はたらく細胞(第3話『インフルエンザ』)のあらすじと感想・考察まとめ

Saibou

体内を偵察していたナイーブT細胞が、インフルエンザウイルスに感染した細胞に襲われた。しかし、そこへ現われた白血球に救われる。マクロファージや、ナイーブT細胞の先輩であるキラーT細胞たちも応援に駆けつけるが、ナイーブT細胞は恐ろしさに逃げ出してしまう。号泣するナイーブT細胞に、樹状細胞は昔の写真を取り出して見せる。そこには、今のナイーブT細胞のように泣いている、キラーT細胞たちが写っていた。
今回は「はたらく細胞」第3話『インフルエンザ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「はたらく細胞」第3話『インフルエンザ』のあらすじ・ストーリー

ここは人間の身体の中。誰もいない暗い道を、ひとり歩くナイーブT細胞はひどく怯えていた。不気味な姿をした細胞たちが、あちらこちらから襲ってくるのに、すっかり度肝を抜かれ、走って逃げ出す。
ナイーブT細胞は偵察をしていた。しかし、不気味な姿をした抗原(免疫反応を引き起こさせる物質の総称)を一度も認識したことがない未熟なT細胞なのである。抗原となってしまった細胞も、元はただの一般細胞であった。だが、インフルエンザウイルスに感染してしまったらしい。
インフルエンザウイルスは、感染症であるインフルエンザを引き起こすウイルスで、A型、B型、C型に大きく分類され、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を引き起こす。もともと人に感染しなかったものが、ヒトに感染するくらい変異したものは新型インフルエンザと呼ばれる。細胞の体に寄生して、数を増やすのだ。これ以上増殖する前に殺すしかない。

Dbb31a4c

インフルエンザウイルスに感染した細胞(右)から逃げる、ナイーブT細胞(左)

建物と建物の隙間から、白血球が現われた。白血球は、あっというまに抗原を排除する。危ないところを救ってもらったナイーブT細胞は、白血球にお礼を言った。白血球はナイーブT細胞に援護を頼もうとするが、ナイーブT細胞は「僕には無理です!ウイルスなんて…!」と拒絶する。そこへ、微笑みを浮かべながらマクロファージがやってきた。
マクロファージは白血球の一種で、細胞などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す。死んだ細胞や細菌などを片づける掃除屋さんでもある。持っていたナタをひと振りし、インフルエンザウイルスに感染した細胞たちを、いとも簡単に殺すマクロファージ。彼女の殺傷能力は、かなり高い。そして死んだ細胞の一部をつかみ上げると、通信機を使って樹状細胞へと連絡した。
マクロファージ「体内にB型のインフルエンザウイルスが、侵入しているようですわ」

3cea9dc8

持っていたナタを振る、マクロファージ

樹状細胞は、体内に侵入してきた細菌やウイルス感染細胞などの断片を抗原として提示しつつ、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。
敵の情報をもとに的確に攻撃できるように戦略を決める司令官であるヘルパーT細胞は、樹状細胞から知らせを受けるとただちにキラーT細胞の集積を開始した。キラーT細胞は、ヘルパーT細胞の命令で出動する、移植細胞・ウイルス感染細胞・がん細胞などの異物を認識して破壊する殺し屋だ。
キラーT細胞たちが応援にくることをマクロファージが話すと、ナイーブT細胞は動揺し、白血球とマクロファージに懇願した。
ナイーブT細胞「この中の一体だけ、ボクがやっつけたことにしてもらえませんか」
白血球「なぜ、そんなことを」
ナイーブT細胞が事情を説明しようとしたそのとき、キラーT細胞たちが現われる。彼らは「また他の奴らにやってもらったのか」「いつになったら一人前になるんだ」「それでもおまえはT細胞か」とナイーブT細胞を責めたてた。白血球は「なるほど、先輩がうるさいか」と納得する。
キラーT細胞の一部で、同じ敵が出現したときに、ふたたび攻撃をしかけるよう備えているメモリーT細胞が活を入れた。
メモリーT細胞「油断するんじゃねえぞ。オレがヤツらに遭遇したときのメモリーによると、インフルエンザウイルスの増殖スピードは、細菌とは段違いだからな」

