音無響子(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

音無響子とは漫画『めぞん一刻』に登場するメインヒロインである。一刻館の新しい管理人として赴任した未亡人の美しい女性であり、主人公の五代裕作に惚れられる。またテニスクラブのコーチをしていた好青年の三鷹瞬にも惚れられ、三角関係を展開した。双方から熱烈なアプローチを受けるも、前の旦那が忘れられない彼女は中々彼等の想いに応えられない。一方で五代が他の女性と一緒に居ると嫉妬し、彼を困らせていた。最終的に五代に惹かれて結婚する。その後は娘の春香をもうけ、一刻館の管理人室で五代と共に娘を育てていく。

響子はテニスクラブでコーチの三鷹と知り合い、五代を含む一刻館の面々と喫茶店茶々丸でお茶会(一部の人々は酒盛り)を開く。その後、一刻館の面々の悪巧みにより、響子と三鷹は2人きりになった。そこで彼は、響子にさりげなくアプローチを仕掛ける。

これ以降、五代と三鷹は響子を巡り、熾烈な恋のバトルを繰り広げていく。

「許せないっ!!」

五代に嫉妬する響子

響子は三鷹の誘いでデートをする。だが、車がエンストで立ち往生してしまった。そこへ偶然、七尾とデートをする五代と出くわす。彼等が去った後響子は「許せないっ!!」と嫉妬で彼に怒りを燃やした。しかし、これは響子が五代を異性として少なからず意識している証拠でもあり、愛情の裏返しでもある。

普段はお淑やかな響子が見せた、嫉妬深い一面である。これ以降、事ある毎に彼女は五代へ嫉妬心を燃やした。

「大っ嫌っい。」

嫉妬から五代に噛み付く響子

響子は、五代を含む一刻館の面々と三鷹のメンバーでプールに遊びに行った。そこで五代の首筋にキスマークを見つけて嫉妬する。実はこのキスマークは、彼の悪友の男友達の坂本が寝惚けて付けたものであった。五代が事情を説明するも響子は信用せず、遂には「大っ嫌っい。」と嫉妬から五代の肩に噛みついてしまう。

響子の気性の激しさと同時に、五代への好意の裏返しとも捉えられ、彼女の可愛らしさが表現されている。

五代と逃げるシーン

五代と共に逃走劇を繰り広げる響子

五代の実家から孫を心配した祖母が、一刻館の5号室に居候してしまう。彼女は暫く滞在した後、実家に戻る事になった。祖母は孫へのお節介で響子と五代のデートの場を設ける。2人はデートを楽しむものの、祖母の差金で一刻館の住人達が彼等を面白がって観察していた。目論見に気付いた五代は響子と監視の目を潜って逃走劇を展開する。デートは失敗かに思われたが、響子は逃走劇を楽しんでいた。

響子と五代の関係の進展が伺えるシーン。

「バカ」

五代と三鷹へメッセージを書いて去っていく響子

響子と五代は一刻館で喧嘩し、事故で五代は2階から転げ落ちて足を骨折してしまう。責任を感じた彼女は、彼を甲斐甲斐しく世話をし始めた。その様子を見て嫉妬した三鷹は、スキー場に出掛けて自身も足を骨折する。そして五代の隣のベッドを指定し、自分も響子からの世話を受けようと画策した。一時は響子と三鷹が良い感じになるものの、彼の教え子の若い女性達が押し寄せ、面倒を見始める。一方の五代の元にも七尾が押し掛け、甲斐甲斐しく面倒を見始めた。ハッキリと女性達の厚意を断れない五代と三鷹を見た響子は呆れ果て、病院を後にしてしまう。帰り際、積もっていた雪に「バカ」と書き、五代と三鷹に怒りを露わにした。退院後、五代と三鷹は響子の機嫌を治す為、奔走する羽目になる。

「こんな思いしなくてすんだわ」

惣一郎の墓前に涙を流す響子

五代と三鷹に言い寄られ、一刻館の管理人として日々を過ごす響子は、惣一郎の命日に彼以外の事を意識していた。後にその事に気付いた彼女は、再び惣一郎の墓を訪れ、彼への想いを馳せる。「こんな思いしなくてすんだわ」と響子は涙を流した。惣一郎が生きていれば、五代と三鷹のアプローチに心揺さぶられることも「アプローチを受ける事自体が亡き夫への裏切りなのではないか」との想いに苦しむことも無かったと、彼の死を悼んだのである。

未だ亡き夫への想いの大きさに悲しむ響子の心情を伺える名言である。因みに、この時惣一郎の墓の裏に五代が隠れており、響子の惣一郎への愛の深さを目の当たりにした。

「あたしより長生きして」

五代に約束を持ち掛ける響子

五代は響子にプロポーズをする。彼女はこれに応える前に「あたしより長生きして」と五代に約束を持ち掛ける。かつて惣一郎に先立たれた響子は、もう2度と最愛の人を亡くす悲しみを味わいたくなかったのだ。

響子の五代への愛が表現されている名言である。

「あなたに会えて本当に良かった」

五代へ感謝する響子

響子は五代との結婚生活に向けて、今まで大切にしていた惣一郎の遺品を音無家に返す決断をする。翌日、その旨を報告しに彼女が惣一郎の墓を訪れると、五代が先にそこに居た。彼は「惣一郎を愛している事も引っくるめて、響子を愛する」事を墓前に誓う。これを見た響子は「あなたに会えて本当に良かった」と、五代と結ばれた事を心底喜んでいた。

