トニカクカワイイ(トニカワ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『トニカクカワイイ』とは、畑健二郎による夫婦のラブコメディーを描いた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。スタッフからは「トニカワ」と略されている。『週刊少年サンデー』にて2018年12号より連載が開始された。ある雪の降る夜、主人公の少年がトラックに轢かれそうになったところを、少女によって九死に一生を得る。その少女に一目惚れした少年は交際を申し出ると、少女は「結婚してくれるなら」と返事をし去って行った。その2年後に少女と再会し2人は結婚をし、その新婚生活を描いている。

『トニカクカワイイ』の概要

『トニカクカワイイ』とは、畑健二郎による夫婦のラブコメディーを描いた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。スタッフからは「トニカワ」と略されている。『週刊少年サンデー』にて2018年12号より連載が開始された。テレビアニメ1期は2020年10月から12月にTOKYO MX、読売テレビ、BS日テレ、AT-Xで全12話放送された。2期は2023年4月から放送された。
ある雪の降る夜、主人公の少年の由崎 星空(ゆざき なさ)がトラックに轢かれそうになったところを、月読司(つくよみ つかさ)という少女によって九死に一生を得る。司に一目惚れした星空は交際を申し出ると、「結婚してくれるなら」と司は返事をし去って行った。司との再会を願い彼女の姿を探し続け2年、18歳になった星空の前に突然現れた司は婚姻届けを差し出す。とにかく可愛いお嫁さんとの新婚生活がはじまる。
『ハヤテのごとく!』で注目を浴びた畑健二郎による、星空と司の愛と幸せの夫婦コメディーが魅力だ。

『トニカクカワイイ』のあらすじ・ストーリー

アニメ1期

運命の出会い

大雪の夜、高校受験を控える少年の由崎 星空(ゆざき なさ)は、道の向こう側に美少女をみつける。運命的な出会いを直感し思わず美少女に引き寄せられる星空だったが、トラックに撥ねられ重傷を負ってしまう。瀕死の状態になりながらも美少女のもとにたどり着いた星空は、決死の覚悟で告白をする。すると彼女は「私と結婚してくれるなら、付き合ってあげる」と告げる。星空は「はい」と即座に答えるが、その直後気を失ってしまう。
数年後、再会を信じバイトに明け暮れる星空の自宅に訪れたのは、運命の美少女だった。彼女の名前は月読 司(つくよみ つかさ)といい、星空と結婚をするため婚姻届を持って現れたのだ。その後、星空と司は婚姻届を役所に提出して夫婦となった。
星空の家で同居を始めた2人だったが、この家には風呂がなく、行きつけの銭湯に向かう。銭湯でアルバイトをしている有栖川 要(ありすがわ かなめ)と、要の姉である有栖川 綾(ありすがわ あや)に会う。結婚報告を受けた2人は驚き、綾は浮かない表情をする。綾が星空に好意を寄せていると勘づいた司は複雑な感情を覚える。帰り道、星空が綾の話をし、綾を可愛いと言ったことに対して司は嫉妬してしまう。司がいつもと雰囲気が違うと気づいた星空は、結婚したのに式をまだ挙げていないことが原因だと勘違いをする。お互い勘違いをし、星空は1人でどこかへ走り去ってしまう。先に家に着いた司の前に現れたのは司の義理の妹である鍵ノ寺 千歳(かぎのじ ちとせ)だった。司を姉様と慕っている千歳は、2人の結婚報告を受け、星空を自分の屋敷に拉致する。屋敷へと連れ去られた星空は、千歳に「文春砲で結婚を破断にする」と脅される。そこへ、司が駆けつけ屋敷から星空を救出することに成功する。逃げた先にたどり着いた場所は教会だった。星空と司は愛を誓い、夫婦として大きな一歩を踏み出した。
結婚はしたが、まだ指輪を渡していないことに気づいた星空は、新婚生活の中で次第に指輪について意識し始める。司は星空がロマンチックな理由の為だけに指輪が欲しいものとばかり思っていた。だが、星空は自分が仕事でいないときに司が寂しくないように購入しようとしていた。そのことを知った司は星空への愛が増していくのだった。

