バイオハザード0（Biohazard 0）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『バイオハザード0』の概要

『バイオハザード0』とは、2002年11月にカプコンからニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして発売された『バイオハザードシリーズ』の第5作目となるホラーアドベンチャーゲームである。元々はNINTENDO64ソフトとして発売される予定であったが、ゲームキューブ用に開発を変更したものとなる。 2002年3月、第1作『バイオハザード』のリメイク作品として高い評価を受けた『biohazard』が発売され、同年11月、完全新作として発売された。
作品としては第5作目であるが、時系列としては最も古く、シリーズの始まりである『バイオハザード』の「洋館事件」の前日の事件が舞台となっている。
『biohazard』と対を成すかのようなストーリーに加え、プリレンダリングと呼ばれる技術を用いたグラフィックは、当時最高峰で、多大な恐怖体験をプレイヤーにもたらした。加えて、2人の主人公を交互に切り替えることにより謎を解き明かしていく新たな遊びにも挑戦し、後のシリーズ作品にも大きな影響を与えた。
Wii版発売、『アンブレラクロニクルズ』でのガンシューティング版リメイクを経て、2016年1月HDリマスターが発売され、より美麗になったグラフィックや「ウェスカーモード」などの追加要素を楽しめるようになった。

『バイオハザード0』のあらすじ・ストーリー

1998年のアメリカ中西部、ラクーンシティ郊外に位置するアールクレイ山地。この山奥で、人間が食い殺されるという猟奇殺人事件が多発していた。事件の調査の為ラクーン市警は特殊部隊S.T.A.R.S「ブラヴォーチーム」を派遣した。「レベッカ・チェンバース」は、このチームの新人隊員である。チームはアールクレイ山地へヘリで向かっていたが、途中エンジンが突然停止してしまう。なんとか不時着した先で彼らが見つけたのは、惨殺された軍人と大破した囚人護送車、そして元海兵隊員の死刑囚「ビリー・コーエン」の移送指示書だった。ブラヴォーチームの隊長エンリコの指示で、隊員は護送車から脱走したとみられるビリーの行方を追うため、レベッカは単独で捜索に乗り出す。辺りの探索を開始したレベッカは、森の中で停車した列車を発見する。怪しげな雰囲気を漂わせる列車へ足を踏み入れるレベッカ。その列車のなかで、行方不明の囚人ビリー・コーエンに出会う。市警所属特殊部隊の隊員であるレベッカと、死刑囚のビリー。相容れない立場であるはずの2人の脱出劇が始まる。

『バイオハザード0』のゲームシステム

操作方法

『バイオハザードシリーズ』では「ラジコン操作」と呼ばれる、キャラクターが向いている方向に対して旋回、前進・後退を行うという特徴的な操作方法が一般的であった。オリジナル版でもこの操作方法が採用されている。一方HD版ではこのラジコン操作に加え、画面に向かって入力したキーの向きへキャラクターが移動するというアレンジ操作も選択できるようになっている。『バイオハザードシリーズ』は未プレイである方や、ラジコン操作を苦手としていたプレイヤーも楽しむことができる。

パートナーザッピングシステム

この作品最大の特徴ともいえるこのシステム。レベッカとビリーが共に行動している際、プレイヤーは2人のキャラクターを選択して操作することができる。2人のキャラクターは、それぞれ体力や使用できる武器の数、アイテムの調合の可否などに違いがある。状況に応じてキャラクターの使い分けが求められる。自分が操作していないキャラクターには「待機」「追従」といった命令を出すことができ、よくある無意味なコンピューター操作で手を煩わされることが少なくなっている。また、2人が近くにいる時に限り所持しているアイテムの組み合わせや交換が可能である。このシステムによって、2人の特性を活かした操作が求められる場面が数多くある。キャラクターを細かく切り替えながら進めないと解けない仕掛けも多く、謎解きの難易度も高くなっている。

レベッカの特徴

レベッカはビリーに比べてHPが少なく、3分の2程度しかない。力も低く、マグナムやショットガンなどの反動が大きな銃を撃った時には数歩後退してしまう。重い物を動かすこともできない。その代わりにハーブを調合することができ、貯蔵タンクから薬品を採取したり、それらを調合できる。また体格が小さいため、狭い場所には入れたり、ビリーに持ち上げてもらったりできる。火炎ビンを投げる動作は速い。ピアノを弾くのは下手である。また非操作時、攻撃指示をしていても銃を向けるのみでこちらの発砲に合わせて銃を撃つ特徴がある。

ビリーの特徴

HPが多い。力が強く、重い物を動かせる。武器を構える、弾を撃つといった動作も素早い。またハンドガンの攻撃がクリティカルヒットすることがある。オイル補給後ライターで点火が可能。走るスピードが若干速い。ピアノも弾ける。非操作時には、攻撃指示中は単独でも共同でも敵が近くにいると自動で銃を発砲する。

アイテムボックスの廃止

武器や回復アイテム、謎解きのピースなど様々なアイテムを収納することができる「アイテムボックス」は、過去4作品すべてに存在していた。しかし本作ではこのアイテムボックスが本作には登場しない。そのため、持てないアイテムは「任意の場所に置く」というシステムが使われている。これにより重要アイテムの置き場所の工夫が必要となり謎解きの難易度があがった。また回復アイテムのストックも困難になっているため、攻略の上での戦略性が求められる。

クリアランク

今作ではクリア時のランクは、他作品のように回復アイテム使用回数、セーブ回数などは一切影響がない。影響するのはプレイ時間のみである。

ゾンビの強化

今作のゾンビは他作品と比べると、噛みつきの攻撃力が高い。レベッカは3発食らうと死亡してしまう。また反応速度も他クリーチャーと比べると速いため、避けづらい。一方で耐久力は低い。

戦闘の避けづらさ

共同捜索時、パートナーキャラがクリーチャーの攻撃を受けている状態で、扉に入ってしまうと共同捜索が解除されてしまう。パートナーはクリーチャーの攻撃を受けたままになるので、敵をよけて進むのは困難になった。

リーチハンター

養成所とその地下を舞台に、レベッカとビリーがヒルのオブジェを回収するというゲーム。オブジェを集めた個数に応じておまけ要素が解放されるおまけモード。