音無響子(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

音無響子とは漫画『めぞん一刻』に登場するメインヒロインである。一刻館の新しい管理人として赴任した未亡人の美しい女性であり、主人公の五代裕作に惚れられる。またテニスクラブのコーチをしていた好青年の三鷹瞬にも惚れられ、三角関係を展開した。双方から熱烈なアプローチを受けるも、前の旦那が忘れられない彼女は中々彼等の想いに応えられない。一方で五代が他の女性と一緒に居ると嫉妬し、彼を困らせていた。最終的に五代に惹かれて結婚する。その後は娘の春香をもうけ、一刻館の管理人室で五代と共に娘を育てていく。

響子は五代と三鷹の2人の男性からアプローチを受ける。特に三鷹は頻繁に響子をデートに誘い、その度に五代をヤキモキさせた。一刻館の面々はこの関係を面白がり、3人の動向を逐次観察する。響子と五代が良い感じになると彼等は三鷹に情報を流し、逆に響子と三鷹が良い感じになると五代に情報を流した。五代の方は奥手であり、三鷹に遅れを取る事が多い。三鷹は積極的なアプローチとその経済力及び美貌で、響子へ迫っていった。だが、三鷹の唯一の弱点が犬嫌いであり、彼が響子と良い感じになると犬の惣一郎が乱入して有耶無耶になってしまう展開が何度もあった。惣一郎は響子が一刻館の軒先で飼っている白い大型犬である。三鷹は犬に好かれやすい体質で、よく犬にじゃれ付かれている。

響子は三鷹から言い寄られる一方、五代が他の女性と交友を持つ度に嫉妬している。これは彼女の五代に対する愛情の裏返しであり、回を追う毎に苛烈になっていった。代表的なのは五代と七尾こずえ(ななお こずえ)の関係である。七尾は、五代の酒屋でのバイト先で一緒であった同年代の女性である。五代に想いを寄せ、彼にアプローチを仕掛けていった。五代と七尾がデートをする度に、響子は不機嫌になる。そして、五代は彼女の機嫌を取る為に四苦八苦していった。

五代と三鷹から言い寄られる響子であったが、彼女は前の旦那である惣一郎への想いから、彼らに玉虫色の態度を取ってしまう。その結果、この三角関係は数年に渡って展開された。

千草家の両親から管理人の引退を迫られる

両親と対立する響子

響子が一刻館で管理人の仕事をしていたある日、千草律子(ちぐさ りつこ)が一刻館を訪れ、響子に一刻館の管理人の引退を迫る。律子は響子の実の母親であり、旦那(響子の父)と共に響子を音無家と縁を切らせ、実家に連れ戻そうと画策していた。だが、千草家の両親は一枚岩では無く、母親は響子の再婚を願い、父親は理由は口にしないながら再婚に反対し「響子が実家に戻って来る事」を願っている。響子はこの事に怒り、実家と対立する形となった。また律子は三鷹が響子に想いを寄せている事を知り、彼に好印象を持つ。一方の五代は、律子達にアピールするも失敗し、彼女に名前を覚えて貰えなかった。

八神にライバル視される

八神(画像右の人物)と対立する響子

五代は大学4年生になり、響子の母校である女子高で教育実習を行う事になった。彼はそこで女子生徒の八神いぶき(やがみ いぶき)に惚れられ、積極的なアプローチを受けていく。八神は思い込みが激しく、アグレッシブな少女である。五代は彼女のアプローチを中々断り切れず、一刻館にまで乗り込まれてしまった。八神は五代が響子の事を想っているのを知り、響子にライバル心を燃やす。響子は歯牙にもかけず、軽く受け流していた。一度は五代の教育実習の終わりと共に、八神の恋は終わりを告げる。だが、五代が就職活動で志望していた商社の人事部長が、八神の父親であった事で状況が一変した。八神は父親に五代の就職を斡旋するように行動し始める。これが失敗すると、彼女は一刻館の五代の部屋に籠城を始めた。八神の父親は、八神が強引に五代をコネで会社に入れるように懇願してきた事から、五代を「娘をたぶらかす不届き者」と敵視している。この為、彼は一刻館に乗り込むなり、激しく五代を罵倒する。これに怒った響子は、八神の父親を一喝した。最終的に五代は就職活動に失敗して大学を卒業し、就職浪人となってしまう。

