しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』の概要

『しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』とは、臼井儀人の『クレヨンしんちゃん』を原作とした映画作品。『クレヨンしんちゃん』の映画シリーズの第31作品目に当たる。単行本26巻に収録されている番外編漫画『しんのすけ・ひまわりのエスパー兄妹』を元にした物語だ。『クレヨンしんちゃん』映画シリーズ初の完全3DCG映画。制作を担当した株式会社白組によると、「ツヤツヤもちもちカラフル」をテーマにしており、原作やTVアニメ版へのリスペクトを込めて制作したとコメントしている。

ある日突然正義のエスパーとなった主人公の野原しんのすけ（のはら しんのすけ）は、悪のエスパー・非理谷充（ひりや みつる）と戦い、世界の平和を守ることになった。そんなしんのすけをサポートするのは、野原家の面々と、国際エスパー調整委員会の人間達。令和てんぷく団の助力で膨大な力を得た非理谷は、世界をぶっ壊そうと暴れだす。しんのすけは手に入れた正義のエスパーの能力で非理谷に立ち向かうのだった。

『しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』のあらすじ・ストーリー

正義のエスパー・しんのすけ爆誕

大予言者ノストラダムスの隣町に住んでいたヌスットラダマスという預言者は、「20と23が並ぶ年に天から二つの光が降るであろう。一つは暗黒の光、もう一つは小さな白い光…やがて暗黒の光は強大な力を持ち、平和をごっつ乱し、世界にめっちゃ混乱を招くことになるんやでえ」という予言を残した。”20と23が並ぶ年”というのは2023年を指す。そしてその予言通り、2023年、空から暗黒の光と白い光が落ちてきた。白い光は、埼玉県春日部にある家に向かてまっすぐに落ちていく。そこは主人公・野原しんのすけ（のはら しんのすけ）の家だった。しんのすけは白い光を浴び、身体がゆらゆらと緑色の光を放ち出す。しんのすけは何かすごい力を手に入れたことを確信した。

翌日、しんのすけの通うふたば幼稚園では運動会が開かれた。しんのすけは昨晩手に入れた不思議な力を使って大活躍。運動会はしんのすけのひまわり組が優勝した。野原家はしんのすけの大活躍を祝って、夕食は自宅に豪勢に手巻き寿司を食べることにした。するとそこに突然、国際エスパー調整委員会という組織の人間がやってきた。顧問の池袋薫（いけぶくろ かおる）と女性職員の深谷ネギコ（ふかや ねぎこ）だ。池袋達はしんのすけの父・ひろしと母・みさえにヌスットラダマスの予言のことを話し、しんのすけが正義のエスパーになったことを伝えた。ひろしとみさえは池袋達が胡散臭いと怪しんだが、しんのすけが実際にサイコキネシス（念動力）を使うのを見て池袋達の話を信じざるを得なかった。

しんのすけは暗黒の光を浴びて悪のエスパーと化した何者かと戦うために、エスパーとしての能力を鍛えることになった。

悪のエスパー・非理谷満爆誕

しんのすけが白い光を浴びて、正義のエスパーになった頃、別の場所では非理谷満（ひりや みつる）という青年が暗黒の光を浴びて悪のエスパーになっていた。非理谷はアルバイトもうまくいかず、世の中を恨んでいた。唯一の心の拠り所だった推しのアイドル・萌美（もえみ）も結婚して引退。おまけに強盗事件の犯人に間違えられて警察に追われる始末だ。非理谷は世界に絶望した。その時暗黒の光を浴びて悪のエスパーになったのだ。非理谷は力を使って、とりあえず萌美とその結婚相手のイケメンに嫌がらせをしてウサを晴らす。そしてふたば幼稚園の側を通りかかった。室内で子供達と遊んでいたひまわり組の担任・吉永先生に萌美の姿を重ねた非理谷は、フラフラとした足取りで幼稚園に侵入。吉永先生達を人質にして立てこもり事件を起こした。

しんのすけはエスパーとしての特訓中、テレビでふたば幼稚園の事件を見て、急いでふたば幼稚園に向かう。そこで非理谷と初めて出会った。しんのすけは覚えたての超能力で非理谷と対抗（しんのすけ本人は非理谷に遊んでもらっていると思っている）。外から様子を伺っていた警察が突入して、吉永先生達を救出したことで事件は被害も出ずに終わった。しかし肝心の非理谷は超能力を使って逃げ出し、行方知れずとなってしまった。

令和てんぷく団登場

ふたば幼稚園から逃げ出した非理谷は、ヌスットラダマス2世と名乗る男に声をかけられた。ヌスットラダマス2世は、令和てんぷく団という組織のボスで、先の見えない、お先真っ暗な未来が待つこの国を一度ぶっ壊して新たな世界を作ろうとしていた。非理谷はとりあえずヌスットラダマス2世の話を聞くために、令和てんぷく団のアジトまで着いていく。そこにはこの国の未来に絶望したたくさんの若者達が、ネットカフェのような個室で生活をしていた。若者達の頭には何か装置が取り付けられている。その装置は若者達の負のエネルギーを抽出する装置だった。ヌスットラダマス2世は負のエネルギーを蓄積して、そのエネルギーで世界を壊そうとしていたのだ。非理谷はヌスットラダマス2世に無理やり装置をつけられる。非理谷の負のエネルギーで、装置はあっという間エネルギーを上限まで溜めた。そして非理谷をさらに膨大な力を持つ悪のエスパーへと進化させてしまう。

