しろくまカフェ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『しろくまカフェ』とは、2006年に第22回コミックオーディション銀の花賞を受賞した、ヒガアロハのデビュー作。漫画は「月刊flowers」(小学館)にて連載中。アニメは2012年4月5日から2013年3月28日までテレビアニメが放送されていた。カフェを営むしろくまと常連客のパンダや動物たち、それを取り巻く人々が繰り広げるほのぼの系ギャグ漫画。動物たちはごく自然に人間社会に溶け込み、種族間の隔たりなく会話をしている。

『しろくまカフェ』の概要

2013年5月まで『月刊flowers』にて連載していたが、2014年7月28日発売の『月刊Cocohana』9月号にて『しろくまカフェ today's special』のタイトルで連載が再スタートした。アニメは2012年4月5日から2013年3月28日までテレビアニメが放送されていた。
カフェを営むシロクマくんと常連客のパンダくんや動物達、それを取り巻く人々が繰り広げるほのぼの系ギャグ漫画。登場する動物たちはごく自然に人間社会に溶け込んでおり、種族の隔てなく会話をしている。動物たちの外見はデフォルメがされておらず、大きさや好物も現実の動物に準じている。
動物たちの会話の内容は人間が話す内容とほぼ同じで、本来食べないものを食べていることもある。物語のなかではカフェだけでなく動物園も登場するが、パンダくんがパンダとして働くなど、動物園は劇場のような役割を果たしている。

『しろくまカフェ』のあらすじ・ストーリー

パンダくん、しろくまカフェを訪れる

家でゴロゴロするのが好きなパンダくん。パンダママから「暇があるなら、バイトでも探しなさい」と言われ、しぶしぶ求人票で仕事を探し電話をするものの、「楽したい」「経験ないけどかっこうよさそうだから」と電話口で言い、ことごとく断られる。再びパンダママから仕事を探してくるようにと言われて、しぶしぶ外に出たパンダくんが見つけたのは春の陽気の中をひらひらと舞うモンシロチョウ。モンシロチョウを追っていると、パンダくんはシロクマくんが経営する「しろくまカフェ」の敷地の中に入ってしまった。シロクマくんに誘われ、店内に入ったパンダくん。カウンターには常連客のペンギンさんがおり、カフェモカをお替りしていた。しろくまカフェではアルバイトを募集しており、パンダくんもアルバイトの面接を受けるが「週2日」で「遅刻した場合は呼びに来てほしい」というやる気のなさにより不採用。アルバイトの面接はパンダくん以外に受けにきた動物たちも不採用だった。「誰がいい人いないかな」とシロクマくんが頭を悩ませていたところに来たのは、しろくまカフェの庭に住まわせてほしいと木にぶら下がっている状態のナマケモノさんを連れてきた笹子さん。シロクマくんは笹子さんのことを気に入り、しろくまカフェのアルバイトとして採用する。家に戻ったパンダくんはパンダママにしろくまカフェのことを報告したところ、しろくまカフェはパンダくんの家の隣にあった。チョウチョを追うことに夢中だったパンダくんは、しろくまカフェが家のすぐ隣にあることに気づいていなかった。

パンダくん、動物園で非常勤のパンダとして働く

しろくまカフェのアルバイトの面接で不採用だったパンダくんは「ふれあい動物園」の仕事に応募する。ふれあい動物園には現在常勤のパンダがいるのだが、非常勤のパンダも募集しており、パンダくんは週2回、非常勤パンダとして動物園で働くことになった。アルバイト帰りにしろくまカフェに向かうと動物園で働いている仲間たちがいた。
満員の通勤電車で出勤するパンダくんは動物園に着くとげっそりと疲れてしまっていた。そんなパンダくんに「お仕事頑張ってください」というメッセージと共に花が贈られてきた。花の贈り主の名前は「リンリン」。パンダ君は「リンリン」を女性だと思い込み、「リンリンちゃんが見てくれているにちがいない」と張り切るが、実はリンリンとはパンダくんの通勤路にある花屋の店員「林厘太郎」のことだとわかり、がっかりする。

パンダ君、グリズリーさんと知り合う

ワイルドなパンダになろうとダイエットをしたり、ダースベイダーのような姿をするパンダくん。強気でワイルドな「ワル」に憧れるパンダくんに対し、シロクマくんは幼馴染のグリズリーさんを紹介する。グリズリーさんの見た目は強面。「BAR THE GRIZZRY」ではソフトドリンクは出さず、アルコールがメイン。その上、ゴリラやワニなど見た目が怖そうなお客が出入りする。パンダくんが常連客に「うまそうだな」と絡まれていると、グリズリーさんは「脅かすんじゃねぇ」と常連客に喝を入れる。グリズリーさんは見た目は強面で、性格は短気なところもあるがとても面倒見がいい人だった。グリズリーさんが昔、北米をハーレーで一人旅をしていたという話を聞くパンダ君。グリズリーさんを見て「ワイルドというのがわかった気がする」とシロクマくんに言ったパンダくんだが、翌日シロクマくんの目の前に現れたパンダくんは黒い革ジャンを着てサングラスをかけ、三輪車を乗り回すという奇妙な出で立ちをしていた。グリズリーさんのようにワイルドになろうとしてもワイルドになりきれないパンダくんだった。

