ふゆみ(最終兵器彼女)とは【徹底解説・考察まとめ】

ふゆみとは、漫画『最終兵器彼女』に登場する人物である。教育実習生として母校を訪れた際、恋人のテツとの関係に悩んで中学生だった頃の主人公シュウジと肉体関係を結ぶ。その後いったんシュウジと別れ、テツと結婚。しかしテツが自衛隊員として家を空けがちだったことから寂しさを覚え、再会したシュウジを誘惑して彼の周囲の人間関係を引っ掻き回した。やがて様々な経験を経て成長したシュウジに別れを告げられ、テツとも死別することとなり、その後は実家に戻って病気の父親の面倒を見ながら最期の時を過ごした。

千歳にアパートを借り、テツと結婚生活を送るふゆみであったが、日本は密かに他国と戦争状態となる。自衛官のテツは戦場に駆り出され、彼女は1人で過ごす事が多くなった。戦争が激化していったある日、遂に本土への空襲が始まる。ふゆみのアパートは崩壊し、彼女はシュウジの住む、故郷の街へ戻る事となった。

故郷に戻ったふゆみは自転車で移動中に、路上でシュウジと再会する。彼はこの時、彼女のちせと共に居た。ちせは本作『最終兵器彼女』のメインヒロインである。シュウジの彼女で平凡な女子高生であったが、ある日最終兵器に改造されて国防の為に戦っている少女である。ふゆみはシュウジと目が合うものの、彼だと確証が持てなかった彼女はそのまま通り過ぎた。別の日、ふゆみはシュウジを探して自転車で街中を走り回る。彼女は以前の様に、テツの代わりとしてシュウジに甘えようとしていた。その頃、シュウジはちせと一緒に下校している。ちせは自衛隊からのスクランブル要請を受け、街中でジェット噴射で緊急出動をする。偶然近くを自転車で通りかかっていたふゆみは、この時のジェット噴射に巻き込まれ転倒してしまう。そこで様子を見に来たシュウジと遭遇した。彼は転倒して軽傷を負ったふゆみの手当をする為に、彼女を家まで送る。そして家に上がり込んだシュウジを、ふゆみは誘惑し始めた。だが、自制心から彼は誘惑を断り家に帰るのであった。尚、この時彼は鞄をふゆみの家に忘れている。

シュウジと不倫関係に溺れる

シュウジを誘惑するふゆみ

ふゆみはテツの不在による寂しさから、彼の自衛隊の制服を抱きしめて涙を流す。その様子を鞄を取りに来たシュウジは目撃した。彼の存在に気付いたふゆみは、彼を家に招き入れる。そして2人の距離は次第に縮まっていき、肉体を重ね合わせ始めた。シュウジは彼女の家を訪れる直前、ちせと彼の自宅で過ごしており、良い感じになった所で自衛隊からのスクランブル要請に邪魔をされている。ちせが出撃してしまった事で彼は、悶々とした性欲をふゆみにぶつけようとしていたのであった。彼の「鞄を取りに来た」という理由は建前でしか無かったのである。ちせを裏切り、ふゆみとの情事に溺れる彼は罪悪感から行為の途中で涙を流すのであった。そんな彼にふゆみは明るい調子で、自分の胸を揉ませてちせと別れる様にアドバイスをする。ふゆみはテツから「男は女の胸を揉むと楽になる」という事を聞いており、この事を実行しようとしていたのであった。場の雰囲気が和み、拍子抜けしたシュウジは行為を止めて帰り支度を始める。ふゆみはそんな彼を寂しげな笑顔で見送った。

シュウジとちせの関係を破局させる

シュウジ(画像右の人物)を誘惑していくふゆみ(画像左の人物)

地球は人間の度重なる環境破壊や科学実験により寿命を迎えつつあり、天変地異や異常気象に見舞われている。地球最後の日が近付いても尚、人類は地球滅亡の原因を押し付け合って戦争をしていたのである。

