エミリー、パリへ行く(ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エミリー、パリへ行く』(原題: 『Emily in Paris』)とは、主人公エミリーがシカゴから憧れのパリに移住した生活を描く、アメリカ合衆国のコメディテレビドラマシリーズ。原作・制作は『セックス・アンド・ザ・シティ』を手がけたダーレン・スター、出演はリリー・コリンズ、フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、アシュリー・パークなど。2020年10月2日にNetflixオリジナル作品として全世界へ配信された、ゴールデングローブ賞ノミネート作品である。

『エミリー、パリへ行く』の概要

『エミリー、パリへ行く』(原題: 『Emily in Paris』)とは、2020年10月2日にNetflixオリジナル作品として全世界へ配信されたアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズである。2021年にはシーズン2、2022年にはシーズン3が配信されている。ひょんなことから憧れのパリに移住することになった、生まれも育ちもシカゴの主人公エミリーの生活を描くコメディドラマ。主人公エミリー・クーパーを演じるのは、『白雪姫と鏡の女王』や『あと1センチの恋』など数々のヒット作に出演しているリリー・コリンズ。原作・制作は『セックス・アンド・ザ・シティ』を手がけたダーレン・スターが務めた。
また、リリー・コリンズと今作で初共演にもかかわらず息がぴったりあった演技を見せたアシュリー・パークは、エミリーの親友ミンディー役。
アメリカとフランスの文化の違いに苦悩しながらも明るく前向きな性格と、持ち前のバイタリティで周りを巻き込んでいくエミリー。少しずつ成長するエミリーとパリの街並みも楽しめるゴールデングローブ賞ノミネート作品。彼女のころころと変わる表情や抜群に着こなしているファッションも見どころとなっている。

シカゴで働いていたエミリーだが、アメリカの会社がパリのマーケティング会社を買収。パリに転勤予定だった上司マデリンの妊娠が発覚し、エミリーがパリへ行くことになる。夢の海外生活だったが、フランス語が話せないエミリーに冷たく当たるフランス人。めげずに持ち前の明るさや発想力で周りから自分を認めさせていくエミリー。文化の違いに悩みながらも同じアパートに暮らすシェフのガブリエルや中国人のベビーシッター・ミンディーと出会い、パリ生活をどんどん充実させていく。エミリーの仕事とガブリエルやアルフィーとの恋愛模様も見どころとなっている。

『エミリー、パリへ行く』のあらすじ・ストーリー

憧れのパリ生活がスタート

主人公・エミリーは、シカゴにあるマーケティング会社ギルバート・グループで働いていた。あるときギルバート・グループがフランスのマーケティング会社「サヴォワール」を買収する。生まれも育ちもシカゴで、シカゴから出たことがなかったエミリーだったが、パリへ転勤予定だった上司のマデリンの妊娠が発覚。急遽代わりにパリへ行くことになった。

夢だった海外生活、そして憧れのパリに夢を膨らませ旅立つエミリーだったが、エミリーの想いはすぐに打ち砕かれてしまう。フランス語が話せないエミリーにフランス人は冷たい態度で接する。会社では温かく歓迎してもらえると思っていたが、フランスの会社の上司のシルヴィーにも冷たい態度をとられ、同僚のジュリアン、リュックも変わり者だった。最初から’’役立たず’’のレッテルを貼られたエミリーだったが、自身の発想力を活かしてSNSを使ったマーケティングの提案をする。しかし、伝統的なやり方を重視する会社の人たちは、新しい発想を出すエミリーの行動も気に入らず、受け入れてもらえない。

さらに、遠距離が理由でシカゴ時代からの彼氏に別れを切り出され、夢のパリ生活はなかなか思い通りにはかなかった。

アメリカとフランスの文化の違い

オシャレで洗練されたフランス・パリに憧れて期待に胸を膨らませやってきたエミリーだったが、アメリカとフランスの文化の違いに大苦戦。

フランスの会社の始業時間は10:30だが、上司や同僚からなかなか認めてもらえないエミリーは始業時間より早めに出社する。仕事にも前のめりで色々なアイディアを出してやる気を見せようとするも、同僚のリュックに「君が来たことでみんな怖いんだ。もっと働かされる、稼がされるって。君たちは仕事がメイン。俺たちは人生がメイン」とフランス流の働き方を教えてもらう。会社に早く出社して会議でたくさん発言するのが大事だと思っていたエミリーだが、フランスでは違った。

フランス語を話せないエミリーに対し、周りからの冷たい態度に挫けそうになりながら文化の違いに屈することなく、持ち前の明るさや発想力を活かして再度SNSを使ったマーケティングの提案をシルヴィーたちに行う。”自分らしく”全力で頑張るエミリーを次第に周りも認めていく。

