ニル・アドミラリの天秤(第8話『第捌章 恋火の彩 -ヒゲキ-』)のあらすじと感想・考察まとめ

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滉の裏切りは、ツグミたちフクロウを動揺させた。カラスの暗躍は依然として活発だった。ナハティガルに潜入捜査していた警察官が惨殺され、帝都大学では稀モノを作ることが研究されているという。帝都新報の葦切は、カラスの真相に迫るため、危険をかえりみずに取材を続けている。隼人や小瑠璃たちは、葦切を心配しつつも止めることができない。
今回は「ニル・アドミラリの天秤」第8話『第捌章 恋火の彩 -ヒゲキ-』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「ニル・アドミラリの天秤」第8話『第捌章 恋火の彩 -ヒゲキ-』のあらすじ・ストーリー

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四木沼喬は滉に対して支配的にふるまう

滉は、ツグミに自分がカラスのスパイであったことを明かして、ナハティガルに乗り込んだ。滉は、ツグミをつけ狙ったことを詰問するが、四木沼に杖で横殴りにされる。滉は、自分の出血で、大切な女性が血の海に倒れる忌まわしい記憶を呼び起こされた。呼吸困難に陥るほど取り乱す滉を、「しっかりその目で見ろ、あのとき流れた血と同じ」「どんなにあがいても、おまえは私から逃れられない運命だ」と四木沼は追い詰める。
フクロウは、紫鶴や昌吾、研究部長の猿子や交えて、滉の裏切り行為と、今後の対処について話し合っていた。朱鷺宮は、前々からスパイの存在を意識しながら、フクロウの仲間を信頼して看過していたと失態を認めた。翡翠は、滉の意思ではなく、やむをえずカラスに加担する事情があったはずだと力説する。猿子は、今はカラス壊滅を急ぐべきだと鼓舞した。

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ツグミ(左)の見舞いに付き添ってきた隼人(右)は憂いを見せる

四木沼に狙われているツグミは、朱鷺宮から単独行動を慎むように言い渡されていた。入院中のヒタキの見舞いに、ツグミは隼人を連れていた。ヒタキは、姉の隣に面識のない男がいることが気に入らず、ツグミの話もまともに聞こうとしない。隼人の風体が、汀紫鶴の小説に出てくる結婚詐欺師に似ていると、ヒタキは難癖をつける。苦笑いしながらヒタキの話を受け流していた隼人は、不意に顔を曇らせ退室した。面会が終わるとツグミは弟の非礼を隼人に謝罪し、ヒタキのような稀モノの被害者を増やさないという思いを強くしたことを語る。話を聞く隼人の表情には、かげりがあった。

調査部でツグミが調べものをしていると、猿子に話しかけられた。猿子は、書物から声が聞こえておそれられることは歴史書にも記されていると、ツグミに教えてくれる。また、猿子は、言霊を見聞きするのは超能力の一種ではないかと私見を語る。
猿子の話を聞いた後、ツグミは隠に差し入れに出向いた。研究室で仮眠中だった隠がうなされはじめたので、ツグミは揺り起こした。隠は、昔の夢を見ていたと取りつくろい、研究の経過をツグミに話した。ヒタキの稀モノの作者の著作は、他に見つかっていない。また、情念のこもった手書きのものならば、書物でなくても稀モノになる可能性があると隠は言う。実際に、ツグミの目の前にある作家の肉筆原稿はアウラを放つ稀モノだった。

