からくりサーカス(Karakuri Circus)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『からくりサーカス』とは、藤田和日郎によって小学館『週刊少年サンデー』にて1997年~2006年にかけて連載されたアクション漫画。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。同時に才賀勝という少年が成長していく姿も描いており、敵との攻防だけではなく、様々な人間模様が同時並行的に進んでいる作品である。

『からくりサーカス』の概要

『からくりサーカス』は、藤田和日郎によって1997年~2006年にかけて『週刊少年サンデー』に連載されたアクション漫画。少年サンデーコミックス全43巻の他、ワイド版コミックスが全23巻と『からくりサーカス公式ガイドブック サーカスのすべて』が出版されている。人間と自動人形(オートマータ)、そして懸糸傀儡(マリオネット)を操る人形破壊者「しろがね」の間に巻き起こる戦いを描いた物語。主人公は才賀勝(さいがまさる)、加藤鳴海(かとうなるみ)、才賀エレオノール(さいがエレオノール/通称しろがね)の3名で、それぞれの成長譚でもある。

物語は、大きく「勝編」「からくり編」「サーカス編」「からくりサーカス編」「機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)編」に分かれている。
勝編では、勝と鳴海とエレオノールの出会いから、勝が泣き虫の少年から徐々に独り立ちして成長していく姿が描かれている。勝が莫大な遺産を得たことで命を狙われるが、鳴海とエレオノールに助けられながら、勝自身も強くなり敵に立ち向かっている。しかし、勝編の最後では、鳴海が二人の前から突然消えてしまう。

からくり編では、姿を消した鳴海のその後が描かれている。鳴海は、生命の危機に瀕していたが、「しろがね」であるギイとルシールに助けられる。その後しろがねの宿命を背負い、世界中の自動人形を倒し、ゾナハ病に苦しむ子供たちを助けるために戦いの世界へと足を踏み出すことになった。

サーカス編では、日本に残ったエレオノールと勝のその後が描かれている。二人は、ひょんなことから町のサーカス団「仲町サーカス」に入団することになる。そこで様々な人と出会うことで、勝が一人の人間として成長をしていく。

からくりサーカス編では、からくり編の世界とサーカス編の世界が交錯することになる。勝は、フェイスレスからエレオノールを守るため、自動人形たちとの戦いをすることになる。

機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)編では、勝・鳴海・エレオノールが敵対する自動人形たちとの最後の戦いが描かれている。

3人の主人公が数々の運命の巡り合わせによって交わり合い、やがて世界を救っていく。43巻という膨大なストーリーの中の伏線を回収し収束していく物語の中には多くのファンから絶賛され、また数多くの名言を生み出した。

『からくりサーカス』のあらすじ・ストーリー

勝編(プロローグ)

小学5年生の才賀勝(さいがまさる)は、大手家電メーカー「サイガ」の社長である父・才賀貞義(さいがさだよし)の死により、180億円という莫大な遺産を手に入れることとなった。しかし、そんな勝のことを異母兄弟たちが遺産目当てに襲うところからストーリーは始まる。

あるとき、勝は街で一人の男と出会う。彼の名前は、加藤鳴海(かとうなるみ)。鳴海は幼少期を中国で過ごし、そこで拳法を会得した屈強な青年だが、ある難病を抱えていた。それは「ゾナハ病」といわれる病気で、原因も治療方法も不明の病であった。症状を緩和させるには、他者の副交感神経を有意状態にする必要がある。すなわち、人を笑わせ続けないといけないのだ。
鳴海は常に人を笑わせる必要があったため、クマの着ぐるみを着てサーカスの宣伝をしながら、街行く人たちに愛想を振りまいていた。そこで、勝と偶然出会ったのだ。
鳴海と出会った直後、勝は追手に襲われ、誘拐されそうになる。そこを鳴海が間一髪で助けた。得意の拳法を駆使して追手を撃退した鳴海であったが、何かおかしいことに気づいた。彼らは、いくらダメージを与えられても表情を変えることも怪我をすることもない。勝を追っていたのは人間ではなく人形だったのだ。

勝は昔、祖父から「危ないことがあったら、このトランクを持って逃げなさい。きっと、しろがねが助けてくれる」と言われており、ずっと大きなトランクを抱えて逃げていた。
鳴海と勝がピンチに陥ったとき、とつぜん銀髪の女性が勝の前に現れた。そして、勝がずっと持っていたトランクから大きなマリオネット「アルルカン」を取り出し、それを巧みに操って見事に敵の人形を粉砕した。その女性こそが「しろがね」であった。
しろがねは、勝の祖父から「勝に何かあったときは助けるように」と命じられている人形遣いの達人だった。
その後も殺し屋の阿紫花英良(あしはなえいりょう)から追われ続けた勝であったが、ある時別の追手に連れ去られてしまう。それは「誘拐組」といわれる、阿紫花と同じ一族の別の派閥であった。その誘拐組も、勝の遺産を狙った親族が雇ったものであり、阿紫花を雇った親族とは別である。
誘拐された勝を、鳴海としろがねは助けに向かう。同時に阿紫花も勝を奪還しに向かう。
勝は自分を誘拐した叔父の才賀善治(さいがぜんじ)に勇気を出して抵抗し、出会った阿紫花と交渉して味方につけることに成功する。
鳴海としろがねは数々の困難を共に乗り越える中で、徐々に惹かれあっていった。ふたりが追い詰められたとき、勝は阿紫花を連れてふたりを助け出す。無事に合流した4人だったが、敵が仕掛けた時限爆弾が爆発し、あたりは炎に包まれる。阿紫花としろがねは脱出したが、勝と鳴海は取り残されてしまう。鎮火したとき勝は無事だったが、鳴海は左腕だけを残して姿を消していた。

