マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝（マギレコ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

本作第1期の最終話となる第13話のこのシーンは、原作『マギレコ』6章6話において、マギウスの翼の改造を受けて人間兵器と化したマミとの戦いをベースにしているが、ここではさやかが乱入してきていろはとやちよの助太刀に入ると共に、マミを止めるために彼女との望まざる激闘に臨むという設定に変わっている。そして直後のマギウスの翼の演説で第1期を締め括るシーンと合わせて、このシーンは多くのファンの間で波乱を呼ぶものとなった。
人間兵器として改造させられ、灯花の命令のままにいろはとやちよを襲うマミ。しかしその時、どこかから投げつけられてきた消火器が、マミの銃撃からいろはとやちよを守った。「らしくないなぁ…弱い者いじめなんて!」と、さやかが颯爽と姿を現した。突然のさやかの登場にいろはとやちよが驚き、そして人間兵器となったが為に虚ろな表情だったマミも、さやかを見て「美樹さん…？美樹さんなの？」と、微かだがその表情を反応に動かした。

「まったく…探したんですよ、マミさん。こんな廃墟みたいなとこにいるなんて思わなくて」と、毅然とした表情でマミを見据えるさやか。一方のマミはまた虚ろな表情に戻って「私を、責めに来たのね…？あなたたちには償っても償いきれないことを、私は…」と、声を恐怖に震わせる。それにさやかが訝しげになると、マミは瞳を赤く不気味に輝かせ、「私のことはいくら責めてくれても構わないわ…けどね、もう大丈夫なの。最悪の事態は回避できるの…方法を見つけたのよ…」と、呟き出した。

そんなマミの異様な様子にさやかが困惑すると、「鹿目さんも呼ばなくちゃ…神浜市に、神浜市に来れば…魔法少女は救われる！掴んだ希望の先には何もなかった…私たち騙されていたの！！このままじゃみんな、絶望を振り撒く魔女になってしまう！！！」と、マミは狂ったように叫んだ直後、人間兵器としての姿を露わにした。そのマミの豹変に驚きを隠せないさやか。そしてマミは「みんなが救われるの…その権利があるの！私が、絶対になんとかしてみせるっ！！！」と、大量の銃を召喚してさやかに弾丸の雨霰を放つ。

人間兵器と化したマミにさらに困惑させられ、何より尊敬していた魔法少女の先輩に剣を向けることに苦悩しながらも、さやかはマミとの戦いに臨む。しかし、人間兵器として改造されたマミの力は想像以上に凄まじいものとなっていて、さやかは次第に追い詰められていく。そんな中、いろはとやちよがドッペルを出して加勢してきたことで、さやかは九死に一生を得た。そして望まざる激闘の末、さやかはいろはとやちよと共にマミを打ち倒すが、激闘の余波で記憶ミュージアムが崩壊を始める。

その崩壊に巻き込まれて、いろはが転落してしまう。その彼女の手を慌てて掴むやちよ。しかしその時、先に転落したマミが無数の光のリボンでいろはを絡め取り、彼女を道連れにして奈落の底へと姿を消した。「いろはああああああっ！！！」と、悲痛な叫びをあげるやちよを、さやかは苦々しい表情で小脇に抱えて、ミュージアムを脱出する。そして「約束したじゃない…死なないって、約束したじゃない…」と、泣きそうなやちよの声と共に画面は暗転し、そのままエンディングへと繋がっていく。

七海やちよ「許せない…！もう許さない！！マギウスも、あなたもっ！！！」（第2期2話）

第2期開始の宣伝CMとして何度も公開されたやちよの台詞と、その台詞が流れる中で繰り広げられるやちよとみふゆの激闘。第1期の最終話で自分を信じて救おうとしてくれたいろはを生死不明に追いやったマギウスの翼と、そのマギウスの翼に加担するみふゆにやちよは激しい憎悪を燃え上がらせ、そのまま変身してみふゆに容赦無く牙を剥く。そんな復讐鬼と化したやちよの猛攻に晒されながらも、マギウスの翼への賛同を叫び続けるみふゆのシーンは、多くのファンの印象に残るものとなった。
このシーンは、マギウスの翼の黒羽根の衣装を着た黒江をやちよが見つけ、憎悪と殺意を露わにして後を追いかける所から始まる。そして黒江を追い詰めてマギウスの翼の本拠を聞き出そうとするが、「ダメですよ、やっちゃん。そんな怖い顔をしたら、なにも答えられなくなりますよ」と、みふゆが割って入る。そのみふゆの穏やかな表情を前にしたやちよは「…みふゆ。よくも私の前に姿を現せたものね」と、ひどく冷たい声で吐き捨てた。