エミリーの恋愛事情

思い描いていたパリ生活とは程遠く落ち込んでいたエミリーだったが、ミンディーやカミーユと出会い友情を深めていく。

ミンディーはパリでベビーシッターの仕事をしている中国人で、実家は大企業の社長令嬢。しかし、父親とは絶交中で実家のお金には頼らない生活をしている。一方カミーユは、意地悪な花屋でエミリーが困っていたところを助けてくれたパリ在住のお嬢様。両親がワイナリーを営んでいるセレブであり、エミリーと同じアパートに住んでいるガブリエルの彼女である。
ガブリエルはエミリーの1階下に住んでいるイケメンのシェフであり、フランス語が話せないエミリーを助けていた。
イケメンで優しいガブリエルのことが気になっていたエミリーは、カミーユがガブリエルの彼女だということを知り、ショックを隠せなかった。しかし、エミリーの恋の相手はガブリエルだけではなかった。サラッと口説き文句を言えてしまうフランス人男性に驚きつつも、エミリーはフランス流の恋愛を楽しんでいた。

人気シェフのガブリエルがパリを離れて地元でレストランを出すことになり、それを知ったカミーユは激怒。2人は別れることになる。
それまで親友の彼氏であるガブリエルに対する気持ちを抑えていたエミリーだったが、カミーユと別れてしまったことで自分の気持ちに素直になり、エミリーとガブリエルは最初で最後の一夜を共にする。ガブリエルとの一夜限りの幸せを胸に刻んだエミリーだったが、ガブリエルは「パリでレストランを出店できることになった」と言い、引越しは白紙になる。

シカゴに帰る予定だったエミリーだったが、パリでの仕事ぶりが認められ契約が1年延長され、パリでの生活を続けることになった。カミーユの実家が会社を経営しており、作っているシャンパンが大量に余っているのでその販売戦略を考えて欲しい、実家の会社をサヴォワールと契約したいとエミリーに話していた。その話をシルヴィーに繋ぎ、エミリーが担当することになっていた。しかし、ついにカミーユにガブリエルと関係を持ったことがバレてしまう。カミーユは大激怒し、しばらくの間カミーユとエミリーの仲は険悪になる。そして、カミーユとの仕事の担当も外されてしまったエミリーだったが、なんとか和解し友情と仕事を取り戻す。カミーユはエミリーに、「お互いガブリエルとは恋愛しない」という提案を持ちかける。仲直りをして、仕事の担当にも戻してもらえたエミリーは戸惑いながらもその提案に応じた。

カミーユはフランス語が得意ではないエミリーに対して、「仕事はフランス語でしたい」と言い出した。エミリーはフランス語を上達させるために語学学校に通い始め、そこでたまたま席が隣になったアルフィーと仲良くなる。
アルフィーは、ロンドン生まれロンドン育ちで銀行マンとしてパリに赴任している。しかし、フランス語には一切興味がなく、会社の命令で仕方なく語学学校に通っている。学校行事にも非協力的なアルフィーだが、裏表の無い性格でいつの間にかエミリーと急接近。そして、2人は関係を持ってしまうのだった。

パリでの仕事を終えたアルフィーは、イギリスに帰る日が近づいていた。エミリーへの気持ちは本物だと感じているアルフィーは、エミリーとの関係を発展させられるのか確かめるために、まだパリに滞在していると言う。はっきりとした答えが出せずにいるエミリーは、結局ロンドンとパリの遠距離恋愛を続けることにした。

シカゴ時代の上司マデリンとの再会

エミリーがシカゴ時代に勤めていた会社ギルバート・グループのエミリーの上司マデリンが、サヴォワールの視察のためにパリにくることになった。久しぶりの再会を喜ぶエミリーだったが、アメリカ流のやり方を貫きたいマデリンはフランスでも大暴走する。

シルヴィーとアントワーヌの不倫関係をおおごとにしたり、皆の反対を押し切ってライバル関係にあるクライアントを契約させたりと、これまでシルヴィーがやってきたフランス流のやり方を全て壊していく。その結果、シルヴィーはサヴォワールを辞め、ジュリアンとリュック、他のスタッフも皆シルヴィーについて行き、サヴォワールからいなくなった。何も知らされていなかったエミリーはショックを受けるが、エミリーの仕事ぶりはクライアントからも認められていた。シルヴィーはエミリーを新たに立ち上げる会社に誘うのだった。

