ポートガス・D・エース（ONE PIECE）とは【徹底解説・考察まとめ】

10歳になった頃、ガープが自分の孫であるモンキー・D・ルフィをダダンのもとに預けることになった。エースは突然現れたよそ者のルフィを毛嫌いし、友達になりたがるルフィから逃げ回っていた。しかしルフィの気持ちは強く、逃げるエースをどこまでも追いかけた。その結果エースとサボが誰にもバレないように隠していた海賊貯金のありかまでたどり着いてしまい、エースとサボを驚かせた。その後ルフィは2人の海賊貯金を狙った海賊たちに捕まり、ありかを言うまで拷問にかけられるが一切口を開かなかった。その姿を見ていたエースとサボはルフィを助け出すと決断し、海賊たちのもとに乗り込んで無事ルフィを救出した。このことをきっかけにルフィのことを認め、サボも含めて3人で行動するようになる。海賊になるために山で一緒に修行を重ねるうちに絆は深いものになっていき、兄弟盃を交わし3人は兄弟になった。
この頃には幼少期に感じていた疎外感や自分の存在に対する負の気持ちが少なくなっており、兄弟の2人に対する思いやりや人に対しての優しさを見せるようになる。
フーシャ村のマキノがルフィに会いにきた時には、ルフィがお世話になった人に対してお礼を言いたいと礼儀正しい言葉遣いや作法を習う姿も見られた。

サボとの別れ

サボは実は貴族の生まれであり、差別の横行する腐った環境に耐えきれずに家出をしていた。しかし貴族である父親によって家に連れ戻されてしまい、3人は一次的に離れ離れとなってしまう。そんな中、ゴア王国は先に控えた世界貴族（天竜人）の使節団を迎える準備として不確かなものの終着駅（グレイ・ターミナル）を焼き払う計画を決行する。しかしそれを知ったダダンとエースたちは焼き払いの実行を任されたブルージャム海賊団の前に立ちはだかった。戦いは劣勢を極めたが、エースがなんとか持ちこたえ負傷したダダンを背負ってアジトまで帰還した。
一方サボは、自分の生まれた貴族の環境に耐えることができず、2人より一足早く海に出ることを決意する。しかし小舟で港を出たところで、使節団の船を横切ってしまい、乗船していた天竜人の手によって撃ち沈められてしまう。
その惨劇を人づてに聞いたエースとルフィはサボの死を悟った。エースは天竜人に対する怒りで我を忘れ、仕返しへ向かおうとするがダダンに止められことなきを得た。
その後エースとルフィはサボが残していた手紙を読み、サボが海に出た経緯などを知った。サボの手紙を読んでルフィはずっと泣いていたが、エースは「おれ達は絶対に“くい”のない様にに生きるんだ！！！いつか必ず海へ出て！！思いのままに生きよう！！誰よりも自由に！！！」と声をかけ、改めて海賊になることを2人で誓った。

スペード海賊団時代

サボとの約束通り17歳で海に出た。冒険を進める中でメラメラの実を手に入れメラメラの実の能力者になった。そしてスペード海賊団の船長となって集めた仲間達とともに、ルーキーの中でも注目の海賊として名をあげるようになる。偉大いなる航路（グランドライン）での航海を続けていく中で、世界政府公認の海賊「王下七武海」への勧誘もあったが、海賊としてさらなる高みを目指していたエースはその誘いを断った。
新世界の冒険の中でワノ国を訪れたことがあった。そこで村人のお玉と出会い親睦を深めた。エースはワノ国を裏で実質的に支配していた百獣のカイドウの首を取るため鬼ヶ島に向かうが、カイドウは留守中で、結果的に息子であるヤマトと戦うことになった。同じような境遇に生まれ、同じような悩みを抱えていたエースとヤマトは戦いの途中で和解し、酒を酌み交わすことになった。ヤマトはエースのビブルカードを作り、エースはヤマトとの再会を約束した。
ワノ国を出てから、とある冬島で赤髪海賊団のもとを訪れた。赤髪海賊団の船員たちは注目のルーキーが現れたことを警戒をしていたが、エースの目的は船長のシャンクスにお礼を伝えることだった。エースはかつてルフィの命を救ったこともあるシャンクスに、ルフィの兄としてお礼を言うことが長年の目標であったのだ。シャンクスはエースがルフィの兄だと知るや否やとても喜んで、宴で歓迎した。