夫婦の絆

夫婦として着実に愛を深めていく星空と司。だが、星空が1人で暮らしていた狭い家に2人が住んでいくのは何かと不便を感じ、引越しを考える。引越しには保証人が必要であり、星空は結婚報告もかねて母に連絡した。報告に驚いた母は司と一緒に来るようにと告げた。星空の実家に到着し、星空の父は急に「司と話したいから」と星空に席を外させる。星空の父は司に土下座をしながら、星空を助けてくれた司に向けて感謝の気持ち、そして祝福の言葉を伝えた。
星空の両親との挨拶を済ませ、家に帰ってきた星空と司は落雷による突然の火事により住む場所を失ってしまう。星空の周到な備えにより被害は少なかったものの、家がなく困っている2人に、「新居が決まるまで空き部屋を使っていい」と要が声をかける。有栖川家での新しい新婚生活が始まった。
ある日、仕事に熱中し風邪をひいてしまった星空。司は大丈夫だと言い切る星空を病院に連れていき看病をする。体調がよくなった星空は司と夏祭りへ行くことにする。花火を見ながら「自分のことを心配してくれる人はどれくらいいるのか」と話す星空。司は星空が自分にとってどれだけ大切で、星空の健康を常に想っているかを赤裸々に語った。2人はまた絆を深め、綺麗な花火を目に焼き付けるのであった。

アニメ2期

幸せについて

星空の中学の担任だった柳 直子(やなぎ なおこ)は日々教育について一生懸命で、同僚の谷口(たにぐち)から遊園地に誘われても断っていた。ある日、偶然出会った星空が結婚していることを知った柳は、家庭訪問に行くと由崎家を訪ねる。司の丁寧な挨拶を受け、美味しい夕飯をご馳走になり一安心した柳。柳は星空に将来のことを聞くと、星空は司と過ごす生活を優先し、「未来は予測不能だから今を大切にする」と言う。その言葉に柳は「人生は幸せになるためにあるんだ」と気づき、谷口に誘われた遊園地に行くことを決意したのだった。
銭湯で要と一緒にアルバイトを始めた司のもとに、星空の従弟である鬼丸 銀河(おにまる ぎんが)が訪ねてくる。銀河は捨てられていた猫を拾ったが、一度猫を捨てると動物愛護法違反になるため、星空に相談しに来たのだ。すぐに病院に連れて行き、検査の途中で獣医に猫の名前を聞かれ、茶色い背中に白い四角模様から司は「トースト」と命名する。飼い主が見つかるまでトーストを由崎家で飼うこととなった。

デート・新婚旅行

星空と司から結婚報告を受けた銀河は、結婚祝いとして遊園地のチケットをプレゼントする。そのチケットで遊園地にやってきた2人は、偶然にも柳と出会う。聞けば谷口から「偶然手に入れたチケットがある」と誘われたという。それが好きな異性をデートに誘う口実であることに全く気づいていない鈍感な柳、奥手な谷口に星空と司はやきもきする。だが、デートをしているうちに柳と谷口の距離が縮まり、2人は付き合うこととなった。

ある日、要の母が温泉のペアチケットを手に入れ、それを要に渡しに来た。要は銭湯を空ける訳にはいかないと、星空と司に新婚旅行として行かせることにする。温泉旅行で旅館に来た星空と司はそこで、司の身元保証人である月読 時子(つくよみ ときこ)と出会う。時子は星空の結婚指輪を見て司の既婚者と気づき、自分の部屋に招く。司に大切な人が出来たことを嬉しく思い、時子は星空に「その人のことよろしくね」と伝えた。

個性的な人物たち

猛暑の最中にエアコンが壊れてしまった由崎家。星空は家電量販店でエアコンを即決で購入し、自分で取り付けようと星空の中学の同級生である百鬼 桜花(なきり おうか)の電気店に工具を借りに行く。星空から結婚報告を受けた百鬼は、お祝いの代わりに工具のレンタル代をタダにした。
ある日、番台に立つ司の前に、要の同級生の鏡 球馬(かがみ きゅうま)が訪ねてきた。球馬は司を要と人違いし一方的に相談を始める。とびっきりの美少女だが、とんでもないアホの球馬に困っていた司のところへ要が現れる。今度は要に相談し始めようとした球馬だったが、「ハーゲンダッツがないと話す気がしない」と言い出し、「今から買ってくる」と走って行ってしまった。

