有閑倶楽部(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『有閑倶楽部』(ゆうかんくらぶ)とは、一条ゆかりが1981年から『りぼん』(集英社)にて連載開始した痛快学園冒険コメディ漫画、およびそれを原作としたドラマ作品。聖プレジデント学園の高等部の生徒会メンバー6人は人並外れた美貌と家柄で知識や色気や喧嘩の強さなど個々に類まれな能力も持ち、学園中の憧れの的。6人は毎回様々な事件に遭遇し、その能力で見事に解決していく。アクション、コメディ、恋愛、ミステリー、ホラーと様々な要素が魅力。1986年(昭和61年)度、第10回講談社漫画賞少女部門受賞。

『有閑倶楽部』の概要

『有閑倶楽部』(ゆうかんくらぶ)とは、一条ゆかりが1981年から『りぼん』(集英社)にて連載開始した痛快学園冒険コメディ漫画、およびそれを原作としたドラマ作品。掲載誌は『マーガレット』『コーラス』と変遷しており、数話で各エピソード読み切りの形が取られている。
幼稚園から大学まで一貫制で日本屈指の名門名家の子女が集まる聖プレジデント学園。その学園の中でもトップの権力財力を誇る名家の子女である高等部の生徒会メンバーの物語。剣菱財閥の令嬢で喧嘩スポーツでは負け知らず、中性的な美貌を持つ剣菱悠理。日本画家の大家と茶道の家元の娘で学園一の美貌と優秀な頭脳を持つ白鹿野梨子。高校生らしからぬ色気と美しさ、抜群のスタイルを持つ黄桜可憐。学園一の頭脳と多方面に精通する博識ぶり、武道の達人と日の打ちどころの無い大病院の御曹司菊正宗清四郎。メカマニアで交友関係の広さが凄い警視総監の子息、松竹梅魅録。スウェーデン人貴族のクォーターで女性に対する強い情熱と、女性を虜にする美しさを持つ美童グランマニエ。彼らは学園中の憧れの的である。暇を持て余す6人は、生徒会とは名ばかりで生徒会室で趣味に時間を潰す日々だった。周囲からは『有閑倶楽部』と呼ばれており、権力や財力のみならず知力や運動神経や美貌など、各々が卓越した能力を持つ。6人はやがて日本をはじめ海外にまで舞台を移し、政治から裏社会にオカルトまで、難事件に次々と巻き込まれて解決していくことになる。アクションから世界を股にかけた壮大な映画のような冒険やミステリーと、友情に恋に笑いまで様々な要素が詰まったエンターテイメントである。普段なら接することのできない上流社会を疑似体験できることも作品の魅力であり、主人公の家族も周囲の人々も個性豊かなキャラクター揃いで、ハイソな世界ならではの豪快なエピソードも見どころ。2007年にドラマ化された際には原作が再度ブームになり、時代、男女問わず楽しめる作品として反響を呼んだ。
主な登場人物やペットの名前に、お酒の銘柄、種類、会社の名前が使われている。
1986年11月にフジテレビにて単発実写ドラマが放送された。主演は国生さゆり他。
2007年10月には、日本テレビにて連続実写ドラマが放送された。主演は赤西仁他。
現在までに発行されている単行本は、19巻。
1986年(昭和61年)度、第10回講談社漫画賞少女部門受賞。
2008年10月時点で累計発行部数2700万部を記録している。