白髭海賊団入団

エースは新世界を進む中で海賊の格をさらに上げるため「世界最強の男」白ひげに挑むことを決める。
白ひげのもとに乗り込んだエースの前に立ちはだかったのは、白ひげに大恩を持つ海峡のジンベエであった。2人の強さは互角で決着がつかず、5日戦い続けたところで、2人同時に地面に倒れ込み引き分けとなった。するとそこに白ひげが様子を見に現れ、エースは待ち望んだ相手と対峙することになった。
エースは5日間の戦闘でボロボロになった己の体を奮い立たせ、白ひげに真っ向から戦いを挑んだ。しかし世界最強の男をそんな簡単に倒せる訳もなく、エースだけはでなくスペード海賊団の船員もろとも返り討ちあってしまうのであった。このままでは海賊団が全滅してしまうと感じたエースは、自分の後ろにいた船員たちと自分との間に炎の壁を作り出して仲間を逃し、白ひげと一対一で戦う覚悟を見せた。それを見ていた白ひげはエースのことを気に入り、白ひげ海賊団へ勧誘した。白ひげを討ち取ろうとしていたエースはもちろんその勧誘を断るが、連日の戦いの疲れからその場で気を失ってしまい、そのまま白ひげの船に乗せられてしまう。
船に乗ったばかりの頃は、白ひげと船員たちのことをよく思っておらず、白ひげの首を狙って100回以上暗殺計画を実行したが全て失敗に終わった。ある時船員のマルコから白ひげのことを「オヤジ」と呼ぶ理由について聞かされ、その話によってエースの心は動かされ、正式に白ひげ海賊団に入団することを決めた。
それ以降は自分のことを「息子」と呼び慕ってくれる白ひげの気持ちに応えるようになり、白ひげ海賊団の強力な船員として数多くの活躍を見せる。周りからもその実力の高さを認められ長年欠番だった2番隊の隊長に抜擢される。エースは白ひげの長年の敵ロジャーの血を引いていることを気にしていたが、白ひげは「大事な話ってェから何かと思えば小せェこと考えやがって 誰から生まれようとも人間みんな海の子だ！！」と笑い飛ばした。
隊長になってすぐの頃、自分の隊の隊員マーシャル・D・ティーチが同じ船の親友サッチを殺害し、悪魔の実を盗んで船から逃走するという事件が発生する。この事件に嫌な予感を感じていた白ひげは今回のみ特例として、ティーチの罪を不問とするように船員たちに伝えた。しかしエースは自分の隊での失態を自分で解決したいと、周りの反対を押し切ってティーチを追いかけ1人で船を降りてしまう。

アラバスタでルフィと再会

ティーチを探す旅の中で、アラバスタ王国に立ち寄った際にルフィと再会する。ルフィは旅の途中で出会ったアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビを国に送る途中であった。
再会の瞬間は慌ただしく、ルフィが海軍のスモーカーに追われている状況だったため、エースは弟のために盾となりスモーカーの行く手を阻んだ。その後麦わらの一味とも初対面し、世話になっている弟についての感謝の気持ちを伝えた。この時エースはルフィのことを白ひげ海賊団に誘うが、即座に断られている。そしてエースはワノ国で手に入れた自分のビブルカードをルフィに渡し、再会を誓ってアラバスタを後にした。

黒ひげの追跡

エースは白ひげ海賊団が進んできた偉大なる航路（グランドライン）を逆走して、ティーチの捜索を続けた。海軍から奪った情報を頼りに進路を進める中で、バナロ島でついに黒ひげ海賊団を発見した。ティーチは白ひげの顔に泥を塗り仲間殺しの大罪を犯したことを気にもとめておらず、エースと対面するなり黒ひげ海賊団へエースを引き抜こうと勧誘を持ちかけた。さらに近くのウォーターセブンという島にいる注目のルーキー麦わらのルフィを殺して政府の手土産にするということを話し始め、その計画にエースも協力するように頼み込んできたのであった。ティーチのたたみかける許しがたい言動にエースは怒り心頭し、ついに白ひげ海賊団2番隊隊長としてけりをつけるべくティーチに戦いを挑んだ。
エースは持ち前の身体能力の高さと悪魔の実の力で圧倒的な力の差を見せつけティーチに追い込みをかけたが、ティーチのもつヤミヤミの実の力で戦闘力を無力化されてしまい戦うすべがなくなってしまう。そしてそのままティーチの思うままにねじ伏せられエースは捕まってしまう。
ティーチはこの時王下七武海の座を狙っていたため、エースをその場で殺さずルフィの代わりに政府への手土産として身柄を引き渡してしまった。