就職浪人となった五代は「しいの実保育園」でアルバイトを始め、保父(現在の保育士)を目指し始める。一方、三鷹は正式に響子にプロポーズをした。だが彼女は三鷹のプロポーズへの答えを保留にし、五代に「保父試験を終えるまではプロポーズの答えは出さない」旨を伝えて安心させた。

生活が苦しくなった五代は副業で家庭教師の仕事を始める。これを八神が利用し、彼の生徒として再び一刻館に通い始めた。余りにも八神が五代に付き纏う為、響子は母校に八神の事を通報する。しかし八神は更に響子に対抗心を燃やし、尚も一刻館に通い続けた。八神の担任の女教師は、かつて響子の担任も務めていた人物である。これにより八神は響子がかつて、自分の様に生徒でありながら教師と結婚した事を知った。また八神は響子に、五代の事をどう思っているのかを質問する。響子は、惣一郎への想いからこの質問に「五代の事が好きである」と答えられず、八神をさらに調子づかせてしまう。これ以降、響子は密かに八神に嫉妬心を抱くようになった。だが最終的に八神は「響子が五代の事を、惣一郎と同じくらい好きである」事に気付き、身を引いた。

三鷹に迫られる

三鷹に迫られる響子

三鷹は自身の叔父の策略で、九条明日菜(くじょう あすな)との見合いを強行される。九条は旧華族の箱入り娘で、犬が大好きな美女である。三鷹は九条との見合いを断り切れず、結婚を迫られた。これに焦った彼は、響子との結婚を急ぎ行動を開始した。三鷹は響子をデートに連れ出し、三鷹家と千草家の両親を同席させる。これによりデートの場は見合いの場と化し、響子は結婚へのプレッシャーをかけられる。更に三鷹は2人用のホテルの部屋を予約し、響子にプロポーズの答えを迫った。だが、惣一郎への想いから彼女は答えが出せず、三鷹は何もせずに彼女を帰宅させる。この後彼はヤケ酒に溺れ曖昧な意識の中で、自身のアパートに来ていた九条にキスをしてしまう。翌朝、彼は酔った勢いで九条を抱いてしまったと勘違いし苦悩した。更に三鷹と九条の飼い犬が交尾して妊娠した事を「九条を妊娠させてしまった」と誤解し、彼女との結婚を決意する。最終的に誤解は解けたものの既に結納の段階まで進んでいた為、三鷹は響子の事を諦めた。

五代とキスをする

五代にキスをする響子

七尾は大学卒業後、親のコネで銀行の窓口に就職していた。五代とは疎遠になっていたが、彼女はある日同僚の男性からプロポーズされる。悩んだ彼女は五代へ相談を持ち掛け、彼へのアプローチを再開した。この時の五代は不況の煽りで保育園をクビになり、キャバクラでキャバ嬢の連れ子の面倒を見るバイトをしながら、保父試験を控えていた。五代は七尾との関係に玉虫色の態度を取り続けていた為、ここで決着を付けようと別れ話を切り出した。だが五代の「プロポーズしたい女(響子の事)がいるんだ」という発言を、七尾は自分の事だと勘違いしてしまい「五代にプロポーズされた」と誤解してしまう。五代はこの誤解を解く事が出来ず、彼女との別れ際に不意打ちでキスをされてしまった。更に偶然響子はこの現場を目撃してしまう。

一刻館に帰宅後、五代は事情を説明するも響子は不機嫌のままであった。このまま2人の関係が崩壊するかと思いきや、響子も五代に不意打ちでキスをし、逆に急速に距離を縮める結果となった。

