蒼の彼方のフォーリズム(あおかな)のネタバレ解説まとめ

『蒼の彼方のフォーリズム』とは、2014年11月にspriteによって発売された美少女ゲーム、およびそれを原作としたアニメ・漫画などのメディアミックス作品。長崎県五島列島をモデルとした自然溢れる島々を背景に、大空を舞台としたフライングサーカス(FC)と呼ばれる架空のスポーツに熱中する少年、少女達の恋愛模様を描いていく。かつてFCの有望選手でありながら挫折した日向昌也(主人公)が、ヒロインがFCの練習や試合を頑張る姿をコーチとして見ることで自らも成長し立ち直っていく物語である。

『蒼の彼方のフォーリズム』の概要

『蒼の彼方のフォーリズム』とは、spriteによって発売された第二作目の美少女ゲーム、およびそれを原作としたアニメ・漫画などのメディアミックス作品。第一作目『恋と選挙とチョコレート』(2010年10月発売)に続き、2014年11月に発売された。大空を舞台としたフライングサーカス(FC)と呼ばれる架空のスポーツを題材としたゲームのキャッチコピーは「少女たちが空を駆け、恋をする物語」。

レイティングの分類では最初に発売されたPC版は18禁であり、以降のPS4等への移植作はCERO:C(15才以上対象)となっている。
美少女ゲームのシチュエーションとして代表される主人公とヒロインの恋愛模様以外にも、作中にある架空のスポーツであるフライングサーカスや、登場人物の空を飛ぶことへの心情、対戦スポーツであるFCの勝ち負けに対する姿勢の描写が細やかに描かれており、その部分もユーザーから高い評価を得ている。
萌えゲーアワード2014で萌えゲーアワード大賞・ユーザー支持賞・11月月間賞の3部門を受賞している。

日向昌也(主人公)はかつてフライングサーカス(FC)の有望選手だったが挫折してしまった。挫折から数年が経った高校二年の初め、転校してきた倉科明日香と出会う。明日香にFCを教えることで、昌也自身も再びFCと向き合うことになる。昌也と明日香は所属校のFC部に入り、昌也はコーチとして、明日香は選手として部活の仲間と一緒に夏に行われるFCでの大会に向けて練習を重ね絆を深めていく。遂に夏の大会を迎えるが、そこでは誰も予想しなかった結末が待っていた。

2017年6月に『蒼の彼方のフォーリズム EXTRA1』が発売された。この作品は『蒼の彼方のフォーリズム』本編で主人公である日向昌也がヒロインの一人である有坂真白と恋人になった上で、本編のストーリーが終了した後の二人の物語が描かれた内容となっている。

『蒼の彼方のフォーリズム』のあらすじ・ストーリー

かつて12歳にして世界に期待されたFCの選手である日向昌也は、ある出来事を理由に挫折してしまい、FCやそれに関わる出来事から一歩引いた姿勢で高校生活を過ごしていた。
高校二年の夏、転校生である倉科明日香にFCを教えていくことになり、その後、同級生である鳶沢みさきや、後輩の有坂真白と共にFC部に入部して、昌也はコーチとして活動を始めていく。
FCの夏の大会が迫り、他校の選手である一ノ瀬梨佳とも知り合い、昌也たちはFCの練習を続けていく。
いよいよ夏の大会が始まるが前年の全国覇者でもある真藤一成が無名選手である乾沙希に敗れるという番狂わせが起き、昌也達に大きな影響を与える。
大会後、昌也はある一人の選手と秋の大会に向けて練習を続けていく。その過程で選手と恋人同士になり、彼女の大会への思いやFCそのものへの意気込みを見て徐々に立ち直っていく。秋の大会を経た後はFCの挫折から立ち直り、選手として復帰することになる。

第1話から第6話までは共通ルートが展開され、作中にある選択肢を選んでいくことで第7話から各ヒロインの個別ルートへと分岐していく。

共通ルート

第1話:飛び方を、教えてください

かつて対戦型スポーツであるフライングサーカス(FC)の有望選手だった日向昌也(主人公)は、世界大会のプレッシャーと、その時に行った野良試合での敗北の経験からFCをやめグラシュによる飛行も控えて高校生活を過ごしていた。
久菜浜学園での高校二年の新学期に、昌也は転校生の倉科明日香と出会い、グラシュによる飛行方法を知らない明日香と一緒に空を飛んで登校することとなった。その姿を担任であり、FCの選手だった時の師匠でもある各務葵に目撃される。葵から明日香に対するグラシュによる飛行の指導をするよう頼まれた昌也は、しぶしぶながら了解し明日香の指導員となる。その日の夜、昌也は家の隣に引っ越してきた市ノ瀬梨佳と知り合うが、隣り合った部屋で梨佳の着替えを見てしまい、しばらくは気まずい関係が続くことになる。

