転生貴族の異世界冒険録(自重を知らない神々の使徒)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~』とは夜州によるライトノベル作品で、『小説家になろう』にて連載している小説。niniが作画担当をするコミカライズ作品も2018年から連載が始まった。また2023年4月よりテレビアニメが放送される。ラノベノベル好きの椎名和也が気がつくと、剣と魔法の世界であった。カイン・フォン・シルフォードとして転生した和也は、7人の神からの加護と規格外のとんでもないステータスを授かった。バトルに恋に自重を知らないカインがおくる、異世界はちゃめちゃライフが始まる。

『転生貴族の異世界冒険録(自重を知らない神々の使徒)』の概要

『転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~』とは、夜州によるライトノベル作品。小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載された小説で、書籍は「サーガフォレスト」(一二三書房)より6巻まで刊行されている。niniが作画を担当し、「MAGCOMI」(マッグガーデン)にて2018年3月より連載がスタートしている。2020年6月には「月刊コミックガーデン」に移籍して、連載されている。コミックスは10巻まで発売。
少女をかばい死んでしまった椎名和也(しいなかずや)。気がつくとそこは、夢にまで見た剣と魔法の世界であった。貴族の三男カイン・フォン・シルフォードとして転生したカインは、この世界の神々からの加護や規格外としかいいようのないとんでもステータスを授かっていた。バトルや恋愛など自重を知らないカインがおくる、異世界はちゃめちゃライフが始まる。
佐々木あかねによるスピンオフ作品『転生貴族の異世界冒険録~カインのやりすぎギルド日記~』が、2020年6月より「コミックポルカ」(一二三書房)にてコミカライズされている。2023年4月よりテレビアニメが放送される。カインのチート級の強さから巻き起こす、自重を知らないストーリー展開の面白さで、原作小説やコミックス、TVアニメが話題になっている。

『転生貴族の異世界冒険録(自重を知らない神々の使徒)』のあらすじ・ストーリー

異世界に転生する

通り魔が暴れその場にいた二人の少女に襲いかかろうとしていた。その場にいたライトノベルの世界観に憧れる少年・椎名和也(しいなかずや)は、咄嗟に助けに入るが刺されてしまった。和也が目を覚ますと、異世界にあるエスフォート王国グラシア領の辺境伯の三男カイン・フォン・シルフォードとして転生したのであった。前世の記憶を持ち、剣と魔法の世界にあこがれていたカインは、5歳になると洗礼を受ける習わしがあるため教会を訪れていた。この世界の神を模った像の前で祈りをささげると、まばゆい光に包まれた。すると、創造神ゼノム、生命神ライム、武神サーノス、大地神ベラ、魔法神レノ、技能神グリム、商業神パナムの7人の神が待ち受ける神域へと召喚された。
ゼノムとライムから、和也の魂は地球の輪廻の輪から外れてさまよっていたが、善行を行っていたことで、記憶を残したままこの世界に転生させたと聞かされる。カインは、自身の転生理由にショックを受けたが、ゼノムに記憶を活かしてこの世界を発展させることと、第2の人生を楽しんでほしいと言われた。
カインはその願いを快諾するとゼノムたち7神から加護をもらった。ステータスを確認すると、神の使徒の称号や全属性の魔法や加護のレベル10など異常な数値が記されており、カインがとんでもないチートステータスを授かったことが判明する。隠蔽魔法でステータスを偽装したが、それでも家族には異常な数値であると驚かれた。
それからのカインは、お披露目会で少し先の未来で懇意となるサラカーン商会のパルマとその父サビノスと知り合いになったり、冒険者のミリィとニーナに家庭教師として実践的な指導を受け、冒険者になるための知識と経験を積んでいった。
カインが10歳になる年、姉であるレイネ・フォン・シルフォードのエスフォート王立学園への入学を機に生活拠点を王都へと移した。王都へと向かっていたその道中で、索敵魔法を使用して警戒を行っていたカインは、馬車がイノシシのような見た目のオークとそれを率いている脅威度ランクAでオークの上位種とされているオークジェネラルの群れに襲われているのを探知した。カインが1人先行し、救助に入るとモンスターを一掃した。エスフォート王国の王女テレスティア・テラ・エスフォートとサンタナ公爵の次女シルク・フォン・サンタナの2人を助けると、同じ目的地である王都につくまでカインたち家族と同行することになった。
王都につくとカインは、今回の事で国王に謁見するためにお城に向かうことになった。カインは集まっていた貴族の前で、国王から褒美として男爵位の叙勲と王都に屋敷をもらった。10歳での叙勲にコルジーノや他の貴族が反対するが、カインの実績と優秀な人材であることが買われ、国王は決定を覆すことなく反対意見を退けた。謁見が終わると、レックス・テラ・エスフォート国王とエリック・フォン・サンタナ・マルビーク公爵にカインとその父ガルム・フォン・シルフォード・グラシアは別室へと呼ばれていた。叙勲の話だけでなく、2人の娘であるテレスティアとシルクがカインの事を好きになり、カインの婚約者になりたいという話を持ち掛けられた。国王と公爵の考えではなく、テレスティアとシルクの意志であることから断ることができず、2人はカインの婚約者となった。

