約束のネバーランド(約ネバ)のネタバレ解説・考察まとめ

『約束のネバーランド』(やくそくのネバーランド)とは2016年から2020年まで連載していた白井カイウ(原作)出水ぽすか(作画)による日本のダーク・ファンタジー、サスペンス漫画。GFハウスという孤児院で育てられた主人公のエマとその仲間達による、過酷な運命を自分の手で変えようともがき奮闘する物語である。ジャンプのセオリーである”友情、努力、勝利”を違う角度から描いている点や、独特な世界観、ミステリー要素を含むストーリー性などで人気を集め、テレビアニメ化や小説化、映画化と多岐にわたる支持を得ている。

『約束のネバーランド』の概要

『約束のネバーランド』(通称:約ネバ)とは、原作白井カイウと作画出水ぽすかによるダーク・ファンタジー漫画である。
2016年8月(35号)から2020年6月(28号)まで週刊少年ジャンプにて連載していた約ネバは、従来のジャンプ作品の特徴である「友情、努力、勝利」を少し違う角度から描いた作品のため一見、ジャンプ“らしさ”が薄いとされている。だが、作品を読み進めることで作者が込めた違う角度からの描写一つ一つに「逆境や試練を努力・友情で乗り越え勝利をつかもうとする」という“らしさ”が組み込まれていると言える。
希望に向かって一生懸命生きていくストーリー性、サスペンス要素、迫力のあるアクションシーンで幅広い世代から人気を獲得した。絶大な支持を受けている約ネバは、「第63回小学館漫画賞少年向け部門」「このマンガがすごい!2018オトコ編1位」などを受賞している。
主人公のエマは、孤児たちが集まるGF(グレイス=フィールド)ハウスのメンバーの一人であった。ここでは6歳から12歳までの間に里親が見つかり最終的にハウスから卒業すると子どもたちは教えられ、毎日楽しくGFハウスのママ(イザベラ)と心優しい仲間たちと一緒に暮らしていた。ある日、里親が見つかった6歳の女の子コニーが外の世界に出る日に大切な人形を置き忘れたことからエマたちの運命は変わり始める。運動神経抜群のエマと知略に富んだノーマンがコニーのもとへ人形を届けようと、本来近づいてはいけない「門」に訪れる。その時、コニーが鬼という存在に食肉として出荷されていく様子を目撃してしまう。これを見たエマたちは自分たちが過ごしていたハウスは表面上の孤児院であって、実際は鬼の為の上質な食用児を生産する農園である事に気が付いたのであった。ここからエマたちは、現実的に物事を分析する博識なレイのほか、ドン、ギルダを仲間に引き入れ、GFからの脱獄計画を成功させ外の世界へと突き進むのであった。

『約束のネバーランド』のあらすじ・ストーリー

GFハウス脱獄編(第1話 - 第37話)

