ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード(WA5)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード』とはメディア・ビジョンエンタテインメントが開発したPlayStation 2用のロールプレイングゲーム(RPG)で、略称は『WA5』。かつて高度な文明が存在した世界「ファルガイア」。物語は古代兵器「ゴーレム」を発掘するゴーレムハンターを目指す少年ディーンが、謎の女性アヴリルとの邂逅を果たすところから始まる。本作はシリーズ10周年という節目の年に登場する記念碑的な作品であると同時に、新たな地平を切り開いた作品となっている。

カルティケヤ

CV:青山穣
ベルーニ族強硬派最高幹部、四天王(フォーカード)のひとり。29歳。主に戦闘全般を受け持っている。破壊と殺戮を快楽とし、笑いながら抵抗できない相手をなぶり殺しにしたり、1つの町を壊滅させることから、笑う死神と呼ばれている。ゴーレムに使用されている技術を応用して造られた義手を左腕に移植しており、これを用いて大量殺戮を楽しんでいる。かつてグレッグの目の前で妻メリーと息子テッドをなぶり殺しにし、からかい半分でグレッグを生かしておき、自らが使用していたARMを投げ渡し自分を殺してみろと嘲笑った。己の実力に絶対の自信を持つが、過去に一度だけヴォルスングと戦ったことがあり、彼を襲いそのまま返り討ちにされた後配下としてスカウトされた経緯がある。そのため、自分がヴォルスングには勝てないと知っており、今度戦えば殺されると恐れている。終盤、旅を経て強くなったグレッグと一騎打ちを行い敗北する。この際、グレッグにワザと生かされ、大きな屈辱を味わうも、彼の復讐を遂げさせまいと、自らの身体をARMで撃ち抜き自害する。しかしディーン達との旅で精神的に成長したグレッグに、復讐はもはや通過点に過ぎないと告げられ、驚愕しながら哀れな最期を遂げた。

エルヴィス

CV:郷里大輔
ベルーニ族強硬派最高幹部、四天王(フォーカード)のひとり。卓越した知性と知識を持ち、考古学の権威として知られ、自称「偉大なる教授(プロフェッサー)」。興味を持ったことや思いついたことをすぐに調査し、実験しなければ気が済まない性格で研究に没頭するあまり周りが見えなくなることがある。一見すると紳士だが子供っぽいところがあり、興奮すると一人称がワシからボクに変わる。争いごとが起きた際は腕力で解決しようとし、思索にふける際やショックを受けるとポージングを始める。かつてはTFシステムによるファルガイア改造を推し進める中心人物だったが、生命の危機にあったキャロルを拾い、彼女の育ての親になったことで考えを改め、現在は強硬派に席を置きながらも、人間とベルーニ族が共存する方法を模索している。キャロルに対して深い愛情を注ぎ、教育を施して膨大な知識と荒野を生き抜くための智慧を授けた。キャロルとはお互いに依存していたが、終盤キャロルが自立することを決意した際に、彼女がディーンとの付き合いを認めてほしいと芝居したことで彼女と一騎打ちをすることになる。キャロルとの戦いに敗れた後、彼女からお互いに独立をしようと提案され、子離れをすることを決意した。

ヴォルスング

CV:東地宏樹
ベルーニ族強硬派最高司令官であり、実質上ベルーニ族のトップに君臨する人物。23歳。冷静沈着かつ冷酷な性格で目的のためなら手段を選ばない。その非常な命令内容は時として配下である四天王でさえ言葉を失うほどだが、四天王が束になっても勝てないほどの実力を持っているため、誰も彼に逆らうことができない。普段何を考えているか分からないこともあり、ファリドゥーンを除く四天王から信頼されていないが、ヴォルスング自身も四天王は己の目的を達成するための道具としか見ていない。人間の母親とベルーニ族の父親の間に生まれ、かつては荒野に芽吹いた希望と呼ばれていた。種族の壁を壊し、両種族を率いる主導者になることを期待されていたが、かつて彼と同じように種族の壁を壊そうとし挫折した者達の怨念に取り憑かれて精神支配を受けて以降、ファルガイアを滅ぼすことを目的とするようになる。最終決戦にて怨念によって自我を奪われ、「レギオ・ヴォルスング」と化してディーン達を倒そうとするが、彼らの決して諦めない想いの前に敗れ去り、憑き物が落ちたヴォルスングは完全な敗北を認める。その後、しぶとく生き延び、背後からディーンを襲い掛かった怨念に自らとどめを刺した。全ての戦いが終わった後は、贖罪のための旅に出た。

