エノーラ・ホームズの事件簿2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エノーラ・ホームズの事件簿2』とは、2022年にNetflixで公開されたイギリスのミステリー映画である。『エノーラ・ホームズの事件簿』の続編。1作目から引き続き、監督はハリー・ブラッドビアが、主演はミリー・ボビー・ブラウンが務める。探偵事務所を設立したエノーラのもとに、マッチ工場で働くベッシーが、行方不明になった姉のサラを探して欲しいとやってくる。依頼を受け、サラを探すエノーラだったが、サラが国の汚職事件の秘密を握っていることが判明。エノーラは、兄のシャーロックとともに、難事件に挑む。

劇場に現れたのは、シャーロックに呼ばれたというマッキンタイア卿。秘書のミラ・トロイとレストレードの姿もある。シャーロックは、もう1人、裏でマッキンタイア卿を脅してお金を得ていた人物がいると言う。それは全てを見聞きできた人物、ミラ・トロイだ。ミラは、自分の罪を認めた。アルファベットのミラ・トロイを並べ替えると、モリアーティー。密約の証拠となる誓約書を公表されれば、お金を奪えなくなるため、ミラも誓約書が欲しかった。ミラは、エノーラと会った舞踏会で、誓約書を盗んだのがウィリアムだと気付く。ミラは、ウィリアムと接触するも、誓約書を奪えずに殺した。ミラは、自分は優秀であるのに、女性であるため、男性と対等になれないことを不満に思っていた。そこで、自分なりの楽しいやり方を考えたのだ、と笑う。マッキンタイア卿はレストレードに、ミラを逮捕するように指示。ミラはシャーロックに「またフロアへ戻る」と言い残し、連行されていく。そのやりとりのどさくさに紛れ、マッキンタイア卿は、証拠の誓約書を燃やした。サラは、メイもウィリアムも、チフスで死んだ少女たちも、全てが無駄になった、と絶望する。エノーラは、まだ私たちがいるから真実は消えないと言った。

サラ・チャップマンのストライキ

エノーラとサラ、ベッシーの3人は、マッチ工場へと赴く。サラは、チフスの正体が毎日使っているリンであることを公表。「仕事を拒否する時が来た」とマッチ工場で働く女性たちに呼びかける。しかし、サラの呼びかけに応える人はいない。サラは諦め、出て行こうとする。その時、ベッシーが、地面を強く蹴った。地面を蹴る音は少しずつ増えていく。やがて、みんなが地面を蹴った。サラとベッシーを先頭に女性たちは、工場を出ていく。サラ・チャップマンは初の女性によるストライキを成し遂げた。
その後、エノーラは、エディスの稽古場の片隅の部屋を安い家賃で借り、探偵事務所を続けることにした。そこに訪れたのは、シャーロック。シャーロックは、テュークスベリーの活躍により、マッキンタイア卿が逮捕されたという記事が書かれた新聞を見せてくれる。エノーラは、シャーロックにも友人が必要だと言った。エノーラは木曜の午後4時に、シャーロックの家に行くと約束。そこへ、テュークスベリーがやってくる。エノーラはテュークスベリーと腕を組んで出掛けていく。その姿を見送り、シャーロックはエディスに礼を言った。シャーロックは帰りながら、持ってきた新聞を読み直す。そこには、ミラ・トロイが脱走したとの見出しが踊っていた。
木曜の午後4時、シャーロックの家を訪れたのはエノーラではなく、ワトソンと名乗る男性だった。エノーラが寄越したと分かったシャーロックは、ワトソンを家に招き入れた。

『エノーラ・ホームズの事件簿2』の登場人物・キャラクター

ホームズ家

エノーラ・ホームズ(演:ミリー・ボビー・ブラウン)

日本語吹き替え:白石晴香
本作の主人公。明るくて、行動力があり、負けず嫌いな少女。名探偵シャーロック・ホームズの妹。前作で事件を解決したことから、エノーラは探偵事務所を設立。しかし経営は立ち行かず、事務所を畳むことになる。そんなエノーラの前に、マッチ工場で働く貧しい少女ベッシーがやってくる。姉のサラの行方を探して欲しいという依頼だった。依頼を受けて捜査を進めていくと、ただの失踪事件ではなく、汚職が影に隠れた大事件に巻き込まれていた。エノーラは、サラの同僚であるメイの殺人事件現場に遭遇し、殺人犯に仕立て上げられるも、母のユードリア、母の仲間のエディスの力を借りて、難を逃れる。事件の鍵を握っているのが、マッチ工場の経営者の息子ウィリアムであると突き止め、舞踏会にも潜入。そこでは、前作の戦友である政治家テュークスベリーにダンスを教えてもらう。ダンスの練習中に2人の距離は確実に縮まった。その後も事件解決に手を貸してくれたテュークスベリーに告白され、自分も愛している、と答えた。シャーロックが追っていた政府のお金が謎の口座に消える事件と、サラの失踪事件が繋がっていることが分かり、兄弟揃って謎解きをする。サラは無事に見つかったものの、事件を解決しても、サラの失踪の理由であるマッチ工場の労働環境については何も変わっていない。エノーラは、友達も証拠もなくなってしまったサラを励まし、サラとベッシーとともにマッチ工場へ赴く。エノーラは、サラの演説を見守り、サラとともにマッチ工場で働く女性たちを率いて、マッチ工場を出て行く。

