シュウジ(最終兵器彼女)とは【徹底解説・考察まとめ】

シュウジとは漫画『最終兵器彼女』の登場人物であり主人公である。クラスメイトの女子高生ちせと付き合い始めるが、ある日彼女は最終兵器に改造されてしまった。戦争により崩壊していく日常の中で、兵器として成長していくちせに恐怖を抱いて距離を取り、他の女性の誘惑に負けて1度別れる。それでもちせを忘れられずに復縁し、以降は真摯に向き合った。ちせが人類を滅ぼした際には、彼女の意思により彼だけは唯一生き残る。最後は宇宙船に変形したちせの中に乗り込み、滅びゆく地球を脱出。宇宙でちせと永遠の愛を誓い合った。

シュウジとちせは教室で授業を受けていた。その時、彼女は巨大な地震を察知する。彼はちせの異常を察知して彼女を速やかに連れ出した。そんな彼に、ちせはすぐに自分から離れる様警告する。尋常では無い彼女の様子と身体から発せられる異音に、彼は無意識に恐怖を抱いて逃げ出してしまった。その直後地震が発生し、ちせはそれに反応して暴走する。彼女は自分の意思とは無関係に、校舎の一部を吹き飛ばしてしまった。シュウジは慌てて駆け戻り、気を失う彼女を介抱する。だが、その破壊力と機械の様な挙動で意識を覚醒する彼女の姿に、恐れ慄いてしまった。彼は愛する人に恐れを抱いたことを後悔し、涙ながらに彼女を抱き寄せる。

ちせは自分の力をコントロール出来ない事に、大きな不安と恐怖を抱いていた。それでもシュウジにだけは理解して貰えていると思っていた。だが、彼は無意識に彼女へ恐怖を抱いている事を自覚せざるを得なくなる。そしてその恐怖心から、思わずちせを怒鳴り付けてしまった。2人の間にすれ違いが生まれ、シュウジは彼女の心を傷つけてしまう。その事に後悔する彼に、ちせは自分の身体はメンテナンスや投薬をしないと死んでしまう状態である事を伝えた。そして健気にシュウジに笑い掛け、自衛隊と共に戦場へ向かって行くちせの姿に、彼は大きな距離を感じてしまう。咄嗟にシュウジはちせに今夜、展望台で待っている事を約束した。

ちせを見送ったシュウジは校庭へと赴く。学校が爆発した事により、生徒達は校庭に避難していたのである。校庭でシュウジはアケミにビンタをされた。彼は書置きも伝言も無く、突然別行動を取った為彼女に「爆発に巻き込まれたのではないか?」と心配させ、怒らせていたのであった。自分の無力さや情け無さに苛立っていた彼は、咄嗟にアケミにビンタをし返してしまう。彼の心は大きく揺らいでいた。

ちせと別れる

ちせと別れたシュウジ

ちせやアケミを傷付けてしまったシュウジは、1人で公園で黄昏る。そこへ彼を心配したふゆみが駆け付けて来た。ふゆみは先程の地震で怪我をしており、シュウジはその手当をする為に、彼女の家へ上がり込む。手当てを終えたシュウジは、疲れからふゆみと共に眠ってしまう。彼はふゆみと寝ている所をちせに見られてしまい、彼女に殺されかける夢を見た。恐怖で目覚めた彼は改めて自分の身勝手さに、自己嫌悪に陥る。

目が覚めたふゆみはシュウジを誘惑し始める。精神的に弱り切っていたシュウジはふゆみの誘惑に抗えず、2人は肉体を重ね合わせて行った。一方、ちせはシュウジとの約束を守る為自衛隊を振り切って展望台へと赴く。そして誰も居ない展望台で、彼女の能力は暴走してしまう。ちせは人工衛星を乗っ取り、シュウジとふゆみの不倫現場を目撃してしまった。最愛の人に裏切られ、暴走して行く自分の身体に恐怖を抱く彼女は1人孤独に打ち震える。

