メイドインアビス(Made in Abyss)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『メイドインアビス』とは、「つくしあきひと」による漫画作品。2017年にキネマシトラス製作でアニメ化した。アビスと呼ばれる巨大な縦穴を舞台にした冒険ファンタジー作品で、可愛らしい絵柄と美しい背景とはギャップのある過酷な冒険が描かれる。探窟家に憧れる主人公の少女「リコ」は、記憶を失ったロボットの少年「レグ」と共にアビスの底を目指す。

『メイドインアビス』の概要

『メイドインアビス』とは、「つくしあきひと」による漫画。
竹書房のウェブコミック配信サイト「WEBコミックガンマ」で連載し、コミックが発売されている。
2017年にキネマシトラス製作でアニメ化。
美術監督はジブリ作品で美術背景を数多く担当している「増山修」が勤めた。
オープニングの最後のカットはストーリー進行により変更され、全4枚。
エンドカットは竹書房の作家人によるイラストが提供された。
最終回は1時間スペシャルで放送された。
アニメ公式サイトでは、リコ役の富田美憂とナナチ役の井澤詩織がパーソナリティのラジオの配信されている。

コミックは、簡体字中国語・版繁体字中国語・版英語版が発売された。
2017年に竹書房の作家達によるアンソロジー「メイドインアビス公式アンソロジー 度し難き探窟家たち」も発売された。

「アビス」と呼ばれる大穴の表層部にある町オースの孤児院に住む主人公「リコ」は、アビス探窟の最中にロボットの少年「レグ」に出会う。
リコとレグは孤児院を抜け出し、アビスの底を目指し探窟に出る。
温かみのある可愛らしい絵本のような絵柄であるが、ストーリーの内容は冒険の楽しさと過酷さ両方が描かれ、残酷な描写も包み隠さず表現される。
世界観は作り上げられたファンタジー溢れる設定で、背景が美しく緻密に描写されている。
本作はオリジナルエピソードを交えながら、原作エピソードのウサギの様なキャラクター「ナナチ」が仲間になる所までが描かれた。

『メイドインアビス』のあらすじ・ストーリー

アビスへの旅立ち

主人公の少女・リコが暮らす町・オースは、アビスと呼ばれる巨大な縦穴に降りて探索を行う「探窟家」が住む町である。探窟家はアビスから不思議な力が秘められた人工物・遺物を持ち帰り、それを日々の糧としている。だがアビスの中には人を襲う生物や、上昇負荷から体にかかる不調・アビスの呪いが存在しており、探窟家の冒険はいつだって命がけだった。またアビスには深界一層二層三層と分かれており、七層の後には極点と呼ばれる詳細不明の空間すらあった。深部へ行く程アビスの呪いも強まり、特に六層以降は一度潜ったら二度と地上には戻れないとされている。
探窟家見習いとして、オースの孤児院で仲間達と暮らすリコ。ある日彼女は、アビスの生物に襲われた際にロボットの少年・レグに助けられる。リコは仲間達と彼を孤児院に連れ帰る。レグはアビスの底から来た存在なのではないかと考えるが、当のレグは記憶を失っていた。色々レグの体について調べた結果、リコと仲間の少年少女達は彼を特級遺物・奈落の至宝(オーバード)と判断する。大人に見つかれば遺物として回収し解剖される可能性がある為、リコ達はレグに人間のフリをさせて孤児院に入れる事にする。
それから2ヶ月が経ったある日、ある探窟家がリコの母・ライザが持っていた白笛を持ってオースへ戻ってくる。白笛は、この世に数人しか居ない最高ランクの探窟家のみが持つ事を許された笛だ。ライザは「殲滅卿」「殲滅のライザ」という異名を持つ伝説の探窟家で、今はアビスの底にいるとされていた。

