エノーラ・ホームズの事件簿2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エノーラ・ホームズの事件簿2』とは、2022年にNetflixで公開されたイギリスのミステリー映画である。『エノーラ・ホームズの事件簿』の続編。1作目から引き続き、監督はハリー・ブラッドビアが、主演はミリー・ボビー・ブラウンが務める。探偵事務所を設立したエノーラのもとに、マッチ工場で働くベッシーが、行方不明になった姉のサラを探して欲しいとやってくる。依頼を受け、サラを探すエノーラだったが、サラが国の汚職事件の秘密を握っていることが判明。エノーラは、兄のシャーロックとともに、難事件に挑む。

レストレード警部(演:アディール・アクタル)

日本語吹き替え:佐々木祐介
シャーロックのファンである警部。ホワイトチャペル近くで、通報を受けて駆け付けると、手が血まみれのエノーラと会う。上司であるグレイル警視の指示のもと、エノーラの鞄を調べさせられる。結局逃走したエノーラの報告を動機に、シャーロックの家に上がり込み、シャーロックのパイプをもらったり、シャーロックが取り組んでいる事件について聞いたりする。グレイル警視の指示で、何度かエノーラの前に立ちはだかるも、最後はミラ・トロイを逮捕する。

謎の人物

ジョン・ワトソン(演:ヒメーシュ・パテル)

日本語吹き替え:森宮隆
作品の最後に、ベイカー街のシャーロックの家を訪ねてきた男性。素性は謎に包まれたままだ。

『エノーラ・ホームズの事件簿2』の用語

チフス

作中で、流行病とされていた病名。歯肉の腫れから始まり、口に変化が見られるため、マッチ工場で働く女性たちは、勤務前に感染していないかを、口の中を見せて確認されていた。しかし本当は、チフスという病気は存在せず、マッチの原材料である毒のリンの蒸気を浴びることで発症する病気だった。
実際に19世紀から20世紀初頭に、マッチ工場で働く人に見られた職業病で、リン中毒性顎骨壊死という。

付添人

付添人がいないことを理由にウィリアムと会話も出来なかったエノーラ。

舞踏会に参加する際、結婚前の女性に付き添う人のこと。主に身内の年上女性が付き添う。

ダンスカード

エノーラがウィリアムに書いてもらったダンスカード。

舞踏会で、ダンスの種類ごとに、踊る予定の相手の名前を書くカード。カードは小冊子のようになっており、ドレスなどに取り付けられるよう飾り紐がついている。

『エノーラ・ホームズの事件簿2』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ユードリア・ホームズ「1つの声が想像以上の力になるの」

エノーラの脱獄を成功させたユードリア(左)、エノーラ(真ん中)、エディス(右)。

エノーラの脱獄を成功させたユードリアたち。ユードリアはエノーラに、とても強くて自立しているけど、少し孤独だと言う。1人でも大丈夫だけど、誰かと一緒ならもっと素晴らしい、一緒にやればより自分らしくなれるのだ、と経験を語るユードリア。難事件にも頑なに1人で立ち向かうエノーラに、エノーラを助けようと手を差し伸べてくれる人に目を向けた方がいい、とアドバイスをする。ユードリアは最後に「1つの声が想像以上の力になるの」と言う。ユードリア自身もエディスという仲間がいたから、社会と戦う組織が出来た。たった1人でも仲間がいれば、世界を変える大きな力になる。そして、この言葉は、この作品のテーマであるサラ・チャップマンのひと声で、女性の労働環境が変わっていったことに繋がる名セリフだ。戦友を失い、不正の証拠を失い、何も持たないサラが、工場でリンのことを公表する。ベッシーの力も借り、何の権力も持たない女性が声を上げ、女性で初のストライキを成功させたことを象徴するセリフである。

エノーラとテュークスベリーのキスシーン

キスをするエノーラ(右)とテュークスベリー(左)。

前作では、くっつきそうでくっつかなかったエノーラとテュークスベリー。今作ではついに、テュークスベリーが「愛している」と告白をし、エノーラも「私も愛しているわ」と答えた。事件の証拠を掴みにパラゴン劇場へ向かう馬車の中、テュークスベリーはエノーラに戦い方を教えて欲しいと頼む。エノーラは、パンチを避けてやり返すのだ、と教え、実践出来るように、テュークスベリーの向かいに座る。躊躇なくテュークスベリーを殴るエノーラだが、テュークスベリーは女の子は殴れないと言う。そんなテュークスベリーを面白がって、エノーラは続けて何度か殴る。2人はこの一方的な状況を笑い合い、初めてのキスをするという名シーンだ。

サラ・チャップマン「今こそ、自ら立ち上がる時よ。この仕事を拒否すべき時が来た」

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