五代裕作(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。
貧乏浪人生として登場し、新しく赴任してきた管理人の音無響子に一目惚れ。大学入学後も彼女に想いを寄せ、一刻館の面々に茶々を入れられながらも、恋敵の三鷹瞬と度々競い合っていった。一方で様々な女性からアプローチを受け、その度に響子からヤキモチを焼かれていた。大学卒業後はフリーターとして働きながら保父の資格取得を目指していく。最終的に保父として保育園に就職し、響子と結婚。娘の春香をもうけ、一刻館で響子と共に幸せな家庭を築いていった。

五代はある日、響子を映画に誘おうとしていたものの、彼女と三鷹が車でデートをしている現場を街中で目撃してしまう。悔しがっていた五代は、七尾こずえ(ななお こずえ)に声を掛けられる。七尾は五代の元バイト先の酒屋で一緒に働いていた同年代の女性である。それまで眼鏡を掛けていたが、バイトしたお金でコンタクトに替えていた。その為、印象が変わっており、五代は当初、彼女の事が分からなかった。

五代は成り行きで、響子と行く筈だった映画のチケットで七尾とデートをする事になる。映画館へ向かう途中、五代と七尾は、車のエンストで立ち往生していた響子と三鷹と遭遇してしまう。その場は五代達と響子達は挨拶をして別れたものの、響子は七尾と一緒にいる五代に嫉妬し、不機嫌さを露わにした。

七尾は以前から五代の事を異性として意識しており、これ以降彼にアプローチを始める。

五代は響子をデートに誘ったり、積極的にアプローチを仕掛けていった。だが、一刻館の面々が茶々を入れて面白がったり、三鷹も負けじと響子をデートに誘い、中々彼女との距離が縮まらない。また響子は天然で思い込みや嫉妬の激しい一面もあり、五代が七尾を始めとした様々な女性と関わる度に響子は嫉妬で怒り不機嫌になった。これに一刻館の面々や三鷹が横槍を入れる為、五代は彼女と距離を縮めては離れていく事を繰り返していた。

大学2年生になる

七尾(画像中央の人物)の家に上がり込んだ五代

五代は大学2年生となった。彼は響子の実家である千草家の、彼女の両親と出会い、面識を持つ。だが、千草家の両親は五代の印象が薄かったのか、名前を覚えて貰えなかった。

七尾のアプローチは続いており、五代は彼女の誘いを断り切れず、デートを繰り返していた。五代は一度、はっきりと関係を終わらせようとしたが、失敗してしまう。ガールフレンドとなった七尾は、五代を度々夕食に招く様になる。貧乏学生の彼は食費を浮かせる為、彼女の好意に甘え、彼女の実家にまで赴くようになった。

相変わらず五代と響子の関係は、近付いては誤解や嫉妬から離れていく事を繰り返していた。そんなある日、響子は脚立に上って一刻館の電球を変えていた。そこへ五代が帰宅した所、彼女はバランスを崩して脚立から落ちてしまう。咄嗟に五代が彼女を受け止めた際、2人の唇は偶然重なり、キスをしてしまった。この時は事故という事もあり、2人の関係は曖昧なままである。だが、五代は響子とのファーストキスをしたのであった。

大学3年生になる

プールで響子に噛まれる五代

五代は夏に、響子と一刻館の面々とプールに行く事になる。五代は前日、坂本の家に宿泊し、寝ぼけた彼にキスマークを首筋に付けられていた。五代は必死に隠そうとするも、響子に見られてしまう。彼は必死で響子に事情を説明するも信じてもらえず、彼女は嫉妬で怒った末に彼の肩に噛みついた。その後、五代は彼女の怒りが静まるまで、北海道に旅行へ出掛ける事になる。

北海道での旅行中、五代は響子へ釈明の手紙を書こうと悩んでいた。そこへ大口小夏(おおくち こなつ)という女性と知り合う。彼女は極度のお喋り好きで、お喋りを自制する為に北海道へ1人旅行をしていた。五代は成り行きで大口と北海道旅行をする事になり、彼女の話し相手になる。旅行最終日、大口は御礼に五代へキスをし、彼は束の間のアバンチュールを経験した。その後、一刻館に帰ろうとした五代であったが、運賃が足りず、北海道でアルバイトをする羽目になる。