グレイス=フィールドハウス(GFハウス)という孤児院には、血のつながっていない沢山の子供たちが仲良く暮らしていた。赤ちゃんの頃に預けられた子供を6歳から12歳までの間に里親へ送り出すという教育の基、孤児たちは生活していたわけだが、孤児院の子供の一人コニーという少女に里親が見つかった事から孤児院に隠された真実が明らかになる。コニーはいつもウサギのぬいぐるみを持っていて、里親に会いに孤児院から去る時も持って行くはずだったが忘れていってしまう。それを、主人公のエマと、エマと同い年のノーマンが届けに行く。だが二人は、近づくことを禁止されていた外へと通じる“門”でコニーが食用として出荷されていく様子を目にしてしまい、ここで初めて「鬼」という存在を認識するのであった。自分たちが生活していた孤児院は、人間の子供を食用として提供する農園である事を知ったエマとノーマンは、二人と同い年であるレイと10歳のドンとギルダを仲間に引き入れGFハウスからの脱獄を計画していく。
脱獄の計画を立てていく中、新しい監視役シスター・クローネが新しい赤ちゃんと共にGFハウスにやってくる。大人という敵が二人になってしまった状況を上手く利用しようとエマたちは考え行動していく中で、レイがママの内通者である事が発覚する。コニーのぬいぐるみをハウスに置いておいたのも、エマやノーマンがハウスの真実を知り脱獄をしようという思考に至らせるように仕向けたレイの計画だったのであった。
GFハウスのママになりたいシスター・クローネは自分と組まないかとエマたちに提案する。シスター・クローネの提案をとりあえず呑んだエマたちは彼女から色々なことを聞き出し始める。話していく中で、シスター・クローネの観察力や洞察力に驚き、彼女もママと同じ農園の厳しいシステムを乗り越えて生き残ってきた大人の一人である事に焦りを感じ始めるのであった。そんな最中、いきなりシスター・クローネの異動が命じられる。だが、これはシスター・クローネが子供たちに有益な情報を教える代わりに仮初の協力関係を結ばせることで自分の地位を狙っていることを悟ったイザベラが彼女を排除するために仕向けた罠であった。シスター・クローネは再度この世界に絶望したが、同時に子供たちの脱獄を心の底から期待し出荷されていくのだった。着々と進んでいた脱獄の下見もイザベラに気づかれてしまい、計画を中断させるためにエマの足が折られてしまう。痛みに悶えるエマの傍でイザベラはノーマンの出荷が決まったと淡々と話す。
ノーマンの出荷により二人は絶望の淵に立たされることになる。2か月間何もしていない状態が続き脱獄計画は完全に断たれたのかと思いきや、“なにもしないこと”というエマとレイの考えがあったうえで計画はまだ終わっていなかった。エマとレイに集中しているママの目を利用し、ドンとギルダ中心で脱獄の準備をしていたのだ。
レイは自分を犠牲にしてエマたちを脱獄させようと考えていたが、ノーマンが事前にレイの考えを読み取っていたため、レイが死ぬ事はなかった。発信機付きの耳を切り落とし、ハウスごと燃やして子供たちは脱獄していく。

ミネルヴァ探訪編(第38話 - 第64話)