『有閑倶楽部』のあらすじ・ストーリー

剣菱家の事情の巻

レースのドレスを着た、青い目で金髪のフランス人形のような外国人モデルを気に入った百合子は、悠理の兄の豊作(ほうさく)と結婚させようと画策する。すると、それを聞いた万作に「頼りない豊作にそんな嫁では剣菱の後継ぎとして困る」と言われてしまい、それならと、百合子は剣菱を継げる手腕を持った男性を悠理の婿にしようと探し始めた。
そこで、白羽の矢が立った清四郎は剣菱財閥で自分の才能を試せることに魅力を感じ、この話を引き受けるが、どうしても結婚したくない悠理は、清四郎に決闘を申しこむ。そして悠理は自分が勝ったら結婚話を白紙にすることを約束させて、決闘の日まで清四郎の武術の師匠、人間国宝の雲海和尚(うんかいおしょう)に弟子入りすることに。
その後、百合子が夫婦喧嘩が原因で家出し、万作は事業の権限を全て清四郎に押し付け、百合子を探しに旅立っていった。図らずも自分の才能を試せることになった清四郎は、高校生でありながら父親ほどの年齢の役員たちを動かし剣菱の事業を次々こなしていくが、その責任と重圧に余裕がなくなりピリピリし、有閑倶楽部にも顔を出さなくなる。最初は面白がっていたものの、2人が結婚するとどうなるか現実を知り、寂しく思う有閑倶楽部のメンバーたち。
結局悠理は決闘に敗れて清四郎と結婚寸前まで行くも、この事態を見かねた雲海和尚が清四郎と決闘することとなった。清四郎は一瞬で雲海和尚に倒され、自分が思い上がっていたことに気づく。同時に、機嫌よく毎日遊んでいるようにしか見えない万作が、巨大な剣菱財閥を動かしていることを改めて尊敬するのだった。
結婚話は消え、悠理も清四郎もいつも通りとなり、有閑倶楽部にはまた平和が訪れた。

狙われた学園ー男ともだち・女ともだちーの巻

聖プレジデント学園の理事長ミセス・エールが母の病気のためイギリスに一時帰国することになる。その代わりに理事長の甥でハーフのピーターが理事長代理としてやってくることに。
ちょうど同じ頃、可憐は道で偶然ぶつかった高千穂哲郎(たかちほてつお)に一目惚れしていた。可憐の強い後押しで哲郎は臨時美術教師として学園に赴任する。しかし、実は哲郎は高千穂病院という悪徳病院の院長の息子で、新しい病院を建てるために学園の権利証を騙し取ることを目的として、密かに母に送り込まれていた人物だった。
哲郎に恋をしたピーターは学園の権利証をまんまと騙しとられてしまう。それを聞いた有閑倶楽部は、自分たちの楽園である聖プレジデント学園を取り戻すために、高千穂病院から権利証を奪還しようと動き出した。この病院が患者から腎臓を盗み出して闇で腎臓移植をしているという噂を医師である父から聞いた清四郎は、それを利用することを思いつく。メンバーのアイディアにより、腎臓病を装い高千穂病院に入院して潜入する悠理。その後、やりたくない腎臓の盗難と移植を、脅されて仕方なくしている医師を味方に引き込み、母に協力してしまったが、ピーターを好きになり後悔している哲郎も協力者となった。味方になった医師は、悠理へ腎臓を提供するという演技をすれば剣菱財閥に恩が売れると、高千穂病院の院長(哲郎の母)を騙して麻酔をかけることに成功。「権利証を返さなければ手術をして本当に腎臓を取る」と脅し、見事学園の権利証の奪還した。事件解決後、晴れて両思いになりイギリスへ帰国するピーターと哲郎。残されたのは失恋してため息をつく可憐と腎臓病のふりが終わって食べたいものを食べた結果本当に急性腎炎になる悠理だった。

『有閑倶楽部』の登場人物・キャラクター

主人公(有閑倶楽部のメンバー)

剣菱 悠理(けんびし ゆうり)

演:国生さゆり(単発ドラマ)/ 美波(連続ドラマ)
運動部部長でロック同好会に所属。日本トップの剣菱財閥の令嬢で、黙っていればかなりの美貌の持ち主だが、卓越した運動神経と体力と喧嘩の強さ、男勝りな性格、強すぎる正義感により、学園中の女子から溢れるほどのラブレターをもらう位モテている。女子からモテることを本人は迷惑しているが、旺盛な食欲があり、ファンの女子たちの差し入れる数々のお弁当には大喜びしている。ファンの女の子を、差し入れてくれる弁当の名前で覚えている。野生児に近い性格のためか、霊感が強く取り憑かれやすい、しかし本人は霊が非常に苦手で、嫌がっている。

