怪奇ゾーン グラビティフォールズ(ディズニー・チャンネル)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』とはディズニー・テレビジョン・アニメーションによって制作され、2012年アメリカで放送が開始されたSFミステリー&コメディーアニメシリーズである。双子の姉弟、ディッパーとメイベルが超常現象が多発する田舎町「グラビティフォールズ」で次々と謎に巻き込まれていくストーリー。物語はやがて異次元から襲来する宿敵、ビル・サイファーとの対決に発展していく。カートューンのコメディー要素と、本格的なミステリー要素が融合した新鮮な設定と、変わり者のキャラクター達の成長が見どころ。

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』の概要

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ(原題:Gravity Falls)』とは、ディズニー・テレビジョン・アニメーションが制作し、2012年にアメリカで放送開始した、アレックス・ハーシュ初監督作品のSFミステリー&コメディーアニメシリーズである。

舞台は超常現象が多発する奇妙な田舎町・グラビティフォールズ。12歳の双子の姉弟・ディッパーとメイベルが、大叔父さん・スタンの経営するいかがわしい観光施設「ミステリー・ハウス」で夏休みを過ごすうちに、様々な謎に巻き込まれる様を描くストーリー。
子ども向けアニメーション的なコメディー要素を多く含みながらも、町の謎が解き明かされるにつれてミステリーとしてストーリーが加速していく点が見どころで、幅広い世代から支持を集めている。制作はディズニー・テレビジョン・アニメーション。シーズン2まで発表され完結している。監督はアメリカ合衆国出身のアニメーター兼俳優、アレックス・ハーシュで、本作が初のアニメーション監督作品となった。双子の主人公のモデルは、監督自身と双子の姉。

ディズニー・チャンネルにおいてアメリカ合衆国では2012年6月15日から放送開始。日本では2012年10月26日から放送が始まり、2013年9月29日から2020年3月29日までDlife、2014年2月から5月までディズニーXDでも放送された。サブスクリプションサービスでは、Disney+やAmazon Prime Videoでも配信が行われた。
短編シリーズに『ディッパーの謎ガイド』、『メイベルのガイド』、『修理はスース』、『グラビティフォールズ・テレビ』、『メイベルのスクラップブック』がある。

エミー賞をはじめ、アニー賞、英国アカデミー賞児童賞を受賞しており、2015年と2016年の初めにディズニーDXで最も試聴された作品となった。

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』のあらすじ・ストーリー

シーズン1:グラビティフォールズの超常現象とギデオンとの対決

不思議な町グラビティフォールズと「謎の本」との出会い

カリフォルニアに暮らす双子の姉弟のメイベル・パインズとディッパー・パインズは、双子達の両親の提案で、夏休みを大叔父のスタンリー・パインズ(通称:スタン大叔父)が暮らすグラビティフォールズで過ごすことになった。スタンはいかがわしい観光施設「ミステリー・ハウス」を営んでおり、複数の動物の死体を組み合わせた剥製や「コーンでできたユニコーン」など、到底本物とは思えない展示品で観光客を喜ばせて土産物を買ってもらって生計を立てていた。双子達はこの「ミステリー・ハウス」の屋根裏で寝泊まりしながら、店の手伝いをして過ごした。「ミステリー・ハウス」で働く用務員のスースや、アルバイトのウェンディ・コーデュロイとも仲良くなり双子達は夏休みを楽しんでいた。
ある日、ディッパーは近隣の森で遊んでいた時に、偶然仕掛けのボタンを押して隠された扉の中に「謎の本」第3巻を見つけていた。「謎の本」はグラビティフォールズで起こる奇妙な超常現象や、出現するモンスター達についての調査報告が大量に書かれた、著者不明の手記だった。俄には信じ難い内容だったが、研究者気質のディッパーはすぐに夢中になってこの本の解読を始めた。事実、グラビティフォールズは奇妙な田舎町で、双子達の前でも超常現象が次々と起こった。近隣の森にはノームやユニコーンが暮らしており、双子達は実体化するゲームキャラクターに襲われたり、呪われた蝋人形達に襲われたり困難が後を絶たない。「謎の本」第3巻を手に入れて以降ディッパーはこの本をヒントに、メイベル達と力を合わせて町の超常現象に立ち向かうようになった。