からくり編

鳴海が意識を取り戻した時、彼は片腕と断片的な記憶を失った状態でフランスにいた。鳴海を助けたのは、医者を名乗るフランス人のギイとルシールだった。ギイは鳴海に「自動人形」という恐ろしい存在について教える。自動人形は自ら意思をもって動き、人間を殺戮して回るのだ。
自動人形を破壊する方法は2つあり、1つは一瞬でバラバラに破壊すること。そしてもう1つは人形の体内に一気に気を送りこみ、人形の体液を爆発させることだ。鳴海は昔中国で拳法を究めていたため、そういった気を送る手段を自然と身につけていた。鳴海はギイに「しろがね」としてスカウトをされ、ギイとともに自動人形を倒す旅に出るのであった。
ギイに連れられてフランスのキュベロンを訪れた鳴海は、自分の片腕が治ったからくりを教えられる。鳴海を救ったのは「生命の水(アクア・ウイタエ)」であった。アクア・ウイタエは錬金術という学問から作り出された万能霊薬で、キュベロンで生まれた。鳴海に使われたのは最後のアクア・ウイタエだった。
18世紀頃、1人の錬金術師が永遠の命を生み出すため、アクア・ウイタエを作り出した。そして、アクア・ウイタエを使って作られたのが自動人形(オートマータ)だった。最初に生み出された自動人形は「フランシーヌ」と名付けられ、人間そのものの見た目をしていた。しかしフランシーヌには「笑うことができない」という大きな欠点があった。フランシーヌは「笑う事ができれば、創造主である錬金術師が求めた理想の姿に近づけるのではないか」と考えた。フランシーヌは自分を笑わせてくれる存在を求め、アクア・ウイタエを模した疑似体液を使って自動人形を作り出した。彼らの体液は不完全なため、活動には人間の血を必要とする。生きるために殺戮を必要とする自動人形とフランシーヌを倒すため、しろがねたちは過酷な戦いに身を投じている。
しろがねとなる者は皆、もとは鳴海と同じゾナハ病の患者なのだった。患者たちはしろがねの誰かから「このまま死ぬか、しろがねとなって戦うか」という選択を迫られることになる。鳴海もまた、自動人形が生み出す悲劇を止めるため、しろがねとなることを決意する。

しろがねたちは「真夜中のサーカス」という一団を追っている。世界各地に現れる神出鬼没のサーカス団で、彼らが現れた場所はゾナハ病患者で溢れかえる。彼らはゾナハ病の根源であり、フランシーヌを頂点とする自動人形の殺戮集団なのだった。

鳴海は真夜中のサーカスを追う旅の中で、しろがねのルーツも知ることになる。およそ200年前、ルシールという娘が住んでいたクローグという小さな村を怪しげな男が襲った。多くの村人が惨殺され、残った村人はゾナハ病に感染させられた。その男のかたわらには笑わない自動人形、フランシーヌがいた。その5年後、「白銀(しろがね)」と名乗る男が村の跡地を訪れ、井戸の水に「柔らかい石」を溶かし、アクア・ウイタエの泉を作り出して姿を消した。ゾナハ病に侵された人間がそれを飲むと、ゾナハ病から解放されるかわりに錬金術の知識や諸外国の言語、人形の扱い方、そして自動人形を倒すという執着心が頭の中に流れ込んだ。アクア・ウイタエはどんな金属でも溶かす液体であり、例え人間であっても溶かすことができる。そして、その溶けた人間のすべての情報がアクア・ウイタエの中に記憶され、飲んだ人へと受け継がれる仕組みとなっていた。アクア・ウイタエとは、「柔らかい石」の溶液の中に白銀が飛び込み、彼の肉体を溶かすことで作り出されたものだったのである。
こうして、白銀の意思によって支配された「しろがね」が生まれた。
真夜中のサーカスは、アクア・ウイタエを作り出すことができる「柔らかい石」を探していた。それは人間の子どもの体内に入れて保管されるもので、かつてルシールの娘アンジェリーナの体内にあったものだ。アンジェリーナは戦いから離れて18年前に日本で亡くなったということがわかっていたが、柔らかい石の行方は誰も知らなかった。

