槙島聖護（PSYCHO-PASS）とは【徹底解説・考察まとめ】

CV：増谷康紀

元軍人であり凄腕のハッカー。アニメ4話から登場し、槙島にとって右腕のような存在で、自身の犯罪計画を話すほど信頼を置いている。
槙島と一緒に様々な事件を裏から操っており、死体の処理などに手を貸している。サイマティック・スキャンを妨害するヘルメットを作るなど、槙島の計画にはなくてはならない人材であった。元軍人としての知識や技術を生かし、槙島のトレーニングに付き合っていたこともある。
厚生省ナノタワーに侵入した際は槙島とは逆の地下に進み、シビュラシステムの真実を知り、藤間の手によって消されてしまった。

狡噛慎也

CV：関智一

アニメ1期の主人公で、公安局刑事課1係に所属している人物。もともとは監視官であったが、藤間の標本事件をきっかけに執行官となった。強靭な肉体とメンタルを持ち、知能も高く、刑事としての嗅覚も鋭い。標本事件の時に槙島の名を耳にしてから、彼を追い続けていた。
作中では槙島と「対」になる存在として描かれており、「警察官と犯罪者」「黒と白」「慎也（深夜）と聖護（正午）」など、制作陣が意図的に対立構造を作っているのがうかがえる。

槙島聖護の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「人間について知りたいと思ったら、人間を見ているだけではいけない」

アニメ第1話の冒頭のセリフ。
狡噛との対決を前にワクワクとした表情で「人間について知りたいと思ったら、人間を見ているだけではいけない。人間が何を見ているのかに注目しなければ。君たちは何を見ている？僕たちは何を見ている。信じられないかもしれないが、僕は君たちの過去が好きだ。昔からよく言うだろう。『愛の反対は憎悪ではなく、無関心だ。』興味がないなら、わざわざ殺したり、痛めつけたりはしないんだ。余計なことばかり考える。緊張しているのか？相手を甘く見すぎて、踏み込みすぎたか？なんてね。」と語っている。あまり感情を表に出さない槙島だが、このセリフを言う場面は、気が高ぶっていることが分かる珍しい姿を見せていた。
長くて難解な言葉だが、怪しげな笑みを浮かべた表情も相まって、アニメの冒頭で視聴者の心を掴むのにふさわしい名セリフと言える。

「君たちは一体、何を基準に善と悪を選り分けているんだろうね？」

自分の殺人行為を、シビュラシステムが危険な行動だと認識しなかったことに対しての皮肉を込めたセリフ。
シビュラシステムを信じて犯罪を取り締まる常守たちに「君たちは一体、何を基準に善と悪を選り分けているんだろうね？」と問いかけた。
自身の人生の選択をシビュラシステムに完全に任せてしまう人々に失望している槙島らしさが伝わる名セリフである。

「紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない。本はね、ただ読むんじゃない。自分の感覚を調整するツールでもある」

電子書籍をダウンロードしようとしたチェ・グソンに発した言葉。
ハッカーとして活躍することから電子機器を扱う方が得意だと思われるチェ・グソンに対して、「紙の本を買いなよ。電子書籍は味気ない。本はね、ただ読むんじゃない。自分の感覚を調整するツールでもある」と言って、紙の本を勧めた。通常の会話にも本の内容を引用したり、本を読んでいるシーンがあったりすることから、紙の本にかなりの思い入れがあることが分かる。
槙島のこだわりが分かる名セリフである。また、このセリフを用いて、書店などでは関連本の販売キャンペーンが行われた。

「誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう誰も他人を必要としない。どんな才能も、スペアが見つかる。どんな関係でも取り換えが効く。そんな世界に飽きていた。でもどうしてかな？僕が君以外の誰かに殺される光景は、どうしても浮かばないんだ。」

槙島の最期の言葉となったセリフ。
激しい戦闘を終え、重傷を負いながらも麦畑を走っていた槙島を追いかけてきたのは狡噛だった。1人で自分を追いかけてきた狡噛に「誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう誰も他人を必要としない。どんな才能も、スペアが見つかる。どんな関係でも取り換えが効く。そんな世界に飽きていた。でもどうしてかな？僕が君以外の誰かに殺される光景は、どうしても浮かばないんだ。」という言葉を残した。
高度化した社会によって多くの人が孤独になってしまったことへの皮肉と、狡噛という人物にこだわり、彼に殺されることに喜びを感じていることが分かる名セリフである。

槙島聖護の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

担当声優が同じで関連人物だと思われていた雛河翔

『PSYCHO-PASS』のテレビアニメシリーズ2期に登場する雛河翔は、声優が槙島と同じ櫻井孝宏であったことから、放送当時は「槙島の関連人物なのではないか」と噂されていた。雛河は、公安局刑事課1係所属する内気な性格の人物である。
結局槙島とは一切関係のない人物であった。

マドレーヌの食べ方はマルセル・プルーストの小説が元ネタ

槙島はアニメ15話で、チェ・グソンと会話しているときにマドレーヌを紅茶に浸して食べている。元ネタはマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』という長編小説だ。この小説の主人公がマドレーヌを紅茶に浸して食べている描写があることから、それを真似しているのだと考えられている。
アニメの最終話では、狡噛がこの小説を読んでいる描写があった。