怪盗セイント・テール(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『怪盗セイント・テール』とは、1994年から1996年にかけて立川恵が『なかよし』で連載していた少女漫画、およびそれを原作としたアニメやゲーム、ミュージカル作品。海が近いヨーロッパのような街並みの聖華市を舞台に、父親がマジシャンの中学生羽丘芽美が、素晴らしい運動能力とマジックの腕前を活かし怪盗セイント・テールとして活躍する様子を描く。人助けを目的とした怪盗としての活躍やセイント・テール専任捜査官であるクラスメイトのアスカJr.との恋模様は国内だけでなく韓国や台湾でも人気を博した。

『怪盗セイント・テール』の概要

『怪盗セイント・テール』とは1994年から1996年にかけて立川恵が『なかよし』で連載していた少女漫画、およびそれを原作としたアニメ、ゲーム、ミュージカル作品である。国内外でも人気を博し、韓国では『천사소녀 네티(天使少女 ネティ)』名でのアニメ放映もされた。2017年には原作者の立川恵ではない第3者による続編制作が決定。イラスト投稿サイトpixivで行われた審査で選ばれたなもり四季。が、漫画アプリ『Palcy』で新章『怪盗セイント・テール girls!』を連載している。東京ムービーがテレビ朝日系列で単独制作した最後のアニメである。
ミッションスクール・聖ポーリア学院の中学2年生の主人公・羽丘芽美。昼間はマジシャンの父と、怪盗をしていた母を持つ普通の女の子だったが、夜は怪盗セイント・テールとして詐欺や盗みで奪われてしまった金品をマジックを駆使しながら盗み迷える子羊と呼ばれる元の持ち主に返していた。同級生でセイント・テール専任捜査官であるアスカJr.こと飛鳥大貴との恋模様、学院礼拝堂の見習いシスターにして情報アシスト役のパートナーである親友・深森聖良との友情、怪盗セイント・テールとして活躍することで色々な経験をし、羽丘芽美が成長していく姿を描く学園ファンタジードラマ。盗みを働く理由が人助けという異色の怪盗漫画。後の作品にも大きな影響を与えた。
『怪盗セイント・テール』の魅力は、怪盗セイント・テールの正体がアスカJr.に発覚してしまわないか、見ていてドキドキするところだ。アスカJr.への恋心を自覚した羽丘芽美は、悩みながらも人を助けるために怪盗の仕事を進めていく。怪盗が登場する漫画やドラマが好きな人は、必見の名作。

『怪盗セイント・テール』のあらすじ・ストーリー

怪盗セイントテールと探偵

聖華市に最近出没する怪盗セイント・テール。その正体は聖華市にあるミッションスクール・聖(セント)ポーリア学院に通う中学2年生の羽丘芽美だった。父親がマジシャン、母が元怪盗である羽丘芽美は、運動神経抜群で、プロ並みのマジックの腕前の持ち主。その能力を活かし、親友でシスター希望の深森聖良と協力し、不当に持ち主から奪われた金品を盗み返し、迷える子羊と呼ばれる本来の持ち主に返していた。世間は義賊である怪盗セイント・テールに好意的な態度だった。しかし、羽丘芽美の同級生で刑事の息子であるアスカJr.こと飛鳥大貴は、どんな理由があっても盗みは悪いことだと考えていた。彼はセイント・テール専任捜査官としてセイント・テールを捕まえようとしていた。

当初は怪盗セイント・テールのことを悪く言うアスカJr.に反発していた羽丘芽美。しかし、次第にアスカJr.のまっすぐなところに惹かれ始める。やがて怪盗セイント・テールの正体である羽丘芽美は、捕まえられるならアスカJr.がいいと思うようになった。しかし一方で、怪盗セイント・テールの正体がアスカJr.にばれてしまうことを恐れるようになる。

恋のライバル登場

羽丘芽美のクラスに婦人警官志望の高宮リナが引っ越ししてくる。高宮リナは以前からアスカJr.と面識があり、アスカJr.に対して恋心を抱いていた。高宮リナはアスカJr.にアプローチを掛ける一方、怪盗セイント・テールの正体は羽丘芽美ではないかと疑うようになる。聖華市長の姪である立場を利用し、催涙弾を使うなど強引な手法で怪盗セイント・テールの正体を暴こうとする高宮リナ。絶対につかまるわけにはいかないと決意を新たにした羽丘芽美は、ますます怪盗セイント・テールとして華麗なる活躍を続けるのだった。怪盗セイント・テールを追いかけることに夢中で自分に振り向いてくれないアスカJr.にいら立ちを感じた高宮リナは、おじの聖華市長にアスカJr.を怪盗セイント・テールの捜査から外すように懇願する。

アスカJr.と交際を始める羽丘芽美

そんな折、怪盗セイント・テールの名をかたり悪行を重ねる悪者が登場。怪盗セイント・テールとアスカJr.は、騙されて閉じ込められてしまう。なんか協力し脱出する2人。しかしアスカJr.は、怪盗セイント・テールがクラスメートの羽丘芽美と同一人物ではないかと思うようになる。そして自分が羽丘芽美を特別な存在と思っていることにも気が付く。アスカJr.は、羽丘芽美に告白。アスカJr.の思いを受けれた羽丘芽美だが、自分の正体が怪盗セイント・テールであることを言えずに苦しむ。そんな羽丘芽美の様子を見て、もう怪盗セイント・テールの活動は止めようと提案する深森聖良。