明日香に指導をしていく中で、彼女の飛ぶことを純粋に楽しむ姿に、昌也はかつての自分を重ねる。指導をしていたある日、二人はFCの野良試合をしていた久菜浜学院の青柳紫宛、高遠学園の佐藤院麗子と出会う。紫宛との勝負に連勝していた佐藤院が久菜浜学院の生徒である紫苑に対して「院」の字をもらうので今後は「久菜浜学」の生徒と名乗るように言う。自分の「院」の文字も奪われると思った明日香は、佐藤院に対してFCの勝負を挑む。
FC自体が初めてという明日香に対して佐藤院は丁寧にルールの説明をする。
1、グラシュによる飛行を前提とした、海上の一面300m四方のブイに囲まれた空間で行う対戦型スポーツ
(この勝負のみ、初心者である明日香を考慮し二本のブイの間を往復する形となる。)
2、相手の背中をタッチするか、ブイにタッチすることで得点が入る。
佐藤院が連続得点し、圧倒される明日香にセコンドとしてアドバイスする。昌也の指示に従い明日香が佐藤院の背中を狙って急降下による奇襲を仕掛ける。佐藤院が躱して海面に落ちていく明日香だったが、次の瞬間にFCの高等技術であるエアキックターンを成功させ佐藤院の背中にタッチし、1ポイントだが得点することに成功する。

明日香(左)の上空からの奇襲を躱した佐藤院(右)だったが、その直後に明日香が無意識にエアキックターンを成功させて反転し、下側から佐藤院の背中をタッチすることに成功する。

試合を見ていた久菜浜学院FC愛好会の唯一の部員である青柳紫宛に、昌也と明日香は愛好会への入部を頼まれる。明日香はFCへの好奇心から入部する。さらに度重なる勧誘の様子を見ていた昌也の同級生である鳶沢みさき、みさきの後輩である有坂真白もみさきに連られて入部するが昌也はかつてFCで挫折した経験から入部出来ずにいた。そんな中、顧問を引き受けた葵とFC部の練習を見ていた昌也の前にFCを教えて欲しいと明日香が現れる。そこにかつて昌也の師匠であった葵とFCに夢中になりながら指導を受けていた自分の姿を重ねた昌也は、FC部のコーチとして入部することを決意する。

第2話:空の上のサーカス

昌也はコーチとしてFC部に入部し、初心者の明日香と真白を中心にFCの基礎を教えていく。部員が増えて愛好会から部に昇格したFC部は、その準備活動として廃棄されたバスを部室として使うこととし、葵の高校時代の同級生である白瀬隼人が開いているFCグッズの専門店に向かう。
グラシュを買いに校舎から出ようとする明日香を葵が呼び止める。葵は明日香に昌也がジュニア選手として活躍していた時の動画を見せる。葵は昌也に選手に戻って欲しいと願い、本人に数年間頼んでいたが、昌也は首を縦に振らなかった。そんな昌也がコーチとは言え、再びFCに関わることになり、そのきっかけとなった明日香には昌也が選手だった事実を知って欲しかったと葵は言う。明日香はどう答えれば良いか迷っていたが、綺麗に飛ぶ昌也の姿を見れたことに感謝してその場を離れた。

FCの試合用の正式なユニフォームに着替えた久菜浜の部員達。

白瀬の店で昌也以外の入部したメンバーは競技用のグラシュ、ユニフォームを購入する。
準備を経て、実際に練習を行っていたところにFC部顧問の葵が現れ、FCの強豪校である高藤学園と合同合宿を決めたと伝える。それを聞いた昌也は練習の前日に、梨佳からパソコンについて相談を受けている中で「部活で他校からの急な申し込みがあり対応に困っている」と梨佳が話していたのを思い出していた。梨佳が高藤FC部の部員ではないかと昌也は考えたが、合宿先で確かめることとした。

第3話:好敵手(ライバル)たち

葵が勝手に申し込んだFC強豪校である高藤学園との合同合宿に久菜浜FC部は向かう。高藤学園FC部の副部長である佐藤院が、久菜浜FC部を部長以外の部員総出で出迎える。昌也はその中に、不満げな表情をしている梨佳を見つけた。
梨佳に呼び出され昌也は二人で話す。梨佳は「まだ部に昇格したばかりの久菜浜FC部が、真剣に練習をしている高藤FC部に軽い気持ちで無理やり合宿を申し込んだ」と腹を立てており、昌也に合宿を早めに切り上げるよう頼む。そこに高校生最強のFC選手と噂される高藤FC部部長の真藤一成が現れ、梨佳に対して今回の合宿は選手時代の昌也に憧れていた自分が実現させたと話す。