王都でのはちゃめちゃ生活

男爵となったカインは、教会を訪れ祈りをささげるとゼノム達のいる神域に入った。そこでグリムとパナムよりこの世界に娯楽ないから娯楽をを作ってほしいと相談を受けた。前世の記憶を頼りに娯楽品を開発することになったカインは、王都を探索中にパルムと再会した。パルムは王都にある伯父のタマニスが経営しているお店で修行をしていた。サラカーン商会のお店を見たカインは娯楽品製作を依頼し、リバーシを販売するとたちまち大反響を生んだのであった。

王都に来た目的の1つであったお披露目会に参加していた。カインは、レックス国王やエリック公爵、テレスティアとシルク、他の貴族達とのあいさつを済ませると、シルクと2人で歓談していた。するとコルジーノ侯爵の息子ハビットとその取り巻きに絡まれてしまうのだが、カインが男爵であることを知るとそそくさと立ち去っていく。そのやり取りをシルクにネタにされ、デートの約束を取り付けさせられた。その後、合流してきたテレスティアにも、シルクがカインとデートをすることをネタにデートの約束を取り付けさせられた。レックス国王にデート件を聞かれてしまったカインは、リバーシの献上とデートの件で2人の父親に詰め寄られるはめになった。

お披露目会から数日、カインはレックス国王より屋敷を賜った。大きな屋敷の内装はぼろぼろだったが、カインは魔法で新居同然の状態に戻し、屋敷に移り住んだ。新居を見に来たガルムから装飾品を飾ることや、王都に新居を構えたらお披露目会を開催しなければならいと聞き、執事のコランの協力をえて、レックス国王やエリック公爵、マグナ宰相など多くの貴族を招待した。お披露目会のために前世の料理やガラス製のコップや皿などの食器類、装飾品としてカインが倒したドラゴンのはく製や設備としてウォシュレットトイレなど、前世の知識と常識外れの行動でカインにしかできないお披露目会を無事開催することができた。

お披露目会のことがあり、レックス国王にドラゴンを討伐できる実力があることを知られたカインは、宮廷魔術師の書庫を閲覧できる権利を条件に、近衛騎士団と宮廷魔術師団の訓練に参加するようにいわれた。近衛騎士団の訓練に行くと、実力を測るために模擬戦が行われた。模擬戦が激化し始めると騎士団長のティファーナが現れ、模擬戦を止めた。しかしカインの実力に興味を持ったティファーナが模擬戦を挑んでくる。激しい攻防を繰り広げ、カインが勝利してしまうと、自分より強い男性を探していたティファーナから結婚を求められてしまった。初めは断っていたカインだが、ティファーナがレックス国王にまで話を広げてしまったことで大事になってしまった。レックス国王と面談する羽目になったカインは、テレスティアとシルクの2人と婚約していることをティファーナに伝えたが、結婚にさらに乗り気になってしまう。ティファーナは父親からの承諾を得たことで、3人目の婚約者となった。