「パパとママが初めて会った場所なの」

物語のラストシーン

monaou0706c3
monaou0706c3
@monaou0706c3

Related Articles関連記事

めぞん一刻(高橋留美子)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

めぞん一刻(高橋留美子)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『めぞん一刻』とは、高橋留美子によるラブコメディ漫画。小学館『ビックコミックスピリッツ』で連載された。アニメ、実写映画、実写ドラマ、ゲーム、パチンコ・パチスロなどにもメディアミックスされた大人気作品。 時計坂にあるおんぼろアパート一刻館に住む世渡り下手な浪人・五代裕作と突然管理人としてやってきた美貌の未亡人・音無響子が織り成す恋愛模様を描く。1980年代の恋愛漫画の金字塔として名高い作品。 高橋留美子独自のリズミカルでコミカルな展開が小気味いい作品である。

Read Article

五代裕作(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

五代裕作(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。 貧乏浪人生として登場し、新しく赴任してきた管理人の音無響子に一目惚れ。大学入学後も彼女に想いを寄せ、一刻館の面々に茶々を入れられながらも、恋敵の三鷹瞬と度々競い合っていった。一方で様々な女性からアプローチを受け、その度に響子からヤキモチを焼かれていた。大学卒業後はフリーターとして働きながら保父の資格取得を目指していく。最終的に保父として保育園に就職し、響子と結婚。娘の春香をもうけ、一刻館で響子と共に幸せな家庭を築いていった。

Read Article

六本木朱美(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

六本木朱美(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

六本木朱美(ろっぽんぎ あけみ)とは、漫画『めぞん一刻』に登場する人物である。ボロアパート一刻館の6号室に住む妖艶な女性で、主人公である五代裕作の隣人。 一刻館の他の住人達と共に、五代とその思い人である音無響子の一進一退の恋模様を面白がった。また何かと五代に絡んでは、彼から酒や食料をたかっている。物語終盤、自分の休憩代を払わせようとラブホテルに五代を呼びつけ、これを知人に見られたことで彼と響子の関係を破綻寸前まで壊してしまう。様々な男と付き合ったが、最終的に喫茶店茶々丸のマスターと結婚した。

Read Article

四谷(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

四谷(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

四谷とは漫画『めぞん一刻』に登場する人物である。職業不詳、本名不詳の謎多き人物で、一刻館の4号室に住んでいる。人を揶揄う事が大好きで、4号室と5号室の壁に穴を空け、5号室に住む主人公の五代に何かと絡んで行く。彼に食べ物や酒をせびったり、度々他の一刻館の住人達と共に5号室で大宴会を開いた。また人の話を真面目に聞かない為、彼に伝言等を頼むと大抵の場合トラブルとなる。他の一刻館の住人達と五代、響子、三鷹の三角関係を面白がり、度々茶々を入れては酒の肴にしていた。よく家賃を滞納する問題住人でもある。

Read Article

一の瀬花枝(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

一の瀬花枝(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

一の瀬花枝(いちのせ はなえ)とは漫画『めぞん一刻』に登場する人物である。オンボロアパート一刻館の1号室に旦那と息子の賢太郎と共に住んでいる中年女性である。他の一刻館の住人達とつるみ、主人公の五代と響子と三鷹の三角関係を揶揄った。噂好きであり、頻繁に彼等のプライベートを詮索しては、それを他の一刻館の住人達と面白がっている。噂好きな一方で、面倒見の良い面も持ち、五代と響子が結ばれた際には温かく受け入れている。酒豪で他の一刻館の住人達と頻繁に宴会を開き、日の丸扇子を両手に踊りを踊るのが常であった。

Read Article

今年で30周年の1986年のアニメ作品10本

今年で30周年の1986年のアニメ作品10本

今年2016年は、「聖闘士星矢」「ドラゴンボール」などの作品の、30周年にあたる。アニメも含め少年ジャンプの黄金時代と言えるだろう。一方で、リアルロボットアニメを中心としたアニメブームは終わり、オリジナル作品は衰え、「ジ・アニメ」「マイアニメ」といったアニメ誌が廃刊していくという時代でもあった。そんな時代を代表する、10本の作品を選んでみた。

Read Article

【めぞん一刻】アニメ・ゲームを実写化した映画まとめ!意外と知られていない名作も!?【スーパーマリオ 魔界帝国の女神】

【めぞん一刻】アニメ・ゲームを実写化した映画まとめ!意外と知られていない名作も!?【スーパーマリオ 魔界帝国の女神】

アニメやゲームが原作の実写映画をまとめてみました。『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』や『北斗の拳』など、「えっ、実写化してたの?」と驚く名作もあるかもしれません。洋画・邦画問わず紹介しているので、気になる作品があった方はぜひ視聴してみてください。

Read Article

サンデー系列の人気漫画家たちの画像を紹介!高確率でメガネ着用!?

サンデー系列の人気漫画家たちの画像を紹介!高確率でメガネ着用!?

芸能界と比較するとあまり表舞台に立つ機会が少ない職業である漫画家。「作品は知っているけど顔は見たことがない」という人も多いのではないだろうか。そこで本記事ではあだち充、高橋留美子、原秀則、皆川亮二、藤田和日郎、安西信行など、『サンデー』系列の雑誌で活躍している漫画家の画像をまとめて紹介した。メガネの着用率がかなり高いのも興味深い点である。

Read Article

目次 - Contents