進撃の巨人 / Attack on Titan

『進撃の巨人』(しんげきのきょじん)は、諫山創による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』(講談社)で2009年9月9日発売の10月号(創刊号)から連載を開始し、2021年4月9日発売の5月号をもって完結した。略称は「進撃」など。
突如出現した「巨人」により人類は滅亡の危機に追いやられた。生き残った人類は「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」という巨大な三重の城壁を築き、壁の内側で100年の平和を実現した。
しかし、突如として出現した「超大型巨人」と「鎧の巨人」により壁は破壊され、100年の平和は終わりを迎える。
壁の外の世界を夢見る主人公の少年、エレン・イェーガーは壁が破壊されたことにより「ウォール・マリア」の中に侵入してきた巨人に母を目の前で食い殺されてしまう。その光景を前に、エレンは母の敵である巨人を「一匹残らず駆逐する」ことを誓う。
ダーク・ファンタジーという位置づけの本作だが、ファンタジー要素は少なく、科学やそれに沿った軍事など、現実的な面が多い。
国内外から人気を得ており、2010年12月には既刊2巻の累計のみで発行部数が100万部を突破し、アニメ放送開始後はさらに売上が伸び、同年の8月初頭時点で10巻までで2300万部を突破。2019年12月時点では1億部を突破している。

進撃の巨人 / Attack on Titanのレビュー・評価・感想 (3/5)

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進撃の巨人 / Attack on Titan
9

圧倒的世界観と躍動的アニメーション

進撃の巨人は、世の中の不条理に立ち向かう人類の葛藤と、それぞれの正義を描いた物語である。
冒頭で超大型巨人が壁を破壊し、無垢の巨人が攻めてくる情景から始まる。街は破壊され、人々は逃げ惑うしか術がない。平和に過ごしていた日々が、突如として大きなものに奪われる光景は津波を彷彿とさせる。
主人公のエレンは、母を巨人に捕食され、この世の巨人を駆逐するという強い決意のもと、幼馴染のミカサやアルミンと調査兵団に入団する。エレンはリヴァイ率いる調査兵団のリヴァイ班に所属することになる。
調査兵団で利用される立体機動装置。これが躍動的なアニメーションの要因の一つだ。建物や木などにワイヤーを繋いで移動し、2本のカッターのような刃物で巨人の急所であるうなじを切断する。女型の巨人に森で追われる描写があるが、立体機動で移動するアニメーションはとてもスリリングだ。
アニメーション制作はWIT STUDIO。躍動的で動きのあるアニメーション制作を得意としている。冒頭の巨人登場のシーンにおいてもフレームワークに圧倒される。
人々の葛藤と絶望、巨人という脅威に立ち向う勇気、何気ない人の優しさに触れ、残酷な世界の中で美しさを引き立てる作品である。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

面白い

とても面白いです。物語の序盤に主人公が死んでしまうという印象的な漫画になります。
世界観は人類が巨人という生物に怯えながら生活をしていて自由を求めて仲間と立ち向かっていくというものです。
あまりに大きい生物に理不尽に簡単に大切な人を殺されてしまい怒りから主人公が訓練をして奮起していきます。
物語の序盤で主人公が巨人に食べられて死んでしまいますが、巨人になって復活をします。
仲間もなにがなんだかわからないという気持ちで、もちろん主人公自身も巨人になって復活をしたのか理解できないという気持ちです。
巨人の力の謎の真相を追っていく中で他にも巨人になることができる力を持っている人類が現れたり、物語の展開が早くてドキドキしながら見ることが出来ます。
大事な仲間がどんどん死んでしまったり他の漫画ではなかなか見ることのない展開が見ることができます。
絶望するようなシーンが何度も訪れてどうやって乗り越えていくのだろうと続きを早く見たくなります。
人類最強と言われるキャラクターが登場するシーンは迫力があって何度も見たくなります。
キャラクターそれぞれに強い個性があって飽きることなく見続けられます。おすすめですので是非見てください。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