ママからうまく逃げ切れたエマたちは、誰もが必ず渡るだろうと思い込んでいた本部と壁を結ぶ橋ではなく壁から対岸へ行くのに最も短い地点からハンガーと縄を上手く使って移動した。この技術は子供たちが何度も練習して手に入れたものであり、これを使って15名全員が無事に壁の外へと出ることが出来たのであった。
エマたちは、シスター・クローネから貰ったミネルヴァのペンを頼りに、映し出された「B06-32」地点へと向かう。その途中、人食い木の穴に落ちてしまう。これが、ハウスの外から出たばかりのエマたちへの最初の試練であったが、ミネルヴァの冒険本「ウーゴ冒険記」にあるヒントが隠されていたことに気が付く。冒険本によると、この人食い木は根の先に何かが触れることでその位置を把握し攻撃をすることが分かった。冒険本の物語の一部「アルヴァピネラの蛇」を参考にしながら見事エマたちは脱出に成功した。脱出してほっとしたのもつかの間今度は、下等種の鬼がエマたちを襲う。下等種を引き付けて倒すためにレイがエマたち本隊から離れ、おとりとして森の中を駆け抜けていた。が、レイを追いかけていた下等種は突如現れた農園の運営者である追手に殺されてしまった。
そんな中、レイの帰りが遅いことを心配に感じ始めたエマはレイの様子を見に行こうとするが切り取った耳の傷が開いて高熱を出し倒れてしまう。すると、森から現れた謎の少女が本隊を導いた。同じ頃、長時間追われ体力を使い切ってしまったレイはこのまま追手に捕まってしまうのかと思いきや、間一髪のところで謎の人物に助けられた。
エマたちを助けた少女はムジカ、レイを助けた男はソンジュと言って、どちらとも人間を食べないという鬼であった。エマとレイはソンジュからこの世界には古くから鬼は存在していて、自分たちの命を守るために鬼を殺す人間と、人間を食べるために殺す鬼との間に、ある一匹のフクロウを飼う人間によって1000年前に取り決めを交わされた事により世界は2つに分かれたことを知った。約束の内容は、「人間も鬼もお互いを狩らない、お互いに住む場所を分けよう」というもので、その約束が今も続きエマたちは鬼の世界に残された人間の子孫だという事が分かった。更に、世界間の行き来は完全にできないとされているが、鬼の世界に農園用の製品を供給するために人が渡っていたという事実も判明した。
そして、ソンジュとムジカはさらなる旅へ、エマたちは目的地「B06-32」地点へ別れて進むことになった。彼らと別れた後、エマたちは目的地「B06-32」地点でミネルヴァのペンを起動する。ペンから表示されたマップの場所へ移動すると地下へ進む入り口が出現した。エマたちはここにミネルヴァがいると期待していたが彼の代わりにいたのは一人の男だった。名前を頑なに名乗らない彼はエマたちにオジサンと呼ばれる。オジサンもまたエマたちのように13年前グローリー=ベルという農場から逃げてきた脱走者の一人だった。だが彼は歩み寄ろうとする子供たちを拒絶しエマにピストルの銃口を向けシェルターから出ていくように言った。しかし、エマがオジサンの言葉に反論すると突然訳の分からない言葉を発し始め気絶してしまった。オジサンが気絶している間、シェルターを探索している途中ある部屋に出くわす。その部屋の壁には密猟者とHELPの文字が記されていた。
ミネルヴァが指示した次の目的地である「A08-63」地点ゴールディ・ポンド(GP)に向かうためオジサンを道案内として利用することにしたエマとレイは残りの子供たちをシェルターに滞在させたまま出発する。しかし、旅の途中エマに諭されたオジサンは、ゴールディ・ポンド(GP)は危険だということを伝えた。その瞬間、密猟者が現れエマは捕まってしまうのであった。

ゴールディ・ポンド編(第65話 - 第95話)