母の身勝手により、剣菱財閥で自分の才能を試せる事に目が眩んだ清四郎と結婚させられそうになった。悠理は、清四郎と結婚するのが嫌で、自分と闘って勝ったら結婚してやると言い、清四郎に拳法を教えた武道の達人で人間国宝、雲海和尚(うんかい おしょう)に弟子入りし、10日で雲海和尚が感心するほどの動きをマスターした。

勉強が非常に苦手で成績は学園でビリから2番目。

普段は正義感が強いが、勉強から逃れるためには、ずるいことも平気で行う。自分の留年に皆を巻き込むために、皆の飲み物に薬物を入れたり、悠理と瓜2つの少年が現れた時には、自分の代わりに学校へ行かせることを目的に助けたりした。

白鹿 野梨子(はくしか のりこ)

演:奥田圭子(単発ドラマ)/ 香椎由宇(連続ドラマ)
文化部部長、父は日本画の大家、母は茶道の家元という家柄のお嬢様で、有閑倶楽部内では清四郎に次ぐ頭脳を持つ。その清楚な美貌から学園一男子からモテているが、本人は異性に興味がなく、迷惑している。一見非の打ち所がない様に見えるが、運動神経はゼロ。

清楚な見た目と振る舞いだが、実はかなり気が強くはっきりとした性格。

清四郎とは家が隣同士で幼馴染。清四郎に恋愛感情はないが、ブラザーコンプレックスのような気持ちを持っており、清四郎と悠理が結婚させられそうになった時は、ムキになって反対した。

異性が苦手だが、1度だけ魅録そっくりの不良青年に初恋をする。

黄桜 可憐(きざくら かれん)

演:小野リエ(単発ドラマ)/ 鈴木えみ(連続ドラマ)
生徒会経理の黄桜可憐は母が宝石商を営んでおり、高校生とは思えない抜群のプロポーションと色気と美貌を持つ。玉の輿に乗ることを夢見て々美貌に磨きをかけている。異性からモテるのが生き甲斐で、実際かなりモテるのだが、ラブレターの数で野梨子にいつも負けるのが屈辱だと思っている。

かなりの面食いで恋多き女である。男性を見る目がなく、いつもうまくいかない。色仕掛けが得意。美貌を維持するためなら凄まじい努力をする。母からは、「その努力があれば、玉の輿に乗らなくても大金持ちになれるのでは」と呆れられている。

菊正宗 清四郎(きくまさむね せいしろう)

演:柄沢次郎(単発ドラマ)/ 横山裕(連続ドラマ)
生徒会長の菊正宗清四郎は、大病院、菊正宗病院の御曹司。学園一の頭脳を持ち、運動神経も抜群、拳法の達人であるなど、非の打ち所がない。

清四郎の頭脳で難事件を解決することも多い。

多趣味でさまざなことに精通しており、知らないことは無いほどの知識人である

悪気なく人を見下すところがあり、仲間を怒らせることも多い。

精悍な見た目とクールな性格により、男性から恋愛感情を持たれることが多く本人は迷惑している。野梨子とは家が隣同士のため幼馴染であり、恋愛感情はないが、父親のような気持ちで、野梨子の初恋に苦言を呈した。

松竹梅 魅録(しょうちくばい みろく)

演:豊原功補(単発ドラマ)/ 赤西仁(連続ドラマ)
生徒会副会長松竹梅魅録は警視総監の子息で、母は旧華族の家柄。機械いじりやバイクが趣味。悠理同様喧嘩が強く、勉強も運動神経も人並み以上に出来る。交友関係が広く人一倍仲間思いで友情に厚い。警視総監の子息でありながら暴走族や裏社会にも顔が広い。魅録が一声かければ暴走族含めかなりの数の仲間がすぐに集まる。

頭の回転が早く男気も強いため、メンバーで唯一清四郎の痛いところをつく発言ができる。悠理とは趣味が合うので一緒に行動することも多い。

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