蜘蛛ですが、なにか?(小説・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『蜘蛛ですが、なにか?』とは、馬場翁が『小説家になろう』に投稿したweb小説である。KADOKAWAからライトノベルが発売、その後、漫画化・アニメ化された。2021年8月にはシリーズ累計発行部数が430万部を突破している。女子高生だった前世の記憶を持って、蜘蛛に転生した主人公が成長していく過程を描く。作中に張り巡らされた多くの伏線の謎が解き明かされていく展開は、非常に魅力的である。

『蜘蛛ですが、なにか?』は、web版、ライトノベル、漫画の3パターンを読むことができる。この3つには、文章表現だけでなく、ストーリの内容でも違いがある。
まず、web版を元に加筆修正され、ライトノベルが発売された。序盤は、細かい表現が加筆されていたり、戦闘シーンの修正がされているが、大きな違いはない。しかし、中盤からは話の大筋は変わらないものの、web版とは違った展開で物語が進んでいく。また、大きな違いの1つとして、登場人物のフェイが挙げられる。転生者の内の1人であるフェイは、web版ではエルフの里で保護されていた。そのため、特段目立った出番はない。しかし、ライトノベルでは地龍に転生し、シュンのペットとして行動を共にする。
漫画は、ライトノベルを元に作成されている。しかし、ライトノベルと漫画では、ストーリーの進み方に違いがある。web版、ライトノベルでは、主人公の「私」視点のストーリーと、シュン視点のストーリーが並行して進んでいく。終盤へ向けて2つのストーリーは繋がり、謎が明らかになる。それに対して漫画では、「私」の視点のみでストーリーが進む。ストーリーにライトノベルほどの複雑さはないものの、「私」の視点に集中してわかりやすくストーリーが展開されるため、好評を得ている。

不快感を与えないためにデフォルメ化した蜘蛛

『小説家になろう』で公開された著者の活動報告によると、漫画化やアニメ化の話が来て最初に思ったのは、喜びではなく、「蜘蛛の主人公では、読者に不快感を与えてしまうのではないか」という心配だったとのこと。そのため、著者は「私」のキャラクターデザインをライトノベルの時よりデフォルメ化し、可愛らしい印象が強くなるようにと依頼した。ライトノベル、漫画、アニメでキャラクターデザインが異なり、それぞれの違いを探したくなるファンが続出した。

『転生したらスライムだった件』とコラボ

著者は、本作を執筆するにあたって、魔物に転生してしまった主人公を描くことに決めていた。物語の構想を練るにあたっては、日本のサラリーマンからスライムに転生してしまった主人公を描く『転生したらスライムだった件』の影響を大いに受けているとのこと。
その後、本作は世間で話題になり、『転生したらスライムだった件』に並ぶ人気作品になった。そして、本作のTVアニメ放送直前の2020年12月、2つの作品による奇跡のコラボレーションが実現する。この企画では、コラボイラストが公開された他、コラボ特番も制作され、YouTubeで無料生配信された。

『蜘蛛ですが、なにか?』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):安月名莉子「keep weaving your spider way」(第1話−第12話)

作詞・編曲:タナカ零、作曲:山崎真吾

ED(エンディング):悠木碧「がんばれ!蜘蛛子さんのテーマ」(第1話−第12話)

作詞:烏屋茶房、作曲・編曲:篠崎あやと

OP(オープニング):鈴木このみ「Bursty Greedy Spider」(第13話−第24話)

作詞・作曲:草野華余子、編曲:草野華余子・岸田(岸田教団&THE明星ロケッツ)

ED(エンディング):悠木碧「現実凸撃ヒエラルキー」(第13話−第24話)

作詞:hotaru、作曲・編曲:神田ジョン

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