『天空の城ラピュタ』解説まとめ【あらすじ・登場人物・名言・主題歌など(ネタバレあり)】

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1986年公開、スタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。

作品概要

1986年に公開。宮崎駿氏が小学生時代に考えた物語がベースにはなっていますが、小説や漫画という形での原作はありません。またスタジオジブリ作品の記念すべき第一作でもあります。意外と興行収入は望めなかったものの、調査された観客の満足度は97%。典型的な冒険活劇という、子供にもわかりやすく入り込みやすい題材ながら、結果として大人でも見ごたえあるものになるという宮崎氏の方針通りの作品と言えます。
【キャッチコピー】「ある日、少女が空から降ってきた・・・」というのが当時のキャッチコピー。主人公とヒロインの邂逅としては極めて斬新なこの出会い、シータの健気な性格も相まって、「俺の所にも可愛い女の子が降りてこないかなあ」とファンに夢を抱かせる一因にもなりました。

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あらすじ

残業の夜食を買い求めた帰り、不思議な光を目撃した少年パズー。その正体は気を失った少女の付けていたペンダントでした。翌朝目を覚ました少女はシータと名乗り、二人は打ち解けます。空中海賊に追われているというシータですが、軍隊に引き取ってもらうことも拒みました。何故なら、軍隊も彼女を狙っているから。理由はすべて、シータと彼女の身に着けている飛行石にありました。パズーの父が見つけたものの、息子以外誰もその存在を信じなかった天空の城、ラピュタ。その秘密を解き明かすのに、飛行石、並びにシータが必要だと言うのです。父の無念を晴らす、自分で見てみたい。ラピュタへの夢がシータを守るという信念に変わるパズー、ラピュタの財宝を狙う海賊ドーラ一家、ラピュタの真相を解き明かしたい軍隊、そしてそれとは別に何かを企む諜報員ムスカ大佐。それぞれの思いが入り乱れて、物語は動き出すのでした。

用語

ラピュタ

物語の重要地。かつて天空で栄え、地上を支配したとされる国。現代では計り知れない超文明を誇っていたものの、疫病が蔓延して地上に降り立ちました。王家はその際二つに分裂し、ひっそりと暮らしてきたとされます。ラピュタ人はもう誰もラピュタに近づけないようにと竜の巣と呼ばれる巨大低気圧の渦で防壁を張り、飛行石の主が近づいた時だけ迎え入れるという仕組みになっていました。今現在残っており、劇中に登場したのは都に当たる部分。ラピュタの最盛期はOPアニメで描かれます。

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飛行石

劇中の重要アイテムにして、ラピュタを栄えさせた鉱物。実は劇中においてはありふれた鉱石ですが、空気に触れるとただの石になってしまうそうです。結晶を加工するのは現代人の技術では不可能。古代ラピュタ人のみが加工技術を持っていた模様。身に着けた状態で呪文を唱えると、後述にある通りの効果を発揮。ラピュタの王族の者でないと扱えないようです。

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シータの飛行石。

ラピュタの中核部分には直方体の巨大な飛行石が存在。また名前通り物や人を浮遊させる効果があるようで、ラピュタを天の城として機能させていました。持ち主の転落に際してはその速度を弱めます。シータの家には、代々濃い青色のペンダントとして受け継がれていましたが、祭事や結婚などの祝い事の時のみ使われて、普段は暖炉に隠されていました。

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ラピュタを浮かせている飛行石。グルグル回ってます。

呪文

飛行石の力を引きだすための呪文。シータ曰く色々な種類があるものの、「いい呪文に力を与える為には、悪い呪文も知っていなくてはならない」そうで、滅びの呪文まで存在。

【リーテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール】幼いシータが、祖母から「困った時のおまじない」として教えられた呪文。「我を助けよ、光よ甦れ」という意味。一種の守りの呪文でもあります。パズーと別れて軍に協力させられることとなったシータが呟くように唱えました。何の効果も期待していなかったものの、身に着けていた飛行石が強烈な光を発揮。ロボットを起動させることとなり、ラピュタへの道を光で示しました。「何で滅びの呪文が短くて、守りの呪文がこんなに長いんだ」とのご指摘あり。

【バルス】絶対に使ってはいけないと念を押された上で教えられた、滅びの呪文。シータはこの呪文を教えられた夜、恐ろしさのあまり眠れなかったと語っています。ムスカとの最終決戦の際、パズー、シータ共に飛行石に手を添えた状態で、ラピュタをムスカから守るために使用。ラピュタを浮かせる巨大飛行石が光り、かつての文明の粋はすべて崩れ去りました。ラピュタ語で「閉じよ」という意味があるようですが、元ネタ候補として平和を意味する「バルシュ」(トルコ語)が挙げられています。

タイガーモス号

ドーラ一家の飛行艇にしてアジト。船内中に張り巡らされた伝声管で連絡を取り合います。上部、前方に見張り台があり、上部の見張り台へは、船体にあるはしごを使って上るという構造。この見張り台は緊急時凧になりますが、分離すると伝声管が使えなくなるため内部に設置された電話で連絡を取り合うことになります。ドーラの寝室のほか、台所、渡り廊下を伝っていく船長室などが劇中で確認されました。設計したのはドーラの亡き夫。名前の由来は灯盗蛾(ヒトリガ)という蛾の一種。

【フラップター】虫を模したような二人乗りの小型艇で、偵察や海賊行為を行います。連結も可能。

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ゴリアテ

ラピュタの探索の為の軍艦。絵本版では「空飛ぶ要塞」と記されています。見た目にもいかつい、まさに空中戦車といった印象。搭載武器の威力もかなりのもので、砲弾も通じなかったロボット兵を完全破壊。ラピュタ到達後はタイガー・モス号を破壊してドーラ一家を捕縛。しかし本性を現したムスカにより無数のロボット兵が放たれて炎上しながら落下しました。

登場人物

パズー

主人公の少年。両親は既に亡く、炭鉱で働いています。残業のため夜食を買いに行った帰り、ゆっくりと降りてきたシータを目撃、そのまま保護しました。元気で快活、と言った印象です。ラピュタを目撃、写真まで撮ったものの、詐欺師扱いされたまま死んだ父の無念を晴らすために飛行機を製作中。そのためメカには強いです。またシータをドーラ一家から守る為自分にできる限りのことをするなど、根性も据わっています。シータやポム爺さんの話でラピュタの実在を確信し、一緒に探そうと活気づくものの、彼を守るためのシータの自己犠牲を真に受け、わずかな金貨を渡され帰途に就くのでした。

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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