様々な世代の心を揺さぶる作品

1話目が本誌に掲載された時から、なにかとメディアに取り上げられ、さらにアニメ化により人気に拍車をかけることになった進撃の巨人ですが、
「最初は好きだったけれど、実は途中で読むのを止めてしまった」という人も多いのではないでしょうか。
実は私自身もその中の一人でした。
ですがそんな人も改めて魅了し虜にするのがこの作品の素晴らしいところだと思います。
1話から最終話まで様々なシーンに伏線が散りばめられており、そのすべてが話を進めるごとに確実に伏線回収されていくことで、また読み返したくなる作品だと感じます。
実際に読み進めていくことで、まさかこんな意味があったなんて…と衝撃の連続です。
そして一番おすすめのポイントは涙があふれてあふれて止まらなくなる感動ではなく、心の奥深くに突き刺さり、じわじわとこみあげてくる感動ポイントです。
きっとどんな人も最終話を読み終えた時にしばらくその場から動けなくなってしまうような、全身の力が抜けてただただ空を眺めたくなるような(空を眺めたくなるところは最終話を読むと感じる点です)
そんな想いがこみあげてくるでしょう。
話はかなり難しくなりますが、一番おすすめの読み方はYouTube上の解説動画と並行して読み進めていくことをお勧めします。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

進撃の巨人最終巻発売!ロスの果てに何を見る?

1年半にわたる連載が遂に幕を閉じ、最終巻も発売日を迎え、読者は完結の先にある物語が気になって!気になって!しょうがないでしょう!
ダークファンタジーがまるでSFになったような終わり方でしたが貴方はどう感じましたか?
『それが出来なければ繰り返すだけだ。同じ歴史を、同じ過ちを、何度も』とエレン=クルーガーの言葉と、
『争いはなくならないよ』とアルミンの言葉が伏線のように
完結の先にあるものはどんなに沢山の命が犠牲になろうとも、結局何も解決していないような。何も報われていないような。まさにこの世の中の争いに対するメッセージにも聞こえる様な終わり方でした。
個人的には戦争を悲劇を訴えるには最高の名作だと思います。敢えて報われないような生き様や、拷問のような痛みと苦痛は、命の尊さを知ってるからこそ描けるのだと感じました。
進撃の巨人といえば、計算尽くされた数々の伏線が人気の一つだと思います。番外編となる進撃のスクールカーストがまさか未来の話だとは驚きました。ただのギャグではないところが、さすが諫山先生ですね。本編では悲惨な舞台の空気感を壊さないようにギャグを持ってくるも上手さを感じてしまいます。デビュー作にして連載、世界的人気漫画を生み出した若手漫画家とは思えない。この人こそ始祖の巨人と進撃の巨人の能力があるのでは?と疑ってしまう程の巨人…ではなく巨匠でしたね。
そんな名作が完結した後の先の物語もファンは期待せずにはいられないのです。

進撃の巨人 / Attack on Titan
4

意外な終わり方。

このアニメを見るきっかけは「進撃の巨人!!」「面白いから進撃の巨人見て!!」とかすすめられて見始めたのが始まりです。だから、あまり期待はせずに見ることができました。

壁の中に100年以上守られていた人類がある日突然、超大型巨人・鎧の巨人に壁を壊され平和を壊されるところから物語は始まります。
そこで、無残にも巨人に食い殺される実母を目撃したことで「巨人のせん滅」を心に秘めるエレン。エレンとともに暮らすミカサ。その二人の親友アルミン。が兵士・戦士を志します。

そして、兵士に慣れた三人は「調査兵団」に入り巨人と戦っていく。その中で、巨人の正体は同人類、人間だという事が判明し、驚愕する!
だがさらに、壁の中だけが平和で安息だと思っていた人類は過去の巨人大戦で侵略略奪、虐殺をしたのが祖先で自分たちの祖先は迫害を受け小さな島へ追いやられた民族だという事実で真実が突き付けられるんです。

アニメの描写や声優さんの選定などは素晴らしく、アニメのオープニングテーマやエンディングテーマは昨今のアニメとは違いアニメオリジナルの曲を使っている。昨今のアニメは有名なアーティストさんの曲を使っていたりしてアニメの特徴が削れてしまい残念だと思っていました。もちろんアーティストさんの曲を使うのを悪いと言っているわけではないです。

多少グロテスク表現が多く、ストーリー展開もはやいです。
その、展開の疾走感に巻き込まれてついつい続きが気になるので、見てしまう。

ですが、FINAL SEASONと書かれた章を見てガッカリ。理由は、続きがあるであろうという最高に面白いストーリーで途中で強制終了された。
ストーリー的にあと半分はありそうだったと感じたのは私だけではないと思います。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

漫画史上最高の作品

漫画を読んでいてここまで考えないと内容を理解できない漫画に出会ったことがないくらい最高の漫画です。
始めは人間対巨人の構図の漫画ですが、巨人の正体がわかり、どうやって巨人ができるのかなど、物語が進むにつれてさまざまな謎が解けていくことが面白いです。
また、人間対巨人の構図から、国対国の戦争になるところ、巨人が戦争の道具に使われていることなども考えれば考えるほど面白くなります。

