蒼き流星SPTレイズナー(Blue Comet SPT Layzner)のネタバレ解説・考察まとめ

『蒼き流星SPTレイズナー』とは、地球人とグラドス星人の混血児エイジが、地球侵略を目論むグラドス星の野望を阻むために戦う姿を描いた、1985年に制作された日本サンライズ(当時)制作の日本のロボットアニメである。スタイリッシュなキャラクターやSPTのデザインと、ハードな動きを追求した作画やリアルな設定で高い評価を得ながら、スポンサーが商品で事故を起こしてしまったために降板するという不運にあい、無念の打ち切りとなった。現代においても評価の高い『蒼き流星SPTレイズナー』についてまとめた。

『蒼き流星SPTレイズナー』の概要

『蒼き流星SPTレイズナー』とは1985年(昭和60年)10月3日から1986年(昭和61年)6月26日まで放送された日本サンライズ(現サンライズ)制作の日本のSFロボットアニメである。放送時間は日本テレビほかで毎週木曜日17:30~18:00で全38話だった。
古くは『ゼロテスター』『サイボーグ009』など経て、日本サンライズの前身会社、あるいは日本サンライズと東映の作品を手掛け、『機動戦士ガンダム』の後を受け継ぐ形で『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』『機甲界ガリアン』などの一連の作品をベテランアニメーター塩山紀生と組んで制作した演出家高橋良輔が、各作品の作画で独自の味を出し気を吐いた谷口守泰をキャラクターデザインに登用し、一応のシリーズ締めくくりとして制作したSFロボットアニメである。高橋が、本作のプロデューサーを務めた植田益朗がホストを務めるネット配信番組『マスマスほがらか』に出演した際語ったところによると、「『ボトムズ』まででやる事をすべてやり尽くしてしまった」高橋が、ロボットアニメの原点『鉄腕アトム』に立ち戻り、意思、及び人格のあるロボットというテーマに取り組んだ作品だった。
古くは『2001年宇宙の旅』の「「HAL9000」や、現代ではスマートフォンのSiriなどにあたる「SPTレイズナー」に搭載されたOSの人工知能(AI)「レイ」は、主人公エイジの指令に簡単な応答をし、現代で言うバーチャルな交流をする。またのちに登場する「レイ」の背後に潜んでいたAI「フォロン」はエイジの意思を超えて暴走するなど、時代を先取りした設定だった。

物語の舞台は1996年だが、番組制作当時の1980年代はまだ米ソの冷戦時代のために両国が対立し、核開発や宇宙開発競争を繰り広げていた。その為に第1話でも舞台の火星は米ソの対立・競争が進んでいる世界と想定して描かれている。全体として「エドワーズ空軍基地」が登場するなど、当時のロボットアニメとしてはリアルな舞台設定が指向されている。
物語の発端は1996年の太陽系で、人類は火星にも進出していた。物語の始まりでは、米ソ対立を乗り越える次世代の人材として、国連に選ばれた子どもたちが、火星にある国連火星観測基地でレクチャーを受ける「コズミックカルチャークラブ(宇宙体験教室)」というプランが立ち上げられている。
選抜メンバーのアンナ・ステファニーを始めとする少年・少女たちが火星に到着した時、国連火星観測基地は地球を狙うグラドス星人の人型機動兵器「スーパー・パワード・トレーサー(SPT)」の攻撃を受け壊滅する。
グラドス軍は各星系に侵略の手をのばしていて、地球をも狙っていた。主人公アルバトロ・ナル・エイジ・アスカは第二世代SPT「レイズナー(SPT-LZ-00X)」に搭乗し、火星の人々をかばいグラドス軍に立ちはだかる。エイジは生き残った基地職員やコズミックカルチャークラブの子供たちに「地球がグラドス星に狙われていること」「自分が地球人とグラドス人の混血児であること」を告げるが、反発され敵視される。
にわかにはエイジを信じられない子供たちだが、不協和音の中で地球帰還を目指し、グラドス軍と戦っていく中で、次第にエイジとの絆が芽生えていく。
火星が攻撃を受け、子供たちとエイジがともに敵グラドス人と戦いながら地球を目指し、彼らが地球に到達したときに地球が敗北してグラドス人に支配され、エイジが行方不明になるまでを第一部とし、その3年後に荒廃した地球を舞台にエイジが復活して物語が再開する第二部との、二部構成で制作された。
スタッフの多くは「銀河漂流バイファム」と「機甲界ガリアン」のスタッフで、高橋は本来「レイズナー」のメカデザインを「バイファム」のイメージにしたい意向だったが、出来上がった大河原邦夫のデザインは「バイファム」と違う印象になっていたと語っている。
本項では本編のアニメドラマをチェックし、「マスターファイルSPTレイズナー(マスターファイルシリーズ)」なども参考に記述する。

