刀使ノ巫女(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『刀使ノ巫女』とは、studio五組が製作するアニメ。日本刀を使って戦う「刀使(とじ)」と呼ばれる少女たちの、戦いや日常を通して友情を紡いでいく様を描く。魅力的なキャラクターや日本文化を色濃く反映した世界観などが人気を呼んでいる。ストーリー面は二部構成になっていて、少女たちが逃亡劇を繰り広げながら、刀使を陰で操る敵と戦う第一部、少女たちの日常を絡めながら、新たな戦いを描く第二部に分かれている。

「元々こいつはこういう奴だ。優しくて友達思いな半面」「冷たくて自分本位」(十条姫和&衛藤可奈美 第21話)

出典: pbs.twimg.com

荒魂と同化し禍神となった姫和。もし、このまま彼女が荒魂を制御できないのであれば、隠世に送るしかない。姫和が現世に留まれるかどうかの瀬戸際で、可奈美は「ねえ、今の姫和ちゃん、強い?」と問いかけ、中断していた御前試合の続きを今してほしいと頼む。状況を無視した可奈美の自分勝手な申し出に仲間たちは憤るが、姫和はそれに応じる。その時のセリフである。前半部分が姫和、後半部分が可奈美のセリフである。

実はこのセリフ、最初に言ったのは可奈美の母・藤原美奈都である。美奈都が可奈美の性格を言い表した言葉と、同じことを姫和が言った。姫和がいつの間にか可奈美の母と同じくらい、可奈美のことを深く理解していることの表れでもある。

「優しくて友達想い」と「冷たくて自分本位」は矛盾しており、作中では美奈都もこのふたつが矛盾していることを認めている。しかし、可奈美に限らず人はみな矛盾した相反する性格が共存しているのではないか。そして、可奈美の良い面と悪い面、両方をわかったうえで、それでも可奈美のことを受け入れる姫和に、二人の友情の深さを感じる。

「させない!そんなの絶対させないから!一人で抑えきれないなら全部出しちゃえばいいよ!私が斬ってあげる!全部全部斬ってあげるから!半分持ってあげるって言ったでしょ…もっと信頼して預けてよ…」 (衛藤可奈美 第21話)

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禍神となった姫和と御前試合の続きを行う可奈美。だが、姫和の雷神の剣や未来を見る能力をもってしても可奈美を倒す手立ては見つからず、姫和は可奈美に一本取られる。姫和が可奈美に勝つことを諦めると、可奈美はそうやって荒魂を抑え込むことも簡単に諦めるのかと姫和を責める。その直後、可奈美は姫和を抱き寄せてこのセリフを言う。

「半分持ってあげる」というのは第4話に登場したセリフ。姫和が折神紫を倒す理由、その覚悟の重さを知った可奈美が言った「重そうだから、私が半分持つよ」に由来する。17話前の回のセリフを回収した形となった。
さらに、同様のセリフは実は、可奈美の母である美奈都も語っている。美奈都は相模湾岸大災厄の時、姫和の母である篝が本来一人で受けるはずだった負担を「半分持った」ために命を落とした。可奈美と姫和の友情は親子2代にわたるものであることを彷彿とさせるセリフでもある。

「おい、笑いたくないなら笑うな!」(益子薫 第22話)

タギツヒメによって吸収・消滅してしまった姫和。その安否はわからないが、最悪の場合も考えられる状況となってしまった。

数日後、部屋に集まってお菓子を食べる可奈美たち。姫和がいなくなってしまった悲しみ、何もできなかったむなしさを一番抱えているはずの可奈美はあえて姫和の名前を出すなど気丈に振る舞う。しかし、可奈美が心配をかけまいと無理していることは仲間たちの目には一目瞭然だった。舞衣たちは可奈美に無理をしないように問いかけるが、無理なんかしていないとあくまでも笑顔で帰す可奈美に薫が言ったセリフである。

このセリフを機に可奈美は姫和に対する思いを吐き出し、舞衣の胸に顔をうずめて涙をこぼす。
怠け者でふざけたセリフも多く、見た目的にも最年長には見えない薫だが、こういったセリフに彼女がやはりほかのキャラよりも少し年上で、意外とお姉さん的な立ち位置にいることが伝わってくる。

「お勤めご苦労様でした、夜見…」(高津雪那 第22話)

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タギツヒメとの最終決戦となった12月24日。タギツヒメに切り捨てられた雪那は荒魂に囲まれ、ピンチに陥る。誰も助けに来ないことに絶望し子どものように泣きわめく雪那だったが、そんな雪那を助けたのは夜見だった。荒魂に侵食され、消耗した体で荒魂と戦い、雪那を守る夜見。雪那は夜見に対して悪態をついたりヒステリックにわめいたりするが、夜見はただ一言「ただいま…戻りました。高津学長」とだけ言う。その言葉を聞いた雪那が発したセリフである。この言葉を聞いた夜見は、満足したように笑い、息を引き取った。

夜見は「あの方の御為に」動いていたが、その「あの方」とは雪那のことだった。

鎌府では落ちこぼれだった夜見。だが、雪那はその夜見の荒魂への適性の高さに目を付け、ノロを人体に投与する実験台に抜擢する。雪那にしてみれば夜見など、より強い刀使を生み出すための実験台、モルモットにすぎなかった。しかし、夜見にしてみれば雪那は、初めて落ちこぼれだった自分に目を向け、力を与えた人物だった。たとえそれが実験台としてで、その扱いがぞんざいなものだったのだとしても。