ゴーレムハンター

ナイトバーン・アックランド

CV:乃村健次
全てのゴーレムハンターの憧れや目標となっている世界最高のゴーレムハンター。42歳。ベルーニ族に一方的に支配される人間の中で唯一彼らと対等に話ができる人間。ゴーレムハンターとしての活動以外に、テレビ番組やCMへの出演、企画も行い富と名声を欲しいがままにしている。ベルーニ族に支配される人間達の誇りと希望であり、ディーンが崇拝する人物でもある。しかしそれらはナイトバーンが作り上げた虚像に過ぎず、実際はベルーニ族に取り入り、強硬派と組んで人間を滅ぼそうとしている。かつてペルセフォネの姉と恋人関係にあり、周囲の差別を物ともせず、種族の壁を乗り越えようという理想を抱いていたが、恋人がUbに冒されて故人となり、何もできなかった己の無力さと孤独感から自暴自棄になってしまう。初めてディーンと出会った際は彼との一騎打ちで圧倒する実力を見せるが、後に再戦した際は成長した彼の実力と覚悟を目の当たりにし、嘘で塗り固めて偽っていた己の熱い心を認め、かつて抱いていた理想と自身のハンターライセンスをディーンに託し、後継者に指名した。その後、ポンポコ山の崩落からディーンを庇い、生死不明となってしまうが、最終決戦にてゴーレムに襲撃されるハニースデイの村に現れ、村人達の窮地を救った。

ベルーニ族穏健派

バーソロミュー

CV:宝亀克寿
空中戦艦「天路歴程(ピルグリム・プログレス)号」の艦長。146歳(人間換算で50歳位)。ヴォルスングが率いる強硬派に対して穏健派に属している。ファルガイアに入植する際にベルーニ族を率いていた先代の「ジョニー・アップルシード」。自分の力が至らず、ベルーニ族が人間の上に君臨する支配構造や階級制度を生み出してしまい、この関係が両種族を隔てる壁となってしまったことに自責の念を感じている。その後、Ubに冒されてファルガイアの大地に降り立つことができなくなったバーソロミューは、穏健派のトップとして強硬派を監視、牽制しつつ、ファルガイアとそこに生きる全ての者が共存できる道を模索している。他人に有無を言わさない行動力と決してくじけない熱い心の持ち主で、部下からの信頼も厚い。ディーン達が両種族の壁を壊すことができる者であると信じ、彼らを全力で支援するようになる。ゴーレムが放ったエネルギー弾を素手で弾き返したり、天才的な武人ファリドゥーンさえも子供扱いするなど、ベルーニ族の中でもトップクラスの戦闘能力を持つ。

その他の登場人物

デュオグラマトン

CV:高瀬右光
ベルーニ族強硬派のお抱えである情報統制発信局FBCに所属する映像ジャーナリスト。30歳。男性だが中世的な存在で、一人称はあたし。真実にこだわり、真実を報道することに執念を燃やしている。そのため、やらせとうそを嫌い、真実を白日のもとに晒すためならベルーニ族高官の命令を無視することも多い。嘘で塗り固め虚像を演じるナイトバーンとは対極の存在で嫌っているが、お互いに根本の部分では認め合っている。強硬派や穏健派を出し抜き、いち早くアヴリルの存在に気づくが、真実を追求するために、あえて泳がし続けていた。後にディーンが両種族の壁を壊す覚悟を決めた際、その一部始終を全国に放送したことで、世界中にディーン達の存在と行動が知れ渡ることになる。

ルシル

19歳。ハニースデイの食事処「うさぎ追いし亭」のウェイトレスだったが、貧しさから両親によってベルーニ族に身売りされ、名門RYGS邸のメイドとなり当主ダイアナに仕えることとなった。チャックとは幼馴染の関係で、お互いに好意を抱いていたが、自分の傍にいる人間は不幸になるとチャックが村を出て以降は疎遠となっていた。気が強く物怖じしない性格で、仕事熱心さから、ダイアナだけではなくファリドゥーンからも気に入られている。後にファリドゥーンとお互い想い合う関係となる。ダイアナを失い、チャックと同じように自分が周りの者を不幸にすると後ろ向きの考えに陥っていたファリドゥーンに、自分を護り抜けばそうはならないと伝え、彼の心の支えとなった。

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