役職ディストピアリ(役職物語、Gesellschaft Garden)のネタバレ解説まとめ

20150220 1328222

『役職ディストピアリ』とは、ヤングガンガンにおいて2014年16号から2016年18号まで連載された千賀史貴の漫画作品。元は原作者のサイトで掲載していたweb漫画「役職ディストピアリ」であったが、人気が出たことでプロットをリメイク、新たに作画者をつけてヤングガンガンにて連載された。連載終了後は「役職物語」と名を改め再び原作者のサイトで連載されるようになった。コンセプトは「夢も希望もないダークファンタジー」。
役職とレベルによって完璧に管理された社会で「討伐士」トルザは「魔王」討伐に挑む。

『役職ディストピアリ』『役職物語』の概要

『役職ディストピアリ』とは、ヤングガンガンにおいて2014年16号から2016年18号まで連載された漫画作品。原作は千賀史貴、作画はテルミン。
元は原作者のサイトで掲載していたweb漫画であったが、人気が出たことでプロットをリメイク、新たに作画者をつけてヤングガンガンにて連載された。
ヤングガンガンでの連載終了後は、再び原作者のサイトでweb漫画の続きが連載されている。この時タイトルを「役職ディストピアリ」から「役職物語」に変更した。
これにより、ヤングガンガンでの連載漫画を「役職ディストピアリ」、web漫画を「役職物語」と呼び分けられるようになった。
世界観や話の大筋は「役職ディストピアリ」、「役職物語」どちらも変わらず、「役職ディストピアリ」は(連載終了のため)やや強引にシナリオが完結している。

コンセプトは「夢も希望もないダークファンタジー」。

『役職ディストピアリ』『役職物語』の世界観・用語

レイヤー

Dis3

この世界は合計7つの層(レイヤー)に分かれている。
レイヤーは中央調律局によってそれぞれ役割が定義されており、その役割に沿ってによって文化や風習、治安などがまったく異なっている。
レイヤーは上層にいくほど治安の良い清潔な町になっている。最下層の第1レイヤー「廃棄物の階層」はいわゆるスラム街となっている。
各レイヤーは「昼の月」「夜の月」によって監視されており、2つの月を管轄する中央調律局とその支部の観測局によって、そのレイヤーに設定された役割にとって適切な環境になるよう管理、調整がなされている。

人間が負傷すると「○ダメージ」とダメージ値が表示されたり(頭を叩かれて1ダメージの表示が出るなど)、擬音がゲームの文字フォントのような字体で浮かび上がるなど、ゲーム的な要素がみられる描写がある。
一定のダメージを受けると(当然ながら)死亡する。

Dis2

「役職物語」より。この「ガズ」「ゴシャ」などの擬音は実際に文字が浮かび上がっており、この世界の自然な現象のひとつである。乱暴に撫でられていることで1ダメージを受けているが、このダメージ表示もまたこの世界の自然な現象のひとつ。

役職とレベル

役職とは、この世界の全人類に生まれつき設定された本質であり、肉体的、精神的な特殊能力のことである。
役職は生まれた時に外見的特徴でわかるものもあれば、検査を受けなければわからないものもある。

役職には戦いに特化したものから、自らの才能が必要なものまで様々あるが、どれも役職にちなんだ仕事につくことが適切とされる。
「双剣士」「操槍士」などの戦闘に特化した役職の保持者であれば、必ず戦いに身を任せる必要があり、「料理人」や「画家」などの役職の保持者であれば趣味や志向に関係なくその役職の仕事をしなければならない。いくら料理が好きでも「料理人」の役職でなければシェフになることはできない。
そのくせ、本人の素質に関係なく役職は割り当てられるため、料理の腕がなくても「料理人」の役職であればシェフにならなければならない。

役職にはレベルがあり、その人の役職の熟練度を示す。
戦闘に特化した役職はまるでRPGゲームのように、レベルが上がれば高度な魔法を扱うことができるようになり、レベルが低い人はレベルが高い人に勝つことはできない。
「料理人」や「画家」といった非戦闘系の役職の人は、レベルが上がるとよりおいしい料理や芸術的な絵を生み出すことができる。
要するに、レベルは経験や知識が絶対的に数値化されたものである。

中央調律局

Dis1

中央調律局の人々。彼らもまた中央調律局員という役職によって中央調律局に所属している。

この世界を調整、管理する局。
絶対的な権限を持っており、政治や法律、歴史、天気といったものは中央調律局によって定められている。
また「昼の月」「夜の月」によって各レイヤーを監視している。