鳴海は戦いの中で、ゾナハ病が生み出す悲劇や戦いの中でしか生きられないしろがねの悲哀、そして残虐非道な自動人形の行いを目の当たりにする。鳴海はたとえ悪鬼羅刹となろうとも自動人形を倒し、フランシーヌが生み出す悲劇を終わらせると誓う。
鳴海が中国へ向かうために仲間と共に乗った飛行機で自動人形たちに襲われ、飛行機は日本に不時着する。鳴海はそこで、自動人形の残党に襲われていた勝としろがねを助けるが、記憶を失ったままの鳴海はふたりに気付くことができなかった。
中国に渡った鳴海は、拳法の師匠である梁と娘のミンシアに会う。そこで梁がもともと人形遣いの家の生まれであることがわかり、鳴海はしろがねとフランシーヌの本当のルーツを知ることになる。
200年前。中国のとある人形使いの一家に、白銀と白金という兄弟がいた。彼らは「人形を人間のようにしたい」という志を持ち、錬金術を学び始め、ヨーロッパのプラハへと向かう。そこで兄弟が出会ったのが、貧しくとも明るさと優しさを失わないフランシーヌという女性だった。兄弟は同時にフランシーヌに惹かれていく。
弟の白金はフランシーヌへの恋慕を募らせていたが、フランシーヌと結ばれたのは兄の白銀だった。兄への憎しみと嫉妬に支配された白金は、フランシーヌを拉致して失踪してしまう。白銀は消えたふたりを探しまわり、9年後にようやく見つけたときには、白金は正気を失い、フランシーヌは疫病に侵されて村人に幽閉されていた。白金はフランシーヌを治すために生命の水を完成させるが、フランシーヌは自ら小屋に火を放って命を落としてしまった。そして白銀と白金は二度と会うことはなかった。

鳴海とルシール、そしてミンシアは真夜中のサーカスの本隊の居所をつきとめる。場所はアフリカのサハラ砂漠。「フェイスレス」という総統が率いる世界中のしろがねがサハラ砂漠に集結し、決戦がはじまった。
敵の自動人形だけでなく仲間のしろがねも次々に倒れていき、総統のフェイスレスまで命を落とす。鳴海と仲間たちは真夜中のサーカス最古の人形であるアルレッキーノ、ドットーレ、コロンンビーヌ、パンタノーレ、そして諸悪の根源フランシーヌのもとにたどり着いた。
鳴海たちは最古の人形に追い詰められていくが、ルシールが娘アンジェリーナそっくりの人形を使って状況を打破する。アンジェリーナを模したその人形は、なぜか戦いを見守るフランシーヌにも似ているのだった。
鳴海は戦いの中で手足を失うが、死んでいった仲間の使っていたマリオネットの手足を義肢として装着することで復活を果たす。すべての人形を倒した鳴海はようやくフランシーヌへと迫ったが、そこでフランシーヌの口から衝撃の事実が明かされる。
彼女はかつてフランシーヌ自身が作った、フランシーヌの偽物だった。最古の人形たちすら知らないまま、真夜中のサーカスは偽物のフランシーヌに従っていたのだ。鳴海が破壊したフランシーヌの偽物のパーツには日本語が書かれていた。本物のフランシーヌが日本へ向かったことはわかったが、ルシールを含めたほとんどのしろがねが死んでしまい、残ったのは鳴海とミンシアだけ。多くの仲間たちが命をかけたこの戦いは、まったくの無駄だったのだ。

サーカス編

鳴海が姿を消した後、勝はしろがねと共に日常生活へ戻っていた。勝は小さなサーカス団「仲町サーカス」に出会い、もともとサーカスにいたしろがねに「好きなことをしてほしい」と仲町サーカスを紹介する。そして遺産を狙う刺客の攻撃に友人たちを巻き込まないため、勝は小学校を離れてしろがねと仲町サーカスと共に巡業の旅に出た。勝はしろがねと共に追っ手をかわしながらサーカスを盛り上げ、新たな仲間と出会いながら成長していく。
あるとき、勝は飛行機の不時着現場の近くで大怪我をしていたギイに出会う。ギイはむかし世話をしていたしろがね、本名エレオノールと再会し、鳴海とエレオノール、そして勝がお互いを知っていることに驚く。

