役職ディストピアリ(役職物語)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『役職ディストピアリ』とは、ヤングガンガンにおいて2014年16号から2016年18号まで連載された千賀史貴の漫画作品。元は原作者のサイトで掲載していたweb漫画「役職ディストピアリ」であったが、人気が出たことでプロットをリメイク、新たに作画者をつけてヤングガンガンにて連載された。連載終了後は「役職物語」と名を改め再び原作者のサイトで連載されるようになった。コンセプトは「夢も希望もないダークファンタジー」。
役職とレベルによって完璧に管理された社会で「討伐士」トルザは「魔王」討伐に挑む。

ランディア

脚部から茨を出す「樹操士」。
先代である第22代目魔王に家族や故郷を奪われたことで魔王という存在を憎んでいる。
身寄りをなくしてからはシルク・ド・マーレボルジェというサーカス団に所属していた。
が、シルク・ド・マーレボルジェが第23代目魔王「サーカスの魔王」となったことで、自らも魔王ライツとなり、トルザに討伐された。

「役職物語」にのみ登場するキャラクターで、「役職ディストピアリ」ではランディアのポジションはアルミに置き換えられている。
名前や役職、容姿以外の生い立ちやシナリオでの役割などは同じである。

アルミ

体内に飼った植物(菌類からなるキノコ)を操る「菌育士」。
「役職ディストピアリ」においてランディアと同じ立ち位置のキャラクターであり、ランディアに差し替えられる形で登場した。
生い立ちや作中での役割などはランディアと同じである。

ランディアにあった童話好きの設定はアルミに引き継がれ、「この世界は設定された舞台の上に設計されたものである」というテーマを強調するために、アルミの台詞の端々に童話のような語り口調が追加されるようになった。

イドカワ

第7レイヤー所属の「観測士」であり、第七観測所の所長。
シズや他の「観測士」の上司であるが、言動はセクハラが多く尊敬されている上司とはいえない。

仕事は第7レイヤーを中心に各レイヤーの管理を行っている。
「サーカスの魔王」が誕生してからは、魔王討伐のための筋書きを設定し、その通りに事が運ぶように状況を操作する役目を負っている。

アゾット

「フラスコの討伐士」と呼ばれている。役職は「討伐士」。
「フラスコの討伐士」と呼ばれるようになった由来は、フラスコを用いて誕生させたホムンクルスを使って「主人公補正」を使用するため。
ホムンクルスを誕生させる技術「ホムンクルスファーマー」は「錬金術士」の役職の肉親から得たもの。
アゾット自体は「錬金術士」の役職ではないため、知識や技術を得てもちゃんとしたホムンクルスを生み出すことができない。生み出しても奇形であったりすぐに死んでしまったりする。
作中ではココの肉体を用いて大量のホムンクルスを生産していた。

ココ

アゾットを担当する「観測士」。
第七観測所に所属しており、シズの同僚でもある。
同じ「観測士」であるラキヤとは幼馴染で、配属先が違っても私的に交流をする仲であった。

おっとりした見た目からは想像がつきにくいが、第七観測所所属の「観測士」の中では(イドカワを除き)一番レベルが高かった。
自在に空を飛ぶように戦うことから、「空姫(そらひめ)」のコードネームがつけられていた。

ラキア

第六観測所から第七観測所へ転属してきたた「観測士」。
死亡したとされるココの代わりにアゾットの担当となった。

目が隠れるほどの長い前髪は額の傷を隠すためである。
額の傷は、過去に担当した「討伐士」が危機に瀕した時、「主人公補正」の頭数に加えようとしてラキヤを切りつけた時にできたもの。
結局ラキヤを殺す前に「討伐士」が死んでしまったが、その時に自身に向けられた「お前さえ今死んでくれたら(敵が倒せるのに)」という視線がトラウマとなり、視界を遮断するために前髪を伸ばしている。

「役職ディストピアリ」のラストでは(おそらく死亡した)イドカワに変わって第七観測所の所長をつとめるまでに昇進した。

フョードル

「鼻魔導士」の役職の青年。
鼻から粘液(決して鼻水ではない)を自由に変形、硬化させる能力を持つ「鼻魔導士」は、見てくれが悪く「ハズレ役職」と呼ばれている。
鼻の粘液の排出は制御することができず、日常的に鼻パッドをつける必要があり、生活に支障が出やすい。
どことなく不衛生に見える外見から職につきにくいという難点を持つ「鼻魔導士」であるが、フョードルもその例にもれず仕事を転々としている。

難病の妹がおり、彼女の治療費を稼ぐために大金が必要であるという事情からトルザに同行を申し出て、トルザの仲間となった。
しかし工場に出現したモンスターの討伐の際に命を落としてしまった。

タチアナ

フョードルの妹。役職は「建築士」だが生まれつき目が見えないという障害を抱えている。
その治療には100万レーゲル(レーゲルは金の単位)もの大金が必要であり、フョードルはその治療費を稼ぐために働いていた。

フョードルが100万レーゲルと引き換えにトルザの仲間となった後は、その金を使って視力を回復し、「建築士」としての修行を始めた。
その頃はフョードルがまだ生きていると信じていたが、「討伐士」の仲間になることはどういうことか(=「主人公補正」の発動のためのレベルの足しに殺される)ということを知り、兄の死を悟った後は兄の仇のためにトルザを憎んでいた。

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