そして、進撃の巨人で一番すごいところは、見る視点を変えることにより、どちらの国が、誰が悪なのかが分からなくなることです。
始めは主人公の住む、エルディア国の視点から描いてあり、漫画本の途中でマーレ国という、敵として描かれていた国の視点から描かれ始めるのです。
ただ、敵だったはずなのにマーレ国にも考えがあり、マーレの兵士たちもただ攻撃をしたいのではなく、国に認められ家族を幸せにしたいという思いのもと戦っており、それを考えると、敵として見れなくなります。

どちらが悪で、どちらが正義なのかを決めるのも難しくなり、敵国は悪だと教え込まれていたキャラクターが、途中で考えが変わるのもおもしろいです。
また、自分の正義を信じ頑張るも、正義の方向がずれてしまうキャラクターが出てくるところなど、正義と悪とはを考えさせられます。

進撃の巨人をまとめるのは難しいですが、内容を理解しながら読むと素晴らしさを感じると思いますので、ぜひ読んでみてください。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

「進撃の巨人」を通して学べること

「正義と悪魔」と聞いて一体どんなイメージを思い浮かべるだろうか。
悪魔は誰かを傷つけ、大事なものを奪う「悪者」で、正義は悪い者と闘い、常に正しいことを唱え続ける「善人」といったイメージだろうか。
では人間は善悪を判断できる裁量を持ち合わせているのだろうか。
私達は何気ない日常の中で「あの人はおかしい」「あの人は間違っている」という判断を下すことがある。
それは自分のもつ常識や習慣と異なっているからこそ抱く気持ちなのかもしれない。
しかし、相手にも相手の常識や習慣がある。それらがぶつかった時、どちらが正しいという結果は果たして存在するのだろうか。
人には得体のしれないものを排除しようとする習性があるらしい。
自分自身には理解できない考えをもつ人に対してその習性が発揮された時、争いが生まれるのだろう。
この作品では主人公目線の話と、敵国目線の話の両方が存在する。
それを見るとお互いに守るべきものや信念があることが分かる。
そして、この作品では人どうしで理解し合うには限界があるということがはっきりと描かれている。
お互い話し合って完全に理解し合うことができればそれが最善の策なのだろうが、恐らくそれは実現不可能なのだということがこの作品を通じて理解することができる。
綺麗事だけでは終わらないのがこの作品の大きな特徴だ。
「正義とは一体何なのか」「理解し合えないことがある中で人とどう付き合っていくか」ということをこの作品を通して深く考えることができると私は感じている。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

進撃の巨人のメッセージ性

進撃の巨人は序盤は巨人vs人類の構図から物語が始まります。
人類を壁内に閉じ込めて巨人から身を潜めながら生活をしているのですが、この時点で人類には「安全性」と引替えに「自由」を奪われています。
この構図が中盤でひっくり返るのがこの構図作品のおもしろいところです。
具体的に言うならば、人類vs人類というのが真の構図で、巨人はただの兵器にすぎなかったという事実が発覚します。
今までは漠然と「自由」と「安全性」を求めて巨人に立ち向かっていたのですが、それが壁の外には巨人だけでなく、壁内人類以外にも人類が存在し、しかもその人類が敵という事実を突きつけられます。
自分たちはこれから何をすればいいのか、どうすれば問題解決に至るのかという「戦争問題」に発展していきます。
敵国との争いをしていく中で、キャラクター達は敵国もただその国に生まれただけの「人間」であることに気づきます。
今まで自分が「悪魔」だと思っていた人たち、しかしその悪魔からしたら自分たちも悪魔だったのです。
戦争が如何に不毛なことか、如何に残虐なものかということを伝える素晴らしい作品です。
この物語は同時に、伏線だらけの考え抜かれた作品です。
私も1周したあとに、続々と発覚する伏線の量に驚き、最初から読み直した経験があります。
進撃の巨人に対して「ただのグロテスクな作品」と思ってる人がいるのであれば、是非とも漫画やアニメを視聴して欲しいです。この作品のメッセージ性や緻密に計算されたストーリーに誰もが驚くと思います。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

「進撃の巨人」が進み続ける、その先は?

