からくりサーカス(第1話『開幕ベル』)のあらすじと感想・考察まとめ

親族から命を狙われる少年勝は、大きくて強そうな熊の着ぐるみを着た青年鳴海に助けを求める。勝の一番近くにあるサーカスには、彼を守ってくれる『しろがね』がいるという祖父の言葉を信じてしろがねを探す勝。謎の人形に襲われ窮地に陥った彼らの前に颯爽と舞い降りた美少女人形使いしろがね。道化師型操り人形『あるるかん』を駆使して謎の人形を破壊するも、すぐに次なる刺客が現れる。
今回は「からくりサーカス」第1話『開幕ベル』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

ドールルーム

父親が事故死した時、勝は昔亡くなった祖父の話を思い出した。
様々な人形で埋め尽くされた祖父の部屋に歓声を上げる幼い勝。
そこで勝は祖父から才賀の男は皆人形部屋を持ち、どういうわけか機巧(からくり)人形に興味を持つこと、個人資産だけでも数百億に及ぶ才賀の財産の全てがいずれ勝のものになると聞かされる。
だがまだ幼かった勝には、それが意味することはわからなかった。

祖父から託された大きなスーツケース

勝の祖父はいつか勝の身に相続がらみの災難が降りかかることを予見していたのか、まだ幼い孫に言い聞かせた。
『もしお前が大人になる前にお父さんが亡くなって、何か変なことが起こったら……あのカバンを持って逃げなさい。しろがねがきっとお前を守ってくれるだろう』
そのカバンとは、勝がずっと大切に持ち歩いていた身の丈ほどもあるスーツケースだった。
『しろがね』が誰なのかもわからないが、勝の祖父は『いつでも勝から一番近いサーカスにしとがねはいる』と言っていた。
故に勝は鳴海にサーカスに連れて行ってくれとせがんだのだ。

能面のような顔で容赦のない攻撃をする誘拐犯

勝の事情をあらかた聞き終えたタイミングで、先程の不気味な誘拐犯が再び現れた。
ギチギチと軋みながら異様な動きで迫って来る誘拐犯に、鳴海はもう遠慮はしないと中国拳法で応戦する。
しかし誘拐犯は強い。
攻撃を食らっても表情一つ変えず、動きが痛みで鈍ることもない。異常なタフネスとパワーだ。
徐々に劣勢に追い込まれながらも、鳴海はなんとか勝だけは逃がさねばと思いを巡らせる。

無表情のまま線路に棒立ち

誘拐犯たちは何としてでも勝をとらえたいのか、通常では考えられない正気を疑う行動に出た。
線路の真ん中、迫りくる電車の前に能面のような表情のまま立ち尽くす誘拐犯の一人。
置き石どころではない障害物に進路を妨げられたことで脱線する電車。

砕け散る誘拐犯

電車にはねられた誘拐犯は、血と臓物ではなく歯車をはじめとする機械の部品を撒き散らして砕け散った。
「人形?!」鳴海は驚きに目を見開く。

勝の頬を叩く鳴海

「お兄ちゃんごめん……こんなことになっちゃって」
己のトラブルに鳴海を巻き込んでしまったと泣きじゃくる勝。

「熊のヌイグルミがあんまり大きくて強そうで、この人なら助けてくれるんじゃ……って思ったんだよ。ごめん、ごめんよ。死ぬなら僕一人で死ねばいいのにさぁ」
その言葉を聞いた瞬間、鳴海が勝の頬を叩いた。

「諦めるな!」

捨て身のタックル

『諦めるな!お前は間違っちゃいねぇ!キツイ時には『助けて』と怒鳴れ!腹が立ったら悪態を吐いてやれ!足掻いて足掻いて駄目だったら……そん時ゃニッコリ笑うしかねぇけどよ』
勝を抱きかかえ諦めるなと励ました鳴海は、自身の言葉を裏切らず不利な戦いに臨み、相打ち覚悟で人形にタックルをかましそのまま窓をブチ破って車外に飛び出す。

「しろがねー!」

脱線した電車はサーカスのテントに突っ込んで止まった。
何とか無事に車内から脱出したものの、勝の前にはあの不気味な人形が迫る。
守ってくれる鳴海の姿も車外に投げ出されたまま見当たらず、絶体絶命のピンチに陥る勝。

「しろがねーっ!」

勝は最後の希望を託して祖父から伝え聞いたその名を叫んだ。

しろがね見参

しろがねは、いた。
遥か頭上に張られたロープに端然と立つ、白銀の髪と瞳を持つ美しい少女。
彼女は躊躇なく勝の前に舞い降りた。

トランクから飛び出した『あるるかん』

しろがねは勝の持っていたトランクから巨大な道化師型操り人形『あるるかん』を取り出すと、恐れる素振りもなく人形に戦いを挑む。
しろがねの操る『あるるかん』は圧倒的な強さを見せつけ、鳴海が手こずった人形を秒殺してのけた。

勝との再会を喜ぶしろがね

茫然としながらも助けてくれたしろがねにお礼を言い、やはり才賀の男の血が騒ぐのか『あるるかん』に興味を示す勝。
しろがねは勝を抱きしめて再会を喜び、自らの素性を明かした。

しろがねは勝の祖父がフランス滞在時に雇っていた勝の乳母の娘である。
勝自身は当時4歳であったため、フランスにいた記憶も、しろがねのことも覚えていない。
当時しろがねは11歳、苦しい生活をしていた母親と彼女を助けてくれたのが勝の祖父。
つまり、勝は母娘二代に渡る恩人の孫『お坊ちゃま』なのだ。

険悪ムード

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