獣の奏者エリン(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『獣の奏者 エリン』とは、2009年1月から12月にかけてNHK教育で放映されたアニメ。架空の王国を舞台に、決して人に慣れないとされる獣と心を通わせることができる少女エリンが、国家の思惑に巻き込まれながらも生命の神秘を探究する姿が描かれた。原作は2006年に講談社より刊行された上橋菜穂子による小説『獣の奏者』。青い鳥文庫、講談社文庫からそれぞれ文庫化もされており、シリーズ累計部数は200万部を超えている。シリウスKCにて武本糸会により漫画化もされており、メディアミックスも盛んに行われている。

教導師

学舎で学童たちに専門の知識や技術を教える者。学舎卒業時に〈卒舎ノ試し〉で主席にならなければ、この職に就くことはできない。

〈堅き楯〉(セ・ザン)

真王一族を守る護衛士集団。60年前、当時の真王ミィミヤが暗殺されたことをきっかけに結成された。
身分を問わず入団することができ、その際には多額の報酬が支払われることから、イアルは身売り同然の形で〈堅き楯〉となっている。
真王を守るためには自らの命を犠牲にすることも辞さず、そのためにはいかなる弱みも持たないようにと、生涯独身を貫くことや親族との縁を完全に断つことなどが義務付けられている。

動物

闘蛇(とうだ)

巨大な竜やトカゲのような外見を持つ、水中に生息する獣。額に生えた2本の長い角、毒のある牙、鋭い爪を持った四肢が特徴である。
戦闘用の獣として調教されていれば、背にまたがり角を持つことで人の意のままに操ることができるようになる。非常に獰猛な性格のため、人が触れる際には音無し笛で硬直させる必要があるが、そのためには耳の中にある耳膜を切り落としておく必要がある。
王獣とは天敵同士とされており、野生の闘蛇が王獣の幼獣を狙うこともある。

〈牙〉

大公に許された者だけが操ることを許される特別な闘蛇。
特滋水によって強化されているため、通常の闘蛇に勝る戦闘力を誇るが、その一方で病には弱く、時には原因不明の大量死を遂げることもある。
戦で先陣を切る重要な役目を担う大切な闘蛇のため、〈牙〉を死なせた者には重罰が与えられる。

王獣(おうじゅう)

狼のような顔、巨大な翼、白い体毛、鳥のような爪のある脚を持つ獣。決して人に馴れず、馴らしてもいけないと言われている。
神々から真王に遣わされた獣とも言われ、また闘蛇を喰らうことのできる唯一の獣であることからも、真王の権威を象徴する聖なる獣として崇められている。
真王に献上される王獣は、そのほとんどが幼獣の頃に王獣捕獲者によって捕えられ、王獣規範に従って飼育されている。人に飼育された王獣は体毛が野生のものと比較してくすんでいるのが特徴である。
繁殖期には体毛が白色からピンク色に変化し、天を飛翔しながら交合する。

獣ノ医術の用語

特滋水(とくじすい)

王獣や闘蛇の飼育の際に用いられる液体。特殊な滋養が含まれており、体内に取り入れることで戦闘能力を高めたり寄生虫を取り除いたりする効果を持つ。

音無し笛(おとなしぶえ)

王獣や闘蛇を硬直させることができる笛。人間には聞こえない音を発し、王獣や闘蛇の動きを止めることができる。野生の闘蛇はこの音を遮断するための膜を耳の中に持っているため、飼育する際は幼獣のうちにこの膜を切り落とす。
連続して同じ個体に音無し笛を用いると痙攣の症状が起きるなど、獣の体に大きな負担を与える。

王獣規範

リョザ神王国の王祖ジェが定めた、王獣を戦争の道具として使わせないための掟。
王獣を飼育する際には音無し笛と特滋水の使用を義務付けており、これにより王獣の飛行能力と繁殖能力を無効化している。

民族・集団

霧の民(アーリョ)/戒律ノ民(アォー・ロゥ)

真王にも大公にも仕えない流浪の民。緑色の瞳と長身が特徴で、医術等に優れた独自の文化を持っている。
かつて起きた人も獣も死に絶えるような過ちを繰り返さないため、今でも厳しい戒めに従って生活している。
一族の者以外とは結婚できない、一ヶ所に定住できない、外部の者には肌を見せてはいけないなどの掟があり、その謎めいた慣習と特徴的な外見から、周囲からは魔術使いなどと誤解されやすく、差別の対象となっている。
また、霧の民は通称であり、本来の名称は〈戒律ノ民〉である。「アォー・ロゥ(戒律を守る者)」が聞き間違いにより「アーリョ(霧の民)」と呼ばれるようになった。

〈血と穢れ〉(サイ・ガムル)

大公をリョザ神王国の王にするために暗躍する集団。
60年前、当時の真王ミィミヤを暗殺したことでその存在が知られ、〈堅き楯〉結成のきっかけともなっている。
真王が国を分裂させ、そのことにより国の発展が滞っているという主張を持ち、大公を王位につけることが国の繁栄につながるとする理念を掲げている。
身分問わず国内の至る所に潜んでおり、大公でさえその実態を把握しきれていない。

『獣の奏者エリン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

白丁花
白丁花
@littlemy090

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