閉ざされた壁の中の”世界”で、100年の平穏を保ってきた人類。
物語は、謎に満ちた超大型巨人の突然の襲来により、人類の平穏があっけなく崩壊するところから始まる。
人類を捕食する巨人の正体は? 敵の目的は? 壁外には一体何があるのか?
謎が謎を呼ぶストーリーに、張り巡らされた伏線。なおかつ予測のできない展開の連続に、読者(およびアニメ視聴者)は、あっという間に引き込まれる。

そして「進撃の巨人」が特に興味深いのは、物語が後半に差し掛かり主人公たちが壁外の世界を知った後、
あえて数話分を割いて、敵側目線からのストーリーが展開されるところである。
急に主役が交代したかのような敵国の目線からエレン達を見ることで、読者は主人公側のみならず、敵側からの視点をも獲得することとなる。
その結果、現代社会や現実の我々の世界ともリンクするような、差別や歴史問題および政治・哲学など、人間の本質を抉りだすような解決困難な論点が
次々と浮き彫りになる”仕掛け”となっている。

タイトルである「進撃の巨人」は、主人公エレンが父から受け継いだ巨人の名称であることが物語の中盤に明かされるが、
ひたすら”進撃”を続ける主人公エレンは、物語終盤には敵のみならず、味方や親友をも”置き去り”にしてしまう。
どんな結末を迎えるのか、最後まで目を離すことのできない歴史的名作である。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

最後まで騙されるブラックファンタジー

最初に観た時は、巨人と人間の戦いを描いたブラックファンタジーなんだと思っていたのが、以降は人間対人間を描いたとてもカオスで繊細な作品なんだとわかるとんでもない作品です。
僕自身最後まで騙されました。
巨人と戦う調査兵団の物語から始まり、主に戦闘シーンや伏線をはった人間の複雑な背景を捉えた作品でした。
人類最強の調査兵団の兵士リヴァイアッカーマンが巨人と戦うシーンは特にハラハラさせられたり、他の兵士やチームメイトが死んだ時の彼の豹変ぶりがとてもユニークかつ繊細でとてもかっこいいです。
戦闘シーンから部下おもいな心情を描いたサクセスストーリーもおすすめです。
次に好きで、個人的に注目させられるキャラクターは、主人公のエレンイェーガーです。
彼は、母親を殺された恨みから調査兵団に入り始祖の力を使い全ての記憶をみて
そこから、徐々に始祖の思想や遺志に取り込まれあの爽やかだった4期訓練兵の時と比べて目に光をなくす姿がとても繊細かつ奥深くなっています。
その変化をみるのも進撃の巨人の楽しみ方の一つです。
サイコホラーかつダークファンタジーだと思いきや、のちの伏線や登場人物の感情に左右されていき当時仲間だった人たちが巻き込まれ死に至っていく姿が忘れられません。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

日本が誇る最高傑作のアニメ!!

「ストーリー」「アニメーション」「音楽」どれをとっても素晴らしい芸術作品!!
高い壁の外には人食いの巨人が住み、壁のなかに住む人類がそれぞれの思いの中壁の中で平和に暮らす。
一人はいまの安泰に満足し、一人は壁の外に自由を見出し、壁の外に出ようとする
そんななか50メートルを超える壁よりも大きな巨人が突如現れ、巨人と人類を分けていた壁を破壊する。
それから人類と巨人との戦いが始まる!!
アニメならではの現実にはないストーリーでありながら、もし現実に起こったとしたときに起こりえる人々の混乱や、人間模様などを見事なまでにリアルに表現されている。
話が続くにつれ、巨人の謎が解き明かされていきどんどん話が面白くなっていく。
アニメに使用されているサントラの曲数も多く、絶妙なタイミングで素晴らしい音楽が流れ、音楽もストーリーを盛り上げていく。
また心にささる名言も多くあり、苦しいときに勇気づけられたり、もうちょっと頑張ろうと思える力を与えてくれたりする。
本作に携わっている人すべての方が手を抜くことがなく芸術作品と言っても過言ではない作品となっています。
日本人に生まれてきて「進撃の巨人」を知らないというのはジブリを知らないのと同じぐらいもったいない。
是非、進撃の巨人をご覧あれ。
きっとあなたもファンになることでしょう。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