その夜見がただ一つ求めたもの、それが雪那からのねぎらいの言葉だった。任務を終えて鎌府に戻ったときに雪那から投げかけられるねぎらいの言葉、それがこのセリフだった。この言葉さえ聞ければ、たとえどんなに虐げられようとも、たとえその身が果てようとも、夜見は構わなかったのである。

ちなみに、夜見が息を引き取った12月24日は、彼女の誕生日でもあった。

「…はい。辛い時、重たい荷物を一緒に持ってくれる大切な人が、仲間達がいてくれるから」(十条姫和 第24話)

隠世である少女に出会った姫和。それは2年前に死んだ母・篝の20年前の姿だった。自分の知らない20年前の母に戸惑いながらも、姫和は自身が篝の娘だと名乗り、束の間の母娘の時間に浸る。篝から「あなたは今幸せ?」と聞かれた姫和は「はい」と答える。その理由がこのセリフである。

篝の死後、たった一人で折神紫を討つと決め、逃亡を手助けした可奈美に対しても当初は疎ましく感じていた姫和。だが、彼女の周囲にはいつしか仲間たちが集い、たった一人の復讐劇だったはずの戦いも、いつしか仲間たち6人の戦いへ変化していく。
タギツヒメとの最終決戦で姫和は密かに最後は自身もろともタギツヒメを隠世の彼方へ送ろうと考えていた。だが、その考えは可奈美に気づかれていて、可奈美と二人でタギツヒメを隠世をと追いやった。

たった一人で戦いを始めた少女が、すべてを理解し、ともに戦ってくれる大切な友に、仲間に巡り合えた。このセリフは「刀使ノ巫女」という物語を象徴する一言であり、このセリフが最終回に描かれたということは、「刀使ノ巫女」が世界の存亡にまつわる英雄譚よりも、少女たちの友情を主題とした物語であることを示している。
さらに、「胎動編」のオープニングテーマ「Save you Save me」の歌詞「探していたものは実は近くにあって、信じられないほど遠回りして見つけ出すんだ」という箇所にもリンクしている。

「刀使ノ巫女」という物語は、たった一人で戦いを始めた少女が仲間に出会い、彼女たちを何よりも大切な存在であると知り、その幸せを胸に戦いの始まりであった母のもとへ再びたどり着き、そしてまた親友とともに仲間たちのもとへと帰っていく物語。このセリフ無くして、「刀使ノ巫女」という物語は完結しない。

『刀使ノ巫女』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

チョコミント

十条姫和の好物。だが、作中ではほかのだれからも理解されず、「歯磨き粉の味」と揶揄されているが、姫和はチョコミント味を否定されると激しく抗議する。作中ではチョコミント味のアイス、チョコバナナ、クッキーが登場するほか、沙耶香の誕生日ケーキを買う際も「やっぱりチョコミント味のほうがよかったんじゃないか」と言っていた。最終回における可奈美と姫和の最後のセリフもチョコミントに関するものだった。

エターナル/ひよよん・ザ・ないぺったん

いずれも薫が姫和の貧乳をいじるときの言葉。薫は悪気があるのではなく、いじった時の姫和のムキになる反応が面白くて言っている。
「エターナル」は将来巨乳になるであろう女性になつくねねが、姫和にはなつかないところから「将来も永遠に胸が大きくならない」という意味で「エターナルむねぺったん女」、略して「エターナル」となった。
姫和は胸のことをいじられると激しく怒るが、終盤では「エターナル」と呼ばれても普通に反応していた。
なお、「エターナル」と「ひよよん・ザ・ないぺったん」の呼び名はスマホゲーム「刀使ノ巫女 刻みし一閃の灯火」のCMでも使われている。

ヒステリックおばさん

鎌府女学院学長・高津雪那に対してファンがつけた愛称。略して「ヒスおば」と呼ばれることもある。
呼び名の由来は、雪那が組織内のルールや周囲の感情を無視して、自分の要求のみを恫喝するようにまくしたてるところから。
コミック版の作者であるさいとー栄は雪那がヒステリックに怒鳴るシーンのアフレコを見学した際、「演技だとわかっていても怖かった」という感想を残している。

カップリング

「刀使ノ巫女」内におけるキャラ同士の組み合わせのこと。会話や戦闘などで一定の組み合わせで行動することが多いほか、オープニング映像やDVDのパッケージ、主題歌のパートの割り振りなどにもカップリングが反映されている。このカップングは、剣術同士の相性も良く、タッグを組んで戦うとより強い力が発揮できる組み合わせでもある。
主なカップリングとしては可奈美&姫和、舞衣&沙耶香、薫&エレン、真希&寿々花があり、大勢で行動していてもこのカップリング同士が隣になるように配置されることも多い。
「かなひよ」「まいさや」といったカップリングに対する愛称で呼ばれることもある。
特に、真希と寿々花はともに行動する機会が多いうえ、お互いを思いやるセリフも多く、一人で思いつめやすい性格の真希を寿々花が叱咤激励して支えるという関係性から「夫婦」と呼ばれている。

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