「マギウスのやり方は、少し乱暴かもしれません。でも…これ以上魔法少女の犠牲者を出さないために…」と、みふゆはやちよを説得しようとするが、やちよは「ふざけないで！！誰を犠牲にして誰を救うの…？誰がいろはを犠牲に選んだの！？」と声を荒げる。そんなやちよに気圧されながらも、「選んでなんかいません！ワタシだって、まさかあんな事故で…」と、言いかけた時、「そんな屁理屈がっ！！」と、やちよは殺意を露わにしてみふゆを睨みつける。その彼女から向けられる殺意にたじろぎながらも、みふゆは引き下がろうとはしなかった。

「聞いてください！マギウスの計画が成功すれば、環さんやワタシみたいな弱い魔法少女だって、死なずに済むようになるんです…！」と、やちよに訴えるみふゆ。しかしその訴えでついに逆鱗に触れられたやちよは、さらなる殺意を表情に滾らせて一気にみふゆに迫り、再びひどく冷たい声でこう言い放つ。「死んでないわ…いろはは死んでなんかいないわ。約束したの。死なないって…。もしいろはが死んだら…それは、私の願いのせい。そんなの、もうたくさんっ！！」

その直後、自らの中で湧き上がる怒りと憎しみを抑えきれなくなったやちよは「許せない…！もう許さない！！マギウスも、あなたもっ！！！」と、殺意に満ちた声で吠えた後、魔法少女に変身して槍を手に取り、猛然とみふゆに襲いかかる。これにさらに気圧されるみふゆだが、それでも自分が魔法少女としての解放を求めてマギウスの翼に入ったという事実に縋りつき、自分も変身してやちよを迎え撃つ。そしてここから、多くのファンが息を呑んだやちよとみふゆの死闘が幕を開ける。

「ワタシたちは、キュゥべえに選ばされたんです！事の重大さも、取り返しのつかなさも知る前に！！ワタシたちは、同じ魔法少女を見捨てたりしませんっ…！！」と、叫びながらみふゆはやちよと激しい打ち合いを繰り広げる。そんな中、みふゆもついに感情の歯止めが効かなくなったのか、「マギウスの翼たちは、強いやっちゃんとは違うんです！！ワタシや環さんのように、弱い魔法少女の集まりなんですよっ！！？」と、叫びながらドッペルを発現。そしてこの叫びが、やちよのさらなる逆鱗に触れる結果となった。

「あなた…さっきから自分のことばかりじゃない！！いろはは違うっ！！いろはは人のことばかり気にして…！！あなたとは、少しも似てなんかないっ！！！」その咆哮の後、やちよもドッペルを発現させて、激情のままにみふゆに突撃する。そうしてさらに繰り出されるやちよの猛攻に晒される中、「魔法少女は救われなくちゃいけないんですっ！！！」と、狂ったように叫ぶ。そうして互いの言葉と思いが噛み合わないままドッペルをぶつけ合ってさらなる死闘を繰り広げた中、ついにやちよがみふゆに打ち勝った。

モギリのドッペルの前脚で地面に押さえつけられるみふゆ。そしてみふゆを見下ろすやちよの顔は、白い仮面に覆われたものとなっていた。「さようなら、みふゆ。弱いあなたをみていると…とても辛いの。弱いから犠牲になるの…弱いから奪われる。弱いから辛くなって…弱いから何もできない。さようなら…さようなら、弱いみふゆ…」と、虚ろな声でやちよが語りかけた後、モギリのドッペルがとどめを刺そうとする。みふゆは涙に瞳を潤ませながら、黙ってやちよを見上げることしかできない。