ノーム軍団との対決

双子達が初めて対決したモンスターは森のノーム軍団だった。恋多きメイベルは、町で出会ったばかりのボーイフレンド・ノーマンに夢中になる。一方でディッパーは頬に血のようなものがついていたり、挙動がおかしかったりするノーマンのことを怪しんでいた。「謎の本」をヒントにノーマンはゾンビや吸血鬼ではないかと推察したディッパーは、ノーマンをこっそりビデオカメラで撮影し始めた。メイベルはそんなディッパーからの「ノーマンは人間じゃない」という警告を無視して、ノーマンとデートに出かける。なにか証拠を見つけようとビデオカメラを確認したディッパーは、ノーマンの片手がうっかり外れてしまう様子が写っていることに気が付く。ディッパーはノーマンが人外の存在だと確信し、ウェンディからゴルフカートを借り、スースから武器代わりにスコップとバットを借りてメイベルを助けに向かった。その頃メイベルはノーマンに自分の正体はノームの集合体だと打ち明けられたところだった。ノーム軍団はメイベルと結婚し、ノームの女王にしようとしていた。メイベルは結婚を拒否し、ディッパーと一緒に逃げ出した。メイベルを諦めないノーム軍団は、合体して一体の巨大なノームに変身した。追いつめられた双子達だったが、落ち葉掃除用の送風機でノーム軍団を一網打尽にした。ノーム軍団はすっかり怯えて森に逃げ帰った。この一連の事件を戦い抜いた双子達は、なにも知らないスタンに心配されるほど疲れ切っていた。スタンは土産物コーナーから双子達に好きなものを選ばせ、ディッパーにはキャップを、メイベルにはフックガンをプレゼントし元気付けたのだった。

マクガケットじいさんの秘密

町には超常現象も多かったが、変わり者の住人も多かった。その代表がマクガケットじいさんである。乞食のような風貌で、意味不明な言動を繰り返して町中でも浮いた存在だった。ボートハウスを経営する息子にもすっかり愛想を尽かされている。スタンの発案で双子達がボートハウスに釣りに来た日も、マクガケットは「水中に恐ろしい巨大生物がいた」と大騒ぎしていた。息子をはじめ誰にも信じてもらえず、マクガケットは孤立してしまう。しかし、双子達とスースだけは水中の巨大生物の存在を信じ、捜索を始めた。一行は巨大な恐竜のようなモンスターを見つけるが、逆に襲撃されてしまう。全力で逃げ回り、モンスターを小さな洞窟の入り口にはめて何とか助かった。そこでよく見てみると、モンスターの正体はマクガケットが運転する巨大ロボットだった。なんと家族に相手にされない寂しさから、マクガケットがひとりで作り出したロボットなのだと言う。正気を失った変人とばかり思われていたマクガケットだったが、発明家としての高度な技術を持っていたことが判明したのだった。マクガケットは双子達に、もう危険なロボットを作らないことを約束した。双子達はスタンとの家族の時間よりモンスター探しを優先したことを反省し、スタンとの釣りに戻っていった。