突発的な地震に見舞われたふゆみは、部屋が滅茶苦茶になり落下物等で負傷した。それでもシュウジの事が心配であった彼女は、慌てて彼を探し始める。一方、学校に居たシュウジは、地震によって暴走し校舎を破壊してしまったちせに恐怖していた。彼はその事に罪悪感を抱くも、咄嗟にちせを突き離してしまう。自分の行為を後悔した彼は、スクランブル要請を受けて迎えに来た自衛隊の元へと赴く彼女に「今夜展望台で待っている」事を叫んだ。この展望台はシュウジ達の住む街を一望できる無人の建物の事であり、シュウジとちせの思い出の場所である。己の身勝手さと無力さに苛立っていた彼は、学校を抜け出して当ても無く街を歩き始める。そんな彼をふゆみは発見し駆け寄っていった。

シュウジは負傷しているふゆみの手当をする為、再び彼女の部屋に上がり込む。そのまま2人は疲労から、滅茶苦茶になった部屋の中で眠ってしまった。時刻は夜になり、目覚めたふゆみは寂しさからシュウジを誘惑していく。自暴自棄になっていた彼は、誘惑に流されて彼女と肉体を重ねていった。丁度その頃、ちせは自衛隊の制止を強引に振り切り、シュウジとの約束を守る為に展望台へと向かっていた。だが、彼女の身体は暴走し人工衛星をジャックしてしまう。そしてちせは、人口衛星からふゆみと不倫に耽るシュウジの姿を目撃してしまうのであった。

シュウジは辛うじてふゆみとの行為を中断する。彼女は切なさで身を悶えさせながら自らの行為を彼に謝罪し「シュウジを見ていると身体が勝手にテツだと認識して求めてしまう」事を告げた。その後、シュウジはふゆみの元を去りちせの待つ展望台へと赴く。そして彼はちせから別れを切り出されてしまうのであった。

テツの死を知る

テツの死を知るふゆみ

戦争は激化し、テツは死闘の末に死亡する。戦場に居たちせは、死に際の彼を看取っていた。ちせはテツが残した遺品と、ふゆみに宛てた遺書をふゆみの自宅の玄関に置いて立ち去る。これを見つけたふゆみは悲しみの余り、泣き崩れた。その後、彼女は孤独と寂しさに突き動かされてシュウジの元へ赴く。

シュウジは一人で夜の学校の教室に居た。学校は戦争と天変地異で授業を休止している。だがこの日はシュウジの活躍により、文化祭の後夜祭が執り行われていた。彼はこの少し前に親友のアケミを看取っている。アケミはシュウジの同級生であり、彼とちせの共通の親友であった。ちせとシュウジを付き合わせた立役者であるものの、彼女自身もシュウジに想いを寄せており、複雑な立ち位置となっていた人物である。ふゆみは教室に駆け込むと、シュウジにテツが死んだ事を告げる。そして中学時代にした駆け落ちの約束を持ち出し、彼の罪悪感に付け入る形で彼女はシュウジを押し倒して、彼の身体を求めていった。彼は罪悪感を覚えながらも情欲に流され、彼女と身体を重ね合わせていく。その時、彼はアケミの幻想に一喝された。正気を取り戻したシュウジはふゆみを拒絶する。そして彼は「自分が性欲の捌け口としてふゆみに近づき、彼女の寂しさに付け込んで身体を重ね合わせていた」事を暴露した。その上で彼は「自分ではふゆみの事は守れない」旨をはっきりと伝えた。ふゆみはシュウジの成長を悟り、彼に甘えるのを止める。更に、ふゆみはシュウジが自分に近付いてきた理由を知っていた事を告げる。彼女は下心で彼が近付いてきたと分かっていても、寂しさに駆られていた彼女にとっては嬉しかったのである。そして彼女は駆け落ちの日に、自身も約束を破って待ち合わせの場所に行かなかった事を彼に話した。全てを話したふゆみはシュウジに張り手を喰らわせ、彼の前から立ち去る。これ以降、彼女はシュウジの前に現れる事は無かった。