シャーロック・ホームズ(演:ヘンリー・ガウィル)

日本語吹き替え:星野貴紀
エノーラの兄の名探偵。前作では、目の前の事件以外にしか興味がなく、家族のことも蔑ろだったが、今作ではエノーラの保護者として、エノーラの身を心配する。
政府のお金が消えている難事件に挑んでいると、付き合いのあるレストレード警部が訪ねてきて、エノーラが殺人容疑で追われていると知る。警察から逃走し、シャーロックの家に逃げ込んできたエノーラに、エノーラが取り掛かっている事件を聞く。シャーロックは、エノーラには、目の前の事件に夢中になって、その他を犠牲にしてきた自分のようになって欲しくないと言い、自分がエノーラの事件を解決する、と捜査を始める。エノーラに殺人容疑がかけられている事件現場に行くと、残された証拠からエノーラが犯人ではないと分かる。また、現場を見て、エノーラの事件と自分が抱えている事件は繋がっていると気付く。事件を紐解いていくと、モリアーティーからの挑戦状が現れた。事件の捜査中にエノーラが逮捕されてしまい、留置場にエノーラの無実を証明しに行くと、証拠がでっち上げられていた。シャーロックは、母ユードリアの仲間であるエディスに助けを求める。シャーロックはその後も捜査を続け、証拠を求めて、マッチ工場に忍び込むと、そこで脱獄したエノーラと遭遇。エノーラとエノーラの恋人であるテュークスベリーとともに、事件の証拠があるパラゴン劇場へ向かう。劇場では、証拠が見つかり、それを奪いに来たグレイル警視らとの戦いになる。最後に犯人の1人である財務大臣のマッキンタイア卿に事件を説明し、モリアーティーの正体はマッキンタイア卿の秘書であるミラ・トロイだと暴く。

ユードリア・ホームズ(演:ヘレナ・ボナム=カーター)

日本語吹き替え:高乃麗
エノーラの母。女性の社会参加、地位向上を目指し、反社会組織を作って、活動をしている。エノーラを危険に巻き込まないため、エノーラとは離れ、居場所を隠して生活している。エノーラが事件の捜査中に、犯人に仕立て上げられ逮捕されたという話を聞き、組織の仲間であるエディスとともに、エノーラを脱獄させる。1人でも生きられるようにと育てたエノーラに、仲間を頼る大切さを伝える。

エノーラの仲間

テュークスベリー子爵(演:ルイス・パートリッジ)

日本語吹き替え:上村祐翔
人気No.1の過激派の政治家。植物をこよなく愛する。前作でエノーラと事件を解決しており、その時から、エノーラのことを気にかけていた。エノーラが、事件の関係者と接触するために参加した舞踏会で会い、エノーラにダンスを教える。エノーラとのダンスの練習は、2人の距離を縮めた。テュークスベリーは、エノーラに扇子で「愛している」と伝えた。その時のエノーラはまだ意味を知らない。舞踏会では、シシリーという女性から、声をかけられ、工場法の改正に動いているから力を貸して欲しいと頼まれる。誤逮捕されたエノーラが脱獄後、テュークスベリーの家を訪れた時、エノーラにシシリーとの恋仲を疑われる。テュークスベリーはエノーラに、エノーラのことだけを想っていると弁明していると、話中に事件の糸口が見えたと、出て行こうとするエノーラ。エノーラに舞踏会での扇子の意味を聞かれ、テュークスベリーは意を決して告白をする。エノーラもテュークスベリーのことが好きだった。2人は夜のマッチ工場へ侵入し、事件の証拠がパラゴン劇場にあると突き止める。エノーラの兄シャーロックとも合流し、3人は劇場へ向かう。馬車の中では、エノーラから戦い方を教わり、じゃれあってキスをした。劇場では、警察と証拠の奪い合いとなり、テュークスベリーも不慣れな戦いに参戦。証拠は燃やされてしまうが、後に事件の犯人の1人である財務大臣のマッキンタイア卿を告発する。

エディス(演:スージー・ウォコマ)

日本語吹き替え:村田遥
ユードリアが作った女性の社会参加を訴える反社会組織の仲間。女性たちに武術を教えている。エノーラの兄シャーロックから、エノーラが逮捕されてしまい、助けてほしい、と言われ、ユードリアとともに、エノーラを脱獄させる。巧みに馬車を操り、警察の追手を撒いた。住んでいた事務所兼家がなくなったエノーラを、武術の稽古場の片隅の部屋に住まわせてくれる。

マッチ工場の関係者

ベッシー(演:セラーナ・スー・リング・ブリス)

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