マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝（マギレコ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CV：竹達彩奈

魔女化のない世界を作ろうとしている「マギウス」と名乗る魔法少女のひとりで、灯花、ねむと共にマギウスの翼において最高指導者として君臨する存在。武器として手の中に浮かぶ緑色に輝くキューブを扱い、このキューブを複数体に分割させて結界を作り出したり、複数のレーザーを放って広範囲への攻撃を行うことができる。また、結界は人間や魔女を封じ込めたり、さらにバリアとしても使うことができる。
一人称は「アリナ」で、英語交じりかつ「〜だカラ」「〜ですケド」など文の最後がカタカナになる口調が特徴的。相手が教師など目上の人間であっても歯に衣着せぬ辛辣な口調と横柄な態度で振る舞い、周囲の人間から反感や怒りを買うことも少なくない。また、自分の障害となる人間、あるいは自分の作品を壊す人間を嫌い、怒りが頂点に達すると怒号を放ち、顔を上気させて激昂する激情家としての一面も持つ。

弱冠16歳で様々な賞を受賞している天才芸術家で、生と死というテーマに取り憑かれており、その作品はモノクロの骨格を利用したり、遺体の燃焼による灰を使った絵画という生々しく刺激的なものが多い。そしてスランプ時に学校の準備室で大暴れして木材を全て破壊した際、絵の具まみれになった自分の体を見てそれを題材としたこともある。
そして本作では主な描写こそなかったが、自分の作品を酷評する審査員の手紙がきっかけで情緒不安定に陥り、最後の作品に自分の死に様を選び、とあるビルの屋上から飛び降りるという暴挙に出た。その直前、キュゥべえに契約を持ちかけられ、「誰にも邪魔されないアトリエが欲しい」という願いをして魔法少女となったが、その時も自死についての考えを改める気はなかった。

しかし奇跡的に一命を取り留め、入院した里見メディカルセンターでねむと灯花と出会い、彼女ら、そしてキュゥべえから魔法少女や魔女についての話を聞かされる。その後、結界の中で出会った魔女に創造性を強く刺激され、魔女を自らの新たなる作品の題材と定め、さらにその能力を買った灯花とねむの誘いを受けてマギウスとなる。そしてマギウスとして活動しながらも、自らの作品の題材である魔女を探し求め、結界の能力で数多くの魔女たちを捕獲している。

梓みふゆ（あずさ みふゆ）

CV：中原麻衣

マギウスの翼の幹部のひとりである魔法少女で、やちよの幼馴染であり、7年間彼女のパートナーとして魔女と戦ってきた経歴を持つ。武器は巨大なチャクラムで、バレリーナのような速く鋭く優雅な動きで敵を翻弄しながら戦う戦法を得意とする。また、幻覚の能力の持ち主であり、自分の分身を作り出して敵を撹乱するなどその用途は多彩で、攻守ともに侮れないスペックとなっている。
一人称は「ワタシ」で、基本的に誰に対しても丁寧語で話す。やちよと同じく魔法少女のベテランとしてその振る舞いは冷静で落ち着いているが、彼女に比べると少々情緒不安定で、さらに優しすぎて、魔法少女の解放を理念に掲げ、その理念のために手段を選ばない組織たるマギウスの翼の幹部でありながらも非情に徹することができない。ちなみに実家が呉服屋で、お嬢様育ちのせいか家事全般が苦手という一面も持つ。

かつてやちよはもちろん、鶴乃やももこ、そしてかなえやメルとよくチームを組んで戦っていた時期があった。しかし、かなえとメルがそれぞれソウルジェムの破壊と魔女化によって死亡するという惨劇を目の当たりにし、情緒不安定に陥る。しかし魔女化はせずドッペルを出現させ、それを目撃した灯花によってマギウスの翼へとスカウトされ、魔法少女の解放という理念に縋って幹部として活動する。
その際、かつての仲間であるやちよと鶴乃と再会し、マギウスの翼に何度も勧誘するも、ふたりがマギウスの翼の非人道的なやり方に反発したことでその勧誘のことごとくが失敗に終わった。そして第2期2話において、記憶ミュージアムの戦いで行方不明となっていたやちよと出会いなおも説得を試みるが、やちよはいろはが行方不明になったことでマギウスの翼に激しい憎悪を抱いており、容赦無く牙を剥かれる。