その日、町はライザの魂が戻ってきたという事で復活祭を行う。その片隅でリコは、ライザの弟子であり自分が所属する探検隊のリーダーである青年・ジルオから、自分が生まれた時の話を聞く。ライザが絶界行(ラストダイブ)と呼ばれる、六層以降の層へ探索をしに行ったのはリコが二歳の頃の話だ。その二年前、ライザは国の特命で特級遺物の回収をしに深界四層を訪れていた。だが探窟は過酷なものとなり、リコの父・トーカもここで命を落としてしまう。しかしライザは、この第四層でリコを生んだ。そしてライザは特級遺物を持ち帰る事は困難と判断し、持ち込んだ呪い除けの籠にリコをいれ、そのまま地上へと戻る事となった。
その後、リコはライザの笛と共に発見された封書を目にする。そこにはリコが図鑑でも見た事がないアビスの生き物達に加え、レグのような人間の絵、さらにさらに「奈落の底で待つ」というメッセージが書かれていた。リコはこれが自分宛てのメッセージだと考え、アビスの底に行く事を決める。レグも自分の事がわかるかもしれないと、リコについていく事にする。だがもう一生地上に戻れない為、仲間達に猛反対される。リコは彼らを説得し、アビスの底に行く事を納得させる。しかし仲間の1人・ナットだけは最後までそれを認めず、リコ達は喧嘩したまま別れてしまう。
その後、真夜中にこっそりと孤児院を抜け出す事になったリコとレグ。その最中、レグは1人でジルオと遭遇してしまう。リコがいないという彼に、レグは「トイレに行った」と返す。するとジルオは何かを察したように、「ついて行ってやれ」とレグに言い残してその場を去る。スラム街である岸壁街(がんぺきがい)から、レグの伸縮自在な腕を使ってアビスの中へ向かう事にするリコ達。すると岸壁街出身のナットが、リコ達を穴がある場所まで案内する為に現れる。リコ達に、先程の喧嘩の事を謝るナット。リコは「これが最後だから」とナットを許す。そして別れを前に言葉を窮するナットに、リコは「例え会うのがこれで最後になったとしても、アビスで繋がっている」と告げ、レグと共にアビスの中へと降りていくのだった。

深界一層

一層に辿り着いたリコ達は、二層を目指す前に食事を始める。そこで2人は、レグが持つ鞄の中に入っていた見知らぬ封筒について話始める。封筒の中には、ライザの書いたメモの複製が入っていた。レグは旅立ちの日に遭遇したジルオの態度を思い出し、このメモが彼によるものではないかと推測する。さらに封筒の中には、「夜明けと共に捕まえに出る」という警告文も入っていた。それを見たリコ達は、急いで二層へと出発する。リコはジルオが捕まえに来る事が、隊長であった彼からの最後の授業だと考える。またレグも、彼が自分の正体に気づいており、その上で見逃していてくれたのかもしれないと考える。2人はジルオに応える為にも、絶対に二層まで行く事を決める。だがその時、彼らの前に白笛の1つ下のランク・黒笛を持つ探窟家・ハボルグが現れる。急いで逃げようとするリコ達。だがハボルグは、2人を捕まえに来たわけではなかった。実は彼は、地上でリコの孤児院の仲間達から「2人を二層まで連れて行って欲しい」と頼まれ、ここまでやってきたのだ。加え彼らからレグが奈落の至宝だと聞いたハボルグは、レグの姿を一目見る為、2人の後を追ってきたのだという。「二層まで一緒に行く」と言うハボルグ。だがリコは、「これはジルオの最後の授業だから」と断る。ハボルグは了承し、代わりに二層に行くための予防接種と食べ物を渡す。そして「白笛・不動卿動かざるオーゼンに気をつけろ」と、2人に忠告する。オーゼンは、二層に設けられた施設・監視基地(シーカーキャンプ)にいる白笛だった。

深界ニ層

ハボルグと別れ、無事に二層に辿り着いたリコ達。2人はまず、監視基地を目指す事にする。すると突如、人の助けを求める声が聞こえてくる。声がした方を見ると、そこには空を飛ぶ生き物・ナキカバネがいた。助けに行こうとするレグ。だが、ナキカバネが獲物の助けを求める声を真似し新たな獲物をおびき寄せる習性がある事を知っていたリコは、「これは罠だ」とレグを止める。
2人は草陰からナキカバネを観察する。だがその時、2人が観察していたのとは別個体のナキカバネがリコを攫ってしまう。リコは上昇負荷によって気絶。ナキカバネの雛達の餌にされそうになる。レグは彼女を助けようとするが、周囲のナキカバネの数が多く苦戦する。そこでレグは、自分が熱線を使える事を思い出す。それは彼がリコと最初に出会った時、彼女を助ける為に使った技だった。それを使いリコを助けるレグ。だが熱線の力は凄まじく、危うくリコを巻き込みそうになってしまう。
目を覚ましたリコはレグの攻撃の跡を見て、最初の時はもう少し的を絞れていた事、本来ならこの技をちゃんと操れる事をレグに告げる。そしてレグの熱線に「火葬砲(インシネレーター)」と名をつける。体力を消費したレグは、その後眠りにつく。目が覚めたレグは、リコと2人でナキカバネの肉を食べる事になる。人間を捕食する生き物の肉を食べる事に、戸惑うレグ。そんな彼にリコは、探窟家を食べる生物は多く、彼らの血肉は生き物から再び探窟家の血肉となり、探窟家はそうやって強くなるのだと話すのだった。
その後、再び歩き出した2人は二層の最下部・逆さ森にある、監視基地に辿り着く。