『蒼き流星SPTレイズナー』のあらすじ・ストーリー

赤い星で

1996年10月3日、火星においても米ソの緊張が続く中で、その現実を乗り越えていく人材を育てるという国連の計画「コズミックカルチャークラブ(宇宙体験教室)」に選ばれたアンナ・ステファニーら少年少女たちは、火星の「国連火星観測基地」に招かれる。憧れの火星基地に期待を胸に到着した少年少女たちをまず出迎えたのは、アメリカ軍のスクランブル発進した戦闘機だった。

謎の襲撃

到着して間もなく、子供たちが火星基地の隊長ジョブ・グレンのオリエンテーションを受けていると、謎の人型機動兵器が飛来する。それは地球に危機を知らせるために飛来した主人公アルバトロ・ナル・エイジ・アスカが搭乗する第二世代「スーパー・パワード・トレーサー(SPT)」の「レイズナー(SPT-LZ-00X)」と、彼を追う先輩のアーマス・ゲイル中尉率いるグラドス軍のSPT追撃隊だった。
宇宙人による侵略の攻撃などと思いつかない火星の人々は、この人型兵器の攻撃を互いに米ソそれぞれの新兵器によるものと断定して、SPTに向けて警告するが基地管制室はゲイル追撃隊に撃ち抜かれ壊滅する。

彼の名はエイジ

エイジは基地生存者と生き残った子供たちに「僕の名はエイジ。地球は狙われている」と告げる。しかしグラドス人であるというエイジの発言は信用されない。子供たちにも不信の目で見られ、疑いと憎しみをぶつけられる。
再び攻撃してきたゲイル追撃隊のSPTから火星観測基地の生存者をかばうように、エイジのレイズナーは立ちはだかり、エイジはコクピットからレイズナーの肩に降り、「僕を撃ち抜いて、グラドス人と地球人の混血の血を見て下さい」と対峙する。ゲイルはそのエイジを見て、追撃隊を撤退させる。

反発と制御不能のレイズナー

反発を受ける中で、エイジは裏切り者としてグラドス軍と戦い、その姿に、やがて子供たちも理解し始め、絆を深め、彼らは地球に帰還する為に火星を脱出する。

レイズナーに搭載されたAI「レイ」と共に戦い続けるエイジだが、その中で機体が突如自分のコントロールを受け付けなくなり、勝手に異常とも言うべき高機動戦闘を行う出来事に出くわす。その時、レイズナーは蒼い光に包まれ、さながら「蒼き流星」のように宇宙を駆け抜けるのだ。エイジはレイズナーに第二のAIが存在することを予測するが、その暴走で先輩ゲイルも死んだのだった。

グラドスの伝承

その中、地球に着いたエイジたちは「エドワーズ空軍基地」に降り立つが、エイジはアメリカ軍の捕虜となり、アンナたちは解放される。不安を抱えて捕虜になっているエイジだが、レイズナーが再び暴走したことで基地隊員から呼び出される。エイジは第二のAIの存在を確信し「レイ」を問い詰めるが、「レイ」が知らないふりをするので拳銃で威嚇する。そしてレイズナーの第二のAI「フォロン」が現れ、エイジに「伝承」を教える。驚愕したエイジはレイズナーの肩に立ち、会見で「グラドスの支配下になれ」と伝えるが、その先を説明する前に怒りのアメリカ兵の総攻撃を受け逃げ出す。地球人とグラドス人は同祖だったのだ。
「フォロン」と対峙したエイジだが、「フォロン」はあの謎の高機動戦闘モード「V-MAX」をエイジに委ね、身を潜める。

地球敗北

グラドス軍地球振興艦隊司令グレスコは地球のオゾン層の一部を破壊する作戦を実行する。
エイジはグラドス軍のSPT部隊との戦いの中「V-MAX」を発動し敵に突入、行方不明になり地球はグラドス地球侵攻艦隊に完全敗北して3年の時が流れるのだった。

エイジ再び

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