その直後にやちよと壮絶な一騎討ちを繰り広げ、そんな中でなおもマギウスの翼の賛同を狂ったように叫び続けたことでやちよを激昂させてしまい、激昂のあまりドッペルを発現した彼女の猛攻を受けて敗北。そのままやちよにとどめを刺されそうになるが、その時彼女が自らの脳裏にかつてパートナーを組んで間もない頃の自分とみふゆが笑い合っていた記憶をフラッシュバックさせて攻撃を踏みとどまったことで見逃された。
その後、人間兵器として改造された鶴乃を見て困惑したのと、先述の情緒不安定さと優しすぎる心を見抜いたマギウスによって計画から弾かれて失意に陥り、一人酒に溺れていた。そんな中で出会ったフェリシアとさなから「マギウスの翼を抜ける」と宣言され、彼女らの言葉と雰囲気に込められた熱い思いに感化されて、やちよや鶴乃たちともう一度向き合ってやり直すためにマギウスの翼の離反を決意した。

天音月夜（あまね つくよ）

CV：内田真礼

みふゆと同じくマギウスの翼の幹部である魔法少女で、同じ幹部の月咲とは双子の妹にあたる。武器は妹と同じく笛で、この笛を吹くことで攻撃力を持った音色を放って相手を攻撃することはもちろん、妹と連携して相手の頭に直接響かせることで動きを封じる合体技も得意とする。ただし、動きを封じることができる対象はひとりだけで、合計ふたりまでしか使用できず、笛を落としたり弾かれたりすると魔力が途切れ、技が解除されるという弱点を持つ。
妹と比べると落ち着いた雰囲気で「〜でございます」など、基本的に相手をおちょくったような奇妙な丁寧語が特徴。また、妹の発言に同意する時だけは「ねー」と少しだけ砕けた口調になる。そして一見すると知性的で上品な性格に見えるが、勉強のほうは妹と同じく得意ではなく、成績も悪い。さらに結構抜けているところもあり、追い詰められると強がったり負け惜しみを言う往生際の悪さも見せる。

本作では主な描写こそなかったが、筝曲、毛筆、舞踊などの稽古に勤しんでおり、いずれも優れた腕前を持っている。しかしそれらの稽古は祖母によって強要されたものであり、月夜本人は辟易しきっていた。そしてその祖母の強要に対してついに不満と怒りを爆発させた時、意識を失って倒れてしまい、目が覚めた先の病室で双子の妹である月咲と出会う。その後にキュゥべえと出会い、唯一の自分の味方と認識しあった月咲と共に魔法少女となったが、いずれは魔女という醜い怪物となる魔法少女の運命を知ってからは月咲と共にマギウスの翼に参加した。

天音月咲（あまね つかさ）

CV：内田彩

みふゆと同じくマギウスの翼の幹部である魔法少女で、同じ幹部の月夜とは双子の姉にあたる。武器は姉と同じく笛だが、こちらは笛を吹いてエネルギーを溜めてから打撃武器として使用するという近接戦を得意としている。そして、姉と同じく相手の頭に音波を発生させる合体技も使用するが、合計ふたりまでしか対象に対して使用ができず、さらに攻撃を受けるなどして笛を落とすと魔力が途切れ、技が解除される弱点も変わらない。
一人称は「ウチ」で、落ち着いた雰囲気で丁寧な口調の姉とは対照的にフランクな性格で、誰に対しても爽やかで砕けた口調で接することから人当たりは良い。下記の実家の都合で普段から家事をやっており、物事を順序立てててきぱき片付けていくのが得意だが、その一方でストレスを溜め込んで癇癪を起こすことがよくある。そして家事とそれによる肉体労働が得意である反面頭が悪く、勉強が全然できない。

本作では主な描写こそなかったが、実家は竹細工の工房であり、「女は家事を担うもの」という実家のしきたりに従わされて来る日も来る日も家事をやらされ、こき使わされ続けていた。そしてついにそのストレスを爆発させたと同時に意識を失って倒れてしまい、目が覚めた先の病室で双子の姉である月夜と出会う。その後にキュゥべえと出会い、唯一の自分の味方と認識しあった月夜と共に魔法少女となったが、いずれは魔女という醜い怪物となる魔法少女の運命を知ってからは月夜と共にマギウスの翼に参加した。