エマが目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。華やかな街並みとは打って変わって何故か人間の気配がない。不思議に思ったエマは現在地を確認する。ペンに表示されたのは「A08-63」、ゴールディ・ポンドであった。エマは突如現れた少女にゴールディ・ポンドは狩猟本能を満たすための秘密の猟場である事を知らされる。この庭を作ったのはバイヨン卿という貴族の鬼で、ここに住んでいる子供たちはほとんどグランド=ヴァレー(GV)という農園から出荷された食用児であった。三日に一度の頻度で知性を持った鬼がゴールディ・ポンドに訪れ狩りをする間、街中に音楽が流れる。音楽が流れ始めてから、もう一度音楽が流れるまでの間鬼たちから逃げ切ることが生き残る一つの道であった。この事実を告げられたエマの近くで突然叫び声が響き渡る。叫び声の主はテオという少年で、その他にモニカ、ジェイクの3兄妹がルーチェに襲われていた。エマはルーチェ目掛けて斧を勢いよく放り投げ3人に風下に逃げるように言った。ルーチェに投げられた斧を咄嗟にとったのがレウウィス大公であった。レウウィス大公はエマのような闘志に燃えた人間の到来に興奮し喜んでいた。エマは鬼たちから逃げつつも、他に逃げ回っている子供たちを誘導し少しでも鬼の犠牲にならないように努めていた。鬼たちが撤退した後、エマはさっき風下に行くように誘導した3兄弟テオ・ジェイク・モニカを探すが、結局助かったのはテオだけのようだった。
落ち込んでいるエマをゴールディ・ポンドで最初にあった謎の少女ヴァイオレットが風車の中へ案内する。風車の中には、リーダーのオリバー、救護担当のサンディとジャック、機械類担当のナイジェル、副リーダーのソーニャ、食料担当のペペ、ジリアン、ポーラという名前の子供達9人が集まっていた。この子供達はエマと同じようにこの世界の真実を知っていて、狩場で何か月、何年も生き残ってきたという。9人全員、バイヨン卿御用達のグランド=ヴァレー(GV)という高級農園出身で自分達の手で密猟者を倒し、狩場を終わらせようという計画を立てていた。そしてエマは、真実を9人に伝えたグローリー=ベル(GB)出身のルーカスという男性を紹介された。ルーカスはオジサンの仲間で13年前からこの風車の中で暮らし、身を隠していた。ルーカスは風車の中には風車と森につながるミネルヴァが残した抜け穴があり、その先に鍵のかかった入れない扉が存在することをエマに伝えた。エマの持っているペンでその扉を開けると、様々なモニターが部屋1面に設置されていた。モニタールームらしき部屋の先には本来ミネルヴァが迷える食用児を呼ぶはずだった場所、真のゴールディ・ポンドがあった。触れない不思議な水の池を渡り池の上に浮いている小さな小屋の中へと2人は入っていく。小屋の中には人間の世界へ渡る事が出来るエレベーターと1つの電話があった。しかし、エレベーターは機能停止で上に行くことが出来なくなってしまっていた。すると、急に電話が鳴り響いた。声の主はウィリアム・ミネルヴァ本人であった。彼は、エレベーターは誰かの手によって塞がれてしまい、今現在動かない事、彼の本名はジェイムズ・ラートリーで1000年前鬼達と約束を結んだ一族の末裔である事をエマたちに打ち明けた。彼は誰かの裏切りによってこの世界にはもういないと言っていたことからエマ達はこの音声が録音であると気が付いた。そして、彼はエレベーター以外にも人間の世界に行く方法があり、それらはGF(グレイス=フィールド)、GB(グローリー=ベル)、GV(グランド=ヴァレー)、GR(グッドウィル=リッジ)の4つの高級農園の中にあると言った。人間の世界に逃げる事だけに焦点を当てるのなら、支援者を何人か向かわせ、あるいはこの世界の秩序を壊したいという場合は人間と鬼の全面戦争をも厭わない。だが、エマ達の望む未来がそのどちらでもなかった場合7つの壁を探せと言い残し、彼からの電話は切れた。
みんなが計画していた日よりも1日早く音楽が鳴り、密猟者である鬼たちがやってきてしまった。エマを含め10人を4隊に分け、レウウィス大公、バイヨン卿、ノウスとノウマ、ルーチェの4組を攻撃する。バイヨン卿、ノウスとノウマ、ルーチェの3組は順調に倒していったが、残るレウウィス大公に悪戦苦闘する。レイとオジサンが加わり、やっとのことで密猟者の鬼たちを全員退治することが出来たのであった。設置されていた緊急破壊装置を作動させてゴールディ・ポンドを破壊し、みんなで脱出することに成功した。

七つの壁編(第96話 - 第145話)