勝が大企業の社長の隠し子で、その遺産である180億円を相続しているという事実がサーカスの仲間たちに知られてしまった。自分の素性に負い目を感じていた勝は、ギイの「君が今の君になった始まりの場所に行くといい」というアドバイスを受けて善治の屋敷の跡地に向かった。するとそこにいた土地の管理人が、勝に地下室の鍵を渡す。勝の父が、「勝がここにやってきたらこれを渡すように」と管理人に命じていたのだ。勝は、父親の手の上でいまだに踊らされていたのであった。
地下室に入るとひとりでに明かりがつき、蓄音機から父の声が聞こえてきた。そして、「お前は才賀勝ではない」という衝撃の事実を語りだす。勝の父、才賀貞義(さいがさだよし)曰く、勝の体は貞義の記憶を転送するための器に過ぎず、その地下室は万が一勝の体に記憶が転送されなかったときのための部屋だった。そこには記憶を転送するための装置や、記憶を呼び覚ますための資料などが保存されていた。また、勝の体格で操れるようにデザインされたマリオネットも用意されていた。
そのとき、勝を貞義と勘違いした刺客が襲い掛かってくる。勝は鳥型の自動人形グリュポンとマリオネットと共に刺客を撃退し、自分が何者なのか知るために動き出した。勝を追ってきた敵は黒賀村の者であり、そこにはぎりぎりの状態で生きながらえている勝の祖父、才賀正二(さいがしょうじ)の姿があった。勝は黒賀村の者に捕らえられ、正二と対面する。
正二は勝のことを貞義だと認識しており、いくら勝が否定をしても聞く耳を持たない。そして正二は勝に正二の血(アクア・ウイタエ)を飲ませ、貞義がしてきたことの罪の意識を確認するために、正二が歩んできた記憶をたどらせることにした。

江戸時代、長崎は出島の近く、武家の次男として生まれた正二(当時は正二郎)。そんな正二は、ある日銀髪の医師と出会う。あらゆる知識や人形作りに精通する彼から、正二は様々なことを学ぶ。医師の名前は「白銀(バイジン)」といい、正二は彼の歩んできた数奇な人生の話に聞き入った。正二は友情の証として白銀に「しろがね」という日本語の名前を贈る。その後、白銀は姿を消してしまった。
大人になり医学の道へ進んだ正二は、あるとき遊郭で不思議な魅力を持つ遠野太夫と出会う。彼女はルシールの娘アンジェリーナだった。母と別れて孤独に世界をさまよったアンジェリーナは長崎に流れ着いていたのだ。
永遠にも等しい時間をひとりで耐えなければならないアンジェリーナに正二は強く惹かれ、アクア・ウイタエを飲んで彼女と同じ時間を生きることを選択する。時が流れ、アンジェリーナは子どもを身ごもり、夫婦はディーンというしろがねに助けられて黒賀村に居を移した。
そんなふたりのもとに、若き日のギイがやってくる。アンジェリーナの体内にある柔らかい石を取り出し、生まれてくる子どもに移すためだ。強引に事を進めようとするギイはアルルカンを操るアンジェリーナに敗れるが、彼女の優しさに触れて少しずつ心を開いていく。
そんなある日、正二がフランシーヌ人形を連れて村に帰ってきた。フランシーヌは、アンジェリーナに自らを解体してもらうためにはるばる日本にやってきたのだ。アンジェリーナはしろがねの宿敵フランシーヌにも優しく接し、友情をはぐくむ。そして正二、ギイ、フランシーヌが見守る中、アンジェリーナは女の子を出産した。エレオノールと名付けられたその子を見守るうちに、フランシーヌの中に何かが芽生える。
エレオノールの誕生から2ヶ月後、柔らかい石を狙って、数百体もの自動人形が押し寄せた。フランシーヌは人形たちに命じて下がらせようとするが、彼らはフランシーヌの命令を聞かない。真夜中のサーカスではない、別の勢力の人形なのだった。アンジェリーナと正二、そしてギイは必死に戦うが、アンジェリーナが命を落としてしまう。
フランシーヌはアンジェリーナに託されたエレオノールを抱えて逃げ、井戸の中に隠れる。すると井戸の水に何かが溶け出し輝き始めた。エレオノールの中にあった柔らかい石が解け、井戸の水がアクア・ウイタエになったのだ。フランシーヌはアクア・ウイタエに溶けながら必死に手を伸ばしてエレオノールを支え、不安がって泣く彼女を安心させようと笑顔であやし続けた。
戦いの後、正二とギイは井戸の中で泣くエレオノールを発見する。彼女はアクア・ウイタエを飲んだことでしろがねの体になってしまっていた。エレオノールがフランシーヌの溶けたアクア・ウイタエを飲んでいることを隠し通すため、正二とギイはしろがね本部にエレオノールを預け、成長したエレオノールを日本に派遣させて正二のそばで暮らすという計画を立てた。しかし数年後、正二が会いに行ったエレオノールは初めて会うはずの正二に対して何度もあったことがあるかのような態度をとり、心のない人形のような少女になっていた。正二は誰かが裏で糸を引いていることを悟る。
ギイの調査の結果、ディーン(後の貞義)が怪しいということがわかった。彼は愛人との間に生まれた勝を餌に、ほかの子どもたちを巻き込んで黒賀村を壊滅させようと目論んでいた。
ディーンは黒賀村にゾナハ病をばら撒き、正二を黒賀村に呼び寄せた。ディーンは正二と兄弟のように過ごしていたが、実は正二のことを恨んでいた。彼はアンジェリーナのことを愛していたのだ。ディーンは、勝に自分の記憶を描きこんで乗っ取ろうと企んでもいた。
正二はディーンとの戦いの末、体のほとんどを失うことになったが、ディーンを倒すことができた。