怪盗ローズマリーが登場

悩む羽丘芽美の前に、母親の羽丘映美が怪盗ルシファーをしていた時のライバルだった怪盗ローズマリーとその養女仙道真珠が現れる。怪盗ローズマリーは当初怪盗ルシファーに復讐をしようとしていた。しかし、娘の羽丘芽美が怪盗セイント・テールであることを見抜くと、娘に復讐した方が楽しそうだとターゲットを変更する。占いと催眠術の使い手である仙道真珠は、催眠術で街の人に怪盗セイント・テールは悪い存在だと思わせることに成功。さらにアスカJr.を拉致。自分の正体がばれても、アスカJr.を助けようと乗り込んだ怪盗セイント・テール。アスカJr.は怪盗セイント・テールの正体が羽丘芽美と知った後も、それを受け入れる。

正体が発覚する

怪盗セイント・テールを抱きしめ、捕らえたアスカJr.。そんな2人の様子を見ていた怪盗ローズマリーは、私にも何があっても受け入れてくれる人がいてくれたらという言葉を残し復讐を断念。別の街へ移動していった。それから8年、探偵になったアスカJr.は、芽美にプロポーズ。2人は、結婚しハッピーエンドを迎えた。

番外編

最終回後の番外編では、「セイント・テール誕生秘話」、「芽美とアスカJr.のその後」、「聖良ちゃんと佐渡くん」が描かれている。
「セイント・テール誕生秘話」では、芽美がまだセイント・テールとして活躍する前が描かれている。礼拝堂裏で秘密裏にカンガルーを出現させるマジックの練習をしていた芽美は、その様子をシスター見習の聖良と男の子に見られてしまう。男の子は友達にカンガルーの話をするが、誰も信じてくれない。さらに友達は、礼拝堂の鍵を盗んでくるように男の子に命じる。鍵を盗みにきた男の子はアスカJr.に捕まるが、アスカJr.にカンガルーの話をしてもやはり信じてもらえない。そんな2人の元に初めてセイント・テールの衣装を着た芽美が登場。大量のカンガルーを出現させ、新聞のスクープとなる。シスター見習の聖良はその様子を利用し、礼拝堂の鍵をネコババし共に迷える子羊を救おうと伝えた。
「芽美とアスカJr.」のその後は、付き合い始めたもののデートに誘ってくれないアスカJr.に不満を抱く芽美の様子が描かれている。あげくにアスカJr.はたまにはポニーテールにしないかと芽美に伝え、不興を買ってしまう。ちょうどその時季節はクリスマス。クリスマスの夜にセイント・テールに変身してアスカJr.の部屋にサプライズで訪れた芽美は、アスカJr.にキスをするのだった。
「聖良ちゃんと佐渡くん」では、サッカー部員全員が同性愛者だと嘘の記事を書く佐渡が描かれている。皆から非難される佐渡だが、聖良にほのかな恋心を抱いていたのだった。クリスマスプレゼントを渡そうと思う佐渡。しかし聖良はシスター見習いで、神に使える身。佐渡の恋は実りそうになかった。ただひょんなんことから聖良が誕生日プレゼントをもらったことがないことを知る佐渡。そして1歳から13歳までの聖良へと飴をプレゼントするのだった。そして今年のクリスマスプレゼントだと苦労して手に入れたお魚ネックレスをプレゼントした。普段からロザリオを付けている聖良だったが、ロザリオを外しお魚ネックレスを付けたのだった。

『怪盗セイント・テール』の登場人物・キャラクター

主要人物

羽丘芽美(はねおかめいみ) / 怪盗セイント・テール(かいとうセイント・テール)

複数のおとりを登場させる怪盗セイント・テール

CV:桜井智

聖ポーリア学院・中等部2年A組に所属する女の子。勉強は得意ではないが、運動神経抜群。父はマジシャン、母はもともと怪盗をしていた。甘いものと可愛いものが好きで、トカゲが苦手。プロ並みのマジシャンの腕前を持っている。抜群の運動神経とマジックの才能を活かし、夜には怪盗セイント・テールに変身。困っている人々を助ける義賊として活動している。原作では変装して怪盗セイント・テールになるが、アニメではは聖コロンペンダントを使い変身するスタイルに変更された。
当初アスカJr.には反発的な態度を取っていたが、やがてアスカJr.に恋心を抱くようになる。長い髪の毛が特徴的だが、8年後はショートカットになっていた。親友は深森聖良。ピンクとブルーサファイアが好き。身長152cm。体重43kg。血液型はA型で、誕生日は9月29日である。

飛鳥大貴(あすかだいき) / アスカJr.(アスカジュニア)

CV:岡野浩介

父親が刑事の羽丘芽美のクラスメート。頭は学年一賢いが、ゲームは苦手。正義感の強い性格をしているが、恋心には鈍感。牛乳が嫌い。クラスメートからアスカJr.というあだ名で呼ばれており、作中でもアスカJr.と紹介されることが多い。父子家庭で育ったせいか、女性や恋愛に対しての知識が乏しい。運動神経が悪く、怪盗セイント・テールを頭脳で追い詰めても体力が持たずいつも逃げられてしまう。羽丘芽美とも、怪盗セイント・テールに関して意見があわず当初そりが合わなかった。しかし、お互いに次第に惹かれていきアスカJr.から告白して、恋人になる。羽丘芽美の正体を知っても交際を解消することなく、私立探偵なった8年後に羽丘芽美にプロポーズして結婚する運びとなった。身長159cm。体重53kg。誕生日は8月12日のAB型。

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