騎士団長に勝ったカインの実力に違和感を覚えたレックス国王は、カインに「何者じゃ?エスフォート王国に害をなすことを考えているのか」と問いかけた。するとカインは「国に尽くすつもりはあるが、害する気持ちはない」と返答した。しかし後日、ガルムとレックス国王、マグナ宰相とダイン副団長が話し合い、カインの正体を確認する方法として、初代エスフォート国王が記した帝級魔法書を見せる実験を行う段取りになった。
初代国王にしか読めない書物として代々受け継がれてきた魔法書だが、カインは日本語で書かれていたために本の内容を読み、理解することができた。レックス国王に改めて「何者だ」と問われたカインは、ついに自分の本当のステータスや前世の記憶があることを打ち明けた。ステータスや事情を知ったレックス国王たちは、神の使徒であるカインの事を秘匿として今まで通りに接することとした。

月日は流れカインはようやく12歳になった。カインは念願であった冒険者登録のため、王都の冒険者ギルドを訪れた。新人冒険者となったカインは、パーティ「氷炎」のクロードとリナに出会い、冒険者の仕事である依頼の種類やランク制度について知ると、早速依頼を受けとり、目的であるゴブリンを討伐しに向かった。ゴブリンを討伐したカインだが、血の匂いに集まってきたグリーンリザードに囲まれたので、ついでに討伐してギルドに報告に戻った。しかしあまりの討伐数に、ギルド職員のセドリックに不正を疑われて問い詰められていたカインだが、ギルド長であるエディンやティファーナのおかげで疑いを晴らすことができた。エディンは、ゴブリンの討伐やグリーンリザードの討伐の実績を考慮して、カインの冒険者ランクをCランクまで上げようとしたが、ティファーナがドラゴン討伐や自分に勝ったことなどの情報をを告げると、異例中の異例で登録して1日でAランクまで引き上げられた。

次に冒険者になったカインを待ち受けていたのは、王立学園に入学するために試験を受けることであった。屋敷から学園に向かうカインだが、街で次々とハプニングに遭遇していく。試験時間が迫っていたこともあり、転移魔法で学園に向かった。しかし試験会場が貴族と一般で窓口が違うことを知らずに、一般の試験窓口で受験を行った。筆記試験を満点で通過したり、初級魔法で挑むはずの魔術試験で学園の強力な結界を壊すほどの魔法を放つ。また、剣術試験は担当であったクロードと試験とは思えない模擬戦を行ったりと、ここでも自重を知らないカインであった。

神が与えた修練

カインは王立学園をSクラスの首席で入学したが、入学式の後に突然別の世界に転移させられた。そこにいたのは、カインと同じく日本からこの世界に来た平沢優也(ひらさわゆうや)こと初代エスフォート国王ユウヤ・テラ・ヒラサワ・エスフォートその人であった。ゼノムからカインの修行をつけてほしいと頼まれたユウヤは、自分が創造神として作った世界・ファビニールにカインを呼び出した。カインは異常なステータスを持つ自分になぜ修行が必要なのか尋ねるとユウヤが答えてくれた。この世界の神はもともと7神ではなく8神であった。8人目は遊戯神アーロンと呼ばれ、遊戯として生き残りをかけたデスゲームで全世界を巻き込む戦争まで起こさせたのであった。それにより創造神ゼノムによって、神界から地上に落とされ、精神が歪み邪神となった。ユウヤはアーロンを倒すために、この世界に呼ばれたが力が及ばず封印するのが精一杯であった。ゼノムの話では、その封印があと数年で解けてしまうのだが、ユウヤとゼノム達は神として地上に干渉することができず、カインにすべてを託すしかなかった。ファビニールの現実世界と時間の流れが違い、SSSランクの魔物が多くいる世界を利用して、時間を掛けて魔物の討伐を行いながらユウヤの家に戻ってくる修行を課せられた。1週間、1カ月とただひたすらにユウヤの家を目指し戦い続け、その修行中に親を殺されたフェンリルの子供に出会った。カインは一緒に敵を討ち、その子供にハクと名前を付けて、ともにユウヤの家を目指す。そして修行開始から4年の月日をかけ、ようやくユウヤの家にたどり着いた。一緒に修行をこなしてきたハクと召喚契約を結び、これからも一緒にいられるようになった。

次の修行は、ユウヤの友人であるドランとの体術と剣術、魔術の戦闘訓練だった。カインが体力を使い果たすほどの激し戦闘訓練をし、ドランの家で生活する日々を過ごしていく。ある日ドランに頼まれ、子どものドラゴンにギンと名前を付けた。それからも毎日、激しい戦闘訓練を行い、1年かけてようやくドランに勝つことができた。ドランとの修行を終えると、ギンと契約を結び一緒に連れて行って世界を見せてほしいと頼まれ、ギンもそれを望んでいたので契約を結び、ハクとギンの2匹を連れてユウヤの家に戻った。

ユウヤは戻ってきたカインに、召喚されてから邪神アーロンを封印するまでの話を聞いた。ユウヤは1人で召喚されたのではなく、椎名聖也(しいなせいや)と椎名恵(しいなめぐみ)とともに召喚されていた。この2人は、事故で亡くなった和也の両親であった。3人は冒険をしながらも、日本に戻る方法も探していた。しかし邪神アーロンとの激しい戦闘で聖夜と恵は亡くなってしまった。全てを聞いたカインは、ユウヤと両親がこの世界を守ったように、邪神アーロンの封印が解けた時には、この世界を守ることや両親の仇を討つことを胸に決めた。

邪神アーロンの驚異

カインは、修行を終えてエスフォート国王に戻ってきた。しかしファビニールで5年も修行をしていたので、王国では5日間も行方知れずになっていた。父ガルムには怒られ、テレスティアは心配しすぎて捜索隊を編成するほどであった。カインはレックス国王に謁見していた、ユウヤからの手紙を渡して、この数日間の事情を説明していた。修行の内容や本来は5日間ではなく5年間も修行していたことをうっかり話してしまったことでより詳しく説明する羽目になった。

その翌日には入学して5日ぶりの学園に通学していた。その日は魔法学の授業で、召喚魔法が行われたのだが、ここでもカインは一波乱起こしてしまう。他の生徒は、小動物や猛獣系などの動物が召喚されている中で、カインは魔王セトを召喚してしまう。セトは、カインを鑑定し、称号に神の使徒があることを知ると、カインの新たな召喚獣として契約した。授業も終わり自宅に帰ろうとしたカインだが、ダイン副団長に呼び止められそのまま王城へと向かうことになった。そこには、召喚の授業を担当してくれたグラッド先生がいた。国王から授業で何を召喚したのか問われ、ごまかしきれなかったカインは、魔王を召喚し契約したことを説明した。国王は現在のステータスを開示するようにカインに伝える。すると以前より格段に成長し、亜神や他世界の創造神の弟子、龍神の弟子などの称号や、加護を取得していた。このステータスを見た国王は、近々謁見を開きカインを男爵から子爵へと爵位を上げて、街を1つ管理させることを決めた。

冒険者ギルドに簡単な依頼を受けるため足を運んだカインは、グラシア領で魔物が増加していると知ると心配になり依頼を受けると、転移魔法を使ってグラシア領に向かった。カインがグラシア領に到着すると、街が騒然としていた。状況を確認するためにギルドに向かうが、予想より最悪の状態であることを知ったカインは、調査に協力することになった。
しかしこの騒動の裏には、邪神アーロンの封印が緩み始めたことが引き金になっていた。アーロンの力がブラックドラゴンの意識を支配したことで、魔物たちを操っていたのであった。そのことを知らないカインはセトやギン、ハクを召喚して森の奥から調査を始めたが、大量の魔物が街に向けて大移動を起こしたのであった。冒険者は街に戻り防衛線をはり、カインはセトとともに森に入る。2人で分担して魔物を殲滅していたが、あまりの数にカインは反乱の元凶のもとに向かう。セトは自身の眷属を召喚し魔物の討伐を続けた。カインは探査魔法により元凶を見つけた。するとブラックドラゴンがカインが神の使徒であることを念話して伝えてきた。ブラックドラゴンが邪神であることを知ったカインは、強力な魔法を放つが神により操られたブラックドラゴンには効かない。カインは、ユウヤからもらった刀を使い応戦して隙を作ると、帝級魔法「聖炎神域(サンクチュアリ)」を放ち倒した。この戦闘で自分がまだまだ力の出し方がうまくできていないと反省するカインだが、支配されたブラックドラゴンが消滅したことで無事に魔物の反乱も収まった。

カインの領地経営

カインは子爵へと陞爵し、ドリントル領を治める領主カイン・フォン・シルフォード・ドリントルを名乗る事になった。カインは、身分を隠し街へと赴いてみた。冒険者の横暴が目に見えてひどく、冒険者を管理しているはずのギルド自体にも問題があった。領主不在の街を管理している代官のエライブに話を聞くと、税金や冒険者の横暴、スラム街の存在など多くの問題があることを把握したカイン。他の問題がないか街をよく知るために、ドリントルの宿屋に泊まることにしたカインは、猫の和み亭のオーナーダッシュの妻ヒミカが病気の事や、治療をする教会が法外な値段をとっていることを知った。教会にも問題があったのである。

1つ1つ解決していくべくカインは、ギルドとの話し合いを行った。ギルドマスターであるリキセツはエディンの手紙からカインの実力を知ると今までの非礼を詫び、ドリントルの治安維持の問題を解決していくことで話をまとめた。しかしエライブとサブギルドマスターのベティの2人は何かを隠している雰囲気で目くばせしていた。

次の問題にあたるため教会へ足を運んだカインは司教への面会を取り付けた。教会の規模や司教の装飾品の数々から贅沢の限りを尽くしていると感じたカインは、スタッグにお布施や高額の治療費の件を問いただした。しかし自身が贅沢をしていることを棚に上げて、理由をつけて補助金やお布施、治療費の増額を提示してくる。話にならないと思ったカインは、王都の教会本部への告発することを伝えて司教の部屋を後にした。するとスタッグは、急ぎサブギルドマスターであるベティへ連絡を取った。

その夜、スタッグとベティ、エライブとスラム街で闇ギルドをまとめているリックの4人が密会していた。自分たちの立場が危ないと感じた4人はカインの始末を計画し実行に移した。
エライブの引き入れにより領主邸へと侵入してきた闇ギルドメンバーと首謀者達だが、カインとハク、ギンの反撃により暗殺は失敗した。しかしエライブが猫の和み亭の家族を人質としたため、カインは武器を捨て、従っているように見せた。そして魔力を解放し衝撃波を放つと、敵の動きを止めて家族を救出した。人質にされていたダッシュは腕を切られていたので、すぐさまカインはエクストラヒールをかけて治療した。

回復を行ったカインの隙を突き、リックが切りかかってきた。反応したカインを後ろから捕えようとしたエライブだが、カインは背負い投げで襲い掛かるリックへと投げた。リックは止めることができずエライブの足が切断されてしまった。切られたエライブをスタッグが助けようとするが、普段からまともに祈っっていなかったために治療できず、困り果てていた。
カインは、痛みに苦しむエライブへ「力であなたたちを裁いてやりたいが、僕はドリントルの領主だから、法をもってあなたたちを裁きます」と告げ、エクストラヒールをエライブにかけて足を治療した。

襲撃を受けた翌日にセトを召喚したカインは、自分が領地にいない間を任せられないか相談をした。するとセトが自分より適任として、元四魔将が1人ダルメシアを召喚し、執事としてドリントルの領主邸に仕えてもらうことになった。
レックス国王にドリントルを裏で支配していた主犯格の4人を捕まえたことを報告に行ったカインは、4人の処罰を王都の裁判にかけてもらうようにお願いした。しかし、ドリントルの内政をよく知る代官や司教、サブギルドマスターが不在になることで、領地経営に支障が出てしまう。カインはガルムに依頼して内政官を手配してもらった。レックス国王の進言もあり、その内政官を代官として迎える方向で話がまとまった。すると内政官として派遣されてきたのは兄のアレクであった。グラシア領で内政官をしていたが、代理を治めていた兄のジンが優秀であったことや領地が安定していたこともあり、ドリントルの仕事にやりがいを感じてカインの下に来たのであった。2人が話していると、ギルド本部よりサブギルドマスターとしてレティアが派遣されてきた。ドリントル領の今後の方針を話していると、ダルメシアが大官邸で裏帳簿や資料、資金を見つけたと報告をしてきたので、アレクとレティアは早速、帳簿や資料の精査を行った。翌日には優秀な2人のアレクとレティアはすべての資料に目を通し終わり、エライブ達の関係性やお金の流れなどを知ることができた。

王都でも有名な奴隷商サンダラマール商会を訪れた。到着するとサンダラマール会長が直接接客してくれ、襲撃犯の引取契約や商会の案内をされた。奴隷の生活をしっかりと守っている商会を案内されていると、カインは負傷した奴隷がいる部屋で何かを感じた。その部屋に行くと狐人族の2人の獣人がいた。カインは、鑑定魔法で2人を確認すると、2人を買いたいとサンダラマールに進言した。ルーラとローラの姉妹を引き取ったカインは、屋敷に戻ると怪我の治療のためにパーフェクトヒールを唱えると欠損していた腕と足を治療した。シルビアに2人を任せてドリントル領での用事を済ませるべくドリントルに戻ったカインは、エライブ達の移送の準備を行うと、翌日にはダイン副騎士団長が4人を連れてエスフォート王国王都に出発した。

移送が済みこれから、内政に力を入れていけるとカインは、問題であったスラム街解体のために、外壁の拡張し住民が住むエリアを広げる工事に着手する段取りをアレクと相談していた。すると突然、召喚をしていないのにセトが乱入してきた。理由を聞くと、セトが浮気をし、それが妻のレファーネにばれたので逃げてきたというのだ。自分で魔王城に戻ることを条件に少しの間、ドリントルに住むことを承諾したカイン。セトの治める魔族の国やレファーネについて聞いていると、魔王不在で心配をさせないように、ドリントル領にいることを伝えに行ったダルメシアがボロボロになって戻ってきた。すると、レフィーネがドリントル領へとセトを連れ戻しに来た。セトも二度としないと誓っていることもあり、カインが間に入ってレフィーネに許してもらった。そのあと2人は魔族の国ベネシトスに戻っていった。

カインは、王都の自宅でルーラに引き取った件について話をしていた。カインの鑑定によると、ルーラは隠していたが転生者の称号があった。確認するために日本語で書いた計画書を見せ、読むことができるか試した。読むことができたルーラは日本人の転生者であることがわかった。ルーラは前世で建築学を学ぶ大学生であったが交通事故に遭って亡くなってしまった。白狐の狐人族ルーラとして転生したが、狐人族では白狐は畏怖の対象であったため、同じく白狐であった妹ローラとともに奴隷に売られた。しかしその道中で魔物に襲われて怪我を負ってしまう。ルーラは襲われたショックで前世の記憶を思い出した。前世で建築を勉強していたこともあり、これからのドリントルに必要な人材だと感じたカインは一緒に、街の再建に協力してほしいとお願いした。

カインは領地経営にかかりっきりでゆっくり話をしていなかったので、テレスティアとシルクに埋め合わせをしていた。シルクとテレスティアは夏休みにマルビーク領に行く予定だが、カインも一緒に行けないかと尋ねてきた。しかし領地経営があり、行けない自分の代わりとして魔石でできたネックレスを渡した。ネックレスには、魔力を込めるとカインに居場所がわかるようになっているためすぐに助けに行くからと2人に約束をした。自重を知らないカインは、お守りとして作った魔道具のネックレスが国宝級であることを後から知るのであった。

ルーラとローラの姉妹とともにドリントルに戻ったカインは、ルーラにはアレクの補佐として内政官をお願いし、ローラには彼女の希望もありメイド見習いとして働いてもらうことになった。カインは2人のために、解除できないとされている奴隷紋を創造魔法の力で解除して奴隷から解放した。カインの常識外れ具合を知らないルーラが、外壁拡大の準備の大変さを心配をするがそれは杞憂に変わった。カイン1人で魔法を使い、地面を整地して今まで以上の外壁や堀を作成し領地を拡大した。その音に驚いた領民達が騒いでいたが、スラム解体やスラムに住む住民の移動、仕事を与えることを領民へ説明を行い、領地経営の1歩を勧めた。