監視基地(シーカーキャンプ)

監視基地で2人は白笛の女性探窟家・オーゼンと、メイド服を来た蒼笛の(恐らく少年)「マルルク」に出会う。オーゼンはライザの笛を発見した人物であり、リコが生まれた時にライザと共にいた探窟家でもあった。
監視基地に泊まる事になるリコ達。その晩、リコがトイレを探しに監視基地内を歩いていると、死体のような謎の生物を目にする。翌日、リコがその話をレグ達にすると、オーゼンがリコ達を私室に呼ぶ。そこでオーゼンはリコに、ライザの笛を発見した場所がライザの墓場であった事、そして「奈落で待つ」という封書の文字がライザのものではない事を告げる。「ライザは死んだのにアビスを目指す必要はあるのか」と、リコに問うオーゼン。さらに彼女はリコに、かつて彼女が入っていた呪い除けの籠を見せる。実はこの籠は呪いを跳ね除けるものではなく、死骸を入れると死んだものが動き出すという代物だった。実はリコは生まれた時点で死んでおり、この籠によって生き返ったのである。さらにここで、昨晩リコが見た生物が、オーゼンが籠に入れた食用肉の半身が生き返ったものだった事も判明する。生き返ったものは皆、なぜかアビスの中心に向かおうとする事を告げるオーゼン。これ以上酷い話をリコに聞かせるわけにはいかないと、レグはリコとオーゼンの間に割り込む。それがきっかけで、レグとオーゼンの戦闘が開始。リコは2人を止めようとするが、オーゼンに吹き飛ばされ気絶する。リコを守る為、レグはオーゼンに火葬砲を撃とうするが、逆にオーゼンに捕まりリコの方へ火葬砲の弾道を向けられてしまう。咄嗟にレグがオーゼンに反撃した為、なんとかリコに火葬砲を当てずには済むが、武装したオーゼンに殴られ気絶してしまう。次にレグが目をさますと、そこにはリコとマルルクとオーゼン、それからオーゼンの探窟隊「地臥せり」がいた。マルルクが呼んできた地臥せりが、オーゼンを止めてくれた事を知るレグ。だがオーゼン自身はレグ達を試しただけで、最初から殺すつもりはなかったという。さらに発見したライザの墓の中には、何も埋まっていなかった事をレグとリコに教える。オーゼンはリコとレグに、二層から先へ行く為の試練を与える。それは監視基地の奥の森、そこで10日間2人だけで生き抜くというものだった。オーゼンはレグに気絶するリスクがある火葬砲は使わない事、使う時は徹底的に敵を倒しきるように告げる。

リコとレグは知恵を絞って、火葬砲を使わない形で10日間を無事に生き延びる。そこで2人はオーゼンから、アビスの中と地上では時間の流れに差があり、アビスの数年が地上の十数年になることもあるという話を聞かされる。つまりアビスの奥深くにいるライザは、数年程度の体感で生きているかもしれない、生存している見込みも高いという話だった。また五層はこの時間の差が顕著である事や、白笛が3人も滞在している為、あまり長く居すぎない方がいいという事も2人に教えるオーゼン。そして彼女が「ライザの墓」と思った場所に刺さっていたライザの武器・無尽槌(ブレイズリーブ)を、「もしもの時はこれを使うように」とリコに渡す。
監視基地を後にするリコ達。2人が去った後、オーゼンはライザとの記憶に思いを馳せる。かつて、リコを孤児院に預ける事を決めたライザ。自分の娘だとバレたら営利誘拐などの被害に遭う可能性がある為、弟子のジルオに託す事にしたのだという。しかし理由はそれだけではなく、彼女自身がアビスの探窟を辞めたくないからというのもあった。またいつかリコがアビスに行きたいと思った時、ライザの存在が足枷になってしまうかもしれない。そうならない為にも、アビスでリコがやってくるのを待つ事にしたのだそう。
ライザはオーゼンに、もしリコが現れたらリコの生い立ちを教えてあげること、そしてアビスの探窟という冒険の楽しみ方を教えて欲しいと言う。オーゼンはそれを了承し、「リコをライザの元へ送り出すくらいのことはする」と約束したのであった。