E942fe2b

メモリーT細胞「油断するんじゃねえぞ」

あまりの恐ろしさに逃げ出したナイーブT細胞は、樹状細胞のもとへと駆け込み号泣する。
ナイーブT細胞「あんな怖い奴らと戦えっこない。ボクは、白血球さんやマクロファージさんや先輩たちみたく強くないんだ。ボクみたいな弱虫なんて、いない方がいいんだ」
樹状細胞「そんなことないよ。元気だしなよ、君だけじゃないさ。最初から強い人なんて、いないんだよ」
ナイーブT細胞に、やさしく声をかけた樹状細胞は、昔の写真を取り出す。そこには、今のナイーブT細胞のように泣いている、キラーT細胞たちが写っていた。
樹状細胞「先輩たちが厳しくあたるのも、昔の自分と今の君を重ねてるからじゃないかな」
ナイーブT細胞「そうだったんだ……」
樹状細胞「大丈夫、怖がることないよ。みんながいるから」
白血球がパトロールして敵を見つけ、マクロファージが敵の情報を伝えてくれる。そのおかげでヘルパーT細胞が指示を出せて、キラーT細胞たちがやっつけてくれるのだ。
樹状細胞「皆で協力して、プライドを持って仕事してる仲間がいるんだ。だから、君がすべきことは、わかるよね?」
ナイーブT細胞「ボクの仕事は……」
樹状細胞は、ナイーブT細胞を活性化させることができる。ナイーブT細胞が輝き出した。

636a34f6

樹状細胞(左)は昔の写真を、ナイーブT細胞(右)に見せた

インフルエンザウイルスの増殖がはじまった。インフルエンザウイルスは、体内では8時間後に約100個、1日で100万個に増殖すると言われている。いくら殺しても減らないインフルエンザウイルスに、キラーT細胞たちは息をきらしていた。そのとき、筋肉隆々のたくましい細胞が、壁を突き破って現われる。
エフェクターT細胞「みなさん、先ほどは見苦しい姿を見せ失礼しました。しかし、ボクは弱い自分を克服し活性化して帰ってきました。元ナイーブT細胞です」
抗原を認識したナイーブT細胞は活性化し、エフェクターT細胞となる。そこからヘルパーT細胞、キラーT細胞などに分化するのだ。分裂増殖もしてきた、エフェクターT細胞。これで百人力だと喜ぶキラーT細胞たち。

0ac7847b

エフェクターT細胞(中央)を迎え、喜ぶキラーT細胞たち

そこへ、細菌やウイルスなどの抗原に対し、抗体という武器を作り戦うリンパ球の一種であるB細胞(抗体産生細胞)もやってきて、抗体をインフルエンザウイルスに発射する。
こうして免疫細胞たちの活躍とともに、各細胞たちの努力と各器官の連携やみんなが協力しあって、一週間後、B型インフルエンザウイルスは体内から姿を消したのだった。
キラーT細胞に「やったな、これでおまえも一人前だぜ」と認められ、嬉しそうなエフェクターT細胞。すると、またウイルスが出現する。強気のエフェクターT細胞が抹殺に向かうが、まったく歯がたたず、B細胞の抗体も効かない。それは、A型インフルエンザウイルスだった。A型は内部での変異型が多く、世界的な大流行を起こしやすい。
マクロファージが樹状細胞へと連絡した。細胞たちは、今日も元気にはたらいている。

4c4ad097

白血球(左)とB細胞(右)

「はたらく細胞」第3話『インフルエンザ』の感想・考察

essaywriter
essaywriter
@essaywriter

Related Articles関連記事

はたらく細胞(第2話『すり傷』)のあらすじと感想・考察まとめ

毛細血管に養分を運んでいた赤血球が表皮に近づいたとき、大きな音とともに地面がゆれ、血管の外壁がくずれた。やがて大きな穴があき、その穴へ吸い込まれそうになった赤血球を、白血球が血管へと連れもどす。赤血球たちを逃がし、傷口のそばで侵入してきた細菌たちと戦っていた白血球は、彼らの動きに疑問をもっていた。血管の奥にいる白血球も、捨て身で向かってくる細菌たちは、何かがおかしいと考えていた。 今回は「はたらく細胞」第2話『すり傷』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第7話『がん細胞』)のあらすじと感想・考察まとめ

幼いころ、免疫細胞に仲間を殺された辛い思い出を抱えていたがん細胞は、免疫細胞に恨みをもっていた。殺される側から、殺す側になる機会をうかがっていたのだ。その正体を早くに見破ったNK細胞は、現場の偵察に来ていたキラーT細胞と白血球をうまく逃がし、自分一人でがん細胞と戦おうとしていた。一方、赤血球は大量の栄養分を運ぶ仲間を手伝っていたが、途中でマクロファージに声をかけられる。 今回は「はたらく細胞」第7話『がん細胞』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第4話『食中毒』)のあらすじと感想・考察まとめ