一刻館の管理人を辞める

一刻館を去る響子

七尾は同僚男性からのプロポーズを断ろうと考えていたが、はっきり言い出せないまま受け入れることになってしまい、泣きながら一刻館の五代の元を訪れた。そこで響子は、七尾の発言で「五代が七尾にプロポーズをした」事を知る。誤解を解こうと五代は弁明するが、嫉妬に怒った彼女は聞く耳を持たない。2人は口論となり、響子は一刻館を出て実家に戻ってしまった。

響子の誤解を解こうと、五代は毎日彼女の実家へ足を運び始める。響子は五代の話を聞こうとはしなかったが、律儀にも彼の来る時間はいつも家に居て待っていた。この様子を見た実母の律子は、響子が五代をかなり意識している事を察し、彼の事を「娘が結婚するかもしれない相手」として認識するようになる。律子から五代の事を聞いた旦那(響子の父)は娘の再婚に否定的だった為、五代に反感を抱き始めた。

足繁く響子の実家に通っていた五代であるが、管理人の居ない一刻館は誰も掃除をしない為、ゴミ屋敷と化していく。一刻館の住人達に責任を取らされる形で、五代は一刻館の管理人として働く事になった。この為、五代は響子の実家に行く事が出来ず、彼女は彼を待ち続けた。最終的に一之瀬が実家を訪問し、響子に事情を話した事で誤解が解ける。

五代と破局寸前になる

五代を拒絶する響子

響子は一刻館に戻る決意をする。一方、五代は六本木朱美(ろっぽんぎ あけみ)とラブホテルから出る所を七尾に目撃されてしまう。朱美は一刻館の6号室に住む、魅惑的な女性である。いつも下着同前の姿で一刻館を歩き回っており、性的に開放的な人物でもある。朱美は付き合っていた男性とホテルに入るが、酒を飲んで寝込んでしまった。男は延長料金を払わずに先に帰ってしまい、持ち合わせが無かった彼女は五代を呼び出し、彼に金を払わせて共にラブホテルから出たのであった。響子は、七尾から朱美と五代がラブホテルから出た事を聞き、深く傷つく。そして朱美の働く喫茶店「茶々丸」に乗り込み、彼女を問い正した。そこへ朱美が呼んだ五代や一刻館の面々が茶々丸を訪れ、響子は彼に軽蔑の視線と共に激しい怒りをぶつける。五代の話を聞こうとせず「嫌いよ」と、今までに無い明確な拒絶の言葉を吐くと、泣きながら響子は茶々丸を出ようとした。だが朱美は響子を呼び止め「あんたみたいな面倒くさい女から男とるほど、あたし物好きじゃないわよ。ばか。」と彼女を一喝する。そして駆けだした響子の後を、朱美は五代に追いかけさせた。

五代と結ばれる

五代と通じ合う響子

響子は五代に追いつかれ、彼と共に夜の街を歩いた。そこで五代は「自分が好きなのは響子だけで、響子しか抱きたくない」旨を伝える。偶然、その場所はラブホテルの前であった。戸惑う五代と、訝しむ視線を送る響子であったが、彼女は彼と共にラブホテルに入る。響子は五代からの想いを内心では嬉しく感じていたが、だからこそ態度をはっきりしない彼とその周囲の女性たちに嫉妬し、その度に苦しむ事に疲れていた。彼女はその想いから解放されようと、彼に抱かれようとする。だが五代は惣一郎の事を意識してしまい、彼女を抱く事が出来なかった。その後、五代はキャバクラの仕事へ向かい、響子は一刻館に帰宅し彼の帰りを待つ。

数時間後、響子は帰宅した五代と管理人室で話をする。他の一刻館の面々は茶々丸で宴会を開いており、一刻館には響子と五代の2人だけであった。そこで響子は五代に対し「惣一郎への想いを消す事は出来ない」事を認める。だが、その上で彼女は五代の事を想っているのであった。2人は次第に距離を縮め、互いへの想いを確かめるようにしながら結ばれた。

五代からプロポーズされる

五代からのプロポーズを受ける響子

monaou0706c3
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@monaou0706c3

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