幸福の条件(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『幸福の条件』とは、1993年にアメリカ合衆国で制作された恋愛映画である。突然の景気後退で経済的窮地に陥った若い夫婦の前に大富豪が現れ、100万ドルと交換に妻と一晩だけ過ごさせて欲しいと究極の選択を迫る。その申し出を受けたことを機に揺れ動いていく夫婦の姿を描いた衝撃的な作品。
『ゴースト/ニューヨークの幻』のデミ・ムーアと『追憶』のロバート・レッドフォードが共演し、『危険な情事』と『運命の女』を手掛けたエイドリアン・ラインが監督を務めた。

『幸福の条件』の概要

『幸福の条件』とは、1993年にアメリカ合衆国で制作された恋愛映画である。主演は『ゴースト/ニューヨークの幻』や『ア・フュー・グッドメン』などで知られるデミ・ムーア、『追憶』や『スパイ・ゲーム』などで知られるロバート・レッドフォードが務めた。そして、妻に対する疑いの心を持つことで自分自身を追い詰める夫を『スリー・ビルボード』や『ミッドウェイ』などで知られるウディ・ハレルソンが演じた。
ダイアナとデビッドは駆け落ちして結婚した若い夫婦。ダイアナは不動産仲買人、デビッドは建築家として働いていたが、突然の不景気に襲われる。自分が設計した家に住むという夢を持っていたデビッドは仕事を解雇され、ダイアナも不動産が売れないという苦しい生活を強いられてしまう。先が見えない不安な状況を変えようと思ったデビッドはダイアナと共にラスベガスにあるカジノへと向かう。初めは順調に勝ち進んでいたが、全財産を失ってしまう。そのような中、大富豪ジョン・ゲージが2人の前に現れ、100万ドルと交換に妻ダイアナと一晩だけ過ごさせて欲しい、という衝撃的な提案をする。
戸惑いながらもゲージの提案を受け入れた2人であったが、この日を境に夫婦関係が揺らぎ始めていくのであった。

『幸福の条件』のあらすじ・ストーリー

景気後退

ダイアナ(画像左)とデビッド(画像右)は互いを愛し合う若い夫婦

高校時代に出会ったダイアナとデビッドはすぐ恋に落ちた。しかし彼らの両親は、2人はまだ若過ぎるということに加え、お互いをよく知らないという理由で結婚に反対していた。そのような言葉に対してデビッドは、リスクのない人生なんて本当の人生ではない、と言う。そして駆け落ちした2人はラスベガスで結婚し、7年経った今でも愛し合っていた。デビッドは大学の建築学科を卒業して小さな会社で建築家として働き始める。休日は自分自身のデザインに時間を費やし、いつしか夢のマイホームを建てたいと思い始める。そのような夫のために妻ダイアナは不動産仲買人の仕事に懸命に取り組んでいた。

ある日、海が一望できるサンタモニカの土地を気に入ったダイアナはローンを組んで購入し、2人の夢の家を建てることに決める。デビッドとダイアナは貧しい生活に耐えなければならなかったが、これも夢の家を手にするためだった。

そのような時、突然の不景気が襲う。その影響によって建築家であるデビッドは会社を解雇されて職を失い、ダイアナも半年間、不動産が全く売れなくなるという事態に直面する。今住んでいる家も建築中の夢の家も失いそうになる事態になり、さらにローンを組んだ銀行から5万ドルの支払いを要求される。苦しい状況を変えたいと必死になっていたデビッドは恥を忍んで父親から5千ドル借りるが、焼け石に水だった。不安で泣き崩れたダイアナのためにデビッドはあることを思いつくのだった。

一攫千金を狙いラスベガスへ

ジョン(画像左)はデビッド(画像右)に100万ドルと交換に妻と一晩過ごさせて欲しいと申し出る

経済的な窮地を脱するためにデビッドが思いついたのはラスベガスで一攫千金を狙うことだった。元手は彼の父親から借りた5千ドル。初日は幸運に恵まれてサイコロで勝ち続け、元手が5倍の2万5千ドルに増えた。ホテルのベッドの上で手にした札束を広げ、2人はその上で愛し合う。
そして翌日、今度はルーレットに挑んだ2人だったが、全ての財産を失ってしまう。初日の勝利から一転、絶望のどん底に落ちた2人の前に1人の男が現れる。彼の名前はジョン・ゲージで、億万長者の実業家。1枚1万ドルのチップでギャンブルに興じる紳士。驚いたことに、ゲージは運試しのためにデビッドに、「奥さんを貸していただけないですか?」と尋ねる。

試しにゲージは10万ドルを賭けてダイアナにカードに挑戦させるが、結果は負け。ならばサイコロはと思って今度は100万ドルを賭けて挑む。信じられないことにダイアナは見事に賭けに勝ち、100万ドルを手にする。ラスベガスを発とうとしていたデビッドとダイアナだったが、ゲージは2人を引き留める。
賭けに勝ったお礼にホテルの高価な部屋を取り、ダイアナには彼女が昨日ショップで見ていた黒いドレスをプレゼントし、夜9時にゲージが宿泊するスイートルームで開かれたパーティーに2人は出席する。
パーティーが終わった後、ゲージはデビッドとビリヤードに興じながら将来のことを話していった。

そしてダイアナが見ている中、ゲージはデビッドに、「君の奥さんと100万ドルと交換で一晩だけ過ごさせて欲しい」と驚くべき提案を持ちかけた。冗談だと思っていたデビッドだったが、ゲージは冗談ではないと言う。