一気読み間違いなし

巨人と、それに立ち向かう調査兵団。巨人は途方もない力を持ち、容易に人を殺してしまうため、一瞬たりとも油断は出来ない。それは読者も同じで、目を離せなくなる。進撃の巨人はどの登場人物も人間味があり、優しさや強さを持ち合わせているため、感情移入してしまう。そんなキャラクターが、巨人に握りつぶされ、あっと言う間に絶命してしまう様子は、読んでいるこちらまで絶望と恐怖を目の当たりにする。次のページを開けない。でも、先に進まなければ、次の話に進めない。最早苦しささえ感じながら読み進める。その先にあるのは希望だと、登場人物と全く同じ心になっているのは、その時には気づけない。希望を願ってしまうのは、読者の心情だと思われるが、それを筆者の諌山創に手玉に取られてしまう。読者は血反吐を吐きながら戦う調査兵団と共に、絶望のシナリオに胸を痛め、やり場のない感情に翻弄されてしまう。漫画から顔を上げると、ほっとする。そのドキドキがたまらなく面白く、皆が惹きつけられる理由に間違いない。調査兵団は、巨人と戦うだけじゃない。兵団は誰もが悩みを抱え、それと対峙し、対話しながら、疑問を抱えて前に進んでいく。先にあるのは絶望か希望か、読者も戦士になった心持で読んでしまう、壮絶な漫画だ。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

今、史上最大の進撃が始まる。

巨大な壁によって巨人から守られている世界。
しかし突如として現れた超大型巨人によって壁が破壊され、日常は淘汰された。
壁の外の世界に憧れを持つ少年、エレン・イェーガーは故郷が巨人に蹂躙されたあげく、目の前で母親を食い殺される。
絶望の中、エレンは「全ての巨人を駆逐する」と強く決意する。
このように、この作品はエレン・イェーガーという主人公が、人類が太刀打ちできないような残酷な世界に対して反逆するストーリーであり、一見王道なバトルアニメのような感じがする。
しかし『進撃の巨人』の面白さとは、圧倒的に深いストーリーと、徹底された世界観である。
巨人の正体とは、なぜ世界はこうなってしまったのか、敵の正体は、といった数々の謎に対する答えが、毎回鳥肌が立つような深いものなのだ。
特に序盤の謎が物語の終盤で明らかになった時は度肝を抜かれるほどだ。
ただ単純に「人類と巨人」のストーリーではないのである。
加えて、この物語には「完全な悪」が存在しないのも大きな特徴である。
壁を破壊して壁内人類を滅亡させんとする「超大型巨人」や「鎧の巨人」にも、極めて深い事情があるのだ。
彼らがなぜ壁を破壊したのか、その理由を知った時、物語は大きく動く。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

最高のマンガ

この作品は、私が読んできた最高のマンガ作品です。
この作品は人間と巨人との戦いではなく、人間と人間との戦いであり、人間の本質や醜さといったものがうまく表現されています。味方だったはずの人間が実は巨人であったり予想外の展開の連続です。主人公が純粋なヒーローではなく、ときには残虐とも思えるような手を使ったり奇麗事ばかりでないのもこの作品の特徴であり好きなところです。
また主人公側にしろ敵側にしろ、それぞれの正義があり、敵側勢力にも同情してしまう部分もあります。目的の為に手段を選ばない主人公やその周りの人間たちのやり方に対してときには不信感をもちますが、少し考えると現実社会でもそんなことがあるのかなあと考えさせられる場面があります。
この作品はフィクションでありながら現実社会でも通じるようなことがあります。それはこの作品の世界での歴史をお互いの都合のよいように解釈するといったようなことであり、これは今までも、そして今でもよくある話です。マンガでありながらこれほどまでにいろんなことを考えさせられる作品は中々存在しないと思います。
この作品を読んで後悔することはないと思いますので、皆さんに是非読んで欲しいです。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

至福の絶望

凄まじい人気で、実写映画化までされた「進撃の巨人」。その漫画版のレビューをしていく。
タイトルにもあるように、とにかくこの作品は「絶望しかない。絶体絶命。もうダメ?」っていう状況が多い。
それも陳腐なものではなく、ついさっきまで明日への希望を持って楽しそうに喋っていたキャラクターが、一瞬で「ただの肉塊」と化す、ゾクゾクくるようなシーンが。
そして主人公達もそんな危機的状況を乗り越えていくわけだが、簡単に乗り越えられるわけではなく、深い傷を負ったり、首をはねられたり、それでもどうにかして乗り越える。
そこにはリアリティーがあり、それに読者は惹きつけられる。
タイトルの意味は、リアリティーのある絶望シーンが、この作品の魅力だということだ。
この作品は王道系の少年バトル漫画とは違い、「勝利」とか「幸福」とかに重きを置いていない。
「絶望感」とか「深い悲しみ」の方に重きを置いているのだ。
それが他の作品と一味違うところであり、この作品が爆発的人気を得たわけだと思う。
漫画において最も大切なのはキャラクターが魅力的かどうかだと、ある先生が言っていたが、この作品はそれを十分に満たしていると言える。
読者が共感出来るような、心の暗い部分を持っているキャラクター。
その弱さを乗り越えさせてくれるのは、深い絆で結ばれた親友だ。
ただ、王道系少年漫画とは違い、軽々と「仲間」とか「友達」という言葉を使わない。
それはリアリティーを生み出し、より作品の世界に引き込まれる。
とにかく、グロテスクな表現などもあるが、大人なら一度読んでみることをお勧めする。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

ダーク・ファンタジーの傑作!

