椎名林檎(Sheena Ringo)の徹底解説まとめ

椎名林檎は日本のシンガーソングライター。1998年「幸福論」にてメジャーデビュー。有限会社黒猫堂に所属。2004年から2012年にかけてロックバンド・東京事変のボーカルとして活動した。2009年に平成20年度芸術選奨新人賞(大衆芸能部門)受賞。映画「さくらん」では音響監督を務め、リオオリンピック閉会式の演出を務めた。J-POP界を牽引するアーティストの一人である。

おとなの掟

2017年2月7日にデジタル配信限定シングルとして発売された。TBS系ドラマ『カルテット』の主題歌として椎名林檎が書き下ろし、ドラマのエンディングではドラマ内の登場ユニットである「Doughnuts Hole(松たか子、満島ひかり、松田龍平、高橋一生)」が歌唱した。ドラマ『カルテット』は弦楽四重奏をテーマにした作品であり、「おとなの掟」もドラマの世界観に沿って、弦楽の響きの美しさが特徴である。特に椎名林檎はそれまで『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」で女優業だけではなく、歌手としての実力も世間で評判になっていた松たか子への楽曲提供を切望しており、念願かなっての楽曲提供となった。
椎名林檎自身も『逆輸入~航空局~』にてセルフカバー・バージョンを収録している。セルフカバー・バージョンは歌詞がすべて英語になっている。

獣ゆく細道

2018年10月2日にデジタル配信限定シングルとして発売された。ロックバンド・エレファントカシマシのボーカル、宮本浩次とのコラボ楽曲。2018年10月にリニューアルされた日本テレビ系『news zero』のテーマソングとして制作された。椎名林檎の洗練された美しさと宮本浩次の野性的な力強さの印象的な楽曲である。
2018年12月31日のNHK系『紅白歌合戦』では、椎名林檎と宮本浩次でこの楽曲を披露した。宮本浩次曰く、椎名林檎はステージ上での指示などは全くせず、自由にパフォーマンスするよう言っていた。唯一椎名林檎からされた指示は「宮本さん、和装してね。あとおひげ、おひげ生やしてね。みんな喜ぶから」であった。いわれた通り宮本浩次は和装に無精ひげを生やし、ステージ上で凛と佇んでいる椎名林檎の横で野性的に大暴れした。このアンバランスな様子は当時、Twitterや世間で大きな話題となった。

アルバム

無罪モラトリアム(むざいもらとりあむ)

収録曲
1. 正しい街
2. 歌舞伎町の女王
3. 丸の内サディスティック
4. 幸福論(悦楽編)
5. 茜さす 帰路照らされど…
6. シドと白昼夢
7. 積木遊び
8. ここでキスして。
9. 同じ夜
10. 警告
11. モルヒネ

1999年2月24日、先行シングル「ここでキスして。」がスマッシュヒットを記録する中で発売されミリオンセールスを達成した。
はじめてのアルバムということで名刺代わりというつもりで制作されている。
昔から歌っていた歌を集めたため10代の椎名林檎の集大成のようなアルバムとなった。

このアルバムを制作する際に紹介された外部ディレクターに全曲の手直しを求められ対立。亀田誠治との二人三脚で楽曲制作を行った。
「葬列」が収録される予定であったが最終的には見送られている。
タイトルである「無罪モラトリアム」は「人としてまじめに生きていこうとする以上、社会に適合できないモラトリアムな瞬間はきっと誰にでもあるのだから、自分自身のためにも『それは無罪なんだ』と言いたい」という椎名のメッセージが込められている。略称として頭文字をとり「MM」と呼ばれることがある。

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勝訴ストリップ(しょうそすとりっぷ)

収録曲
1. 虚言症
2. 浴室
3. 弁解ドビュッシー
4. ギブス
5. 闇に降る雨
6. アイデンティティ
7. 罪と罰
8. ストイシズム
9. 月に負け犬
10. サカナ
11. 病床パブリック
12. 本能
13. 依存症

2000年4月3日付のオリコン週間アルバムチャートでは、初の首位を獲得している。
最終的に230万枚以上を売り上げ、自身最大の売り上げを記録する作品となった。
また、本作で日本ゴールドディスク大賞ロック・アルバム・オブ・ザ・イヤー、第42回日本レコード大賞 ベストアルバム賞[3] を受賞している。
前作よりさらに際立った激しい楽曲が、アルバムを通して聴くことを前提に集められている。