ヌスットラダマス2世は急いで池袋に電話をした（ヌスットラダマス2世と池袋は実は学生時代からの友人）。非理谷が予想以上の力をつけ、暴走を始めたからだ。連絡を受けた池袋は深谷と野原家は車で、しんのすけはエスパーの能力の特訓の過程で動かせるようになった巨大カンタム・ロボで現場へ向かう。しんのすけはカンタム・ロボを操り非理谷と戦ったが、徐々に追い詰められていきピンチに陥る。その時、突然しんのすけの妹のひまわりが光りだした。白い光が降ってきた時、しんのすけと一緒にいたひまわりもまた正義のエスパーの力を手に入れていたのだ。

しんのすけとひまわりは力を合わせて非理谷を撃退。場は祝勝モードに包まれた。

しんのすけと非理谷の友情

非理谷を倒すことには成功した。しかし、非理谷の中の悪の力は消えていなかった。非理谷は巨大で醜いモンスターに変身。白い光の力を受け継いだしんのすけとひまわりを取り込もうと暴れ出した。しんのすけ達は必死に抵抗したが、その甲斐虚しく、しんのすけはモンスター非理谷（モンスターひりや）の中に吸い込まれてしまった。

しんのすけはモンスター非理谷の中で、子供の頃の非理谷と出会う。非理谷の家庭は両親が共働きだった。幼い非理谷は夜遅く両親が帰ってくるまで、1人寂しく待っていた。生来の性格とそういった家庭環境も相まってか、非理谷は大人しくて引っ込み思案な性格のまま成長し、やがて同級生からイジメの対象となる。しんのすけはそんな幼い非理谷のそばにいて、非理谷をイジメっ子から救ったりと手を貸した。やがて非理谷の両親は離婚をすることになる。非理谷はその瞬間、自分の人生がどうでもよくなった。誰にも認められない人生に絶望する非理谷は、そこでまたかつてのイジメっ子と再会。しんのすけは再び非理谷を助けようとしたが、幼稚園児のしんのすけは今度は手も足も出なかった。ボロボロになりながら、それでもしんのすけは非理谷を守ろうとする。しんのすけにとって、非理谷は既に”仲間”だっからだ。非理谷はしんのすけのその心が嬉しくて、自分も立ち上がってイジメっ子に立ち向かう。そしてしんのすけと非理谷はイジメっ子達に打ち勝った。

しんのすけと非理谷がイジメっ子に勝利した頃、モンスター非理谷に異変が生じた。モンスター非理谷は急に苦しみだし、しんのすけを吐き出す。そして塵とかした。モンスター非理谷が消えた場所には、非理谷の姿があった。しんのすけと非理谷には、モンスター非理谷の中で体験した時の記憶が残っており、2人の心は”仲間”という絆で結ばれた。非理谷はしんのすけや野原家の人間に励まされ、もう一度人生を頑張ると決めたのであった。

『しん次元！クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』の登場人物・キャラクター

主要人物

野原しんのすけ（のはら しんのすけ）

CV：小林由美子

『クレヨンしんちゃん』の主人公。ふたば幼稚園のひまわり組に通う5歳の男の子である。野原ひろしとみさえの息子で、ひまわりという妹がいる。マイペースでおバカ。そのせいでいつもみさえや幼稚園の吉永先生に怒られている。心優しく、家族思い。まだ小さいが、大切な人を守るために敵に立ち向かう勇気を持っている。

本作では、正義のエスパーの力を授かり、念動力（サイコキネシス）を始めとする超能力を使えるようになっている。その力を用いて、悪のエスパー・非理谷と戦うことになり、奮闘する。最後には非理谷の閉ざされた心を癒やし、悪の力を消滅させることに成功した。

非理谷充（ひりや みつる）

CV：松坂桃李、塙真奈美（少年期）

悪のエスパーの力を授かる青年。両親が共働きで忙しく、幼い頃からいつも夜遅くまで1人寂しく両親の帰りを待つ日々を過ごしていた。その後、両親が離婚。人間不信に陥って、大人になってからろくな仕事に就かず、世の中のことを憎んでいた。推していたアイドル・萌美（もえみ）を心の糧にしていたが、萌美が一般人との結婚を理由に引退。絶望したところに悪のエスパーの力を授かり、世界を壊そうと暴れ始めた。

本作の元となっている番外編漫画『しんのすけとひまわりのエスパー兄妹』にも登場している。しかし漫画では名前はなく、本作で名前が明らかになった。

野原家

野原ひろし（のはら ひろし）

CV：森川智之

みさえの夫で、しんのすけとひまわりの父親。双葉商事に務めるサラリーマンである。役職は営業部（営業2課）の係長。キレイな女の人には目がなく、美人を見かける度に鼻の下を伸ばしている。しかし実際のところ妻のみさえ一筋。とても家族思い。

本作では正義のエスパーの力を得たしんのすけをサポートする。

野原みさえ（のはら みさえ）