"壁に囲われた街で巨人という怪物に脅かされる絶望感……。
ある日、あまりにも巨大すぎる超大型巨人が現れ、街を守っていた壁を破壊してしまいます。
街になだれ込んできた巨人の群れは容赦なく人々を食い殺していきます。
主人公であるエレンは巨人によって母親を目の前で食べられてしまいますが、二人の幼なじみたちと共になんとか生き延びることに成功します。
そして成長したエレンは巨人を駆逐するために巨人と戦う「調査兵団」へ入隊し、厳しい訓練を乗り越え実戦に臨む。
初陣の中、親友アルミンを守って巨人に飲み込まれてしまったエレンは巨人の体内で自らも「巨人化」してしまう……。

立体機動と呼ばれる装置を駆使して巨人たちと戦う、躍動感とスピード感にあふれたスリリングな空中戦の描写が素晴らしく、
とくに、主人公エレンの上官でもある、リヴァイ兵長が巨人たちを切り刻んでいく圧倒的な戦闘シーンには思わず全身が震えてしまうほど!

また、たんなるモンスターバトルにとどまらず、
巨人とはなんなのか?どこから生まれてくるのか?壁を作ったのは誰か?
この世界の謎が少しずつ解き明かされていくような、綿密なプロットに支えられたミステリー要素もふんだんに含まれており、ページを読み進めていく手が止まりません!
登場人物たちも実に個性豊かで、それぞれに主役級の魅力が詰まっています。
絶望の中でもがき、苦しみ、精一杯に生き延びようと戦い続けるエレンたちの姿に心を鷲掴みにされます。
オススメ!

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

素晴らしいアニメ化作品

映像、音楽、ストーリー、構成、全てにおいて素晴らしいアニメです。
ストーリーは終始容赦のない残酷なシーンが多いですが、それに伴う非常に考えさせられる題材が多いです。思いもよらない展開や伏線が多く、特にお話をあれこれ考察しながら見るのが好きな方におすすめしたいです。そして澤野弘之さんが担当されてらっしゃいます音楽が素晴らしいです。作画も素晴らしく、1期~3期のWIT STUDIO、4期のMAPPAどちらもアクション、他パートにおいてとても「進撃の巨人」という作品に合っていました。
※以下ネタバレ含みます。
序盤~中盤にかけては主人公たちが人類を捕食する巨人という脅威に立ち向かうお話だと感じますが、後半は人対人という、もっと複雑で難しいものに変わります。戦争や生存権など、思わず頭を抱えてしまうほど難しい問題の中、様々なキャラクターのリアルな感情描写がたくさん出てきます。「進撃の巨人」のお話の魅力は、色々な人物や立場の視点から物事を考えさせられ、視野が広がることだと感じました。原作との多少の変更点やオリジナルはありますが、ほとんど気にならないぐらいの完成度だと思います。まだ見てない方でシリアスなものや深いテーマをもつ作品が好きな方は是非見てほしいと思う作品です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
9

想像していたよりもサスペンス!なんとなく敬遠していた人にも見てほしい!!

進撃の巨人という有名タイトルだと作品そのものを知らなくてもなんとなく少年誌的なアクションもの、又はキャラありきの作品、というイメージをもっている方も多いと思います。私もそうでした。
が、そのイメージは覆されました。
もちろんアクションもキャラクターも進撃の巨人というタイトルの魅力です。
ですがそれよりも自分がグイグイ引き込まれたのは謎が謎を呼ぶストーリーです。

まず大前提として読者に与えられる情報は
巨人がいます。巨人は人を襲います。
くらいなものです。他の情報はほとんどと言ってもいいくらいにありません。何故なら作中の登場人物ほぼ全員が大事なことは何も知らないからです。
どやったら巨人に勝てるのか?から話は次第に
いったい巨人とはなんなのか?何故正体が掴めないのか?掴めないでいること自体何故なのか?
というストーリーになってきます。主人公たちは絶対的に制限された環境と情報の中でこれらの真相を探っていくわけです。
巨人との凄絶なバトルももちろんですが
様々な陣営による情報戦、騙し合い、真相に近づくためのサスペンスドラマ的な面も面白いです。
まだ原作は完結してないみたいなのでどんな結末になるかワクワクして待っています。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