インペルダウン編

ティーチの手によって海軍に引き渡されてしまったエースは、程なくして死刑を求刑される。死刑を執行するまでの間、世界一の大監獄と呼ばれるインペルダウンに投獄される。エースが大罪人ロジャーの息子であったことから、エースの処刑も公開されることが決定し、その旨は瞬く間に世界中へと伝えられた。
海軍は白ひげ率いる白ひげ海賊団が、エース奪還のため攻め込んでくることを危惧していた。そのため監獄の周りに無数の軍艦を配置し、いつ敵が攻め込んできてもいいように臨戦体制を整え準備した。また軍艦だけでなく、王下七武海の海賊たちを処刑が行われるマリンフォードに召集し、さらに体制を強化した。王下七武海の中には白ひげを大恩人と仰ぐジンベエがいたが、彼は招集を拒否したため、エース同様インペルダウンに投獄されてしまう。エースとジンベエは同じ檻に入れられ、エースがマリンフォードへ向かうまでの少しの間一緒に過ごすこととなった。
処刑台に向かう前日、王下七武海の海賊女帝ボア・ハンコックがエースのもとを訪れた。彼女はマリンフォードへの招集を受ける代わりに、自分が招集されるきっかけとなった人物エースに会うことを海軍に条件として出していたからだ。しかしこれは建前であり、実際のところはエースの脱獄を助けるためにインペルダウン侵入を企てていたルフィに協力するためであった。周りに聞こえぬようにざわつきに紛れてルフィが助けに来ていることをエースに伝えた。
鉄壁の監獄に侵入することに成功したルフィだったが、タイミングが合わずマリンフォードに向かうエースと入れ違いになってしまう。ルフィが救出しにきたことを知り安否を気にしていたエースだったが、兄弟の再会は叶わず、そのまま処刑台に送られてしまうのであった。

頂上戦争

エースが処刑台のあるマリンフォードに移され、海軍本部の元帥のセンゴクや三大将、中将ガープなどのそうそうたるメンバーが兵士たちの指揮をとり、いつ白ひげ海賊団が襲来してもいいように備えていた。エースが処刑台にのぼり刑が執行される様子は全世界に配信されており、その冒頭でセンゴクはエースがロジャーの息子であり、だからこそ公開処刑をする必要があったことを明かした。エースの出生の秘密を知った世界の人々は、かつてのロジャーと同じようにエースの存在を否定し、処刑前のエースの心はさらに追い詰められた。
処刑の執行時間が迫る中、突如としておびただしい数の海賊艦隊が現れ、マリンフォードを取り囲んだ。白ひげ率いる白ひげ海賊団とその傘下の海賊団のべ5万人がエースの救出のために参戦したのだった。
さらにインペルダウンからエースを追ってきたルフィと脱獄囚たちも加わり、ついにエースを奪還するための戦争が勃発する。この戦いはのちにマリンフォード頂上戦争と呼ばれることとなる。
序盤は海賊側が優勢だった。しかし戦場であるマリンフォードの地形は海軍側に利を与えており、加えて海軍の策略によって踊らされた白ひげ海賊団傘下の海賊スクワードの反乱によって、海賊たちの勢いは下がり、結果的に海軍に押される形になってしまった。スクワードは海軍の口車に載せられ白ひげに裏切られたと思い込み、自分を仲間だと思い油断していた白ひげを刺してしまったのだった。そしてセンゴクは戦況の混乱に乗じて処刑の予定時間を待たずに、刑を執行しようとする。しかしその瞬間にルフィが無自覚に発した覇王色の覇気によってそれは阻止された。
白ひげはエース奪還を成功させるために、ルフィの実力を見込んで、海賊たちにルフィを全力で援護するように呼びかける。そこでまた海賊たちの士気が上がり、一気にルフィはエースのもとに進んだ。戦いの終盤、海軍の包囲網をくぐり抜けついにルフィは処刑台にたどり着き、その場にいたMr.3ギャルディーノの力を借りてエースを解放することに成功する。
海楼石の錠を外されメラメラの力を使えるようになったエースは、ルフィとともに海軍の追っ手を振り払い、退却の道を探した。
一方、致命傷を負い自分の残り時間が少ないことを悟った白ひげ。この戦場を死に場所と決め、グラグラの実の能力で地面を二つに割り海軍が部下たちを追う進路を断った。そして「お前らとおれはここで別れる！！！！ 全員！！必ず生きて！！！無事新世界へ帰還しろ！！！」という最後の船長命令を下し、海軍の追っ手を一手に引き受けた。
エースはそんな白ひげに深く頭を下げ、これまでの恩と感謝を伝え、白ひげの命令通りルフィらと共に全力で退却の道を進んだ。