その他

小さいキュゥべえ

CV：加藤英美里

キュゥべえよりもひと回り小さい、神浜市にだけ存在する謎のキュゥべえ。キュゥべえとは違い、言葉を発することはできず、「モキュ」などの鳴き声しか発することはない。かつて、ういが入院する病院のある神浜市を訪れたいろはに姿を目撃されて以来、彼女がういの夢をたびたび見るきっかけとなった。ういと何らかの関係があるらしく、いろははこの小さいキュゥべえに触れたことでういとの記憶を部分的に取り戻し、その後にいろはが神浜市での戦いに臨むきっかけとなっている。

黒江（くろえ）

CV：花澤香菜

本作のオリジナルキャラクターで、いろはと同じく宝崎市に住む魔法少女。いろはと一緒に魔女と戦うこともあるが、定期的に情報交換をする程度の仲で、やちよたちのように本格的に行動を共にすることはない。武器は柄付きの手榴弾で、投げて爆発させて攻撃するのはもちろん、二刀流のハンマーのような打撃武器として使うこともできる。「好きな人と付き合いたい」という願いで魔法少女になったが、本作開始時点ではその相手と別れてしまった。
命がけで魔女と戦うことに恐れを抱いていて、魔法少女であることから救われたいと感じるようになり、第1期の終盤でマギウスの翼に縋るようにして加入した。しかしいろはと接していくうちに内心では「私だって環さんを助けたい」と少しずつではあるが誰かの期待に応えるという真っ直ぐさも垣間見せ、第2期ではいろはとやちよたちに協力することを決意してマギウスの翼を離反し、ひとりで大勢の黒羽根・白羽根を相手に奮戦するという勇敢さを見せた。

環うい（たまき うい）

CV：石見舞菜香

いろはの妹で、初心者ではあるが姉と同じく魔法少女。生まれた時から何らかの病気を患っており、里見メディカルセンターに入退院を繰り返していた。そしてこの病気による入退院がいろはが魔法少女となるきっかけとなっている。里見メディカルセンターに入院している間は、同じ病院の院内学級に通っていた灯花とねむと一緒に過ごすことが多く、些細なことでしょっちゅう喧嘩するふたりを仲裁していた。いろはがキュゥべえと契約する際に祈った「妹の病気を治す」という願いによって完治し、退院したはずが、行方不明となってしまっている。
さらに本作および原作『マギレコ』の物語開始当初は彼女の存在そのものが「なかったこと」になっていて、周囲の人間の記憶から完全に姿を消してしまっている。そのため、本作および原作『マギレコ』では主にいろはの回想シーンなどで断片的に人物像が語られている。そして自宅ではいろはと同じ部屋を共有していたが、人々の間から存在が「なかったこと」になってからは部屋の半分が不自然に空いてしまっている。

八雲みたま（やくも みたま）

CV：堀江由衣

神浜市の郊外にある映画館の廃墟に住み着いている、「調整屋」と呼ばれる魔法少女。ソウルジェムや魔力の調整を行える能力を持っており、それによる魔法少女の回復や支援、さらに自作のアイテムの販売を通して代金の代わりにグリーフシードを得ている。その他にもチームを組むための魔法少女を紹介するなどの活動を行っており、魔女や使い魔が他の町と比べて強い神浜市では彼女の存在は不可欠となっている。
多めのグリーフシードや現金を要求するなどがめつい商人気質の持ち主だが基本的にのほほんとした雰囲気で取っ付きやすい性格で、「〜なのぉ？」「〜なのねぇ」というふうに語尾が間延びした口調がその性格を体現している。また、いろはに調整を行う際、彼女に服を脱ぐように指示をしてからかうなど、冗談好きでお茶目な一面もある。ちなみに料理がものすごく下手で、食事は知り合いの魔法少女に頼んでいる。

実は魔法少女たちを調整する代わりに支払われたグリーフシードをマギウスの翼に横流ししたり、そして記憶ミュージアムやウワサなどのマギウスの翼しか知り得ない情報を教えてもらったりと、主な描写こそなかったがマギウスの翼と協力関係を結んでいた。第2期ではそれに感づいたやちよに情報を教えるように脅されるも、自分はあくまで中立の立場だとはぐらかし、代わりにドッペルについてやちよに教えた。