深界三層

監視基地を後にした2人は、第三層に到着する。すると三層を進む2人は間違えて、大型の生物・マドカジャクの巣に入ってしまう。レグは火葬砲でマドカジャクを倒す。リコにすぐ逃げるように告げるが、そこに別の生物・ベニクチナワが現れる。このベニクチナワは、かつてリコを襲い、レグに火葬砲を撃たれた相手だった。リコとレグはどうにか小さな穴の中に逃げ込み助かるが、レグが火葬砲の代償で気を失ってしまう。リコはレグを引きずりながら、穴の出口を探す。だが見つけた出口の前には、急な登り坂があった。坂を登れば、リコは上層負荷に襲われる。三層の上昇負荷は、平衡感覚の異常と幻覚・幻聴などの症状を発症するというものだった。満身創痍になりながらも、リコはレグを連れて坂を登りきる。だがそこには、先回りしたベニクチナワがいた。リコが1人でベニクチナワを撃退しようとした時、レグが目を覚ます。リコは、無尽槌をレグに渡す。レグはそれを使い、ベニクチナワを撃退する。
今回の件を通して、お互いの存在がいかに大切なものであるかを改めて理解した2人は、深界四層を目指して歩き出す。そうして三層を超えて、四層に辿り着く。

深界四層

四層でレグは、何者かの視線を感じる。そんな時、2人の前に毒針を持つ生物・タマウガチが現れる。リコ達はタマウガチを撃退しようとするが、その最中にタマウガチの針がリコを刺す事態が発生してしまう。レグは、リコを連れて逃げる。だがそれにより、四層の上昇負荷・全身の激痛や穴と言う穴からの流血といった症状がリコに発症してしまう。さらにタマウガチに刺された手は毒で変形するほどに腫れ、腕を切らなければならなくなる。レグは泣きながらも、リコに教えられた通りの方法で彼女の腕を切断しようとする。だが血の匂いで虫が集まってきてしまい、処置どころじゃなくなる。また虫の対処をしている内に、リコの息が止まってしまう。だがそこへ、ナナチと名乗るうさぎのような姿をした少女が現れ、リコの心臓がまだ生きている事を教える。彼女から人工呼吸の方法を教わったレグは、それを使いリコを蘇生する。
ナナチは己を探窟家たちの言う所の「成れ果て」だと、レグに教える。成れ果ては、上昇負荷により異形の姿になった元人間の事だった。ナナチは「助けてやる」と言って、レグ達を自分の家へ連れて帰る。

ナナチハウスにて

ナナチの家で、彼女の処置を受けるリコ。そこでレグは、四層に来て感じた視線がナナチのものである事を知る。最初はタマウガチに襲われている2人を見ているだけだったが、泣きわめくレグを見て可哀想になった為、助けてくれたのだという。
ナナチの家には、成れ果てのミーティがいた。ミーティは、六層の上昇負荷により成れの果てになった少女だった。ナナチ曰く、六層の上昇負荷で死に切れず生き残ると、人格も知性も消えた「成れ果て」になってしまうのだという。
ナナチはレグに、治療に使う品々を集めてくるように言う。レグは、ナナチに言われたものを全て集めてくる。その後レグは、リコの汚れた下着を洗いに河原へ行く。そこにはライザが好きな花・トコシエコウが咲いていた。それを見た瞬間、レグはライザの声とブレイズリーブが刺さった墓と謎のペンダントの幻覚を見る。
その後、ナナチのもとに戻ったレグは、ナナチからミーティがかつてはリコ達と同じ年頃の女の子であった事を聞かされる。またナナチ自身も成れ果ての特性からか、アビスの呪いが見えるという力があった。ナナチいわく、アビスの呪いは空気のように生物の周りにあり、生物が動けば共に動く「正体不明の力場」のようなものなのだという。タマウガチはこの力場を感じて、レグ達の行動を先読みしていた為、2人はタマウガチに勝つ事ができなかったのである。ナナチはレグに通信機を持たせ、タマウガチを再び戦わせる。ナナチの指示通り動いたレグが火葬砲を使うと、驚くほどあっさりとタマウガチを倒す事ができた。レグはタマウガチに襲われていた黒笛を助け、「ジルオに自分たちがまだ冒険を続けていることを伝えて欲しい」と黒笛に言葉を託す。一方ナナチは、レグの火葬砲を見てある事を決める。そして自分のもとに戻ってきたレグに、「ミーティを火葬砲で殺して欲しい」と頼む。