エースの最期

エースたちは白ひげの思いに報いるため戦いは避けてひたすら道を進む。しかしそれを追いかけてきた海軍本部大将赤犬サカズキが「“白ひげ”は所詮…先の時代の“敗北者”じゃけェ…！！！」と挑発。オヤジを馬鹿にされたエースは、その言葉を受け流すことができず立ち止まってしまう。怒りに燃えるエースをよそに、サカズキはさらに白ひげの侮辱を続ける。エースの怒りは最高潮を迎え、ついにメラメラの能力でサカズキに応戦する。
しかしサカズキの持つマグマグの実の能力は、エースのメラメラの実の能力を無力化させてしまい歯が立たず、逆に攻撃を食らってしまう。そしてそこでインペルダウンからの長期戦で体力の限界を迎えたルフィが崩れ落ちてしまう。それと同時にルフィの麦わら帽子に挟んでいたエースのビブルカードが地面に落ちた。
ルフィはとっさにかがんでビブルカードを拾おうとするが、サカズキがそれを見逃さず隙を狙ってルフィにマグマの拳を振り落とした。しかし直前にサカズキの目論見に気づいたエースが体を張って盾となり、弟を守りぬいた。エースの体には大きな穴があき、そのままルフィに抱きつくように覆いかぶさった。ルフィは自分を庇い身を呈して兄が怪我をした状況に混乱しながらも、周りにいた船医を呼び止めエースの治療を頼む。しかしもう助からないことを悟ったエースは治療を拒否し、戦いを続ける仲間達への最後の言葉をルフィに託し、つかの間の最後の兄弟の時間を過ごした。
目の前で兄が死にゆく弟の気持ちを思い「心残りは一つある…お前の“夢の果て”を見れねェ事だ…だけどお前なら必ずやれる…！！！おれの弟だ…！！！」とルフィに声をかけ、最後まで頼れる兄であろうとした。
存在意義が分からず孤独に生きてきた自分を受け入れてくれた仲間達、白ひげ、そしてルフィに対して「愛してくれて…ありがとう！！！」と告げ、エースは息を引き取った。
エースは死ぬ直前涙を流していたが、死んだ直後の顔は安らかで幸せそうな笑顔であった。
その後、赤髪のシャンクスが戦場に現れ、戦争を終結させる。シャンクスによる取り計らいにより、エースそして白ひげの遺体は海賊のもとに引き渡された。そして新世界にある白ひげの故郷に、並んで墓が建てられ2人はそこで眠っている。

ポートガス・D・エースの関連人物・キャラクター

モンキー・D・ルフィ

CV： 田中真弓

麦わらの一味の船長。悪魔の実ゴムゴムの実の能力者で覇王色の覇気使いを使うことができる。「ひとつなぎの大秘宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるのが夢。革命軍総司令官のモンキー・D・ドラゴンを実の父親に持つ。幼少期にエースと同じように海軍本部中将モンキー・D・ガープよりダダンに預けられた。もともとはゴア王国の外れにあるフーシャ村で生活をしており、酒場のマキノや赤髪のシャンクスたちから可愛がられていた。そこでの生活で仲間の大切さや寛容の心を学び、エースやサボに対してそれを実践した。当初はエースやサボに毛嫌いされていたが、決して諦めずエースたちと仲間になれるように努力した。エースとサボと兄弟盃を交わし、本物の兄弟のような絆を持っている。エースがインペルダウンに収監されたときには、監獄まで駆けつけエースの脱獄を試みた。脱獄は間に合わなかったが、頂上戦争に参戦し、エース奪還あと一歩のというところまで海軍を追い詰めた。