銀牙―流れ星 銀―(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『銀牙ー流れ星銀ー』とは、1983年~1987年に『週刊少年ジャンプ』にて高橋よしひろが連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。奥羽山脈の双子峠を舞台に、銀色の毛並みの秋田犬「銀」が隻眼の殺人熊「赤カブト」をすべく、全国にいる猛者を集める旅にでる。旅を続け、数々の戦いを重ねるたびに真の漢として成長していく銀が、次々と仲間を増やし、犬vs熊の壮絶な決戦へと挑む。主人公銀が、数々の困難を乗り越えていく姿や、作中に登場する犬達の漢気あふれる姿に読者自身がとても勇気をもらえる作品。

『銀牙―流れ星 銀―』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

紅桜の攻撃を躱した銀は、懐に潜り込み紅桜を上空へと突き上げた

紅桜を仲間にするために、1匹で紅桜の元へやってきた銀に、紅桜は群れを代表してきた銀を一人前の漢と認め、漢として死なせようと本気で決闘することを決める。それを聞いたクロスは、銀に逃げるように叫ぶも銀は、自分を群れのリーダーとして認めてくれたベン、仲間達、打倒赤カブト悲願のため、クロスの叫びを無視して紅桜に立ち向かっていくのであった。銀は、自分が殺されるのは覚悟の上で諦めることなく紅桜に挑んでいく。そんな、銀を見て紅桜は、若かりし頃の自分を銀と重ね合わせていた。そして、死の恐怖に直面してもなお、自分に挑んでくる銀の覚悟が本物であることを確信する。銀が最後の力を振り絞り、紅桜へ突進した。迎え撃つべく、一撃を放つ紅桜だったが、銀はその一撃を躱し、紅桜の懐へも潜りこんだ。そして、自分の2倍はある紅桜を空へ突き上げた。銀は、そのまま地面に紅桜を叩きつけた。この、一撃で銀を本物の漢と認めた紅桜は、銀達の仲間になることを決意した。

総大将リキは全国から集まってくれた仲間たちを死地へと送り出さなければいけないことに激情の涙を流す

3カ月の旅を終え、全国から仲間を集め、再集結を果たした銀達は、熊たちとの戦闘で傷だらけになった、リキに再開を果たす。リキの姿を見た全員が言葉に表すことのできない感動に胸を打たれ全員が涙を流す。リキもまた、自分の悲願達成のために全国から集まってくれた仲間たちを戦場へ送り出さねばならないという感情により涙を流す。この涙は、仲間の命を犠牲にしなければいけないという悲しみのほかに、全国から仲間を集めてくれた銀やベンをはじめとする奥羽軍の初期メンバーや自分の悲願達成のために集まってくれた仲間達への感謝、そして、仲間を集めの旅の途中で命を落とした仲間達への追悼の涙であることが分かる。この場面からは、リキがいかに赤カブトとの対決を待ちわびていたか、そして、仲間に対する情の深さが読み取れる。

蘇った赤カブトに止めを刺すべく、再び「絶・天狼抜刀牙」を繰り出す

五兵衛の銃で撃たれ、一度は力尽きた赤カブトが執念で蘇り、銀達に襲い掛かる。銀は、赤カブトに止めを刺すため、父・リキから伝授された必殺技である「絶・天狼抜刀牙」再び繰り出し、赤カブトの首を跳ね飛ばす。銀が赤カブトの首を跳ね飛ばしたのを見届けると、リキは仲間たちに見守られながら息を引き取った。

『銀牙―流れ星 銀―』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

スーパーカー好きの作者・高橋よしひろ

銀牙シリーズの作者、高橋よしひろは熱狂的なスーパーカーファンという一面を持っている。
あの有名なSF漫画『コブラ』の作者、寺澤武一は、自分で高橋よしひろ信者だと公言している。そんな彼は、よしひろ氏の自宅に訪問した際、ガレージに車の展示場のようにたくさんのスーパーカーが並んでいるのを見たという。そして、よしひろ氏は夜中の高速道路をひた走るのが至極の楽しみと語った。

ご先祖が犬使いの作者・高橋よしひろ

高橋よしひろのご先祖には「八太郎(はちたろう)」という犬使いの男がいたそうだ。八太郎は幕末の動乱の頃、敵のスパイを探るため火縄銃を背負い、数頭の犬を引き連れ、奥羽山中の警戒にあたっていたという。その犬達は、後に激しい戦闘で戦死したと作者は述べている。現在でも、高橋よしひろの故郷である秋田県の奥羽山中の麓には、八太郎の功績は石碑に記され残されており、彼に従った犬達の犬塚も存在する。

幼くして散る運命だった主人公・銀

高橋よしひろは『銀牙ー流れ星銀ー』の前に月刊誌で『白い戦士ヤマト』という犬を題材にした動物漫画を連載していた。
そのため、週刊誌で新しく始める漫画は、題材を被らせないようにと意識していたそうだ。そして、『銀牙』はシリーズの題名と残し『ー流れ星銀ー』を正式なタイトルにすることを決めていたとのこと。そのため、『銀牙ー流れ星銀ー』は10~20話程で打ち切り、新しい『銀牙』シリーズの連載を考えていた。そして、”銀牙”のタイトル通り、牙のある動物なら猫でもシャチでも爬虫類でもよかったらしく、『流れ星』と名付け理由は、幼くして散る運命にあったからだという。しかし、実際に連載を開始すると「銀」は簡単に死ぬようなキャラクターでなくなってしまったと語られている。

『銀牙―流れ星 銀―』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):宮内タカユキ『流れ星銀』(第1話 - 第21話)

作詞:寒太郎、作曲:木森敏之、編曲:矢野立美、歌:宮内タカユキ
ヒーロー戦隊シリーズや仮面ライダーの主題歌でお馴染みの、宮内タカヒロが主題歌を歌っている。アニメ作品では、『銀牙ー流れ星銀ー』の前に、『キン肉マン』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主題歌やエンディングテーマを歌っている。『銀牙ー流れ星銀ー』は、主題歌を歌うアニメ作品としては、5番目の作品となっている。
この曲の歌詞は、「昨日のお前を超えてゆくんだ」「立ち向かえ、自分より大きなものに」など挫けそうな心を奮い立たせてくれる歌詞が特徴の応援歌である。『銀牙ー流れ星銀ー』に使用されている曲は、自分の背中を押してくれるような応援歌がほとんどである。

ED(エンディングテーマ):宮内タカユキ『TOMORROW』(第1話 - 第21話)

作詞:寒太郎、作曲:木森敏之、編曲:矢野立美、歌:宮内タカユキ
「もっと大きな明日がきっとくるのさ」、「輝こう、強く」など、今日を精一杯頑張った人をいたわるような歌詞や明るい未来をイメージできるような歌詞が特徴な、バラードの応援歌である。

non03214
non03214
@non03214

目次 - Contents