正二の記憶を見た勝は、大好きな祖父の運命を悲しんだ。すると勝の中に、ひとつの記憶が現れる。それは自動人形とゾナハ病全ての元凶となった人物、白金の記憶であった。
勝はみるみる表情が変わり、白金と名乗る。白金は自分が作ったフランシーヌ人形を捨てて中国に戻り、死のうとしていたところ、自分が溶けたアクア・ウイタエを1人の人間に飲ませ、その人を乗っ取って生まれ変わるということを思いついた。また、フランシーヌの遺髪を溶かしたアクア・ウイタエを別の女性に飲ませれば、その人をフランシーヌとして愛することができると考えた。白金は体を乗り換えながら、フランシーヌの遺髪を持っているフランシーヌ人形を探し始めた。
キュベロンへと戻った白金は、しろがねの本拠地となった自分の住みかと、フランシーヌそっくりの少女アンジェリーナに出会う。白金はディーン・メーストルと名乗って素性を隠し、アンジェリーナとの日々を楽しんでいた。しかしある日突然アンジェリーナは姿を消し、見つけたときには日本で結婚して子供まで身ごもっていた。白金は絶望したが、フランシーヌに瓜二つのエレオノールを見つけたことで、彼女に自分のことを愛してもらおうと思いついた。そのために正二がエレオノールを日本に呼び寄せようとしていたことを逆手にとり、勝になり変わろうと企んだのだ。
白金がそう語ったとき、フェイスレスが配下を引き連れて現れ、黒賀村を襲撃した。真夜中のサーカスとの戦いで散ったはずのフェイスレスの正体は白金だったのだ。

からくりサーカス編

勝はフェイスレスとの激闘の末、フェイスレスから2年間のゲームを言い渡された。それはフェイスレスから送り込まれる刺客から、陰ながらエレオノールを守るというものであった。勝は仲町サーカスとエレオノールから離れ、ギイや阿紫花の力を借りて修行を積むことを決心する。
勝が去った後、エレオノールのもとに鳴海が乗り込んできた。エレオノールは再会を喜ぶが、鳴海はかつての暖かな好青年の面影はなく、戦いに身を置く冷酷な男になっていた。鳴海はエレオノールをフランシーヌと見なして襲い掛かってくる。鳴海は戦いから離れて世界中の情報を集めているしろがねに会い、エレオノールがフランシーヌの溶けだしたアクア・ウイタエを飲んだことを知ったのだ。鳴海たちはフランシーヌがエレオノールの体を乗っ取って生き延びていたと考えていた。しかしエレオノールにそんな自覚は全くなく、ふたりは徹底的にすれ違ってしまう。
一方、様々な困難を乗り越えて強くなった勝はエレオノールと鳴海、仲町サーカスの面々と再会を果たした。

機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)編

フェイスレスは世界中にゾナハ病をばらまき、ほとんどすべての人類に感染させてしまう。黒賀村の住民たちもゾナハ病にかかってしまうが、仲町サーカスのメンバーはエレオノールと共に行動する中で抗体ができ、無事だった。しかし村を襲ったフェイスレスによってエレオノールが連れ去られてしまう。
修理されフェイスレスの配下となっていた最古の4人はフランシーヌと瓜二つのエレオノールを見て、彼女に仕えるようになる。エレオノールはそのことを利用して彼らに「もう人間を傷つけてはいけない」と命じた。4人はフランシーヌが作り出した自動人形でありながら、フェイスレスと戦う人間たちを助太刀することになる。
鳴海はゾナハ病の研究機関を守るために仲間たちと共に自動人形と戦い、勝はエレオノールを追ってフェイスレスの本拠地へ向かった。

勝は城の中で最古の人形の1体であるコロンビーヌに出会い、エレオノールへの恋心を指摘される。まだ幼い勝は恋を自覚できずに混乱するが、コロンビーヌはそんな勝を援護する。
フェイスレスは城に用意したスペースシャトルで勝を待ち構えていた。彼の狙いは勝に自分の記憶と意思をインストールし、エレオノールとふたりきりで宇宙へ旅立つことだった。勝はフェイスレスの罠にはまってしまうが、かつてエレオノールが勝に与えた血が彼を救った。アクア・ウイタエの濃度が高いエレオノールの血が、勝をフェイスレスの支配から守ったのだ。
勝はエレオノールを奪還し、フェイスレスひとりを乗せたスペースシャトルを宇宙へ飛ばすことに成功した。崩れ行く城の中で勝はコロンビーヌに助けられ、コロンビーヌは自分の人生に満足して死んでいく。

