マキムラマコト／筱喬／館山マコト（龍が如く）とは【徹底解説・考察まとめ】

マキムラマコト／筱喬／館山マコトの概要

マキムラマコト／筱喬（シャオチャオ）／館山マコト（たてやまマコト）とは、『龍が如く』シリーズに登場するキャラクターで、『龍が如く0 誓いの場所』ではメインヒロインを務めている。大阪・蒼天堀の整体院「ほぐし快館」で働いており、そこではマキムラマコトと名乗っている。中国生まれの残留孤児2世で、本名は筱喬（シャオチャオ）。
日本に馴染めずにいた母の自殺をきっかけに家出し、兄を探すために蒼天堀で暮らしていた。しかし、「兄の居場所を知っている」と言う人物に騙され、韓国系のマフィア組織に売り飛ばされ、非合法な売春に従事させられてしまう。それがきっかけで心因性の視力障害になり、白杖を使った生活を送ることとなる。その後は李文海（リー・ウェンハイ）に助けられ、彼が営む「ほぐし快館」で整体師として技術を磨きながら生計を立てていた。
自身も知らぬ間に相続していた「カラの一坪」によって、極道の抗争に巻き込まれ、波乱万丈な人生を送ることとなる。
『龍が如く 極2』では結婚しており、館山（たてやま）マコトと名乗っている。

マキムラマコト／筱喬／館山マコトのプロフィール・人物像

性別：女
本名：筱喬（シャオチャオ）
出身：中国
職業：整体師
年齢：20歳（『龍が如く0 誓いの場所』）→37歳（『龍が如く 極2』）
CV：沢城みゆき

外見は茶髪のボブカットが特徴的な美人。。『龍が如く5 夢、叶えし者』に登場する朴美麗（パクミレイ）はどこかマコトに似た雰囲気を持つ。『龍が如く』シリーズは実在の人物をモデルにしていることも多いが、マコトはモデルとなった人物はいない。
心因性の視力障碍で目が見えないため、突然人が現れると酷く驚いたり、怖い目に遭うと近くの人に縋りついたりする。人並みの弱さを持つ等身大の女性として描かれている場面も多いが、優しさと芯の強さを併せ持っており、作中では思わぬ行動力を発揮することもある。

マキムラマコト／筱喬／館山マコトの来歴・活躍

「ほぐし快館」で整体師になるまで

中国生まれの残留孤児2世だったマコトは、日中国交正常化の影響で母方の祖父にあたる牧村源三（まきむらげんぞう）のもとに身を寄せた。しかし母親は日本の生活に馴染めずに自殺をしてしまう。それをきっかけにマコトは行方不明となっていた兄を探すために家出し、大阪の蒼天堀で生活を始めた。そんな時、尾田純（おだじゅん）という悪党に「兄を知っている」と騙されて韓国系のマフィア組織に売り飛ばされてしまった。マコトはそこで非合法な売春を強いられ、それが原因で心因性の視力障害を負い、ほぼ失明状態となった。マコトが最後に見たのは、自分を騙した男の腕に刻まれていた蝙蝠の刺青だった。

『龍が如く0』が始まる半年前、大陸系の組織に雇われた殺し屋として活動していた李文海が、マコトを所有する韓国系のマフィア組織と揉めた。韓国系のマフィア組織を襲撃した李文海は、そこでマコトをはじめとする非合法な手段で連れて来られた女性たちを発見。彼女たちは脱出のチャンスが訪れると散り散りに逃げ出したが、目の見えないマコトはタイミングが分からず、李文海に縋りついたまま動けなかった。病気の娘を死なせてしまった過去を持つ李文海は、娘の面影があるマコトを見捨てることができず、彼女を救出すると自身が経営する「ほぐし快館」に雇い入れて匿うことにした。それからマコトは、「筱喬」ではなく「マキムラマコト」という整体師として生きていくことになった。