中央調律局は、まるでゲームをプログラミングするように世界をシステム的、プログラム的に管理している。
各レイヤーに生息する生物は中央調律局のデザイナーが外見をデザインし、生態を設定することで誕生する。
また人の活動や行動についても、まるでシミュレーションゲームでキャラクターが動いている時のようにみている。

観測所

中央調律局の支部にあたる。各レイヤーに1つずつ設置されており、担当のレイヤーとその下のレイヤーを管理する。
逆に上のレイヤーに干渉することはできない絶対的な階級がある。

「観測士」の役職に設定された人間だけが勤めており、中央調律局から提示された方針に沿って仕事をこなしている。
世界を壊すという役割を与えられた存在である魔王が誕生した際には、戦いの仲介役として「魔王が魔王らしく世界を壊していく光景」から「討伐士によって魔王が倒されるという光景」までの筋書きを設定し、その通りに実行する。

観測士

Dis4

観測所で働く人間のことであり、「観測士」という役割のひとつ。

観測士は、中央調律局や観測所の方針を実現させるために実際に活動する役職である。
作中では、誕生した魔王を討伐するために、魔王を討伐する役職である「討伐士」のもとに赴き、マネージャーのように討伐士を補助する役割をしている。

体のどこか(たいてい腕や胴)に縫い目(シュレティンガー基盤)があり、そこから「シュレティンガー」を発射することができる。
「シュレティンガー」は(ゲームでいう)開発社のデバッグコマンドのようなもので、対象をレベルや役職に関係なく削除(=殺害)するものである。
また、シュレティンガー基盤によってレイヤーを監視する2つの月にアクセスし、様々な情報を閲覧することができる。

魔王

Dis6

魔王とは、世界に対して悪影響を及ぼすものの俗称である。
その姿形は一定ではなく、どんなものでも、どんな事象でも魔王になりうる。

魔王に認定された存在は自分の意思にかかわらず世界を破壊する存在にならなければならない。
そういう意味では一種の役職であるが、人間ひとりひとりに割り当てられる役職とは違い、魔王はあらゆる物体や概念、事象がなるものである。
どんなものか具体的に説明されていないが、過去には「電車の魔王」や「ウイルスの魔王」というものが存在していた。
「役職ディストピアリ」「役職物語」のストーリーでは、第23代目魔王として「サーカスの魔王」が生まれた。

魔王は誕生したレイヤーから動くことはできない。そのため、魔王の破壊の対象となるのは魔王発生レイヤーのみである。
魔王は「討伐士」の役職の人間によって倒されるという運命が決定しており、その筋書きのために観測所から魔王担当観測士が派遣される。
なお、「討伐士」がすべて倒されてしまった、魔王のレベルが高すぎてどの「討伐士」でも倒せなくなったなどの理由で魔王の存在が手がつけられなくなった場合、中央調律局による強制削除「ツインズ・ガーデン・デストロイヤー」が実行されるため、どうあっても魔王は最終的に死亡、消滅する運命にある。

レベルは1や10の整数ではなく、「√-9999(ルートマイナス9999)」という虚数レベルに設定されている。
そのため一切ダメージを受けないという設定になっており、ダメージを与えるためには攻撃のダメージを虚数化しなければならず、その権限を持つのは観測士のみである。
また、仮に観測士権限でダメージを虚数化したとしてもレベル9999という膨大な数値が魔王には設定されており、レベル1万以上の人間でなければ攻撃が通用しない。そしてレベル1万以上になり得るのは、特殊な状況下のみの「討伐士」だけである。
つまり、魔王を倒すことができるのは、観測士の補助によって自身の攻撃を虚数化したレベル1万以上の「討伐士」のみである。

23代目魔王 サーカスの魔王

Dis5

23代目魔王に認定された新たな魔王はシルク・ド・マーレボルジェというサーカス団である。
これは魔王に認定されたシルク・ド・マーレボルジェの座長が魔王であるということではなく、「シルク・ド・マーレボルジェ」という存在そのものが魔王ということになる。座長だけでなく団員全員でひとつの魔王であり、座長および団員は「魔王ライツ」(魔王の構成要素)である。

今回の魔王は組織そのものが魔王となっているため、団員が全滅すれば魔王討伐となる。
あるいは、魔王を魔王たらしめている「マオー・コア」を破壊することでも魔王討伐となる。

討伐士

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents