ニル・アドミラリの天秤(アニメ全話)のネタバレ解説まとめ

『ニル・アドミラリの天秤』とは、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム『ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚』原作のアニメである。
大正25年の帝都で、人を死に至らしめる書物を巡る謎に、ヒロイン久世ツグミが翻弄されながらも立ち向かう姿を描く。

タイトルコール

OP曲のイントロに重ねて、「ニル・アドミラリの天秤」のタイトルコールがある。毎話担当者が違う。同時に、タイトルバックの天秤の傾きも変化している。
1話 久世ツグミ
2話 尾崎隼人
3話 鷺澤累
4話 鵜飼昌吾
5話 汀紫鶴
6話 星川翡翠
7話 鴻上滉
8話 久世ツグミ・ペリ
9~11話 男性ユニゾン
12話 メイン全員

天秤の傾き
1話 右
2話 天秤カットなし
3話 右
4~8話 左
9~10話 右
11話 左
12話 天秤カットなし

アバン

アバンでは、前回の概要が説明される。「これは、久世ツグミ、○○の物語」でナレーションが締めくくられるが、毎話○○に入る文言が変わる。
1話(ツグミによるモノローグ挿入のため通常ナレーションなし)
2話「出会い」
3話「選択」
4話「想い」
5話「信念」
6話「今生」
7話「離別」
8話「共感」
9話「とらわれ」
10話「決意」
11話「帰還」
12話

登場人物の名前

主人公ツグミに関わる人物は、鳥の名前がつけられている。何かにとらわれている、またとらえることの象徴として鳥籠が使われる。
アニメの登場人物には、通行人や居合わせた乗客などいわゆるモブのほぼすべてに、命名されている。ただし、与えられているのは、鳥とは無関係の名前である。

次回予告

登場人物からツグミに向けた手紙を読み上げるという形式。
1話 朱鷺宮栞
2話 猿子基史
3話 隠由鷹
4話 杙梛
5話 ペリ
6話 星川翡翠
7話 鴻上滉
8話 汀紫鶴
9話 鵜飼昌吾
10話 鷺澤累
11話 尾崎隼人

大正25年と史実

作品の舞台である大正25年は、視聴者の世界では昭和9年に当たる。地名をカタカナ表記することでも、作品は虚構であることが示されている。
以下、史実における世相との関連を挙げていく。

帝都震災と関東大震災

帝都震災が起こった日時については明確にされていない。
アニメでは、松坂屋呉服店がモデルと思われるウエノの建造物が見られる(5話)。
史実の関東大震災は、大正12年9月1日。このとき、上野広小路の松坂屋呉服店は損傷、再建されることはなかった。

エログロナンセンス

昭和4~11年ごろまで続いた文化の傾向。エログロの代表的な作家は、江戸川乱歩や夢野久作。
森恒犀鳥の作品は、江戸川乱歩の成人向け小説を思わせるものだった。汀紫鶴は、官能的な恋愛小説で人気を博している。ナハティガルの盛況も、時代の雰囲気の追い風があると考えられる。

セーラー服

大正10年ころから、女学生の制服として、全国的に普及した。

歌謡

作中の歌謡の発表年は以下
「青い目の人形」大正10年(3話)
「金魚の昼寝」大正8年(5話)
「ゴンドラの歌」大正4年(8話)

令女界

ツグミが購読していた、若い未婚女性向けの雑誌『令嬢界』のモデルと思われるもの。
史実では、大正11~昭和25年まで刊行。批判精神に富み、恋愛小説や赤裸々な相談コーナーがあり、風紀紊乱をおそれて禁止していた女学校もあった。開明的な誌面作りをしていたと考えられる。

結婚適齢期

ツグミの学友は、生まれたときから許嫁がいたり、女学校卒業即結婚というケースもあった。18歳で縁談を持ちこまれたことを、ツグミは「遅すぎるくらい」と話している。
明治後期の女学校はだいたい12歳から15、16歳(卒業時は17歳)までの、4年か5年が修業年限。
欽定憲法では、女性は15歳で結婚できた。明治時代の適齢期は数えで17から19(満15~18)歳ぐらい。華族女学校(学習院女子部)では、在学中に縁談がまとまれば中退して結婚することも珍しくなかった。(参照『明治のお嬢さま』黒岩比佐子)

華族制度

男子のみが爵位を継ぐことを認められる。1907年(明治40年)の華族令改正より、華族とされる者は家督を有する者および同じ戸籍にある者を指し、たとえ華族の家庭に生まれても平民との婚姻などにより分籍した者は、平民の扱いを受けた。華族には様々な優遇があり、債権から逃れる方法もあった。

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