シュウジはちせへの罪悪感からふゆみとの性行為を途中でやめて、ちせの待つ展望台へ赴く。そしてそこで彼女にふゆみとの関係を告白するのであった。中途半端で成り行きに身を任せる事しか出来ないシュウジは、遂にちせから別れを告げられてしまう。彼もこれを受け入れて、2人の関係は破局となった。

少し大人に成長する

アケミを看取るシュウジ(画像手前の人物)

クラスメイトに戻ったシュウジとちせであるが、どうしても2人は互いを意識し合い、求め合ってしまう。ちせは、そんな関係に終止符を打つ為シュウジに自分の写真を渡した。そしてそれ以降、学校に行かなくなってしまう。シュウジはちせの写真を受け取り、彼女からの別れの意思を自覚した。

戦争と天変地異は日に日に日常生活を壊していった。ある日、シュウジは地震に巻き込まれアケミが瀕死の重傷を負った事を知る。病院機能は既に麻痺していた為、彼女は自宅で治療も出来ずに横になっていた。シュウジはアケミの希望で彼女と2人きりで対面する。アケミは血塗れになりながらも、彼に対する想いを吐露し始めた。彼女はシュウジに昔から想いを寄せていたのである。その事を知った彼は、アケミの想いに応えるべく彼女の身体を抱いた。そしてアケミはシュウジの中で苦しみながら絶命してしまう。

崩壊していく日常の中、シュウジの通う高校の1年生の手により、文化祭が執り行われる事になった。彼もこの手伝いとして働いている。そんな中、シュウジはアケミの父親に声を掛けられる。彼はアケミの最期を看取ってくれたシュウジに感謝しており、彼に赤ワインを送った。これはアケミの部屋に隠されていたものであり、彼女は隠れて仲間と共に後夜祭で飲もうとしていたのであった。

文化祭は終わったものの、自衛隊から後夜祭を中止するように命令されてしまう。自衛隊が物資やインフラを独占し、その結果アケミが亡くなっている事にシュウジは心底憤慨していた。だが、彼はその事を全て飲み込み彼等に土下座をして後夜祭の開催を懇願する。自分の感情に従うのでは無く、現実を見据えた上で、自分に出来る事を彼は行える様になっていた。

ちせと旅立つ

後夜祭はシュウジの土下座により、決行される事になった。彼は校庭でキャンプファイヤーを囲む後輩や同級生を眺めつつ、無人の教室でアケミのワインを飲む。泥酔した彼は群衆の中にちせの姿を見つけた。彼女は自衛隊を抜け出し、彼の下へ戻って来たのであった。2人は一緒にキャンプファイヤーを囲んで踊り、少しの間共に過ごす。シュウジは泥酔していた為、そのまま眠ってしまった。目覚めると彼は1人になっており、先程の出来事が夢か現実か分からずに困惑する。その後、人混みを歩く彼は自衛隊のおじさんと遭遇した。彼はちせの世話役として常に彼女の側に居た人物である。ちせは自衛隊のやり方に反感を抱き、武力を背景に自衛隊と離別していた。こうした背景から、直接彼女と接触する事が困難な為、彼氏であるシュウジと接触したのである。シュウジは彼から錠剤を受け取った。これはちせの身体を安定させる為の薬であった。彼女の肉体は兵器に侵食されつつあり、限界を迎えつつあったのである。

シュウジは無人の教室で、己と向き合い始める。そこへふゆみが来訪した。彼女はテツが死んだ事を知らされており、その喪失感を埋める為にシュウジの元を訪れたのである。ふゆみは彼の肉体を貪る様に求めていく。彼女に押し倒され、彼は誘惑に負けそうになる。その時アケミの机に置いてあったワインが溢れ、彼の頭に降りかかった。同時に彼はアケミの幻影に一喝される。これによりシュウジは己の愚かさと身勝手さを自覚し、ふゆみに別れを切り出す。彼女はシュウジを平手打ちし、彼の前から姿を消すのであった。こうして彼は己の過去と決別したのである。