エマはムジカが言っていた7つの壁を見つけ出してそこにいる存在と、鬼とラートリー家が結んだ約束を結び直し、食用児のいない世界を作りたいと仲間たちに伝えた。目標を明確にしたエマたちは、更に団結力を強めたのであった。2031年12月ラートリー家の第36代当主であるピーター・ラートリーは実兄であるウィリアム・ミネルヴァ(ジェイムズ・ラートリー)を含め食用児を助けようとする支援者を殺害した。それから15年後の2046年3月、ピーター・ラートリーの部下アンドリューを筆頭として逃亡した食用児の捜索を始めた。
エマたちがシェルターに帰ってきてから7日後、隠し部屋に置いてあった支援者との連絡手段である電話が鳴った。モールス信号の内容は、今は会えないがじきに接触すること、敵はミネルヴァの弟であるピーター・ラートリーである事であった。接触までに7つの壁探しを何とか進めようとしたエマたちは資料室の古文書を解読し、そこに書いてあった「クヴィティダラの竜の目で昼と夜を探すべし」という言葉のもと、クヴィティダラ「D528-143」地点にエマ、レイ、ドン、ギルダ、ザック、ヴァイオレットの6人で向かうことになった。
52日後、クヴィティダラに到着したエマ達は竜の目のヒントを探す。すると突然エマだけ過去の光景が見えたり、昼と夜が併存する空間で小鬼に話しかけられる。その空間の中で小鬼から昼と夜の入り口を探せと言われ、エマの意識が戻った。エマの記憶のお寺と金の水を頼りに1年間様々な場所を探索してやっと昼と夜の入り口の入り方を突き止めた。
すると突然、アンドリューがその部下たちとシェルターを奇襲してきた。エマ達は何とかシェルターの外へ逃げ切れたが、追手を封じる為、ユウゴ(オジサン)とルーカスだけシェルター内へ戻ることになった。二人は力を合わせてシェルター内にいたアンドリューの部下たちを倒していく。最後には、アンドリューを巻き込みシェルターを爆発させエマ達の命を守った。しかし、アンドリューは重傷を負いながらも生きながらえていた。ユウゴとルーカスを探しに行ってしまった子供を次々と殺し、再びエマ達の前に現れたアンドリューは、野良鬼に食べられてしまうのであった。
ルーカスがミネルヴァから最後に預かった伝言「ライオンのあごへ行け」のもと旅を進めていく途中、鬼に襲われているジンとハヤトに出会う。エマ達は鬼から二人を助ける。二人はミネルヴァの仲間であると言い、ミネルヴァのアジトへエマ達を連れて行った。エマが彼の書斎に訪れると、そこには出荷されたはずのノーマンの姿があった。ノーマンはエマ達と離れ離れになった後ピーター・ラートリーが里親として彼を引き取ったと言った。そして、研究材料としてΛ(ラムダ)7214呼ばれる食用児の試験農園へ送られそこでずっと生活していたのだった。ノーマンはそこで監視員の目を盗み共犯者を見つけ、ミネルヴァの支援者スミーの力を借りてラムダを壊滅させ脱獄したと語った。その後、あらゆる面からミネルヴァの名を使うことが好都合と考えたノーマンはミネルヴァとして、鬼を絶滅させ、鬼の世界に食用児の世界を築こうとしていた。
その計画を成功させる為、まずノーマンは鬼と同盟を結びに行った。700年前人肉を食べることを許可されない身分に落とされ野良鬼と化した王家に恨みを持っている元貴族のギーラン家を利用することにした。王家と五摂家を殺す前に約束を結びなおしに行くことを決意したエマとレイは昼と夜の入り口に入っていく。不規則に変化する時間の歪みが2人を悩ませたが、エマだけが7つの壁、つまり、時空の限界を超えて小鬼と約束を結びなおすことに成功した。食用児全員で人間の世界に行くことと、人間の世界に行った後2世界間の行き来を完全に不可能にするという約束と引き換えに、エマは小鬼への‘‘ごほうび‘‘を承諾し7つの壁から戻る事が出来た。

王都決戦編(第146話 - 第181話)

