日常が一変してしまう巻き込まれ系映画まとめ！『ペーパーボーイ 真夏の引力』など

”平凡でサエない宅配便ドライバーが政治的陰謀に巻き込まれて大変な目に！”

伊坂幸太郎の同名小説を、中村義洋監督、堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆主演で映画化した2010年の作品。新首相の凱旋パレード中にラジコンヘリが爆破され、首相が暗殺される。宅配便ドライバーの青柳は、謎の言葉を残して消えた旧友の言葉通り、首相暗殺犯に仕立てられる。全く身に覚えのない彼だったが、次々と証拠が報道され、意味も分からず逃げ回る事になってしまう...。元恋人や大学の後輩といった仲間たちの協力で何度も窮地を逃れた彼だったが...。

色々賛否両論あるラストですが、個人的には大好きな終わり方です！「たいへんよくできました」。

堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、そして香川照之という豪華俳優陣が競演したこの作品は、伊坂幸太郎の原作と同様に、仙台でロケが行われた。地元を知る人には、ああココは！ってな楽しみもあるのでしょう...。

何故か気まぐれで青柳の窮地を救う謎の殺人鬼「キルオ」。元々伊坂幸太郎が濱田学をイメージして創り上げたというこのキャラクターを、「役者冥利に尽きる」とコメントする濱田学本人が演じた。当たり前だが、あまにりもハマリ役。「気まぐれで助けようと思ったのが運のつきだな、ああびっくりした」などという名セリフを残して...。最高に味のあるキャラクター。

”ヤクザの組長の映画製作に、映画オタクと通りすがりの男が巻き込まれる！”

園子温監督による2013年の作品。出演は國村隼、堤真一、二階堂ふみ、友近、長谷川博己、星野源など。ヤクザの組長の武藤は、刑務所に服役中の妻の夢であった、娘のミツコを主演にした映画を製作する事を決意する。そして、映画の神様を信じるサエない映画オタクの青年、通りすがりの普通の青年を巻き込み、ほぼ監禁状態で監督に起用、スタッフ&キャストは全員組員で構成した。そして更に、敵対する組の組長や構成員も巻き込んで、事態はとんでもない方向に展開する。そして、本物のヤクザ同士の抗争を舞台に、最も地獄に近い命がけの映画撮影がはじまったのだった...。

服役中の妻の夢であった、娘を主役にした映画を撮ろうと考えた武藤組の組長を演じた國村隼。妻役は友近だったりする。今作では、これまでの園子温作品にあった、常連組で構成されたキャストではなく、かなり新顔が見られるのも特徴。といいながら"二階堂ふみ"や”でんでん”といった常連も顔を出しているが。

映画監督であろうという誤解で監督に抜擢されてしまった、単なる通りがかりの青年・橋本公次を演じるのは、インスト・バンド「SAKEROCK」の（現在放映中のテレビドラマ『ノーコン・キッド』のKIDを演じるハマケンもメンバー）リーダー的存在で、ソロ・アーティスト、そして俳優としても活躍する星野源。

もうひとり、成り行きで監督に抜擢されてしまった人物、平田純を演じたのは長谷川博己。この映画のキーポイントを思い切り握る男。園子温監督自身を投影したという、正に映画バカ！凄い映画を撮るためなら、地獄でも構わない！映画魂だけで生きている様な素晴らしきダメ男！鈴木先生よりも断然コッチ！