エミリーの決意

サヴォワールに残るべきか、シルヴィーについて行くべきか悩むエミリーはミンディーに相談する。
自分の仕事を認められた嬉しさと、急な出来事で混乱しているエミリーはつい「シカゴでは計画的に暮らしていたし、友達の彼氏を愛することもなかった」と、自分の素直な気持ちをミンディーに漏らしてしまう。背中を押されたエミリーは、自分の気持ちを伝えるためにガブリエルの部屋を訪ね思いを告げようとするが、部屋の奥からカミーユの声が聞こえてきた。カミーユはエミリーに気付くとガブリエルの横に立ち「私たち同棲するの!」と言ったのだった。
ガブリエルとは恋愛しないという協定を結んでいたはずだったが、協定を破ったカミーユに「よかった、嬉しいわ」としか言えないエミリーは、笑顔でその場を去る。しかし、橋の上を涙を流しながら歩くエミリーはやがて立ち止まり、シルヴィーに電話をかけて「心を決めました」と伝える。

新生活のスタート

パリに残ることを決意したエミリーだったが、アメリカの上司マデリンに伝えることができずにいた。そんな中、シカゴ時代の元恋人から「仕事をお願いしたいからパリに行く上司に会って欲しい」と言われる。シルヴィーも含めて商談をセッテイングするも、そこにマデリンが現れて商談は破談する。
どっちつかずなエミリーに怒ったシルヴィーは設立した会社にエミリーを呼ぶことをやめたのだった。シルヴィーと一緒に働くつもりだったエミリーはショックを受ける。サヴォワール社に残り、マデリンと一緒にクライアントのアントワーヌとの商談をまとめようとするが、エミリーの恋人アルフィーがアントワーヌの会社のCFOに就任し、気まずくなる。
サヴォワール社の顧客もシルヴィーの会社についていき、サヴォワール社のエレベーターが何度も故障したり、空調がきかなかったりとオフィス環境も悪くなり、経営の立て直しも難しいと思ったマデリンはサヴォワール社から手を引くことに決めた。そして、マデリンはエミリーにアメリカに帰るように提案するもエミリーは拒否する。
無職になったエミリーはパリの観光名所をSNSで紹介しつつ、ガブリエルの店でアルバイトを始めた。
しかし、フランス語の聞き間違いで失敗が多く、ガブリエルからもクビだと告げられる。

会社の雑務に追われていたシルヴィーだったが、先日新たなクライアントにした商談は、実はエミリーの案だと知る。さらに、カミーユの母親からもエミリーが優秀だと聞かされ、シルヴィーはエミリーを新会社に入社させる決断をする。
シルヴィーは遊園地で生配信をしていたエミリーの元に訪れ、新しく設立した会社に入社しないか聞かれたエミリーは、喜んで入社するのだった。

複雑な恋愛模様

エミリーはアルフィーとは良好な関係を築いていたが、ガブリエルともまた良い雰囲気になっていた。ガブリエルとヨリを戻していたカミーユだったが、アーティストのソフィアとも親密な関係になっていた。
カミーユにプロポーズをすることに決めたガブリエルは、エミリーに相談する。その時ちょうど仕事でプロポーズをするカップルを探さなければいけなかったエミリーは、協力を求めるとともにプロポーズに最適なロマンチックな場所を探す。しかし、エミリー達がプロポーズに挑もうと計画していた日よりも前にカミーユがガブリエルにプロポーズをしてしまう。振り出しに戻ったエミリーだったが、エミリーとアルフィーが対象カップルに選ばれた。

ガブリエルとカミーユの婚約パーティがシャンパーニュにあるカミーユの実家で開催され、うまくことが進むと思っていた。パーティーの合間で、パリにいる同僚のリュックから「ガブリエルのレストランがミシュランの星を獲得する」との一報が入り、エミリーはガブリエルに伝える。大喜びするガブリエルはエミリーに感謝を伝え、手にキスをした。ちょうどその場面をカミーユが目撃していた。
喜びが頂点に達しているガブリエルは、カミーユに「ここのチャペルで結婚式を挙げよう」と伝え、カミーユも了承し式が開催された。しかし、ガブリエルとエミリーの親密な関係を見てきたカミーユは、式の途中で突然「ガブリエルが好きなのはエミリーだ」とカミングアウトし、婚約を破棄する。アルフィーとも気まずくなるエミリー。そんなエミリーにガブリエルは「カミーユは妊娠している」と告げるのだった。

『エミリー、パリへ行く』の登場人物・キャラクター

主人公

エミリー・クーパー(演:リリー・コリンズ)

日本語吹替:清水理沙
マーケティング会社に勤めるシカゴ出身のアメリカ人。
上司のマデリンに代わり、フランス支社の「サヴォワール」のマーケティング担当としてパリに転勤することになる。
夢のパリでの生活をスタートさせるが、フランス語が話せず職場で邪魔者扱いされる。しかし、アイディアと行動力で成果を出していく。こまめにSNSを更新し、インフルエンサー並みにフォロワーを増やして仕事に活かす。明るく前向きな性格で、持ち前のバイタリティで周りを巻き込んでいく。ころころと変わる表情や抜群に着こなしているファッションも注目を集めている。

エミリーの友人

ガブリエル(演:リュカ・ブラヴォー)

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