シュガシュガルーン(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シュガシュガルーン』とは安野モヨコが2003年から2007年まで『なかよし』で掲載した少女漫画、それを原作としたアニメ。次期女王候補である魔女のショコラ=メイユールとバニラ=ミューは、女王試験の為にお菓子でできた魔界から人間界へやってきた。どちらが女王にふさわしいか、気持ちを結晶化した人間のハートをめぐって勝負を繰り広げる。やがて対立するオグルとの戦いで魔界がピンチになってしまう。ライバルで親友である2人の友情や恋の行き先をファンタジーに描いた。第29回、講談社漫画賞児童部門を受賞した作品。

CV:横山智佐
バニラの使い魔の白いハツカネズミ。ショコラに「ねずみの使い魔」と言われ「ねずみではない、はつかねずみでちゅー」とハツカネジミにこだわりを持っている場面がある。ブランカの性格は、ショコラに対しては反抗的で毒舌だが、バニラには親身に相談に乗る面倒見の良さがある。オシャレが大好きで、ハツカネジミの前は、魔界で美容師をしていた。オリジナルエピソードとしてアニメ、ルーン19「使い魔・ブランカのちっちゃな恋」ではブランカが人間に片思いをする場面が登場する。アニメでは語られないが、人間に恋をしてしまい使い魔になった経緯がある。

『シュガシュガルーン』の用語

魔界

魔女や魔法使いが住む世界。ショコラ達が属するロワイヨームが大半を統括し、辺境にはオグルの住む裏側の国がある。魔界の月はオレンジ色で、雲はお菓子でできている。国の境目には「ココアの砂漠」がある。魔界の1日は人間界の約10日、寿命が長く年を取りにくい。魔界では、憎まれ口を言うのが挨拶で、気が強くて意地悪な女の子がモテる。

オグル

ロワイヨームと敵対する魔法使いのこと。魔力が大きい者は人間の姿をしているが、下級クラスの者は奇怪な姿をしている。氷雪の貴公子グラースの子孫たちで集まっている。オグル達が住む国は、荒地で毒の川が流れている。魔界を作った伝説の6人の魔女に裏切られロワイヨームを恨んでいる。

エクル

魔法界で使われているお金のこと。ハートの色によってエクルの価値が変わる。

ハート

人が持っている感情をハート型にした結晶のこと。魔女にしか見えない。感情によって色が変化する。黄色は驚いた時、緑色は友情、青色は尊敬、オレンジ色は一目ぼれ、ピンク色は恋心を抱いた時、赤色は情熱的に愛した時に色が変化する。人間のハートはいくつも生み出されるが、魔法使いはたった1つしか持つことができない。魔女の命そのものである。

フィルトレ

憎しみを表すノアール(黒色のハート)を無害なハートに変えることができる能力。魔女は、ノアールをエクルに変えられず、触れると死ぬかオグルになる。ショコラの母、シナモンもこの能力がある。

『シュガシュガルーン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

女王キャンディ「自分らしさをみがけば輝きはより強い」

ショコラに女王キャンディの手紙内容を話すバニラ(左)とハートを取るヒントを得たショコラ(右)

漫画版第5話「ピンクのハートにこもった気持ち全編」で、女王キャンディが次期女王候補の2人に宛てた言葉である。人間界に来て間もない頃、思うようにハートが集まらないショコラは、「人間界では自分はモテない!」と思い込んでいた。指導役のロッキン・ロビンに「おまえは歴代最下位だ」と、このままでは女王どころか魔女一級すら満たないことを心配され、思わず弱音を吐きだすショコラ。バニラは、元気がないショコラを気にかけて自分も「ショコラちゃんみたくなれない」と悩みを女王キャンディへ手紙を送ったことを伝える。手紙の返信には「自分らしさをみがけば、輝きはより強い」と現女王キャンディのメッセージが添えてあり、無理に自分を変えるのでは魅力が伝わらないことをショコラは気がつくのだ。バニラにもらったヒントを活かし、自然体のありのままの自分で男子と接することに作戦変更すると、“恋”を表すピンク色のハートを集めることに成功した。ショコラは、自分のために助言をしてくれたライバルのバニラを心から感謝した。ショコラ、バニラが友情を再確認した『シュガシュガルーン』の名セリフである。

ショコラが初めて呪文を唱えた場面

ショコラが唱えた「フルール=スピラル」で花に喜ぶバニラの姿

ショコラの使い魔リュークが「男子から花などもらえないショコラにぴったりだケロ」と呟く場面で登場する呪文、「フルール=スピラル(花のらせん)」。魔法ステッキを魔法通販で購入した際にショコラがオプションで追加した。好きな花を咲かすことができ、花の香りで心に癒しと平和をもたらす効果がある。ショコラがつけたオプションは、ウォーターメロントルマリンで、ピンクとグリーンの宝石を使って、色鮮やかに花が咲く。バニラの部屋にすみれ色の花をプレゼントするシーンや、オグルと対決する場面でも活躍した呪文。人間界に来たショコラが初めて、魔法の呪文を唱えた名場面である。

『シュガシュガルーン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「子どもだちを素敵な大人に導ける作品にしたい」と本作を描いた安野モヨコ

1989年デビュー以降、安野モヨコは25歳女性のリアルな恋愛を描いた『ハッピー・マニア』や、モテない男子が自分磨きに励む『花とみつばち』など読者の読みたい“恋愛事情”を生み出してきた。一筋縄ではいかないドロドロな恋愛に大人の女性からも共感を得ている。そんな安野モヨコに、『なかよし』で掲載する少女漫画の相談が来た。『なかよし』の愛読者は、小中学生の女性が多い。安野モヨコは、大人向けの恋愛漫画だけではなく、小中学生向きの恋愛漫画を描くことを決意する。こうして『なかよし』の掲載相談がきっかけとなり、『シュガシュガルーン』が誕生したのである。『シュガシュガルーン』には、恋のときめき以外にも、バニラとショコラの友情、クラスメイトの愉快な会話を通して、一人前の魔女へと成長する姿が描かれた。「子どもたちを素敵な大人に導いていけるような、そんなものを描きたい」と強い思いが込められている。『なかよし』に掲載当時、小学生だった読者が大人になり、掲載終了後も愛され続け2020年にフルカラー版の電子書籍を発売したのだ。

発売後に即完売した『シュガシュガルーン』の公式グッズ

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