翌朝シュウジは、彼を待っていたちせと合流する。2人は自然に手を取り合い、故郷から旅立って行くのであった。

ちせと共同生活を送る

働くシュウジ

旅立ったシュウジとちせはとある港町にたどり着く。シュウジは生活費を稼ぐ為、そこで漁師として働く事になる。仕事はキツく、社会の厳しさを彼は思い知る。それでもちせと幸せな共同生活を送り、束の間の平和な日常を過ごした。だが、彼女は常用している薬を使い切ってしまい、体調が不安定になってしまう。更に敵襲が始まり、シュウジ達が暮らす漁港は徹底的に蹂躙される。ちせは迎撃しようとするも、暴走により動けなくなってしまう。彼の日常生活は破壊され、彼女の肉体は限界を迎えつつあった。懸命にちせの介護をするシュウジであったが、彼女は暴走の末、遂に動かなくなってしまった。ちせの命を救う為、シュウジは自衛隊に彼女の身柄を引き渡す事を決断する。彼はちせを引き渡すと、失意の中で放浪を始める。

ちせと愛を誓い合う

愛を誓い合うシュウジ(画像左の人物)とちせ(画像右の人物)

シュウジは放浪の最中、様々な人から「ちせの街」の噂を聞く。そこはあらゆる敵襲から守られており、多くの人が移住している場所であった。彼はちせが復活したものの、神のような別の何かと化している事に愕然とする。そしてシュウジは「ちせの街」へ行く事となった。

「ちせの街」とはシュウジの故郷であった。彼は久しぶりに家族や友人達と再会し、元気を取り戻していく。そして彼はちせの残した交換日記に書かれていた約束を果たしに行く。その約束とは、2人の思い出の場所である展望台へ行く事であった。シュウジは展望台に赴き、そこでちせの書いた新しい交換日記を発見する。そこには今までの彼女の苦悩と、この地球がもうすぐ滅びてしまう事が書かれていた。地球は人間の環境破壊や科学実験等の度を越えた所業により、限界を迎えていたのである。そしてこの事が原因で、世界大戦が勃発していたのであった。衝撃を受けながらも日記を読み終えたシュウジは、ちせと再会する。だが、彼女は既に別人であった。人間の頃の記憶を全て忘れて、兵器のプログラムに人格を上書きされていたのである。それでもシュウジの事を特別視し、無自覚に涙を流す彼女を彼は抱き締める。そのまま2人は身体を重ね合わせ、SEXを始める。シュウジの想いに触れたちせは次第に感情を取り戻していった。

行為を終えたシュウジは眠りについてしまう。彼が目を覚ますと、天地がひっくり返る様な天変地異が始まっていた。地球の滅亡が始まっていたのである。シュウジは急いで家に戻り、両親の安全を確認した。そして2人に別れを告げ、彼は再び展望台へと蜻蛉返りをする。だが、異常な土砂崩れに展望台は飲み込まれ、崩壊していた。更に彼は人々の死体の山を目撃する。そこにはシュウジの友人達の姿もあった。

地球は確実に滅亡する。ちせは最終兵器として、せめて人類に安らかな死を送る事が自分に出来る最後の手向だと自覚していた。彼女は持てる全ての力を出し切り、シュウジを除く全人類を滅亡させた。街は灰燼に帰し、砂漠と化したその場所で彼女の残骸と遭遇する。使命を終えたちせをシュウジは優しく労うのであった。

ちせは自分の身体を宇宙船に変形させ、彼をその中へと誘った。彼女は地球を飛び立ち、宇宙へと脱出する。そしてちせは、シュウジの強い想いの力を借りて立体映像として彼の前に現れた。その時地球は自転が止め、完全な終焉を迎える。滅びた地球を背景にシュウジとちせは口付けを交わし、愛を誓い合っていくのであった。