真島との出会い

整体師としての技術を磨きながら生計を立てていたマコトは、「ほぐし快館」で真島吾朗（まじまごろう）という男と出会った。東城会の組員だった真島は当時、極道社会から追放されており、組への復帰の条件としてマキムラマコトの殺害を命じられ、「ほぐし快館」に乗り込んだのである。真島はマキムラマコトのことを、殺すに値する悪漢だと聞かされていたが、やってきたのは女性だった。しかも真島の存在を認識していないことから、盲目だということが真島にも分かった。

真島はどう判断してよいのか分からず、とりあえずは息をひそめて彼女の動向を見守った。その時、店の電話が鳴った。振り返ったマコトに反応できず、真島は彼女とぶつかってしまう。そこで初めて真島の存在に気付いたマコトは思わず「ドロボー！助けて！！」と叫んでいた。真島は彼女をなだめるために、必死で「俺は客だ」と呼びかけた。その甲斐あって彼女は真島が泥棒ではないと認識したが、「怖かった」と言って泣き出してしまった。
マコトは泣きながらも整体院に来た真島の体のことを心配する。その場の流れでマッサージを受けることになった真島だが、あまりの気持ちよさから施術中に寝てしまった。真島が彼女に起こされた時、ちょうど店長が店に帰ってくる。店長の李文海は明らかに堅気の人間ではなかった。真島は彼がターゲットだと察し、李文海の方も真島が刺客だと理解した。李文海の計らいでマコトが店を出た後で、2人は戦い始める。その最中にガラの悪い男たちが店に入ってきた。彼らは李文海に「マキムラマコトはどこだ」と問い詰める。そこで初めて真島は、盲目の女性がマキムラマコトだと認識した。真島が状況を理解できずにいるうちに、マコトが帰ってきてしまった。李文海は銃で撃たれてマコトは連れ去られた。

李文海にマコトのことを頼まれた真島は、状況が分からないまま、男たちを追いかけてマコトを取り返した。そして彼女を連れて安全な場所に避難する。腰の抜けたマコトに縋りつかれた真島は、慣れないながらも彼女を宥めた。しかし真島は彼女を殺さなければ組に戻ることはできない。彼女を倉庫へと連れていくと、ヤクザがマコトを狙っていることについて問いただした。マコトは「心当たりなどない」と言っていたが、真島が「マコトは蝙蝠の刺青の男を探しているらしい」と漏らすと言葉を詰まらせた。蝙蝠の刺青の男は、マコトを騙した男のことだ。
マコトは「知りません」と言うと、逆に真島に対して「あなたは誰なのか」と問いかけた。真島は逡巡すると、「マキムラマコトを殺せと言われた殺し屋だ」と正直に答える。

李文海の死

真島の発言に怯えていたマコトがどうにか落ち着きを取り戻すと、真島に「私を殺しに来たのにどうして助けたの？どうして殺さないの？」と尋ねた。真島はそれには直接答えず、「狙われている理由が分かればやりようがある」と返す。しかしマコトは自分の口から蝙蝠の刺青の男について話すことができなかった。

マコトの話から李文海に会いに行くことになった真島。そこでマコトが蝙蝠の刺青の男のせいで目が見えなくなったということを知る。マコトは自分と同じ目に遭う人を作りたくないから男を探しているのだという。しかし李文海によると、蝙蝠の刺青の男はマコトが狙われている理由とは関係がないとのことだった。
真島が去ろうとすると、李文海が「自分もお前もヤクザから逃れる手がある」として、彼から協力を持ち掛けられる。それに了承した真島はマコトのことを頼まれた。
マコトの元に戻った真島は、李文海の無事を伝える。そしてマコトの過去を聞いたことも話した。真島は泣き出したマコトを慰めようと、自分が片目を失った過去を話したり、食べ物を買ってきたりと世話を焼いた。2人は様々な話をして仲を深めていった。