ナナチは元々、浮浪児であった。そこへ白笛のボンドルドが来て、新たな人材集めの為にと、子供達の中から有志でアビスへ行きたいものを集めた。ナナチも今の暮らしから抜け出せるならと、彼のもとへ行く。そこで彼女が出会った少女こそが、ミーティだった。
ナナチ達は他の子供達と共にボンボルドに連れられ、五層から六層へ降りる為の装置の真上に建つ施設・前線基地(イドフロント)にやってくる。前線基地での暮らしの中で、仲良くなるナナチとミーティ。だがある時から、ボンドルドに一人また一人と呼ばれ、少しずつ子供達が減っていくようになる。そしてある晩、ついにミーティにも声がかけられる。彼女と探窟家として冒険をする約束をしていたナナチは、ボンボルドにその願いを伝える為に彼を追いかける。しかしその先で、ナナチはボンボルド達が子ども達を使って人体実験をしていた事を知ってしまう。ボンボルドに捕らえられたナナチは、ミーティととある機械にいれられる。装置は上層負荷に対する実験を行うもので、片方のものにだけ上層負荷をかける事でもう片方への負荷を減らす効果があるか調べる仕組みとなっていた。ナナチとミーティは装置によって高速で深界六層まで落下する。上層負荷をかけられるのはミーティの方である事を、2人は事前にボンボルドから教えられていた。ミーティはナナチに「上昇負荷に耐えてみせる」と告げる。だがもし死んでしまったら、アビス信仰に則って「またナナチに会えるようにして欲しい」と願う。アビス信仰とは、探窟家の間に存在する信仰で、「アビスで命を落としたら、魂が星の底に還って行って、命を願った者の所へ形を変えて旅に出る」というものだった。実験の結果、ミーティは異形の成れ果てとなり、ナナチは今のうさぎのような姿をした少女となる。またミーティには、何をしても死ねない呪いがかかる。ナナチはミーティを連れて前線基地を脱走。そして、現在の拠点へ辿り着いた。死ねないミーティは、今も永遠の痛みを感じ続けている。そんなミーティを助ける為に彼女を殺す方法を探していたナナチが出会ったものこそが、レグの火葬砲だった。
ナナチ曰く、レグの火葬砲は、ボンドルドが持っていた遺物の武器・スパラグモスと似ているとのこと。レグはミーティを殺す代わりに、その後1人になったナナチが自ら命を絶たない事を条件に、彼女の申し出を受け入れる。そして後日、レグの火葬砲によってミーティは完全に消滅する。
後日、レグが目を覚ますとリコは元気になっていた。リコはレグ達に、もう1人誰か居なかったかと尋ねる。実は寝込んでいる間、リコは夢の中でミーティと出会っていた。夢の中で、自分が何者か思い出せずにいたリコ。だがミーティと出会った事で、自分の事を思い出す事ができたのだ。
その後、リコとレグはナナチに「一緒に来て欲しい」と頼む。ナナチはそれを了承し、旅立つ準備をする。3人は自分達の情報を地上に伝える為、気球型の電報船を地上に向けて放つ。そうして3人はナナチの家を離れ、深界五層へ旅立つ。

一方電報船は、監視基地に不時着していた。気球部分が破損していたものの、拾ったマルルクによって直され、改めて地上へと放たれる。そして最終的に、アビス探窟中のナットに拾われたのだった。

『メイドインアビス』の登場人物・キャラクター

主要登場人物・キャラクター

リコ

CV:富田美憂

本作の主人公。12歳。赤笛。
母は伝説の白笛「ライザ」で、ライザの娘である事がバレることへのリスクからベルチェロ孤児院に預けられ、ライザの弟子ジルオに教育される。
母が居るアビスへ憧れ、いつか自分も白笛の探窟家になる事を夢見ていた。
性格はポジティブで明るく、探究心があり、アビスの知識を生かしてそれを活用する行動力がある。
しかしその反面危なっかしく、落ち着きが無いため孤児院では問題児とされていた。
子供であるため、戦闘力はほぼゼロ。
料理が得意。

生まれは深界四層で、死産であるが呪い避けの籠に入れられ生き返る。
この時に目にアビスの呪いを受け、視力に異常はないが、メガネがなければ頭痛を起こしてしまうようになった。
その後ライザの手を離れ孤児院で育つ。
ナットとの探窟の最中にベニクチナワに襲われ、レグの火葬砲に助けられる。
ライザの笛が発見されたことがきっかけとなり、リコは赤笛の状態のままレグと共にアビスへ旅立った。
三層では気絶したレグを運びながら一人でアビスを彷徨い、四層ではタマウガチの毒を受け重傷となる。
レグの頑張りと、ナナチの助けによって復活したが、腕には辛うじて親指が動かせる程の後遺症が残った。

レグ

美有奇
美有奇
@miukichi

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