鉄コン筋クリート(Tekkon Kinkreet)のネタバレ解説まとめ

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『鉄コン筋クリート』とは、1993年から1994年にかけ『ビッグコミックスピリッツ』にて連載された松本大洋による漫画作品。
2006年に劇場アニメ化され、松本大洋の出世作と言われている。
本作品はヤクザやチンピラ絡みの暴力沙汰が絶えない「宝町」という街を舞台に、孤児であるクロとシロが驚異的な身体能力と子供とは思えない破壊的な力を武器に強く逞しく生き抜く姿を描く。

『鉄コン筋クリート』の概要

『鉄コン筋クリート』とは、1993年から94年にかけ『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に連載された松本大洋の漫画。
タイトルの由来は松本氏が幼い頃に「鉄筋コンクリート」という言葉をどうしても「鉄コン筋クリート」としか発音できなかったエピソードが元になっている。
劇場版『鉄コン筋クリート』でクロ役の声優を演じた二宮和也氏は、13歳の頃に既に原作を読んでおり本作品の大ファンだと話している。
劇場版アニメの興行収入は5億円を記録した。アニメ制作はSTUDIO4℃(スタジオよんどしい)、監督はMichael Arias(マイケル・アリアス)が本作初監督を務めた。
第80回アカデミー賞長編アニメーション映画賞部門ノミネート候補12作品の中に選出された。
米国でのタイトルは『TEKKON KINKREET BLACK&WHITE』でR指定を受けた作品である。
松本大洋氏は『鉄コン筋クリート』を白黒のメリハリが効いたタッチのイラストで描いており、これは米国のアーティストであるフランク・ミラー氏の影響を受けているという。
松本氏の描く漫画は枠線などを除き全てフリーハンドで描かれている。
建物を描く際も定規などは使わないことで有名である。

『鉄コン筋クリート』のあらすじ・ストーリー

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下町風情のある「宝町」ではヤクザが幅を利かしている。そんな宝町に住みついている親の居ないクロとシロは常に2人で行動し、持ち前の人並みはずれた身体能力を活かして街中を飛び回っていた。
二人の生活はホームレス同然の車中暮らしで、生活費は他人から強奪した金品で成り立っていた。
生活の為ならば暴力を厭わない2人は、街の人々に「ネコ」と呼ばれ恐れられていた。
「第一級虞犯少年」として警察の手にも負えないクロとシロは宝町を自分たちの街だと思って疑わない。

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そんなある日、ヤクザ「大精心会」の組内である計画が持ち上がっていた。それは宝町に「子供の城」という一大レジャー施設を建設するというものであった。その計画は西と東のヤクザが手を組み共同で開発を進めるという内容だった。
「子供の城」建設プロジェクトの発足を皮切りに、宝町はこれまでと異なる不穏な動きを見せ始める。
ある日、自らを「朝夜兄弟」と名乗り、豊町からやって来たという2人の少年たちから喧嘩を売られ、派手な乱闘の末勝利したクロとシロは、兄弟たちから3人組の殺し屋の存在について聞かされる。兄弟曰く、3人組の殺し屋は朝夜兄弟を豊町から追い出し、挙げ句、クロとシロが住む宝町にもやって来ると話す。
その頃、宝町では「蛇」と名乗る謎の男がクロとシロを消そうと企んでいた。
蛇は宝町を掌握するにあたり、幅を効かしているクロとシロの動きを封じておく必要があると考えていた。
その「蛇」なる男こそが朝夜兄弟の話す三人組の殺し屋を操る男だった。蛇は3人組の殺し屋を操る傍らでヤクザの大精心会と手を組み、「子供の城」建設に一役買う人物だった。