半田さん、改造計画

アルバイト先である動物園の飼育員の半田さんをリンリンのように若い女性にモテるようにしようと奮闘するパンダくん。シロクマくんにも協力してもらい、半田さんのイメチェンをしようとパンダくんは買い物をしようとするものの、いつのまにかシロクマくんやパンダくんが欲しいものを買わされてしまっていた半田さん。第10話にてパンダくんは半田さんの後輩飼育員である桐野さんにも協力してもらい、モテない半田さんのために合コンをセッティングするがメンバーが集まらない。パンダくんはシロクマくんに協力してもらい、合コンのメンバーに加わってもらう。いざ合コンが始まると半田さんは緊張してしまい、態度が固くなってしまう。そんな半田さんとちがい、パンダくんやシロクマくんのほうが女性受けがいいという奇妙な合コンが始まる。
相変わらず半田さんはいい人なのにモテないまま。ある雨の日、パンダくんが遅刻しないために持たせた携帯電話をパンダくんが動物園に置き忘れる。パンダくんに携帯電話を届けるために半田さんは雨の中、しろくまカフェへと向かう。半田さんがしろくまカフェで一休みをしていると笹子さんがコーヒーをもってきてくれた。半田さんは笹子さんにひとめぼれをし、以来半田さんは笹子さんを目当てにしろくまカフェに通うようになる。

ペンギンさん、ペン子さんにアタックする

ペンギンさんは行きつけのパン屋で働いているペン子さんとデートをするために自動車教習所へと通い、紆余曲折を経て免許を取得する。そんなペンギンさんがデートに失敗しないようにと応援するシロクマくんとパンダくん。「ペン子さんに告白しに行く!」と決意をしたはいいものの、ペンギンさんはペン子さんに話しかけることすらままならない。やっと話しかけることができたかと思いきや、デートの誘いではなくペン子さんがバイトをしているパン屋さんの割引券をもらうことができたと喜ぶペンギンさん。ペンギンさんの恋は進展する様子がなく、ペン子さんがいるパン屋でペン子さんから割引券をもらうためにパンを買い込み、しろくまカフェにいる面々に配り歩く。
ペンギンさんはとうとうペン子さんをデートに誘うことに成功し、ペン子さんの本名も判明する(今までペンギンさんはペン子さんと勝手に呼んでいて、本当の名前を知らなかった)。毎日ペン子さんに告白していたペンギンさんだったが、デートの当日に1羽だと思っていたペン子さんは7羽もいたことが判明する。
ペンギンさんは、ペン子さんたちから7羽のうち一体誰と付き合うのかを迫られるが一向に答えが出せず、全員と付き合うことになる。ペンギンさんは色違いのリボンを7羽のペン子さんたちに配って名前と顔が一致するように努めるが、ペン子さんたちがペンギンさんがいないところでリボンを交換してしまったことで失敗する。その際、ペンギンさんが「誰が誰だかわかるようにリボンを配ったのに!」とペン子さんたちの前で失言したことによりペン子さんたちを怒らせ、ペンギンさんは振られてしまった。

しろくまカフェの庭にある焙煎所

しろくまカフェにやってきた見慣れないお客さん。彼の名前はマサキ。彼はもともとブラックコーヒーが苦手だったが、しろくまカフェのブラックコーヒーを飲んで今まで味わったことのないコーヒーのおいしさに感動する。その秘密はしろくまカフェの庭にある焙煎所のキノボリカンガルーさんの焙煎にあった。マサキはさっそく焙煎士であるキノボリカンガルーさんのもとに弟子入りをし、エゾリスたちから豆の仕分け方、コーヒーの煎り方を教えてもらう。

営業ペンギンたち

しろくまカフェにやってきたピゴセレス属の営業ペンギン(アデリーペンギン、アゴヒモペンギン、ジェンツーペンギン)たち。どうやったらペンギンカードの在庫が売れるのかを思案しているが、一向にいいアイデアが思い浮かばない。シロクマくんやパンダくんもアイデアを出すが、微妙な案しかでない。神経衰弱でペンギンカードは売れるのではないかと思い立ち、営業ペンギンたちは売りに行こうとする。結局ペンギンカードは売れず、打開策として営業ペンギンたちは動物園で「南国戦隊ペンギンジャー」という戦隊ショーを行うことで人気を得ることに成功した。