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大学時代の先輩である葦切(右)と飲む隼人

隼人は、帝都新報の葦切と、繁華街のバーで飲んでいた。学生時代からのつきあいである葦切は、浮かない顔つきの隼人を「まだとらわれているのか」「忘れろ、とは言わないが、おまえにも幸せになる権利がある」と元気づける。葦切が向こう見ずな調査をしていることを、隼人は心配していた。帝都大学で稀モノを人為的に作る研究しているという話に葦切は触れ、確証を得たら隼人たちに教えると約束した。
翌朝早く、繁華街で男性の変死体が見つかった。身元不明の死体は、烏に突かれて死因を特定できない状態だった。
その情報を聞いた小瑠璃は、帝都新報に急いで出社した。隼人と飲みに行った葦切が被害者ではないかと、小瑠璃は不安だったのだ。葦切はすでに出社していた。小瑠璃から変死体の話を聞いて、葦切は取材に飛び出していく。
フクロウにも、燕野から変死体の情報がもたらされた。殺されたのはナハティガルに潜入していた捜査員だった。四木沼に狙われているツグミと、鵜飼首相の息子である昌吾は、より堅固な警戒が必要になった。
不穏さを増す中、ツグミは小瑠璃に呼び出された。ツグミには、紫鶴が護衛と称してついてきた。小瑠璃の用件は恋愛相談だった。恋愛小説の大家である紫鶴が同席することを小瑠璃は喜んでいる。紫鶴の小説の登場人物は死んでしまうということを知っているツグミは心境複雑ながら、黙って小瑠璃の話を聞いていた。小瑠璃の意中の相手は葦切であった。紫鶴は恋文で葦切に想いを伝えることをすすめ、小瑠璃も乗り気になった。小瑠璃に恋の気配はないかと探られたツグミには、「今は仕事のことでいっぱいで、恋なんて」する余裕がないのだった。

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小瑠璃(左)の話を聞くツグミと紫鶴(右)

葦切が追っていたのは、帝都大学の百舌山教授だった。百舌山の研究室から盗んだ和綴じ本を、葦切はフクロウに持ちこむ。ツグミにも隠にも、本のアウラは見えなかった。葦切が危ない橋を渡っていることを察して、隼人とツグミはたしなめる。葦切は意に介せず、「無茶には二つある。やって後悔する無茶とやらずに後悔する無茶」だと、取材の姿勢を変えるつもりはない。葦切は、隼人にはやらずに後悔したことがあると、話題を変えてしまった。
大学時代、隼人は公園で本を読む女学生に一目惚れした。女学生は「公園の姫」と呼ばれ、隼人のように想いを寄せる男性が声をかけても決してなびかなかった。隼人は、遠回りをしても、雨が降っていても、女学生を一目見るために公園に通うだけだった。隼人の奥手ぶりをさんざんからかって、葦切は去っていった。女学生に告白しなかったことを不思議がるツグミに、隼人は当時の出来事を語りはじめる。
隼人の妹も、稀モノの被害者だった。焼身自殺をして、一命を取り留めたものの、火傷を気にして再度自死を選んだ。妹を亡くした隼人はアメリカに留学し、帰国後フクロウに入ったのだった。隼人には、非業の死を遂げた妹を思い、自分だけが幸せになってよいのかといううしろめたさがあり、女学生への告白に踏みだせなかったのだ。朱鷺宮も稀モノで夫を失っていたことも、ツグミは隼人から聞かされた。

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車中で手紙を読む葦切

葦切が出て行ったのと入れ違いに、小瑠璃が訪ねてきた。葦切のフクロウ訪問を知っていたので、差し入れの名目で様子を見に来たのだ。ツグミは、葦切が持っていた封書が小瑠璃の出したラブレターかと思いこんで話に出した。小瑠璃は、葦切にまだ手紙を出していないという。葦切が違法行為も問わない取材を重ねていたこと、手書きならば形態を問わずに稀モノになること、カラスは音もなく忍び寄ってくることから、葦切の身に危険が迫っていることを、ツグミは察知した。
駆けだすツグミを隼人と小瑠璃も追った。路面電車に乗った葦切は、手紙の封を開けたところだった。ツグミは、葦切の手にしている手紙にアウラを見た。
路面電車に乗り込んで手紙に目を通した葦切は、たちまち稀モノの殺意に侵された。オイルライターを点けようとする自分の腕を、葦切は必死に押さえた。
ツグミたちが路面電車に追いついたときには、車内は火の海になっていた。

「ニル・アドミラリの天秤」第8話『第捌章 恋火の彩 -ヒゲキ-』の感想・考察

「ニル・アドミラリの天秤」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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