実家に戻る

夜空を眺めるふゆみ

ふゆみは実家のある海沿いの小さな街に戻る。そこには体の弱い両親が住んでおり、彼女は彼等の面倒を見るのであった。両親の介護が一段落した彼女は、夜の街を通り抜け、空を一望できる場所へ赴く。そして夜空を眺めて煙草を吹かし、あの世へ逝ったテツへ寂しげに語りかけるのであった。

ここで物語本編でのふゆみの出番は終わる。この後、地球の滅亡を知っていたちせは、最終兵器としてシュウジを除く全人類に安らかな死を送った。ふゆみもこの時に亡くなった事が推察できる。また、ちせが人類を滅亡させた際、シュウジが見た幻覚でふゆみは登場していた。彼女は血塗れの死体となって、テツの横に寄り添うように倒れている。

ふゆみ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター

シュウジ

本作『最終兵器彼女』の主人公で目付きが鋭く、口が悪いが内面は優しい人物である。ふゆみの後輩に当たり、中学時代に教育実習生として赴任してきたふゆみと出会った。彼女の美しさに、彼は密かに初恋をする。

ふゆみはシュウジの姿にテツの面影を感じていった。この時期ふゆみとテツの恋愛関係は冷え切っており、その寂しさから彼女はシュウジを誘惑。そのまま強引に肉体関係を持つ。その後、シュウジはふゆみに駆け落ちを求められるも、子供だった彼は家族や友人たちと離れることに恐怖して約束を放棄してしまう。ここで彼女の教育実習期間は終了し、2人の関係は一旦終わった。この時約束を破った事が引け目となり、後にシュウジがふゆみとの不倫関係に至る要因の1つとなる。

高校生になったシュウジは同級生のちせと付き合い始める。ある日、ちせは最終兵器に改造され、シュウジは戸惑いながらも彼女と付き合っていた。そこへ千歳から引っ越してきたふゆみが彼と遭遇する。仕事によるテツの不在で寂しさを抱えていたふゆみは彼を誘惑していく。ちせとの関係が上手くいってなかったシュウジは誘惑に抗えず、不倫関係となった。その後、シュウジはちせとの破局や親友のアケミとの死別を乗り越えて成長していく。少しだけ大人になった彼は、テツの戦死を知って甘えに来たふゆみを拒絶し、彼女と離別した。

ふゆみから誘惑される形で不倫関係になったものの、シュウジは無意識に彼女を性欲の捌け口のようにしようとしていた節があった。彼はふゆみの寂しさに付け込み、彼女に近付いていたのである。彼女はそれでも嬉しく思っており、彼との関係に耽っていった。だが、親友であるアケミの幻覚に一喝され、彼は自分の弱さを認めてふゆみへ別れを告げる。この事から「ふゆみが悪い女」というのでは無く、「シュウジが情欲に流されてしまう子供であった」為に歪んだ不倫関係が生まれてしまったともいえる。

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テツ

ふゆみの旦那である。中学時代に陸上部で活動しており、彼女は彼に憧れて陸上部に入っている。その後交際期間を経て結婚した。陸上自衛隊で2尉として活動しており、戦争が激化した事で長期間家を空けている。これによりふゆみは孤独と寂しさを募らせ、彼女はシュウジとの不倫関係に溺れていった。戦場でテツはふゆみの事を想いながら戦い続けていく。

目付きが鋭く、口が悪いものの優しい一面を持つ。こういった点がシュウジと似ており、ふゆみは彼にテツの面影を投影している。ふゆみの事を愛しているが、ちせの部下として苦悩する彼女を支えている内に距離が縮まり、ちせと不倫関係になりそうになった。この時は彼女のシュウジへの想いを尊重して、行為を途中で踏み留まっている。その後敵の大規模攻勢の最中、銃撃を受けて致命傷を負った。朦朧とする意識の中、駆け付けたちせをふゆみと誤認し、最後までふゆみの名前を叫びながらちせの胸の中で絶命した。

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ちせ

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