タイムマシンとディッパーの恋

その日はミステリーハウス主催のお祭りの日だった。ウェンディに片想い中のディッパーは、ウェンディとふたりでお祭りを回ることになり浮かれている。しかし、ボールでの的当てゲームでディッパーの暴投をきっかけに、ウェンディの元彼であるロビー・Vにデートに割り込まれ、目の前で復縁までされてしまう。
絶望するディッパーは、祭りに現れたタイムパトローラー、ブレンディン・ブレンジャミン・ブランディンに出会う。彼がアトラクションに乗るためにタイムマシンを外したところを見たディッパーは、タイムマシンでウェンディとロビーが復縁した過去を変えることを思いつき、タイムマシンを盗み出してしまう。ディッパーはゲームでの暴投から復縁までの件を何度も繰り返し、最後はメイベルの助けで何とかロビーとの復縁を回避した。一方で変わる前の時間でゲームの賞品に豚の「よったん」をもらっていたメイベルは、歴史が変わったせいで「よったん」を対立している女の子、パシフィカ・ノースウェストに取られてしまう。ディッパーはひどく傷心したメイベルの姿を見てウェンディとロビーが復縁しない時間を諦め、ウェンディとロビーが復縁するが、メイベルがよったんをもらえる時間に戻した。こうしてディッパーの恋は、ロビーにリードを許してしまう。数々の時間異常を引き起こした双子達に激怒するブレンディンだったが、その罪はすべてブレンディンのせいだとタイム警察に勘違いされ、タイム刑務所に入れられてしまった。

ちっちゃなギデオン君の本性

ギデオン・チャールズ・グリーフルは見せ物小屋「テレパシーテント」を経営する、自称子ども超能力者である。愛らしい姿と言動から「ちっちゃなギデオン君」の愛称で町の人気者だが、その本性は狡猾で「ミステリー・ハウス」をライバル視して、なんとかして潰そうと企んでいた。メイベルに恋しており、本性がバレてメイベルに振られてからは、ますます歪んだ愛情でメイベルを自分のものにしたいと考えるようになっていた。
ある時、ギデオンはスタンから「ミステリー・ハウス」の権利書を奪うため、「謎の本」第2巻を使い異次元の存在、ビル・サイファーを召喚した。ビルは人の意識の中に潜り込む危険な存在で、今回はスタンの脳内に隠された「金庫の暗証番号」を狙っていた。双子達はビルと無意識の世界で戦い、豊かな発想力で生み出した武器で見事勝利した。しかしビルの失敗に気がついたギデオンが金庫をダイナマイトで破り、結局権利書は奪われてしまう。ギデオンの真の狙いは「謎の本」を揃えることだった。ギデオンは「ギデオン・ランド」の建設にかこつけて、「ミステリー・ハウス」の敷地内を堂々と探り始める。

ギデオンロボとの対決

スタン達はギデオンに権利書を奪われたことを町の人々に主張したが、ペテン師のスタンの話は誰にも信じてもらえなかった。家も仕事も失ったスタンはギデオンに敗北したことを認め、ディッパーとメイベルをカリフォルニアの家に帰すことを決める。双子は森のノームを味方にしてギデオンに戦いを挑むも、返り討ちにされ「謎の本」第3巻を奪われてしまった。
ディッパーが「謎の本」第1巻も持っていると思い込んだギデオンは大型ギデオン型ロボに乗り込み、カリフォルニアに帰るバスに乗った双子と運転手のスースを追いかけてきた。
ロボにメイベルを囚われ、「謎の本」もないディッパーは自分の体1つでギデオンに戦いを挑み、ロボに侵入するとギデオンとロボを撃退した。
ロボを破壊され追い詰められたギデオンは、助けに来た町の人々に「パインズ家に一方的に攻撃された」と泣きついてみせた。しかし逆に町の人々の前で、盗聴器で皆の秘密を握っていたペテン超能力者であることをスタンに指摘されてしまう。皆に正体がバレたギデオンは町長の権限で子どもながら刑務所に入れられ、双子とスタンは「ミステリー・ハウス」の権利書を取り戻した。