構想力、展開力が素晴らしく、感動的

人外の化け物と人類の戦いという構図から始まるお話ですが、それ自体はよくある設定です。そんな中で全世界1億冊売れているのは、とにかく構想が素晴らしいことに起因していると思います。
安易なパニック物、アクション物ではなく、一人ひとりの登場人物の背景が動作や言葉にしっかりと描写されており、作り込まれています。そのため考察要素もふんだんに盛り込まれていて、進撃の巨人という作品に読者を没頭させてくれます。
一巻読むごとにストーリー展開、謎の解明がされていくのですが、謎が解明されたあとに過去の巻を読むと、登場人物の何気ない一コマがじつはヒントになっていることに気付かされるなど、無駄なコマが一つもないように感じられます。
残酷さが際立つ作品ではありますが、少年漫画らしい熱さや人々の葛藤、最後には正義VS正義というテーマになり、今まさに起きている戦争のことを深く考えさせられます。
基本的にはシリアスな場面が多くはなりますが、急に入ってくるシュールなギャグも癖になりますね。
最後、納得しない方もおられるかもしれませんが、感動的で切ないエンドでした。何か他に方法はなかったのか、と私も登場人物同様に考えてしまいました。

進撃の巨人 / Attack on Titan
7

人気があって敬遠していたけれど観たらハマった

海外でも人気のある「進撃の巨人」のアニメ。第3シーズンまで放映されていて各シーズン内容が濃くて面白い。人類に対しての絶対的な敵である巨人がグロテスクで最初に観たときよりも怖いものみたさのせいか迫力があり、どんどん引き込まれていきます。怖さが面白いというか、巨人とは対照的な弱い人間のミカサ・エレン・アルミンが対抗すべく人類の知恵を総出で戦う姿は小気味が良くて感動します。話が進む都度巨人の新たなる謎が噴出するのでみていて飽きません。また、人間の陰謀などが絡んで話はより複雑に。複雑になるけれど、キャラクターが魅力あり共感できる内容なので物語の展開はわかりやすいです。続きが気になって仕方がなく一気にシーズン観終えてしまうのは驚きでした。観るひとの性格にもよってどのキャラクターに愛着がわき、感情移入するかが自然に決まると思います。また、話の内容とは別にそれぞれのキャラクターに愛着が出るため物語とは別に、こう思っていたんじゃないかとか想像の余地が出てきて勝手に話を作りたくなるのも頷けます。別作家さんが進撃シリーズでお話を実際に描かれています。マニアがたくさん出てきて作品に思い入れが湧くのもわかる味わい深い作品です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
8

話の展開が大きく変わる!?人気の少年漫画

皆さんは、「進撃の巨人」を知っていますか?
漫画は大ヒットし、アニメも放送された人気のコンテンツです。
この世界では巨人がたくさん生息しています。
巨人は圧倒的に強く、人類は3重の壁を作りその中で生活します。
しかし数年前に超大型巨人や鎧の巨人により、壁の一部が破壊され巨人が流れ込み、多くの人間が犠牲となりました。
主人公のエレンはこの時巨人に母親を喰べられてしまい、ひどく悲しみますが、それと同時に巨人に対する憎悪も湧き、この世から巨人を一匹残らず駆逐することを心に誓います。
その後、成長したエレンは兵士となり、唯一壁の外に出る「調査兵団」に所属します。
そこからエレンの自由を求めた戦いが始まります。
最初の方は人間VS巨人という構造で、少しグロい描写もあります。
漫画を読み進めているうちに、だんだんと人間VS人間という構造に変化していきます。
この漫画は人間と未知の生物の戦いではなく、人間同士の争いを描いた漫画だったのです。
後半になるにつれて登場人物も増え、話はややこしくなってきますが、謎が多く伏線もたくさんあるため、伏線が回収されるたび、新たなことが分かって面白いです。
グロいのが苦手でない方ならば、是非読んでいただきたい作品です。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