フェイスレスは去ったが、依然としてゾナハ病は世界に蔓延し、唯一治療法を知るフェイスレスは宇宙ステーションにいる。そこで、スペースシャトルでフェイスレスを追い、治療法を聞き出すという作戦がたてられた。しかし多くの発射台は自動人形に破壊されていたため、かろうじて残っている発射台まで長い旅をしなくてはならない。シャトルを運ぶ蒸気機関車に鳴海とエレオノールが乗り込み、護衛としてアルレッキーノ、パンタローネ、仲町サーカスのメンバーが乗り込むことになった。シャトルに乗ってフェイスレスに会いに行くのは鳴海の役目だ。
自身の死期を悟っていたギイは、嘘の情報を流して地上に残った自動人形たちを1カ所に集め、自分ひとりで彼らを相手取るという選択をする。激しい戦いの末、事前に仕掛けていた爆弾を起爆し、自分もろとも自動人形を破壊して最後のステージを演じきったのだった。
鳴海とエレオノールが乗る列車にも、次々と強力な自動人形が現れる。仲町サーカスの面々は鳴海たちを進ませるために自動人形と戦い、脱落した。さらにパンタローネとアルレッキーノも倒され、鳴海とエレオノールも戦うことになる。
激しい戦いの末に発射台へ辿り着いた鳴海だったが、そこに自動人形の大群が押し寄せる。鳴海はひとりで自動人形を相手取り、苦戦を強いられたが、ふと背後にもう一人の気配を感じた。それは鳴海のピンチを救うために駆けつけた勝だった。鳴海は振り返る余裕がなかったため、応援に来たのが勝であるということには気が付かず、そのまま2人ですべての敵を倒しきる。勝は鳴海に自身の正体を隠したまま、「自分がシャトルに乗る」と鳴海に宣言する。勝は、シャトルに乗ると地球には帰れないことを知っていた。鳴海を愛するエレオノールを悲しませないため、自分が行くことを決意したのだ。こうして勝は、フェイスレスが待つ宇宙ステーションへと旅立った。
一方、エレオノールは自動人形を相手に苦戦を強いられていた。満身創痍になりながらも殺されそうになっていた民間人を救うため、死を覚悟して人形に立ち向かうエレオノールのもとに、鳴海が駆けつける。鳴海は自動人形を打ち倒し、ついに自分がエレオノールを愛していたことを思い出した。鳴海はエレオノールに愛を誓い、ふたりは結ばれる。

勝はグリュポンンと共に宇宙ステーションに辿り着いていた。フェイスレスは勝をあっさりとステーション内へ招き入れる。フェイスレスはもとの白金の姿になっていた。白金が勝に会おうと思ったのはゾナハ病の治療法を教えるためではなく、なぜ勝がエレオノールを鳴海に譲ったのか尋ねるためだった。かつてフランシーヌを力づくで奪った白金は、好きな女性を簡単に譲ってしまった勝のことが理解できないのだった。
勝は自分の気持ちを自覚できないでいたが、フェイスレスの城でコロンビーヌに指摘されたことや白金の問いかけによって、徐々に自分がエレオノールを愛していることを理解していく。白金は「好きならば奪えないいじゃないか」と言うが、勝は何より大事なことは鳴海とエレオノールが愛しあっていることだと主張し、「それで奪ったとしても、幸せになれるのか」と白金に問いかける。
白金は初めて、「フランシーヌを奪ったことで自分は幸せになったのか」と自問自答する。
そこに、白金が作り出した自動人形のディアマンティーナが現れた。ディアマンティーナは白金を愛し、白金に会うためにスペースシャトルにこっそり乗り込んでいたのだ。白金にとってディアマンティーナはただの道具のひとつに過ぎず、ディアマンティーナの愛に応えるわけもない。白金に拒絶され、分解されたディアマンティーナは暴走し、宇宙ステーションの中に仕掛けた爆弾を爆発させ、白金にも致命傷を負わせてしまった。
ステーションは地球へと落下していくが、落下地点はなんと黒賀村だった。軌道を変えるためには噴射ロケットを作動させなければならないが、それも故障してしまっている。勝は白金に頼み込み、ふたりで人形を操って宇宙空間にある装置を修理する。白金はかつて、兄とふたりで人形を操ってフランシーヌを笑わせていたことを思い出した。
無事に黒賀村への落下を免れたステーションだったが、白金の命は長くない。勝は再度、白金に「ゾナハ病の治療法を教えてほしい」と縋る。白金は弟の自分を見ていた白銀のような思いで勝を見るようになっており、とうとうゾナハ病の治療法を口にする。
それはエレオノールの歌だった。かつてフランシーヌが歌った歌をゾナハ病の病原菌に聞かせると、「病気にさせる」から「病気を治す」モードに変わるという仕組みだった。通信でそのことを知ったエレオノールは全世界に自分の歌を放送し、ようやく世界中のゾナハ病患者が救われた。

勝は白金に「一緒に脱出して仲町サーカスに入ろう」と誘う。白金はその申し出を断って勝をひとりで脱出させ、ステーションで命を終えることを選択した。グリュポンも、創造主である白金と共に残ることを選んだ。グリュポンに「なぜ勝を助けたのか」と尋ねられた白金は、「弟のことを助けるのが兄だもんな」と呟く。ステーションが爆発する瞬間、白金は兄の白銀に「僕が間違っていたよ」と懺悔し、その生涯に幕を下ろした。

