蒼の彼方のフォーリズム(あおかな)のネタバレ解説・考察まとめ

『蒼の彼方のフォーリズム』とは、2014年11月にspriteによって発売された美少女ゲーム、およびそれを原作としたアニメ・漫画などのメディアミックス作品。長崎県五島列島をモデルとした自然溢れる島々を背景に、大空を舞台としたフライングサーカス(FC)と呼ばれる架空のスポーツに熱中する少年、少女達の恋愛模様を描いていく。かつてFCの有望選手でありながら挫折した日向昌也(主人公)が、ヒロインがFCの練習や試合を頑張る姿をコーチとして見ることで自らも成長し立ち直っていく物語である。

『蒼の彼方のフォーリズム』の世界観・用語

物語の背景

近年に、重力に反発する粒子「アンチグラビトン」が発見され、それを利用して半重力発生装置を搭載した「アンチグラビトンシューズ」(グラシュ)が開発された。物語の舞台である四島列島(長崎県五島列島がモデル)ではグラシュを日常的に使用することが解禁されており、グラシュを用いたスポーツのフライングサーカスが盛んである。

反重力発生装置

アンチグラビトンシューズ(グラシュ)に搭載されている反重力を発生させ物体を浮遊させる装置。装置を起動することで搭載した物体の周囲、グラシュの場合は人体の周囲に「メンブレン」と呼ばれる反重力の膜が発生し浮遊が可能となる。また異なる装置から発生したメンブレンは反発しあう性質がある。一つの装置につき発生できるメンブレンの総量が決まっており、大型の物体を浮かせるために複数の反重力発生装置を搭載してもメンブレン同士で反発が起き、一定以上の大きさの物体は浮かせられない。
そのため作中では大型の物体を浮かせる技術は発達せず、小型化する方向で技術が進歩し、人体を浮遊させるグラシュの生産技術が発達することとなった。

四島列島(しとうれっとう)

物語の主舞台。日本の南洋にあり、福留島(ふくるじま)・久奈島(くなしま)・笠松島(かさまつじま)・上通島(かみどおりじま)の大きな4つの島と、周囲の小島など合わせて30余りの島々で構成される。FCが盛んで、大会のある夏休みシーズンには観戦のために観光客が多く訪れる。FC部がそれぞれの島にある高校毎に存在し、四島市で開催されるFCの地区予選は全国大会と比べても遜色ないレベルと言われている。

アンチグラビトンシューズ(グラシュ)

反重力発生装置を搭載したシューズで、メンブレンと呼ばれる反重力の膜を装着者の周囲に発生させることで飛行を可能とする。日常生活で使う一般用と、FCに使う競技用がある。両者の主な違いは、周囲のメンブレンの感度であり、競技用の方が感度が良い。競技用はさらに飛行した後に光の帯(コントレイル)が形成されFCの試合を盛り上げる要素となる。法律との兼ね合いで、民間での使用には制限が多いが、四島市ではその使用の制限が少なくなっており、全国で最も普及していると言われている。移動の仕組みは体の姿勢で体の周囲のメンブレンの部分的な厚みを調整し、グラシュの反重力の力と地球の重力による力の組み合わせで移動している。

フライングサーカス(FC)

基本

グラシュを用いた1対1のスポーツで、300m四方の空域フィールドで行われる、ビーチフラッグや鬼ごっこをあわせたようなスカイスポーツである。基本的な競技の流れとしては二人で同じ位置からスタートし、空域の四隅に設置されているブイにタッチしながら空域を時計回りに飛行していく。

フィールドの名称

4本のブイを頂点とした正方形で、一辺は300m。試合で選手二人がスタートする位置がファーストブイ。そこから順に時計回りでセカンドブイ・サードブイ・フォースブイという名前がついている。同じく、ファーストブイからセカンドブイまでの間がファーストライン、そこから時計回りにセカンドライン・サードライン・フォースラインという名前がついている。

得点方法

以下の二種類がある。
1. 相手よりも先にブイにタッチする。
フィールドを時計回りに回りながら、順にブイにタッチしていくことで得点を得られる。
相手にブイをタッチされると判断した選手は次のブイとブイの間の区間へのショートカットが可能である。ただし、ショートカットした選手が次のブイにタッチして得点を得るためには相手と一度空中近くを交差するか接触する必要がある。

2. 相手の背中にタッチする。
相手に接触するなどして体勢を崩し、スピードが落ちたところで相手の背中に回り込みタッチすることで得点を得られる。スタート開始直後は、初速に優れるファイター側の速度が勝るためタッチも含め接触は反則とされる。

二種類どちらかの方法で得点を重ねていき、制限時間後に相手より得点の高い側が勝利となる。

制限時間

10分が経過した時点で得点の高い側が勝利となる。10分の時点で同点の場合は5分間の延長戦が行われる。それでも決着がつかない場合は、それ以降先に得点した方が勝ちとなるサドンデス方式に移行する。

セコンド

FCでは空中での移動、位置交換が激しく行われるため相手の姿を見失ってしまう場合が多い。そのため地上から同校の選手やコーチが、ヘッドセットによる連絡で空中の選手に指示を出す。
選手の了解があれば、他校の選手によるセコンドも認められている。

プレイスタイル

2種類の得点方法があるため、選手のプレイスタイルは得点方法に特化した2種類のスタイルと、両方のスタイルを使い分けるスタイルで合計3種類ある。またそのプレイスタイルに合わせて競技に使うグラシュも選択される。

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