響子の心中を知る

響子の独白を聞く五代

春になり、惣一郎の命日が巡ってくる。響子は音無家と千草家の面々と共に墓参りをした。その後、彼女は惣一郎を失った事への悲しみを以前よりも感じなくなっている事に気付く。翌日、響子は惣一郎への想いを整理する為、再び彼の墓へ赴いた。それを「響子が惣一郎の墓前で自決するかもしれない」と誤解した五代は慌てて墓へと飛び出す。彼は惣一郎の墓に隠れ、彼女の様子を伺った。そこで五代は、響子が涙ながらに惣一郎へ語り掛ける姿を見る。五代は彼女の中の惣一郎の大きさを知る一方で「惣一郎の事は忘れなければ響子は不幸になる」と思い込んで彼女を説得しようと墓から飛び出す。だが、既に彼女は立ち去った後であり、傍にいた僧侶に自殺しに来たと間違われて、説法をされる羽目になった。

大学4年生になる

二階堂(画像奥の人物)に部屋の床に穴を空けられる五代

春になり、一刻館に二階堂望(にかいどう のぞむ)という礼儀正しい青年が引っ越して来た。二階堂は今年から大学に入学し、別の素晴らしい設備の整ったアパートに入居する予定であった。だが、不動産屋の手違いにより、一刻館の2号室に住む事になる。この新しい一刻館の住人に、四谷は悪戯を仕掛け始めた。実は性格の悪い二階堂は負けじと彼に仕返しを始め、悪戯合戦となる。この争いに五代は巻き込まれ、彼は二階堂によって床に穴を空けられてしまった。更に四谷の策略で、朱美が五代の横で寝ている所を響子に見られてしまい、彼は響子と気まずい状態となってしまう。これ以降も五代は二階堂によって、響子との関係を引っ掻き回される羽目になる。

大学4年生になった五代は、就職活動を始めた。だが中々思う様にはいかず、就職活動は難航する。響子は五代が就職活動を始めた事で、結婚の話を意識し始める。三鷹もまた、五代が社会人になり、自分と同じ土俵に立った段階で、響子にどちらかを選んでもらいたい旨を仄めかした。五代と響子と三鷹の三角関係は、いよいよ結婚を巡った戦いへとシフトしていく。

教育実習生になる

教壇に立つ五代

五代は教育学科に所属しており、音無家の老人の手回しで響子の母校の女子高に、教育実習生として赴任する事になった。中々就職を決められない五代であったが、暫くの間は女子高に通う事になる。受け持ったクラスで彼は、八神いぶき(やがみ いぶき)という女子生徒と知り合う事になった。八神はクラスの委員長であり、五代に惹かれていく。彼女は思い込みが激しくアグレッシブな少女であり、友達と一緒に五代を追って強引に一刻館まで付いて行った。そこで響子と出会い、甲斐甲斐しく彼の世話を焼く彼女をライバル視し始める。

八神の五代へのアプローチはエスカレートしていった。五代は生来の優柔不断から、彼女を突き離す事が出来ず、対応に苦慮していく。教育実習最終日の前日、八神は女友達を引き連れて再び一刻館へと乗り込む。そこへ一刻館の面々が集まり、五代の部屋でお茶会を楽しんだ。夕方、女友達は帰宅し八神は一刻館に居座る。五代は彼女に帰るよう説得したものの、彼女は最後まで抵抗した。遂には強引にパジャマに着替え、五代の部屋に宿泊する態勢を取った。響子は仕方が無く、彼女を自室の管理人室に泊めさせる。翌日、五代は八神に腕を組まれて登校し、教育実習の最終日を終えた。教育実習の終わりと共に八神の恋は冷えていき、最後に彼に別れを告げた。

その後五代が一刻館で女子生徒達からの、彼への感想用紙を読んでいると八神が来訪し「SO LONG GOOD BYE!(またね!さようなら)」と自分の感想用紙に上書きをして帰っていった。これ以降も彼女は五代へのアプローチを続けていく。

就職浪人になる

会社の倒産を知る五代

五代は面接した会社に悉く落ちてしまう。そんな中で彼は新年を迎え、響子、七尾、八神、三鷹と初詣に赴いた。その後の会食の席で、五代は八神の父親が就職活動の本命にして、面接を控えていた三友商事の人事部長である事を知る。また、八神はこれをチャンスと捉え、五代の就職を手助けして彼から好かれようと画策し始めた。だが目論見は失敗し、八神の父親は五代を「娘をたぶらかす不届き者」と敵視してしまう。最終的に誤解は解け、八神の父親は三友商事の子会社の露商会というコンピューターソフト会社に根回しをし、五代の就職を斡旋した。これにより彼は採用され、就職活動に成功する。