シーズン2:スタンフォードの登場とミョウマゲドン

ギデオンのいないグラビティフォールズ

スタンと双子は無事「ミステリー・ハウス」を取り戻したが、グラビティフォールズでの超常現象に関わる事件は続く。メイベルがミニゴルフ場でパシフィカと対決することになった時には、ミニゴルフ人間・リリパティアン達に出会った。彼らはコースごとに派閥を作って、毎晩どのコースが1番優れているか戦争していたのだった。初めのうちはパシフィカに勝利するためにリリパティアン達を味方につけたメイベルだったが、パシフィカの命まで奪おうとするリリパティアン達の戦いに嫌気がさした。「どのコースが1番か決める意味はない」と主張するメイベルに逆上するリリパティアン達は、双子達とパシフィカに襲い掛かるが、ゴルフカートでなんとか逃げ延びた。この事件はメイベルとパシフィカがお互いに少し歩み寄るきっかけとなった。また、スースが恋愛シュミレーションゲームのキャラクターに魅入られる事件もあった。恋愛下手のスースは、中古の恋愛シュミレーションゲームを購入して、女の子と喋る練習をすることにした。しかしスースが買ったゲームのヒロイン・ギフィニーは、自我を持つ危険なプログラムでゲームのプレイヤーを束縛し、最後には現実世界での死をもってゲームの世界に引き摺り込もうとするのだった。そうとは知らないスースが、ゲームでの練習の成果もあってか現実世界でガールフレンド・メロディとデートをすることになると、ギファニーは嫉妬に狂い出す。デートに乱入したギファニーは、レストランの客引きロボットに取り付くとスースを殺そうとする。追いつめられたスースだったが、ゲームディスクを燃やしてギファニーを消去した。その後、スースとメロディは遠距離恋愛ながらいい恋人同士となった。双子達や町人達の災難は続くが、「謎の本」の知識や双子達の機転で無事乗り越えたのだった。

スタンリーとスタンフォードの過去

シーズン2ではスタンの秘密の研究が成功するとともに、スタンの秘密も明らかになる。スタンリーとスタンフォードは子供時代は仲の良い双子の兄弟だったが、スタンリーがスタンフォードの大学進学の邪魔をしてからは関係が険悪になる。その後スタンリーはアメリカ中を嘘だらけの商売で渡り歩き、やがて居場所を失っていた。ちょうどそこへグラビティフォールズで研究活動をしていたスタンフォードから、研究を手伝って欲しいと連絡があった。スタンフォードは一見普通の家の地下施設で、異次元へのゲートを開発していた。スタンリーとスタンフォードは再会してすぐ揉み合いの喧嘩をしていまい、弾みでスタンフォードは次元の狭間に飛ばされてしまう。スタンリーはスタンフォードを救い出す決意をし、自身がスタンフォードを名乗りながら家を「ミステリー・ハウス」にして生計を立てつつ、「謎の本」第1巻をヒントに地下施設で再び次元のゲートを開くための研究をしていたのだった。

スタンフォードの登場

ギデオンとの戦いを終えて、「謎の本」第2巻はスタンの手元に渡った。さらにディッパーが「謎の本」第3巻をスタンに見せたことで研究は大いに進展した。このスタンの研究のお陰で異次元へのゲートが開かれ、ついにスタンフォードはグラビティフォールズに戻った。この時はじめて双子達はスタンの過去と、スタンの秘密の研究、並びにその目的を知ることとなった。しかし、スタンとスタンフォードの関係は相変わらず冷え切っていた。スタンは、長年研究をしてゲートを開き、スタンフォードを救い出したことをスタンフォードに感謝してほしいと思っていた。しかしスタンフォードは、ゲートが開いたせいでビルがこの次元に襲来する手助けになってしまったとスタンを責めたのだった。
一方で双子達はもう1人の大叔父さん・スタンフォードを歓迎し、「ミステリー・ハウス」で一緒に暮らすことになった。特にディッパーは「謎の本」の作者であるスタンフォードを慕って、町の調査にも付いていくようになった。スタンフォードも自分の子供時代を彷彿とさせるディッパーを気に入り、カリフォルニアの家に戻らず自分の弟子にならないか提案した。ディッパーは喜んだが、メイベルがもうすぐティーンエイジャーになることに不安を感じはじめ「ディッパーと離れたくない」と主張したため、ディッパーは迷い始める。

ミョウマゲドンの始まり

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