夜になると真島はキャバレー「グランド」に仕事をしに行った。そこで李文海の伝言を受け取り、マコトのいる倉庫で落ち合うことになる。マコトは真島より先に来た李文海から封筒を受け取っていた。それを後からやって来た真島に見せる。封筒には結婚詐欺常習犯だという女の隠し撮り写真が入っていた。李文海は彼女をマコトに身代わりにしようというのだ。真島は自分の流儀に反するとしてそれを拒否。自分なりのやり方で対処にあたる決意を固めた。
しかし真島が捨てた「ほぐし快館」の制服を利用して、五代目近江連合直参鬼仁会会長の西谷誉（にしたにほまれ）が結婚詐欺常習犯の女性をマコトに偽装して殺害した。西谷は真島の依頼人である五代目近江連合直参佐川組組長の佐川司（さがわつかさ）の裏をかいてマコトを手に入れようとしていたのだ。真島はマコトの居場所を教えるよう迫る西谷を打ち倒した。その後で真島の前に佐川が現れる。彼は死体となった結婚詐欺常習犯の女性がマコトではないのではないかと疑っているようだった。

佐川の様子を見た真島は李文海とマコトに警告をしに行った。そこに佐川の手下が現れる。彼らを撃退した後、真島は李文海とマコトとともに大阪から脱出を図る。しかし佐川が車に仕掛けた爆弾によって李文海が死亡。真島も爆風によって動けなくなってしまう。真島とマコトは佐川に殺されそうになるが、突如として現れた男に阻止された。真島はその男によって気絶させられ、マコトは連れ去られた。
その後真島は佐川に捕らえられて殺されそうになるが、マコトを連れ去った男の対処が先だとして真島を解放。真島は鬼仁会の線からマコトを追っていくことになる。

カラの一坪

マコトを連れ去った男は、東城会の世良勝（せらまさる）だった。東城会はこの時、巨大商業施設「ミレニアムタワー」建設の利権獲得のために周辺の土地の買収を行っていた。しかしその中に「カラの一坪」という土地が発見され、その土地の所有者から所有権を手に入れなければ計画を実行できない状態となっていた。その土地の元の所有者は源三だった。源三が死んだことで土地の所有権がマコトに渡っていたのだ。マコトが様々な組織から狙われているのはそのためだった。
マコトは世良から初めて土地を相続していたことを聞かされる。そして世良によって、東城会直系堂島組若衆であり立華不動産の従業員である桐生一馬（きりゅうかずま）に引き渡されることになった。マコトは土地のせいで李文海が殺されたことに怒りを覚えており、一刻も早く土地を手放すことを望んでいた。マコトは土地を手放すため、桐生と共に神室町へ向かうことになる。その護衛に、かつてマコトを韓国マフィアへ売った尾田がついた。マコトは尾田の声を聞くとどこかで聞き覚えがあると思った。
神室町へと向かう途中、一行は堂島組若頭補佐の渋澤啓司（しぶさわけいじ）率いる渋澤組に襲撃される。桐生たちと逃げ込んだ廃ビルで、マコトの中で尾田と自分を売った蝙蝠の刺青の男がつながった。そのことを桐生に伝えようとした矢先、尾田が桐生とマコトに銃を向けた。

尾田はマコトを売った後、立華不動産社長の立華鉄（たちばなてつ）に出会い、彼を兄と崇めて心酔するようになっていた。しかしある時、かつて売り飛ばしたマコトが立華の妹であるという事実を知ってしまう。尾田は深い罪悪感を覚えた一方で、立華に自分がマコトを売ったことを知られることを恐れた。そのために裏で渋澤と内通していたのだ。
マコトと立華を会わせるわけにはいかないと、尾田は彼女を人質にとって桐生たちの口をふさごうとする。しかしマコトが杖に隠していたナイフで尾田の太ももを刺すと状況が一変、尾田は桐生に銃を向けられることに。尾田は桐生に脅される形で自身とマコトとの関係、そして立華とマコトの関係を白状した。
マコトはショックを覚えながらも、藤澤組が廃ビルに踏み込んでくると尾田も連れて逃げようとする。尾田は自分の正体を知ってなお気遣ってくれる彼女に感化され、ケジメを付けるため襲撃してきた渋澤組の足止めを引き受けた。