6年後。
鳴海とエレオノールはふたり組のサーカスとして世界中を旅してまわり、子ども達を笑顔にしていた。
勝は旅芸人として腕を磨きながら、世界中のサーカス団を渡り歩いている。
かつての仲間たちはそれぞれの形で、自分のサーカスを続けているのだった。こうして物語は幕を閉じる。

『からくりサーカス』の主な登場人物・キャラクター

主人公

才賀勝(さいが まさる)

CV: 植田千尋、観世智顕(青年)
演:林智子(劇団ヘロヘロQカムパニー)、(2012年)/深澤大河(2019年)

『からくりサーカス』の主人公の一人。才賀グループ社長である父親の死をきっかけに、莫大な遺産を全て相続したことから、腹違いの兄弟から遺産目当てに命を狙われることになる。
昔父親がいなくなり身の危険を感じたら「あるるかん」の入ったトランクをもって逃げ、しろがねが助けてくれるのを待つようにと祖父(才賀正二)から言われ、いざ命をねらわれるとその教えの通り逃げる。その時、加藤鳴海やしろがね(エレオノール)と出会うことになる。
最初のころは、弱虫で助けてもらってばかりの少年で、命を狙われたときも加藤としろがねに助けてもらった。しかし、その過程で勝は精神的に強くなり、最終的には二人のことを助けるようになる。

彼の母親は父貞義の愛人であり、勝は母親が亡くなった後、貞義に引き取られた。しかし貞義は身寄りのない勝を愛情をもって引き取ったわけではなく、彼の野望である永遠の命のために使うスペアの肉体として用意されただけであった。
その後仲町サーカスと出会い、しろがねとともに入団する。しばらく一緒に生活をしていたがある日ギイと出会い、自身の存在の意義と秘密、そしてしろがねとフェイスレスを中心とした全ての真実を知ることとなる。ギイの助言とともに黒賀村へと行き、そこで自分が貞義に利用されていた(貞義自身の記憶を勝に転送し、貞義が勝の肉体を乗っ取るため)ことを知る。勝自身過去に少し記憶を転送(ダウンロード)されかけた事があったため、貞義が持つ人形使いのスキルなどを引き継いでいる。

また、サーカス編中盤で祖父である才賀正二の記憶と経験を生命の水によって受け継いでいる。そのため正二が得意とした剣術を得手としたほか、貞義が残した人形三体を操り、真夜中のサーカスの幹部勢にすら引けを取らない強さを発揮。正二の記憶や貞義の記憶・スキルを身につけていたため、人形使いの腕や瞬間的にものを分解する力(貞義が得意とする力)などの小学生とは思えぬ技術を持っており、その後続く様々なピンチを潜り抜けることになる。また、主に使用した人形はカボチャのお化けを模した「ジャック・オー・ランターン」。

しろがねをフェイスレス(貞義)から守るため、命がけの戦いを繰り広げる。それほど、勝のなかでしろがねは大切な存在となっていく。
終盤スペースシャトルの防衛戦では、鳴海に背中を預けさせる程にまで成長。白金の記憶を転送された影響もありしろがね(エレオノール)を女性として愛するようになっていたが、彼女の幸せを何より願い、鳴海にしろがねを託す。自身はアポリオンの止め方をフェイスレスから聞き出すべく、グリュポンらと宇宙へ飛び立つ。

物語の完結後は心身共に立派な青年へと成長し、相続した莫大な遺産の残りは全額寄付をした。鳴海のことを意識してか武道を身に着けたような描写もあり、用心棒4人を一撃でKOするほど腕っ節も強くなっていた。作中高純度の「生命の水」を飲んではいるが、しろがね化はしていない。ただ、多少出血しても死なないような体にはなっていた。
最後はかつての鳴海のように世界を渡り歩いている最中、何者かに追われている少年少女を助け、新たな運命(サーカス)に飛び込むところで終わる。

加藤鳴海(かとう なるみ)

CV: 小山力也
演:吉久直志(2012年)/滝川広大(2019年)

『からくりサーカス』の主人公の一人。19歳と年齢は若いが見た目は大人びており、ノリやヒロからも「とても19歳には見えない」と言われている。
日本人であるが、子供のころ中国に住んでいたこともあり、中国武術の使い手でもある。昔はいじめられっ子であったが、強くなるため梁師匠のもとに弟子入りするとめきめきと頭角を現し、一番弟子へと成長をとげた。
また人を笑わせないと生きていけない「ゾナハ病」に罹っており、勝と出会ったときは人を笑わせるためにサーカスの一員として子供に風船を配っていた。しかし、本人は人を笑わせるのがあまり得意ではない。物語の中では、そういったなかなか人を笑わせることができない鳴海を滑稽に描くシーンが多い。
また子供に対する愛情が深く、しろがねとなり世界を旅することになったのも、ゾナハ病に苦しむ子供たちを救うというのが原動力となっていた。