「BAR THE GRIZZRY」のお客たち

「BAR THE GRIZZRY」でトラさん、オオカミくん、ライオンさんの同窓会が行われた。トラさんは老舗の和菓子屋でお菓子がヒットし、子だくさんで6人目が生まれようとしていた。パン職人のオオカミくんは仕事を辞めてどこか南の島でゆっくりしたいと考えていた。世界を飛び回る商社マンのライオンさんは生き馬の目を抜くような忙しさに充実感を覚え、トラさん、オオカミさんとの話もそこそこに切り上げようとしていた。そんな3人は昔ハマっていたラッパー「MC469MA」を思い出す。突然姿を消した「MC469MA」だが、3人の前に突如現れる。「MC469MA」はシロクマくんだった。「BAR THE GRIZZRY」に来ていたシロクマくんからの久しぶりに再会した3匹へのささやかな贈り物だった。
ある日トラさんの店「トラヤ」にパン屋を辞めたオオカミくんがやってきた。パン屋の仕事をしていた時に腰を痛めてしまったからだ。しばらくトラさんの店でアルバイトをしていたオオカミくんのもとにやってきたのはパンダママ。パンダママはオオカミくんがそれまで勤めていたパン屋を辞めたと聞いて、評判のロバさんのパン屋にオオカミさんを紹介した。オオカミくんは無事、ロバさんのパン屋で働くことになり、トラさんとオオカミくんは「BAR THE GRIZZRY」でグリズリーさんと一緒にお祝いをする。

常勤パンダさん、シンガポールへ転勤する

いつも通り内職をする常勤パンダさんと、ダラダラするパンダ君。内職はだめだと注意をしつつも見逃してくれる半田さん。「お疲れさま」と常勤パンダさんはパンダ君に声をかける。パンダくんは常勤パンダさんがいつもとちがう様子に気がつかない。翌日動物園に行くと常勤パンダさんのタイムカードがなかった。パンダコーナーに行っても常勤パンダさんの内職セットはあっても常勤パンダさんはいない。半田さんは言いにくそうに常勤パンダさんはシンガポールに転勤になったことを伝える。もう常勤パンダさんは戻ってこないことを知ったパンダ君。パンダくんはいつもと変わらないようにふるまっているものの、ポケットティッシュを見た途端、常勤パンダさんがいつもやっていたポケットティッシュの内職を思い出し、パンダくんは号泣する。いつもとちがうパンダくんの様子をしろくまカフェの人々はそっと見守る。パンダくんはこれまで週2回しか働いていなかったが、次のパートのパンダがくるまで常勤パンダさんの代わりに週7日働くことにした。しろくまカフェにこなくなってしまったパンダくんを心配してペンギンさんは動物園に様子を見に行くことにする。動物園では雨の中、へとへとに疲れて眠ってしまっているパンダくんの姿が。そんなパンダくんを「寝ていてばかりでつまらない」と言い捨てるお客に対し、ペンギンさんは「パンダくんは最高にダメな奴だけど、そんなパンダくんが頑張っているのにつまらないと言うな!」と怒る。パートのパンダが無事に来たことにより、パンダくんは週2日のシフトへと戻り、久しぶりにしろくまカフェに行き、ペンギンさん、シロクマくん、笹子さんとおしゃべりを楽しむ。パンダくんの元にはシンガポールへ行った常勤パンダさんからの手紙が届いていた。

しろくまカフェのお花見

しろくまカフェにもまた春が来た。笹子さんやパンダくんがしろくまカフェに来てから1年経つ。ペンギンさんは今住んでいるマンションの更新が来るというので引っ越そうとしていた。シロクマくんはペンギンさんのためにペンギンさんの好物だったカフェモカのレシピを用意していたが、ペンギンさんは新居を探すくらいなら今住んでいるマンションの契約を更新したほうがいいと引っ越さないことにした。ペンギンさんがしろくまカフェに来なくなるのでは、と心配していたシロクマくんはペンギンさんが引っ越さないことになったのがうれしく、カフェの庭でお花見をすることにした。そこにグリズリーさんやラマさん、ナマケモノくん、半田さんと桐野さんがやってくる。それから焙煎所のマサキとエゾリスたち、常勤パンダさんも家族を連れてやってきた。常勤パンダさんとの再会を喜ぶパンダくん。しろくまカフェに来ているお客たちがしろくまカフェにのお花見に集まってきた。

『しろくまカフェ』の登場人物・キャラクター

Lily-yarn
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