シュウジ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター

ちせ

本作『最終兵器彼女』のメインヒロイン。内気で不器用な性格で「ごめんなさい」が口癖である。シュウジのクラスメイトで、彼に想いを寄せていた。この事を親友のアケミに相談した結果、度胸試しで彼に告白する事になった。シュウジが特に何も考えずに彼女の告白を受け入れた事で、2人は付き合い始める。恋愛経験が初めてで、互いに不器用な事から一度はシュウジから別れを切り出されてしまう。だが、怒りの感情から互いに本音をぶつけ合った事で距離が縮まり、改めて本格的に付き合う事となった。

ある日、ちせは自衛隊から開発中の兵器開発実験の適格者に選ばれ、最終兵器となる改造処置を受け、以降は兵器として戦う事を求められる。彼女は悩んだ末に同意し、家族にも秘密で国防のため兵器として戦い始める。そして戦闘中にシュウジと遭遇し、彼に最終兵器にされてしまったという事実を知られてしまい、その秘密を2人で共有していく。一時は彼と共に逃げようとするも、事情を知らない両親に阻止されてしまった。また、彼女は戦闘を経験する度に成長していく性質を持つ。日に日に強力な兵器と化していくちせの姿に、シュウジは恐怖を抱いていくようになった。この事から彼との間に距離が生まれ始め、シュウジとふゆみの不倫現場をちせが目撃してしまった事がきっかけで、彼に別れを告げる。そして暴走していく自分の力に恐怖しながら、ちせは戦闘に没頭していった。だがシュウジの事が忘れられず、孤独と不安から精神的に不安定になる。更に兵器と化していく彼女は、薬で自分の体調を安定させていく状態であった。そんな中、シュウジに似ている自衛隊の男性テツと出会い、彼に惹かれていった。テツはシュウジと不倫しているふゆみの旦那でもある。一時はテツと親密になり肌を重ね合わせるも、彼はちせが未だシュウジの事が好きである事を見抜き、行為の途中で彼女を突き放して叱咤した。テツの存在によって立ち直ったちせであったが、彼はその後の戦闘で致命傷を負ってしまう。彼を看取ったちせは精神的に成長し、自衛隊と離別してシュウジの元に帰るのであった。尚、この時彼女は地球が寿命を迎えつつある事を悟っている。

シュウジの元に戻ったちせは、2人で旅に出る。そして漁港の街に辿り着き、夫婦のような共同生活を始めた。彼女はラーメン屋のウェイターとして働き、家計を支える。束の間の平和で幸福な日常を送っていたちせであったが、敵襲により日常生活を破壊されてしまう。更に常用していた薬を使い切った彼女の体は暴走し、遂に彼女は動かなくなってしまう。シュウジは苦悩の末、彼女の身柄を自衛隊へと引き渡した。

自衛隊の手によりちせは復活したものの、人格は兵器のプログラムに乗っ取られてしまう。だがシュウジへの想いだけは消えなかった彼女は、彼の下へ赴き再会を果たす。そしてシュウジと肉体を重ね合わせ、彼の想いに触れたちせは感情を取り戻していった。行為を終えた彼女は地球が滅びる前に、人類に安らかな死を送るべく活動を開始する。ちせはシュウジを除く全人類を、持てる全ての力を使って滅ぼすのであった。その後、宇宙船に変形した彼女は彼を乗せて宇宙へと脱出する。そこで立体映像として具現化したちせは、シュウジと愛し合っていくのであった。

renote.net

アケミ

シュウジとちせの共通の親友。ちせを度胸試しで彼に告白させた。だが、彼女自身も彼に想いを寄せており、複雑な心境で2人を見守っていく。シュウジからは友達として見られており、異性として意識されていなかった。

度重なる天変地異により、建物の崩壊に巻き込まれて致命傷を負ってしまう。瀕死の中、彼女はシュウジを呼び寄せて自らの想いを告白した。そして2人は身体を重ね合わせて愛し合い、その最中に苦しみながら絶命した。彼女との死別はシュウジに大きな影響を与え、彼を精神的に成長させた。

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