聖女の護衛任務

マリンフォード教国から聖女ヒナタが訪問するので、護衛をしてほしいとカインに依頼があった。聖女ヒナタの護衛を受けたカインは、ゼノムに話を聞いておこうと教会に足を運ぶと神域へと飛ばされた。ライフから聖女の称号を受け取ったヒナタは、信託のスキルをもっているためこの世界で一番神に近い存在なのだが、現在のマリンフォード教国は、聖女ヒナタ派と教皇派の派閥があり、今回の訪問の隙をついて教皇派が暗殺を企てている可能性があるそうだ。神として干渉することができないライフは、カインに暗殺の阻止と護衛を改めてお願いした。ゼノムも暗殺が行われると、邪神アーロンの付け入る隙を与えかねないと懸念していることからカインに、用心するように注意を促した。

聖女ヒナタの護衛としてシルベスタの街に行く前に、ドリントルの拡張作業は一段落を迎えることができた。これで安心して護衛に専念できると思っていたカインは、準備としてレックス国王より王家の代理人としての王家の者の証を託された。聖女ヒナタの護衛ということもあり、今回女性の同行者としてシルクが同行することになった。テレスティアは王族ということもあり、今回は留守番となったので、カインは後でご機嫌を取らないといけないと考えながら、シルクとともにシルベスタの街に向かった。

領主ラグナフとともに聖女ヒナタを迎えに向かっていると、カインの探査魔法に聖女ヒナタの馬車が襲われていることが分かった。シルクに襲撃のことをラグナフに伝えるようにお願いすると単身飛び出した。襲撃地点につくと、魔法で襲撃犯を無力化して聖女ヒナタの護衛と合流したが、護衛であるマスティーナが部下ボルトに指示して襲撃犯を殺害した。襲撃犯から情報を聞き出さなかったことを違和感に思うもシルベスタに行くことを優先して街に向かった。シルベスタの街で1日過ごす聖女ヒナタは護衛の目を盗み、カインに2人で話をしたいと手紙を渡す。その夜、護衛の目を盗んだカインは聖女ヒナタのいる部屋に行くと、聖女は自身の暗殺計画があることや、護衛の聖騎士が教皇派からの派遣であること、暗殺されると王国へ非難声明を出すことなどを説明してくれた。それを聞いたカインは、騎士団長が聖女ヒナタの傍から一切離れないのは計画をもらされないためで、襲撃犯が殺されたのが口封じであることを悟った。聖女ヒナタはカインが使徒であることや何かあった時に頼るようにライフに言われたこと、生涯を添い遂げてよいと信託を受けたことを話してくれた。それを聞いたカインは焦ったが、今は護衛を優先させるために聖女ヒナタにもテレスティアとシルクに渡した魔道具のネックレスをお守りとして渡した。

その後も食材に毒を仕込まれたり、マスティーナがボルトに指示をして馬車の魔物除けのお香をすり替え、魔物を集めて襲わせようとしたりと暗殺の魔の手が迫るが、カインの介入により未然に防ぐことができた。聖女ヒナタは無事エスフォート王国に到着し、レックス国王に謁見することができた。カインはレックス国王に教国の派閥問題や聖女暗殺計画など道中あったことを報告した。エスフォート側も注意をするが滞在中の護衛の継続を依頼された。
エスフォート国王では、聖女ヒナタの歓迎会を兼ねて晩餐会が催されていたが、その裏で護衛隊長であるマスティーナと部下のボルトが暗殺計画のために闇ギルドと接触していたのであった。
教会を訪問した聖女ヒナタとカインが祈りをささげると、2人揃って神域へと導かれた。神を見た聖女ヒナタは驚いていたが、ライフからカインを頼るように助言をもらった。カインもゼノムとライフから守ってあげるようにと託された。教会の訪問が終わると次の行程であったスラム街を訪れて炊き出しを行っていた。多くの人が訪れる中、手伝いをしながら護衛のため警戒していたカインに、コルジーノ侯爵から王城に来るようにと使いが訪ねてきた。王命である護衛をしていたカインは、後から伺うと伝えたが、使いの者も侯爵の命令のため食い下がることはなかった。そこに聖女ヒナタがら王城に戻って用件を済ませてくださいと言われ、疑いがあるがマスティーナからも我々が護衛が信用できないのかと言われたこともあり、代わりの者に護衛を頼むと王城へと向かった。カインが王命で動いているにもかかわらず、コルジーノ侯爵はカインが前世の知識で作ったグラスを買うことができなかったため、直接購入を依頼してきたのであった。急いで護衛に戻るためアイテムボックスに入っていたグラスをコルジーノに渡すと転移魔法を使用して急いでスラム街へと戻った。