兄の死と復讐

尾田のおかげで逃げ切れた桐生とマコトは、逃げた先で立華について会話を交わした。マコトは土地を手放すためだけではなく、兄に会うためにも神室町へ向かう決意を固めた。
桐生たちが神室町に到着した時、立華は桐生を庇って東城会に捕まってしまっていた。彼は凄惨な拷問を受けており、桐生が彼の元へ駆けつけた際にはすでに虫の息だった。桐生は動かなくなった立華を抱え、マコトと合流する。マコトは立華に触れて彼が亡くなっていることを察すると、泣きながら抱きしめた。

その後、マコトは兄の体に触れたことで僅かながら視力取り戻した。彼女はカラの一坪の土地で追ってきた真島と再会すると、兄を殺した堂島組の幹部を殺してほしいと依頼する。真島が断るとマコトは立ち去ろうとするが、真島の提案で2人でたこ焼きを食べに行くことになった。真島は食事しながらマコトを諭そうとするが、目を離した隙にマコトは消えてしまった。
マコトは独断で堂島組組長のもとへ向かい、カラの一坪と引き換えに三幹部の首を差し出すよう取引を持ち掛けた。そこに真島が駆けつけ、マコトが振り返った隙に彼女は銃で撃たれてしまう。真島は堂島組組員をなぎ倒し、マコトのもとへ駆け寄った。マコトは真島に謝ると静かに目を閉じた。
マコトは世良の差配で病院へと運ばれた。彼女の手術が終わるのを待っていた真島は、医者から「手術は成功したもののこのまま目を覚まさないかもしれない」と知らされる。真島は彼女のため、堂島組を壊滅させることを誓った。
真島は単身事務所に突撃し、幹部たちをなぎ倒していく。しかしあと一歩のところでやってきた世良に止められた。世良は真島を諭して復讐をやめさせると、マコトが意識を取り戻したと告げる。真島は世良に堂島組の始末を任せてその場を後にした。

後日、歩けるまで回復したマコトは街で真島と再会した。しかし距離があったために彼のことが分からなかった。その後で兄に手向ける花を持ちカラの一坪を訪れたマコトは、お世話になった人への感謝を口にした。桐生や世良の名前を挙げる中、「お礼を言えていない人がいる」と言って、真島のことを思い浮かべた。その時、マコトはふと地面に違和感を覚えた。地面を掘るとマコトが落としていた腕時計があった。腕時計は騒動の中でマコトが手放したものだった。その時計はオルゴールが壊れていたのだが、発見した時計は修理されていた。この壊れた腕時計のことを話したのは真島だけだ。腕時計を見て、マコトは真島への感謝をあふれさせた。

『龍が如く 極2』で真島と再会

37歳になったマコトは結婚して男児を生み、「ほぐし快館」に復帰していた。かつて真島に感謝を伝えられなかったことを後悔しており、ここで働いていればまた会えるかもしれないと思ったからだ。しかし夫の仕事の都合で海外へ行くことになってしまう。店を辞める直前、真島が店を訪れた。マコトは真島だとは分からず、彼に宝物の腕時計の話をする。「腕時計はベルトの部分がよれて別のものに交換しているが、本当はもっと落ち着いた色が良い」と聞いた真島は、店を通じてベルトをプレゼントした。
海外へ行く日、飛行機の中でプレゼントを開けたマコトはベルトが昔使っていたものと同じであることに驚いた。そしてようやく、彼が数十年前に自分を助けてくれた真島だと認識したのだった。

マキムラマコト／筱喬／館山マコトの関連人物・キャラクター

真島吾朗（まじまごろう）

『龍が如く』シリーズの主要人物で、「嶋野の狂犬」「隻眼の魔王」などと呼ばれているヤクザ。敵味方関係なく暴力を振るう危険な人物だが、ノリが良く人懐っこい一面もある。関西人ではないが独特な関西弁を話すため、明るい性格と相まってとてもコミカルなキャラクターとして描かれていることが多い。
初めは「マキムラマコト」という名の男性を殺害するように命じられていたが、実際は女性であったことや、彼女の過去を知ったことから、李と共に彼女を守ることを決意する。

李文海（リー・ウェンハイ）