キャンプ

司は周り全てが燃えてしまったと絶望する少女(時子)に、司が今と同じ姿でおはぎを渡す、という夢を見る。その日、時子が突然由崎家にやってきた。時子はキャンプに行きたいらしく、司に「連れて行け」と言い出す。星空はキャンプについて「興味深い」と食いつく。時子は昔、司にもらって嬉しかったおはぎをお土産として置いて帰って行った。
時子主催のキャンプに参加することとなった一行は、山道をハイキングしてキャンプ場へ向かう。キャンプの準備を始めようとするが、球馬が迷子になってしまい、探しに行った星空も迷子になってしまう。星空を探しに来た司が現れ一件落着し、2人は最初に出会った頃の話をしだす。司はプロポーズに即答した星空に「誇りに思う」と言った。

ある日の朝、千歳から時子が倒れたと知らされた司と星空は急いで病院に向かう。病室に着くが元気そうな時子は、「コーヒーを買ってくる」と部屋を出て行く。星空は時子を追いかけていき、時子の歩幅がいつもより小さいことから、元気そうに振る舞っているだけであることに気が付く。追いかけてきた司を見て時子は「あの子を幸せにしてあげてね」と星空に告げ、病室へ戻る。そしてまた星空と司のいつも通りの日常が始まるのだった。

司の過去

1400年前、当時16歳だった司は薬師として人々を救うことに奮闘していた。だが、司は病にかかっており、のちに起きることすらできなくなるほど衰弱し、死を覚悟する。
時を同じくして、竹取の翁の家にやってきた輝夜と呼ばれる人物が月へ帰ることになり、唯一愛した帝(みかど)へ向けて不死の薬・蓬莱を残す。しかし、帝は「愛する者と二度と出会う事が出来ないのに不滅の命に何の意味があるのか」と、不死の薬を飲まなかった。帝はその薬を部下の岩笠(いわかさ)にこの国で一番高い山で薬を燃やし、立ち上る煙が愛する人のいる国からでも見えるようにと命じた。岩笠には今にも死にそうな大切な娘がいた。帝の命を受け蓬莱を受け取った時、岩笠の脳裏によぎったのは娘であり、たとえ忠誠を裏切ることになっても娘の命が大事だった。そして、岩笠はその薬を娘に飲ませた。その娘こそが、衰弱し死を覚悟していた司である。司は父によって不老不死という存在となったのだ。
不老不死の司を村中の人々不死の化物と罵り、司の命を狙うようになった。人を救ってきたはずの司は救ってきた命から刀と槍を向けられる。さらに自分が永遠の命を手に入れたことで、その代償に司の父が殺されてしまった。
不老不死が普通の人間に戻るためには月へ行くことが必要だった。だが、ロケットどころか自動車すらない時代に月へ行くことは無謀なことだった。そんな司の無謀な願いに対して、「その願いは私が叶える。私が叶えられなくてもいつか叶うと」と聖徳太子が声をかけ、司に希望を与えた。

時子の過去

第二次世界大戦の終戦間際、戦争孤児となっていた幼い時子に出会った司は、持っていたおはぎを時子に与えた。時子はそれから司と行動を共にすることにした。共に生活する中で、司の正体を知った時子は司のために自らの時間を使い、月に行くことと月にかぐや姫がいるか知りたいという司の願いを叶えることを決心する。時子はとてつもない先見の明によって、月に到達することができた。しかし、そこにはかぐや姫どころか誰もいなかった。戦利品として持ち帰ることができるのが石ぐらいしかなかった。月の石をみた司は、月は人がいる環境ではなかったということを悟り、絶望した。時子は司の願いの半分しか成し遂げられず、もう半分は星空に叶えてもらおうと願いを託した。

『トニカクカワイイ』の登場人物・キャラクター

主要人物

由崎 星空(ゆざき なさ)

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@ZAJUNq4

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