鬼の頂点と約束を結んだエマがみんなのもとへ戻ってきた頃、ノーマンの「全ての鬼を殺しつくす」という計画は進んでいた。アジトから王都までどんなに急いでも2日半かかり儀祭(ティファリ)に間に合わないことが分かったエマ達は、その中でも最短の方法で王都に到着する事を目標とし、何とかしてノーマンの計画を止めようと奮闘する。到着したとき既に、ノーマンが開発した、強制的に退化を促す薬で町中の鬼が退化し混乱していた。また、王都内ではノーマンと同盟を結んだギーラン卿が五摂家の鬼たちに復讐を遂げていた。ギーラン卿の仲間たちの協力もあり、始めはギーラン卿が優勢だったが、あと一歩のところでレグラヴァリマに倒されてしまう。死んだギーラン卿や仲間たちの亡骸を食べようとレグラヴァリマが手にした瞬間、五摂家とギーラン卿の殺し合いが静まるまで待機していたザジ、シスロ、バーバラが攻撃を始める。バーバラが重傷を負ったものの、ザジはギーラン卿との対決で体力を消耗しきったレグラヴァリマと互角に戦い、ついに王、五摂家を倒す事が出来たのであった。
やっとのことでたどり着いた宮殿の中でエマ達が見たものは床一面に広がる鬼たちの亡骸であった。その中に立つノーマンは、王政が崩壊し、鬼と人間との亀裂が入った今こそが鬼達を絶滅させるチャンスであると言った。だが、エマやレイは鬼を絶滅させる必要はないと強く主張し、ノーマンの心に抱える恐怖を共に受け止め生きていこうと歩み寄る。二人のノーマンに対する思いは、彼にとって救いであった。そして、ノーマンはやっと主張を受け入れることが出来たのだった。ラムダでの人体実験によって引き起こされる副作用の解決策が見つかるかもしれないという新たな光が見え始めた矢先、ノーマン達のアジトを王兵の大群が探しているという事が発覚した。それに加えて倒したはずのレグラヴァリマがまだ生きていた。そこで、エマ、レイ、ノーマン、ザジは王都に残り、あとの仲間は一旦アジトに戻ることにした。宮殿内の鬼たちの亡骸すべてを体に取り込んだレグラヴァリマには核が2つ存在することが判明し、エマ達には手に負えないものとなってしまっていた。ソンジュとムジカの力を借りて、レグラヴァリマを完全に倒したエマ達は急いでアジトへと向かう。だが、アジト内の食用児たちは、ピーター・ラートリー率いる王兵に捕らえられ、その場所から一番近いとされるGFハウスに収容されていた。エマ達は家族を助ける為にGFハウスへと向かう。
一方ソンジュとムジカは、王政が崩壊して鬼社会の統率者が不在になった今必要である存在のもとへ向かっていた。向かった先は、約束が結ばれる前、神の声を伝える存在として代々の王を任命し、政治を助け、鬼たちの心の支えとなっていたとされる大僧正様と四賢者のいる寺院であった。そこには1000年間意識的に体を仮死状態にして生きながらえている彼らがいた。ソンジュの考えは、仮死状態の彼らを自分たちの邪血で復活させて、大僧正様を王にするというものであった。大量の邪血でやっと大僧正様が蘇生した頃、女王、五摂家がギーラン家およびムジカとソンジュによって殺されたと全鬼達に報告された。そして、今後は四大農園、五摂家各家臣団が政治を取り仕切ると声明した。ノーマンが町に仕掛けた薬によって強制的に退化してしまった鬼たちにソンジュとムジカの邪血を飲むことでもとに戻ったものは、有害な血に汚染されているとされ処刑された。ムジカとソンジュは無実にもかかわらず、国家転覆罪で逮捕されてしまう。
ソンジュとムジカが捕らえられてから3日後GFハウスに収容された子供たちの前に、イザベラが現れる。エマ達がGFハウスから脱出した後、大規模な損害を与えてしまった彼女は死を覚悟したものの、突然飼育監長に任命された。彼女はピーター・ラートリーに命じられ、子供達を出荷する為にGFハウスに現れたのであった。一方GFハウスに侵入したエマ達はまずGFに収容された食用児全員を在庫保管室に避難させハウスを占拠した。それからヴィンセント、ナイジェル、ハヤトは敵の制御室を乗っ取り敵の居場所を把握し、それを仲間であるドン、ギルダ、オリバー、ジャック、ジリアン、アイシェに伝え、着々とGFハウスの地下内にいる鬼達を倒していった。