1999年夏にレコーディングをはじめ、9月に入る前には完成していたが、椎名が新曲を入れることを希望し一旦リセットされ、本作の形が作られた。
収録時間は55.55分、タイトルも中心となる「罪と罰」から文字数が前後に対照となるように並べられている。
このシンメトリーに対するこだわりは、今後の椎名の作品に継承されていく。略称は頭文字をとって「SS」。

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唄ひ手冥利~其ノ壱~(うたいてみょうり~そのいち~)

「亀パクトディスク」収録曲
1. 灰色の瞳 (with 草野マサムネ)
2. more
3. 小さな木の実
4. i wanna be loved by you
5. 白い小鳩
6. love is blind
7. 木綿のハンカチーフ(with 松崎ナオ)
8. yer blues
9. 野薔薇

「森パクトディスク」収録曲
1. 君を愛す
2. jazz a go go
3. 枯葉
4. i won't last a day without you(with 宇多田ヒカル)
5. 黒いオルフェ
6. mr.wonderful
7. 玉葱のハッピーソング(with 椎名純平)
8. starting over
9. 子守唄(特別感謝トラック)

2002年5月27日に発売された2枚組カバーアルバム。
妊娠・出産にあたり活動を休止していた椎名の復帰作にあたる。
契約に定めているリリース枚数を達成したいレコード会社がベストアルバムを出すことを提案した際に、椎名がカバーアルバムを提案したことで制作が始まった。

椎名が幼い頃に聴いていた楽曲、特にその中でもスタンダードな曲をセレクトしている。
理由は「多くの人にとって思い入れのある楽曲が良いと思った」から。
ゲストとして宇多田ヒカルとスピッツの草野マサムネが参加している。
ジャケットやブックレットは椎名自身がこれまでに聴いてくれたファンへの感謝を示したい、として事務所の太田裕美と2人で手がけている。

亀田誠治と森俊之が編曲を任されており、それぞれ担当したディスクが「亀ディスク」「森ディスク」と名付けられている。
「亀ディスク」は「『これまでの椎名林檎』を想起させるようなギターサウンドで演出して欲しい」、森ディスクは「ギターを一切使わず、キーボードとコンピュータープログラムを駆使して演出して欲しい」「できれば『これからの椎名林檎』を少しだけ意識して欲しい」という椎名の希望を受けて制作された。

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加爾基 精液 栗ノ花(かるき ざーめん くりのはな)

収録曲
1. 宗教
2. ドツペルゲンガー
3. 迷彩
4. おだいじに
5. やつつけ仕事
6. 茎
7. とりこし苦労
8. おこのみで
9. 意識
10. ポルターガイスト
11. 葬列

2003年2月23日に発売された3枚目のスタジオアルバム。
印象的なタイトルは、椎名がスタッフの「精液ってカルキ臭いよね?」「いや栗の花の臭いだって聞くよ」という会話を聞き「五感が美しいな」と思ったことから。「勝訴ストリップ」制作直後、3枚目のタイトルは「不思議・猥雑・エキセントリック」とする予定だったが「加爾基 精液 栗ノ花」に置換された形である。

前作「勝訴ストリップ」で見られたシンメトリーがさらに徹底して行われ、収録時間が44.44分である他、タイトル、収録に使用された楽器まで対照である。
ブックレットに使用されている文字はすべて旧字体と歴史的仮名遣いに直されている。
ジャケット写真に使われている磁器は、椎名が好きな窯元「館林古琳庵」に特別にオーダーメイドで製作してもらっている。

スタンダードなバンドサウンドに加え、民族楽器、雅楽器、生活音などさまざまな楽器、音が取り入れられた実験的な作品である。
椎名曰く「セッションだけでOKというアルバムを2枚作ったので(活動をやめる前に)もう少し楽器の音色や録音技術、その他いろいろな方法を使ったものを1枚くらい作ろうと思って作った」。これまでの作品と違い、生演奏でなくプログラミングを使った多重録音で作りたいという希望があったため、これまで編曲に携わってきた亀田誠治ではなく井上雨述が編曲を務めた(やっつけ仕事は森俊之)。
レコーディングは椎名の自宅で行われ、歌入れは椎名の「太宰治的体験がしたい」という希望に沿い、熱海の木造旅館で行われた。

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平成風俗(へいせいふうぞく)

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