一晩だけの関係

ダイアナ(画像右)はジョン(画像左)と一晩だけ過ごすことに決める

ゲージからの提案を「地獄へ行け」、と激しい言葉でデビッドは断った。しかしその夜、ダイアナもデビッドも眠れない夜を過ごした。ダイアナはデビッドのためであればゲージと一晩過ごしてもいいという。一晩だけ、それも体だけの関係だから忘れてしまえばいいから、と決意を見せるダイアナ。100万ドルがあれば苦しい生活から解放される。

彼女に説得されたデビッドの心も動き、2人は共通の友人である弁護士ジェレミー・グリーンの事務所を訪ね、契約書を作成する。契約を交わした後、デビッドはジョンの部屋にダイアナを残してその場を去る。
しかし後悔して慌ててデビッドは部屋に戻るが、既にダイアナはゲージと共にヘリコプターに乗ってどこかへ行ってしまっていた。
そしてダイアナが乗ったヘリコプターはゲージが所有するヨット「グリフォン号」に降り立つ。

妻への疑いの心

妻ダイアナ(画像左)への疑いの心がデビッド(画像右)の中に広がっていく

ダイアナはゲージと過ごした一晩を、朝の光の中で消えてしまう夢のように時間が経てば忘れることができると思っていた。
ラスベガスから戻ってきたダイアナとデビッドは不動産会社に行き、景気後退の影響で手放した土地を買い戻したいと伝える。しかし、2人がラスベガスに行っている間に土地は第三者の手に渡っていることを不動産業者から事務的に告げられる。

ダイアナの気持ちとは反対に、デビッドの心の中には彼女に対する不信感が次第に芽生えていく。自宅のキッチンである日、デビッドはマッチ箱を見けた。その箱に「グリフォン号」のエンブレムが描かれていることに気付く。それはゲージが所有しているヨットだ。不信感が募り募ったデビッドはダイアナのバッグの中を探り、ゲージの名刺を見つける。それを彼女に突きつけるデビッドだったが、ダイアナはゲージとのことは話さないことにしていると言う。デビッドのためにゲージと一晩過ごしただけと言うダイアナに対し、デビッドは自分のためにしたことだろう、と彼女に言い放つ。

何かをしなければ、と思ったダイアナはある行動を起こす。それは同僚に頼んでデビッドが手放した土地を誰が購入したのかを調べさせたのだ。驚いたことにデビッドの土地を購入したのはジョン・ゲージだった。それを知ったダイアナはゲージが食事をしているレストランに乗り込み、テーブルをひっくり返すのだった。ゲージが購入した土地を買い戻したい、と彼女は申し出る。

思い出の場所へ

ダイアナ(画像右)とデビッド(画像左)は再びお互いの愛を確かめ合う

妻ダイアナへの疑いの心が消えないデビッドだったが、新しい一歩を踏み出さねばと思った。サイアーク建築学校の教師バン・ビューレンを訪ね、建築科で教鞭を執ることになる。毎月の給与は安いながらも、好きな建築について語れる仕事を得たことで彼は生き生きとした姿になっていく。

ダイアナはゲージと共に絶滅の危機に瀕した動物の保護資金を集めるオークションに参加する。ダイアナの好きなカバをゲージは5万ドルで落札してくれた。しかしその後、オークション会場にデビッドが現れ、カバを100万ドルで購入したいと言い出す。ゲージはカバをデビッドに譲り、彼はダイアナとデビッドが2人だけで話ができるようにする。自分の正直な気持ちをダイアナに打ち明けた後、デビッドは彼女が送ってきた離婚届に署名する。黙ったまま見つめ合う2人をゲージは悲しい顔で見ていた。

オークション会場を後にしたダイアナは、ゲージの忠実な部下シャックルフォードが運転する車に乗っていた。その車中でゲージは、自分には100万ドルで買った女性がたくさんいることをダイアナに告げる。怒りを覚えるダイアナだったが、それはゲージの優しい嘘だった。ダイアナがデビッドに向ける眼差しを自分には向けてくれないことをゲージは知り、彼女をあきらめることを決めたのだ。

車を降りたダイアナはデビッドに結婚を申し込まれた埠頭「パラダイス・コープ」へバスに乗って向かう。バスを降りて埠頭に向かって歩いていくダイアナは、そこにデビッドがいることに気付く。「今まで愛していると言ったことがあったかな?」と聞くデビッドに対し、「ないわ」とダイアナは答える。「愛してる」と言うデビッドに、「今も?」とダイアナが聞く。「いつまでも」とデビッドは答え、2人は背中合わせのままお互いの手を握り合うのだった。

『幸福の条件』の登場人物・キャラクター

主人公

ダイアナ・マーフィ(演:デミ・ムーア)

日本語吹き替え:勝生真沙子(ソフト版)/田中敦子(日本テレビ版)
デビッドの妻。高校時代にデビッドと出会い、19歳の時に駆け落ちして結婚する。不動産仲買人の仕事に就き、建築家として働くデビッドを支える。海が一望できる土地をローンで購入し、夢のマイホームを建てることを決める。しかし、突然の不景気によって苦しい生活を強いられてしまう。最後の望みを託してラスベガスへ行くが、全財産を失ってしまう。彼女に一目惚れしたという億万長者のジョン・ゲージから100万ドルと交換に一晩だけ過ごす申し出を受ける。しかし、それをきっかけに夫デビッドとの夫婦関係が揺らぎ始め、デビッドの未熟な愛に傷付く。やがてゲージの気品と豊かな経験に裏打ちされた自信あふれる姿に惹かれていく。

ダイアナの家族

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