深読み『フルーツバスケット』草摩綾女の「蛇」っぷり

かつて『花とゆめ』で掲載されていた『フルーツバスケット』。十二支と同じ動物(物の怪というそうです)が「憑いて」いるという一族を巡る物語ですが、中でも「巳」憑きの草摩綾女が、良くも悪くも結構「蛇」の要素を出しているような…などと思った次第です。

弟の由希。彼には「子」、つまり「ネズミ」が憑いています。草摩家においては「神」とされる慊人と同等に扱われており、先述の「十二支と神の宴会」でも上座に座らされるほど。容姿端麗にして頭脳明晰、文武両道で優しく武芸も強いと美点ばかり目立ちますが、本人は「自信がない」。そして、兄である綾女には振り回されます。性格の違いのせいもありますが、由希自身が幼少期におかれていた状況を考えるに、仕方のないことかもしれません。しかし、「蛇」の兄に「ネズミ」の弟…うん、呑まれちゃってます、由希君。「蛇」のペースに。

しかしアドバイスもします。守りもします。

憧れの人・草摩はとり

綾女自身は細かな気配りができないところがあったようで、そんな点を指摘してくれるのがはとり。自分をカリスマを持った王などと(冗談めかしてか)言う綾女ですが、はとりの言うことだけは聞くし、「とりさんにはかなわない」と賛辞。由希から褒められた際、真っ先に連絡するのもはとりです。ちなみにはとりに憑いている「物の怪」は「辰」。「蛇」が「龍」に憧れる、なんてのは考えすぎでしょうか。

締め

「蛇」はギリシア神話では再生、医療のシンボルとされてきました。今なお救急車には蛇のマークが描かれています。脱皮柄を財布に入れておくとお金が増える、なんて話も聞きますしね。綾女自身も、社会に出るに当たり様々な「脱皮」をしてきたんでしょう。いや、彼だけでなく皆。「蛇」に取り憑かれつつ、負のイメージを敢えて取り込むがごとく「脱皮」をしてきた草摩綾女の魅力、伝わったでしょうか?

全員じゃないけど十二支の皆さん(変身後)。

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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