その後五代は卒業試験を終え、卒業を間近に控える。就職し、生活基盤が安定したら響子へプロポーズしようと決めていた五代は、新しい生活に向けて準備を進める。だが、五代の就職する筈だった露商会は不況の煽りを受けて急遽倒産し、彼は就職浪人となる事が確定した。

大学卒業後、五代は保母となった黒木の紹介で、彼女が働く保育園にバイトとして雇われた。ショックを受けながらも彼は園児達に懐かれながら日々を過ごす。結局響子へのプロポーズは出来ず、五代と彼女の関係は相変わらずであった。それでも彼は保父(現在の保育士)資格の取得を目指し、勉強を始めた。

五代の恋敵である三鷹の元に、九条明日菜(くじょう あすな)との縁談が舞い込む。九条は旧華族の若い女性である。箱入りお嬢様であり、犬好きで数多くの犬を飼育している。これにより、彼は響子との結婚を強く意識し、曖昧だった自分たちの関係に決着を付けようと動き出す。一週間後、響子は三鷹のプロポーズに対する返事をする事になった。だが、五代はその事に気付かずに過ごしてしまう。そして返事の前日の夜、彼は坂本と共にトルコ風呂(現在のソープ)で遊んでしまった。五代の帰りを待っていた響子はこの事に怒り、三鷹と結婚する事を決意してしまう。彼女は約束の場所に赴いたものの、その場所に見合い相手の九条とその飼い犬が居た事で、三鷹は響子の所へ行けず、プロポーズは失敗に終わった。一方の五代は一刻館の面々から、三鷹のプロポーズの事を聞き、彼女へどうにか想いを伝えようと四苦八苦するが空回りしてしまう。

無職になる

リストラを告げられた五代

新年になり、再び三鷹が五代と響子の前に姿を現す。三鷹はペットショップで小型犬を購入し、自分の犬嫌いを克服していた。以降、再び彼は響子へアプローチを再開する。

五代は不況からくる人員整理で保育園をクビになる。無職になった彼は途方に暮れた。一方、何も知らない響子は五代の為に弁当を作り始め、彼が保父になる事を応援する。そんな彼女に、五代は自分が無職になった事を切り出せず、プレッシャーを感じてしまった。その後、彼は悪友の坂本の口利きでキャバクラの呼び込みのバイトをする事になる。夜の仕事をする事になった彼は、ますますその事を響子に切り出せず、悩んでしまう。結局、響子は三鷹とのディナーの帰りに、キャバレーの呼び込みをしていた五代の姿を見て、この事に気付いてしまった。そして五代が何も響子に事情を話さなかった事に彼女は怒り、弁当を作るのを辞めてしまう。彼はこの事にショックを受けて落ち込んでしまった。その後響子は保育園に電話をして彼の事情を知り、機嫌を直した彼女は再び弁当を作り始める。

五代はキャバクラの呼び込みを続けつつ、昼間は保父の勉強に励む。五代の現状を知った三鷹は、彼に「キャバクラで呼び込みの仕事をしている間に、響子へ積極的なアプローチを仕掛ける」と宣言して、彼を動揺させた。

五代は保父の資格試験を夏に控える。仕事のキャバクラでは、福利厚生部長に任命された。彼は子守の才能を見出され、キャバ嬢の連れ後の面倒を任されたのである。一方、三鷹は宣言通り響子へのアプローチを強めていった。彼は遂に響子の親族である、音無家と千草家の両親に挨拶をする。響子の親族たちに気に入られた彼は、これ以降響子の婚約者候補として見られるようになった。一方、経済的にも、社会的地位でも大きく不利な五代は、何も行動が出来ずに歯痒い思いをする。そんな彼に響子は「あたし夏まではひとりです」と、五代が保父の資格を取るまでは1人である事を彼に告げた。

三鷹が脱落する

三鷹(画像左の人物)に自身の意気込みを叫ぶ五代

9humi-aoi8008
9humi-aoi8008
@9humi-aoi8008

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