赤血球と白血球は、一緒に胃の見学をしていた。すると白血球のレセプター(細菌レーダー)が反応する。近くに細菌がいるのだ。好酸球は侵入した細菌を排除しようと、ひとり戦っていた。細菌が好酸球にとどめを刺そうとしたとき、現われた白血球に助けられる。周囲にいた細胞たちは、弱い好酸球の陰口をいった。そんな時、胃壁を食い破り、白血球でもかなわない寄生生物アニサキスが侵入しようとする。好酸球はアニサキスに立ち向かう。 今回は「はたらく細胞」第4話『食中毒』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第8話『血液循環』)のあらすじと感想・考察まとめ

『いつまでも半人前じゃ、足手まといになってしまう。迷わず最後まで一人で、この循環器を一周してみせる!』そんな熱い思いを持った方向音痴の赤血球を、ひそかにサポートする心配性の白血球。ふたりは、下大静脈から心臓へ行き、次に肺へと向かわなければならない。キラーT細胞は、免疫細胞が他の細胞や血球たちと仲良くすることに、なぜか不満のようだ。 今回は「はたらく細胞」第8話『血液循環』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(アニメ全話)のネタバレ解説まとめ

『はたらく細胞』とは、鈴木健一監督、david production制作によるアニメ作品である。ナレーションは能登麻美子。講談社の『月刊少年シリウス』にて、2015年3月号より連載中の清水茜による漫画が原作となっている。 舞台は、人間の身体の中。細胞たちが擬人化、侵入した病原体などがモンスター化・怪人化して描かれている。酸素を運ぶ赤血球や、細菌と戦う白血球。傷口をふさぐ血小板や、殺し屋のキラーT細胞など、そんな約37兆2000億個もの細胞たちの知られざるドラマが展開される。

Read Article

はたらく細胞(第5話『スギ花粉アレルギー』)のあらすじと感想・考察まとめ

今年もスギ花粉の季節がやってきた。眼から入った花粉がアレルゲンとなり、さまざまな症状を引き起こす。スギ花粉アレルギー緊急対策本部には、被害報告が次々と寄せられていた。記憶細胞は『言い伝え』を口にする。『宇宙より災いの流星飛来せし時、山は怒り、大地は荒ぶり、海はうごめく』。ヘルパーT細胞は、B細胞を現場へ向かわせた。血球や細胞たちは自分の仕事をまっとうしようとするが、災害はどんどん広がってゆく。 今回は「はたらく細胞」第5話『スギ花粉アレルギー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第9話『胸腺細胞』)のあらすじと感想・考察まとめ

「キラーT君、もうちょっとクールにやれないの?」「こっちも仕事なんでね。アンタの司令に合わせて、キチッと攻撃できるように鍛えなきゃならんのですよ」と、ヘルパーT細胞とキラーT細胞が口喧嘩をしていた。その上司と部下ではない様子に、困惑するナイーブT細胞たち。「彼らはね、胸腺学校時代の同期だったんだよ」と樹状細胞は一枚の写真を取り出すと、ナイーブT細胞たちに昔話をはじめた。 今回は「はたらく細胞」第9話『胸腺細胞』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第1話『肺炎球菌』)のあらすじと感想・考察まとめ

酸素を動脈に届けていた新人の赤血球は、細菌に襲われる。しかし、そこへ現われた白血球に救われる。仕事に戻った赤血球は偶然、細菌の生き残りである肺炎球菌に出くわすが、ふたたび白血球に助けられる。迷子の赤血球を、肺へ案内し終わった白血球は、レセプター(細菌レーダー)の反応に違和感をもっていた。 今回は「はたらく細胞」第1話『肺炎球菌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第6話『赤芽球と骨髄球』)のあらすじと感想・考察まとめ

偶然迷い込んだ赤色骨髄で、赤血球は自分が幼い頃のことを思い返していた。そして、緑膿菌に殺されそうだったところを救ってくれた、骨髄球の男の子のことを思い出す。一方、白血球は変な姿をした細胞に襲われていた一般細胞を助ける。その一般細胞の案内で、キラーT細胞やNK細胞とともに、変な細胞の仲間が潜んでいる現場へやってくる。二手に分かれ偵察をはじめたとき、一般細胞とふたりきりになったNK細胞が口を開いた。 今回は「はたらく細胞」第6話『赤芽球と骨髄球』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

はたらく細胞(第10話『黄色ブドウ球菌』)のあらすじと感想・考察まとめ

赤血球は全速力で逃げていた。細菌に追われているのだ。逃げ場を失った赤血球を細菌が殺そうとした時、何者かが細菌に強烈なパンチをお見舞した。その者は黄色い防護服をまとい、マスクで顔を覆っている単球と呼ばれる細胞だ。とても頼れる人だと白血球に教えてもらう。傷口から黄色ブドウ球菌が侵入し、白血球がピンチに陥った瞬間、単球が現われ、そのマスクを取る。 今回は「はたらく細胞」第10話『黄色ブドウ球菌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

Read Article

目次 - Contents