昌也に対して梨佳(左)が抗議をしているところに真藤(右)が現れ、昌也が選手であったことを話す。

合宿をしていく中で昌也は久菜浜や高藤の選手にコーチとして指導していく。梨佳と個人的に話し合う機会ができ、梨佳は久菜浜FC部も練習の様子から真剣に取り組んでいることを理解して、合宿初日の態度を謝罪する。また昌也に着替えを見られたことを自分の不注意だったと謝り、初対面のトラブルからぎこちなかった二人の関係は解消される。
合宿最終日の練習試合ではみさき対真藤、明日香対梨佳の試合があり、久菜浜側の選手が試合経験がほとんど無いこと、昌也もセコンドとしての経験が少ないことから両方とも久菜浜側の敗北に終わる。
しかしみさきは真藤相手に相手の背中を狙って点を取り合う試合形式である「ドックファイト」で高い実力を発揮する。明日香は試合中に上達していき初めての試合で見せたエアキックターンを今回も成功させ一点を得る。
高藤との合宿を終え、迎えに来た葵も一緒に久菜浜FC部全員で久菜浜学園まで飛んでいた。昌也は試合に負けて落ち込んでいる様子のみさきや、勝敗に関わらず良い試合が出来たことを純粋に楽しんでいた明日香を見て、コーチとして自分が今後どんな指導をしていくべきなのか考えていた。
場面は変わりとある夜、AVALONと書かれたヘリが物語の舞台である仇州に降り立った。そこから出てきたのは海外のグラシュのメーカーであるアヴァロン社の令嬢であるイリーナ・アヴァロンと、イリーナと親友でありアヴァロン社からサポートを受けているFC選手の乾沙希だった。

乾沙希(左)とイリーナ・アヴァロン(右)。

第4話:わたしだって、戦いたい

高藤との合宿も終わりテスト試験が近づく中、FC部の練習中に真白が足に怪我を負ってしまう。以前から真白は自分が敬愛するみさきと親しくしている昌也に対して敵対心、反発心を持っていた。指導する立場としても危機感を感じた昌也はこれを機に関係改善、また真白の性格にあったスタイルとしてファイターからスピーダーへの転向を進めようとみさきに相談する。
その後、真白との相互理解のため真白の好きなゲームをすることになるが、ゲーム経験が無くFC部の中でも上手くできない昌也は悔しく思う。

FC部が全員でゲームをすることになり、その中でも上手くできない昌也は真白から下手なことを指摘されて落ち込む。しかしこの経験がFC初心者の真白にFCを指導することに活かされることになる。

合宿以降、昌也は梨佳に度々FCの指導をしており真白とのやり取りについて梨佳に話す。梨佳と話すことで教えられる側の苛立ちや上達しないもどかしさなど、真白が抱えていると思われる気持ちを昌也は共感できた。その後、昌也は少しずつゲームも上達していき、真白とも少しずつ本音を言い合えるほど仲良くなる。
試験も無事クリアし、真白の怪我も完治した日の夕方、真白は他校の幼馴染みである虎魚有梨華と出会う。彼女の飛んだ様子から真白は虎魚がFC部であることに気づき、さらに自分よりも高い実力を持っていると察し自分がFC選手であることに自信を無くす。その状況を見ていた昌也は真白を大会で勝たせてみせると約束する。昌也が真白にとっての得意分野であるゲームを悪戦苦闘して克服したことや、真白を大会で勝たせると言ったことから、真白は昌也への敵対心を捨てて真剣に昌也からの指導を受けていこうと決意し、スピーダーへの転向を受け入れる。

第5話:嵐の前の

四島列島が梅雨入りし、FC部は体育館での練習を重ねていた。走り込み等の反復練習が多く不満も出ており、昌也は大会までにどうすれば部のモチベーションを保てるかと悩んでいた。葵からは実力も環境も上の高藤FC部に勝とうと思うなら、楽しむことだけは負けるなと言われる。他校のFC部である梨佳の意見も聞いて昌也は鬼ごっこなどの遊びを取り入れた練習を計画する。実際に練習を体験した久菜浜FC部は楽しそうに動き、モチベーションを保ちながら日々練習を行っていった。
休日に明日香と出掛けた昌也はみさきと偶然出会い、三人でゲームセンターで遊ぶ。対戦ゲームで遊ぶ中で、昌也はFCの挫折の影響もあり自分が勝ち負けに対して無頓着であることをみさきから指摘される。逆に昌也はみさきは負けず嫌いであるのに、みさき自身がそれに無自覚であると言うことに気づく。
次の日、昌也は一人で出掛けようとするが梨佳と鉢合わせしてしまい行き先も同じだったため、一緒に買い物に行くことになる。佐藤院とも合流しFCの練習について話したり、梨佳の目的であった肉料理の話題などに触れて三人は別れる。

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