物語冒頭で勝と出会った後、才賀善治に誘拐された勝をエレオノールと共に助けに行くが、戦いの中で左腕を遺して行方不明となる。その際ギイによって助けられしろがねとなるが、部分的な記憶喪失に罹り、ゾナハ病患者になって日本に帰国してから左腕を失うまでの記憶を失う。
左腕の義手として「あるるかん」の腕を付け、ゾナハ病をばら撒き人々を苦しめる自動人形と壮絶な戦いを繰り広げる。
しろがねは武器を使って自動人形と戦うことができないため、基本はマリオネットを使用するが、鳴海はしろがねで唯一(しろがね犬以外で)武器を使わず拳法を駆使して戦う。
拳法によって人形に「気」を送りこみ、人形の中にある疑似体液が沸騰することで、倒すことが可能となる。このようにマリオネットを使わない戦いぶりは、「しろがね」だけでなく、敵陣の自動人形たちにも話題にされた。

しろがねとなった後ギイとルシールとともにレイ疫病研究所に訪れた際に、ゾナハ病に苦しむ子供たちを目にし、自動人形に対する憎悪が頂点に達する。その時自分自身を悪魔(デーモン)だといい、圧倒的な力によって敵を倒す。
元々熱血漢であり、「しろがね」となった後もそのような感情を持ち合わせた性格は変わらず、ルシール含めたまわりのしろがねたちに「しろがねらしくない」と評される。しかしルシールは「鳴海に使った最後の生命の水はクローグ村の井戸の底にあったので、一番濃い白銀の記憶がやどっているのでは」と推測していた。それが起因か、白銀の故郷である中国へやってきた際自然と白銀の記憶がフラッシュバックし、様々な事実を知ることになる。

サハラでの最終決戦では、瀕死の状態に陥る。しかし仲間たちが命がけで鳴海のことを助け、体中人形のパーツを付けたロボットのような状態となるが、復活を果たす。その戦いを通し大切な仲間を何人も失った末に、フランシーヌ人形が偽物だったことを知り、全員が無駄死にだと思い絶望する。
その後しろがねのパトロンでもあるフウと出会い、彼の推測によりしろがね(エレオノール)をフランシーヌ人形の生まれ変わりと思い込み、憎むようになる。そのため記憶を取り戻した影響もあり、心底では以前と共通してエレオノールを愛しながらも、再会した時からずっと冷酷な態度をとっていた。だが最終章での勝の啖呵により自分の中の葛藤に決着を付け、彼女と和解し告白した。
物語の完結後はエレオノールと共に二人だけのサーカスとして世界を回っている姿が描かれている。四肢の内、左腕だけはかつて勝が英良に依頼して冷凍保存されていたため、生身に戻ることができた。

才賀エレオノール(さいが エレオノール)/才賀しろがね(さいが しろがね)

CV:林原めぐみ/横山智佐(サンデーCM劇場)
演:森澤碧音(DancecompanyMKMDC)、(2012年)/大西桃香(2019年)、飯田里穂(2019年) ※ダブルキャスト

本作のメインヒロイン。
マリオネット「あるるかん」を操る美女で通称「しろがね」。肉体年齢は18歳。長い間世界中のサーカスを転々としてきた。才賀正二の命により勝を守護することになり、勝のことを「お坊ちゃま」と呼び、勝のためなら命も惜しまず行動をする。また、それが行き過ぎたせいか、過保護な一面もある。
父親は才賀正二で母親はアンジェリーナであるが、生まれながらにしてしろがねとなったエレオノールの人生を憂いた父と当時一緒にいたギイは、エレオノールには普通に暮らしてほしいと願う。またアンジェリーナの体内からエレオノールの体内に柔らかい石が移り、そのことを周囲に知られないためにも彼女は死んだことにされ、またあえて両親のことを知らされずに暮らすことになった。
しかし結果的にしろがねとしてルシールたちから人形の操り方を学び、ギイとともに世界中の自動人形を倒して周った過去がある。
幼少期から自分は人形だと思っていたこともあり、心から笑ったことはない。しかし鳴海や勝との出会いにより人間的な感情を表していくことになる。

フランシーヌ人形とフランシーヌ(オリジナル)の髪が溶けた生命の水を飲んだことによって、両者の記憶の一部を持っている。そのため幼少期には、フランシーヌが死ぬ直前疫病で地下の暗室に閉じ込められていたことを思い出し、泣いていたこともあった。またそのこともあって容姿が似ていたこともあり、再会した鳴海からはフランシーヌ人形の生まれ変わりだと思われた。また自動人形のパンタローネとアルレッキーノからもその容姿もあって慕われており、世界中にゾナハ病が広まった原因がフェイスレスが彼女を狙ったためであることから、ローレンシュタイン公国にいる生き残りの人々からも冷遇される。だが怪我人の手当てをしたり、浄水施設の水に自分の生命の水入りの血液を毎晩大量に入れたりと、献身的に行動していた。
ハーレクインとの戦いの後鳴海に告白され、その時初めて心から笑うことができた。

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