しかし、居場所が判明しピーター・ラートリーに捕らえられてしまったヴィンセント達が殺されそうになってしまう。危機一髪のところで、仲間たちが駆けつける。エマたち含め、ピーター・ラートリーを裏切ったイザベラ率いるシスター達の軍団も駆けつけ一斉に銃を向ける。それに加え、ソンジュとムジカの処刑が実行される頃に、行方が分からなくなっていたレウウィス大公が姿を現し、邪血は鬼を救う奇跡の血であることを暴露し、処刑が中止された。邪血の力は鬼の階級社会による絶対支配には都合が悪いことを理由に悪であるとされていたが、それは全くの嘘であり、ソンジュとムジカこそが、鬼を救おうとした英雄であるとレウウィス大公が公言する事により完全にピーター・ラートリーに打つ手は無くなってしまったのだった。窮地に立たされたピーター・ラートリーは鬼の頂点と約束を結んだエマを自分と道ずれにして殺せば、約束は履行されないと考えた。だが、エマは、彼を殺す気は全くなく新しい世界で一緒に生きていこうと曇りのない目でそういった。その、まっすぐな気持ちは、彼にはまぶしすぎるものだった。そしてナイフを片手に彼は自ら命を落としたのであった。
しばらくしてから、王都からの伝令でレウウィス大公が全ての農園を廃止し、ムジカを新しい王に任命することを決定したことが分かった。農園廃止によって、全食用児が解放されることになり、フィルとの再会も果たしたエマ達の前にGF農園のボスが突如姿を現し殺そうとしてきた。しかし、イザベラが命を懸けて子供たちを守ったことにより彼の手が子供たちに届くことはなかった。GF農園のボスはその場で他の鬼に殺され、重傷を負ったイザベラは子供たちに見守られながら息を引き取ったのであった。
エマ達は鬼の頂点との約束を果たす為にGFハウスの地下へと向かう。そして、そこにある金の湖の水を利用してソンジュとムジカに見守られながら家族全員で人間の世界へと行くことを鬼の頂点に伝えた。気が付くと、子供達の前には、人間の世界が広がっていた。しかし、エマの姿がなかった。エマは、子供たちの前では鬼の頂点と約束を結ぶときに要求される“ごほうび”は無かったと言っていたが、それは嘘であった。本当に要求された“ごほうび”はエマの家族だったのだ。エマは大切な家族の記憶もこの先のつながりも全て鬼の頂点に奪われることを了承し人間の世界に来たのだった。エマがいない事に一時は動揺した子供達であったが、たとえエマがどこにいようと家族全員で見つけ出すと誓った。一方エマは、戦争で家族を失った一人のおじいさんに雪の上に倒れているのを助けてもらっていた。記憶が全くなく、自分の名前もどこから来たのかも答えられないエマに、思い出すまでおじいさんのもとで休んでいるように言われた。それから2年の時が過ぎた頃、どの場所を探しても見つからないことに焦りを感じていた子供たちは、視点を変えて、戦争や災害で消滅した国や地域を探し始めた。そして、やっと、ある繁華街に食料を買いに来ていたエマを見つける。記憶をなくしたエマは、子供たちが話していることは全く理解できないのにもかかわらず、「理由は分からないが、ずっと会いたかった気がする」と涙を流す。その姿を見て、たとえ記憶がなくても、思い出せなくても、もう一度一緒に生きようとエマ、ノーマン、レイは手を取りあった。その後、おじいさんも含めやっと「家族全員で生きること」を叶えることが出来たのであった。

『約束のネバーランド』の登場人物・キャラクター

主要人物

エマ

CV:諸星すみれ
エマは本作の主人公、11歳。孤児院の中の最年長の一人。彼女は抜群の運動神経と学習能力を兼ね備えたムードメーカー的存在。認識番号は63194。2034年8月22日生まれで身長は145cmとされている。

ノーマン

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@k_afreaks

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