ファンタジーなのに物凄くリアリティがあり深く考えさせられる漫画

まず、この作品の名前は知っているが内容を知らないほとんどの方は巨人と戦う戦闘漫画だと思っているだろう。しかし、実際は単なる巨人との戦いというのはこの作品の本質ではないのだ。たしかに、序盤は巨人との戦いがメインなのだが、この時点で異様な世界観が際立っている。まず、巨人という存在が全くの謎に包まれており、突如巨人が出現したというのだ。この巨人についての謎と未知なる存在である巨人の不気味さ、さらに徐々に明かされる世界の真相が序盤の醍醐味だ。そして何より人間一人一人の心理描写がとても丁寧で、細かい。それ故にいろいろな立場にいる様々なキャラクターに感情移入をしてしまうこともとても多い。さらに、この作品は正義、敵とは何なのかということを深く考えさせられる。現実での物事の捉え方まで考えさせられる程深いのだ。この作品は、現実社会で問題となっていることや、また歴史的にあった問題ととても内容がリンクしており、ファンタジーなのに本質的な内容は酷く現実的なのだ。ここから若干のネタバレを含むのだが、巨人の正体は人間が人間を巨人にしているという物であり、最終的には人間vs人間に終着する。この人間同士の戦いという内容になってからが、この作品の本題と言えるだろう。この作品を見ることで世の中の問題についての物の見方や視野が広がると私は思う。それくらい深く、読んで損はないと断言できる作品だ。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

絶望を希望に変える稀有な創作物

絶望を希望に変える漫画はそう多くはない。創作物によって人は感情をかき立てられることはあるが、その衝撃は一瞬のものだ。きっと明日には別のことに感情を消費している。
でも誰にでも自分のこころに「巣食う」ような作品が一つはある。こころに住み着いてしまって、離れないような作品が、どうしても忘れられない記憶のように誰にでもあるのだ。
そして、多くの人にとって「進撃の巨人」という漫画がまさにそれだと思っている。世界的にも名を馳せたこの漫画には熱狂的なファンが付いている。なぜここまで愛されているのか?それは、この物語が人の価値観が真逆に転じてしまう漫画だからだ。悪だと思っていたものが正義となり、絶望だと思っていたものが希望になる。登場人物たちはそれぞれの正義を信じていながら、迷っている。迷い、考え、自分の正義について命を燃やしている。そして読者も彼ら同様に迷い、今までの既存の価値観を揺れ動かされる。
フィクションの彼らは時に本当に生きている人間よりも、読者に深くコミットする。親よりも友達よりも深く、こころに入り込み人を揺れ動かす。この作品を見て幸せにはならないだろう。ハッピーな話ではないし、気持ち悪いと目を背ける人もいるはずだ。それでもこの作品から目が離せない読者が大勢いるのは、この作品の持つ圧倒的なパワーなのだろう。生きるということはパワーなのだ。読者はこの漫画を通して自分の生きてきた過去を見つめることになる。
正義とは何か?自由とは?強さとは?孤独とは?仲間とは?悪とは?愛とは?
そんな、学校では教えてくれなかったことが「進撃の巨人」には描かれている。

進撃の巨人 / Attack on Titan
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世界の残酷さを実感するには、テレビなど動画で見るのがオススメです。

「この世界は残酷だ」のセリフが実感できるseason3でした。
巨人の謎がやっと明るみに出たと思いきや、その先に広がる暗い闇の世界。。。世界観や展開上の若干の違和感が吹き飛ばされました。目を背けたくなるような残虐なシーンもありますが、これに現実を想起させる出来事もあり。きっと現実世界の出来事が、作者の発想の根元にあるのですね。
season2までは次々と死んでいく家族や仲間など、表層的な目に見える残虐、残酷が描かれる展開でしたが、今回は深層的な残酷さ、人の醜さ、恐ろしさなどが描かれているようでした。
最も見ていて苦しかったのは、エルヴィンを見捨てる(リヴァイ的には労わりの気持ちであったようですが)判断をしたシーン。これに至るまでにエルヴィンが調査隊に志願した本当の目的、いたって個人的な目的、しかし誰もがその疑問を持ったなら求めるであろう目的、しかしそのために死んでいった多くの仲間たちのことが重く、重く心にのしかかってくるようでした。最後の海に辿りついたシーンでは、ひと時の穏やかで平和な様子が描かれていましたが、それがより一層次の展開の影をつくっているようでした。
やはりこれを実感するには、テレビなどの動画がおすすめです。私も最初は単行本も買って読んでいましたが、今は読んでいません。テレビなど動画での音楽などを駆使した展開がより、世界の残酷さを引き立たせてくれるように思います。でもテレビ放映が完結したのち、昔話のように単行本を読み返すのはいいかもしれませんね。