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無事、「子供の城」1号店が完成し、2号店オープンの話が持ち上がる中、宝町に古くからあるストリップ劇場が取り壊される案が持ち上がる。
クロとシロは、レジャー施設建設に伴い、ヤクザの出入りが頻繁になっていた宝町の変化を敏感に感じ取っていた。特に感受性の強いシロはその変化に胸を痛めていた。
蛇は「ネコ退治」と称してクロとシロの元に三人の殺し屋を送り込む。
突然三人の殺し屋に襲われ負傷したクロとシロは街中を全力で逃げ回る。そんな中シロは次第に正気を失ってゆく。
壊れたように上の空で訳の分からないことを話すシロを背中に抱え、クロはなんとか一人で殺し屋に立ち向かう。
蛇という男に目をつけられたことにより宝町で生活をすることが出来なくなったクロとシロは途方に暮れる。
クロは、依然、上の空のままのシロに街に住むことが出来なくなったという現状を把握させようとするも、シロには通じない。
寝泊まりしていた車にも戻れなくなり、シロは数少ない私物の中で最も気に入っていた帽子と時計を取りに戻りたいと言い出す。
二人で戻るのは危険だと判断したクロは、自分が車に取りに戻ると約束し二人は別れる。

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別行動をしている間に、シロが蛇の差し金で現れた謎の男たちに重傷を追わされる。駆けつけたクロは意識不明の状態で病院のベッドに横たわるシロを見て茫然自失となる。
シロはなんとか一命をとりとめ回復に向かうが、宝署の警官によって身柄を保護されることになる。
クロは、嫌がるシロを安全な場所に預けるため、「シロは前から足手まといだった」「俺はもっと強い相棒を探す」と冷たく言い放ち警官に身柄を保護させる。
その日からクロとシロはそれぞれ別々の場所で生活することになり、シロの身の安全は確保されたが、一方でクロは次第に精神のバランスを崩し始める。

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現実世界と幻想の世界とが交錯し我を見失ってゆくクロは自らの内に潜む「イタチ」の存在に支配されてゆく。
「イタチ」とは頭が牛で身体は人間という半身半獣の「伝説の餓鬼」と称されている存在である。クロは実質、シロを生活の中から追い出したことにより悪の抑制が利かなくなり、自己の中に眠っていた「イタチ」を呼び醒してしまったのである。結果的に「イタチ」は蛇の差し金である殺し屋たちを倒すことに成功する。殺し屋を操っていた蛇も大精心会の舎弟頭によって始末され、クロとシロを脅かしていた存在は居なくなる。しかし、シロもクロと離れて生活していることで精神のバランスを崩していた。「イタチ」に心を支配されているクロは、シロを偽善だと言う「イタチ」によって悪の道へと導かれるが、クロを求めて放ったシロの叫び声によって正気を取り戻す。クロの中に潜んでいた「イタチ」という幻覚はシロの存在と、クロのシロを想う気持ちが勝り封じ込む事に成功する。

『鉄コン筋クリート』の主要登場人物・キャラクター

クロ (CV 二宮和也)

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シロとふたりで宝町に住み、盗みをはたらいて生計を立てている。親も住む家もなく車中で寝泊まりしている。普段は常にシロと2人1組で行動している。人並み外れた身体能力を持ち、建物や電信柱を伝って移動することが出来る。
宝町を自分の町だと思い、街で幅を利かそうとする者に容赦なく制裁を加える。そしてシロを傷つける者に対しても容赦なく暴力で打ち負かす。シロの世話全般をしている。シロよりも気性が荒く、喧嘩の際はクロが主導で行うことが多い。

シロ(CV 蒼井優)

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クロとふたりで生活を共にしている。クロと同じだけの身体能力を持ち、高い所からもなんなく飛ぶことが出来る。腕時計の収集が趣味で、喧嘩相手や襲った相手のしている腕時計を盗んでコレクションしている。クロよりも大人しく純粋で人懐っこい性格の持ち主。その性格のお陰でホームレスの源六やチンピラのチョコラに可愛がられている。小学校に通いたい気持ちがあり、よく外から覗いている。

鈴木(CV 田中泯)

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通称「ネズミ」と呼ばれている「大精心会」に所属するヤクザ。組長からも一目を置かれている存在。一度宝町を出て行ったが再び戻って来た。刑事の藤村とは因縁の仲。宝町を愛しているために、「大精心会」の企てる「子供の城」建設プロジェクトに反発している。

木村(CV 伊勢谷友介)

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