スラム街に戻ると、炊き出しをしていたエリアが騒然としている。人ごみをかき分けていくと聖女ヒナタが倒れていた。護衛を頼んだ兵士に状況を聞くと、子どもが握手を求めてきたため、それに応じたヒナタが急に倒れたとのことだった。事情を聴いたカインの所にマスティーナが駆け寄ってくると護衛に非があるとせめてくるが、聖女ヒナタが毒にかかっていると感じたカインは、すぐさま教会へと抱えていった。教会につき司教とともに原因を調べると、文献にあった不治の毒とされるデルポネの毒と症状が一致した。ヒナタと面識のあった司教は解毒魔法をかけるも効果がなく、力になれないことを悔やんだ。カインはこれから起こることを他言しないように伝えると、神の使徒の力であるパーフェクトヒールをかける。すると毒は一瞬にして解毒され聖女ヒナタは目をさました。これを見た司教に、カインが神の使徒であると知られたが、ヒナタは司教が信用できるとして信託により知っていたことなど事情を話した。カインから今回の騒動について説明を受けたレックス国王は、この失態の始末をどうつけるか問うと、カインは必ず真犯人を捕まえると約束した。国王に聖女ヒナタを預けると、調査のためドリントルにいるダルメシアを召喚した。ダルメシアの眷属を使用して諜報活動をするように指示した。その結果、犯人のアジトや夜に集まることなど情報を手に入れたカインは、その夜にダルメシアとともにアジトへと乗り込み、マスティーナの裏切りの証拠をつかんだ。

『転生貴族の異世界冒険録(自重を知らない神々の使徒)』の登場人物・キャラクター

神の使徒

カイン・フォン・シルフォード/椎名和也(しいなかずや)

CV:南條愛乃
善行だが無駄死にという想定外の死で、地球の輪廻を外れた椎名和也の魂が、神の力により転生した姿。グラシア辺境伯家の三男であり、この世界の神であるゼノム達神の使徒である。テレスティアとシルク、ティファーナの婚約者。男爵位を拝命し、功績を積み上げ現在は子爵位となり、ドリントルの領主を務めている。領主となったことで、カイン・フォン・シルフォード・ドリントルを名乗っている。

婚約者

シルク・フォン・サンタナ

CV:内田彩
サンタナ公爵の次女。カインの婚約者。カインをからかうおませさん。王立学園では、カインの領地統治のため貴族科と内政科の科目を勉強する。

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セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』とは、1995年から1997年にかけ、『週刊少年ジャンプ』にて連載されたギャグ漫画及びそれを原作としたアニメ作品。作者は「うすた京介」であり、同氏の連載デビュー作である。奇妙な格闘技「セクシーコマンドー」の使い手である主人公・花中島マサルと、彼を中心としたセクシーコマンドー部員たちとの日常が描かれる。突拍子もない展開の続くナンセンスギャグが主だが、随所で当時のテレビ番組などの固有名詞や、様々なパロディも挟まれるなど、緩急ついた笑いが人気を博した。

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セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさんの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

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『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』とは、ナンセンスギャグを得意とするうすた京介が、『週刊少年ジャンプ』で描いた伝説的なギャグマンガである。 謎の格闘技「セクシーコマンドー」の使い手である本作の主人公・花中島マサルの繰り出すシュールで支離滅裂なギャグが本作の見所である。 本作に出てくる名言もシュールなものばかりで、名言と言うより、どちらかと言うと迷言に該当しそうなものばかりである。

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