。その時、ゴブリンスレイヤーが頭を上げ、「帰ったら…。」と返事をして、ゴブリンスレイヤーが寝ていると勘違いしていた女神官は驚いた。
女神官「もう、起きていたなら起きてるって言って下さいよ。」
ゴブリンスレイヤー「今起きたところだ。」
女神官「鉄兜を被ってるから、分からないんです。」
ゴブリンスレイヤー「そうか。」
ゴブリンスレイヤーは一口水を飲むと、「帰ったら、試してみたいことがある。」と先ほどの言葉の続きを口にした。
女神官「試してみたいことですか?」
ゴブリンスレイヤー「氷菓子だ。」
氷菓子という言葉を聞いた蜥蜴僧侶は、「氷菓子とな!拙僧もご相伴に与ってもよろしいですかな?」と興奮した様子でゴブリンスレイヤーと女神官の方に身を乗り出した。
ゴブリンスレイヤー「食いたいなら構わん。牛乳を使う。」
鉱人道士も氷菓子作りを手伝うと申し出て、どういう風に作るのかとゴブリンスレイヤーに聞いた。ゴブリンスレイヤーは作り方を簡単に説明し、アイスクリンをまた食べたい女神官は「私も貰って良いんですよね?」と確認し、ゴブリンスレイヤーは「構わん。」と答えると、妖精弓手の方を見た。
ゴブリンスレイヤー「お前はどうする?」
妖精弓手は赤くなって顔を逸らしながら、「貰う…けど…。」と返事をした。
ゴブリンスレイヤー「そうか。失敗しても蹴るなよ。」
妖精弓手「はいはい、分かったわよ!蹴らない!蹴らないからちょうだい!それで良い!?」
ゴブリンスレイヤー「ああ。」
ゴブリンスレイヤーはゴブリン以外のことにも興味を持ち、仲間との交流の仕方も少しずつだが学んでいるようだ。

「ゴブリンスレイヤー」第9話『往きて、還りし』の感想・考察

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