宝石商リチャード氏の謎鑑定（ラノベ・漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2023.02.06

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』は、辻村七子による日本のライト文芸作品。2015年12月から集英社オレンジ文庫より刊行されており、2021年6月時点でシリーズ累計発行部数は80万部を突破している。2020年1月から3月までTVアニメが放送された。
イギリスから来た宝石商のリチャードと、彼が営む店にアルバイトとして雇われた正義感のある大学生・中田正義のコンビが、宝石に潜んでいる持ち主の隠れた心理面を紐解く。宝石商と宝石を題材としたジュエルミステリー。

その他の登場人物

正義が中学の時の空手教室の先輩。試合では、負けた正義の分も勝つほどの実力の持ち主で、正義の憧れだった。大学入学後に中退し、まだ学生の妹のために介護職につく。職場の利用者の女性にファイア・オパールを譲ってもらう。

沖田（おきた）

正義の大学の女子学生。下村のサークルに所属しており、年上の彼氏がいた。宝石を売っていた彼氏が失踪したため、宝石店で働く正義を頼って「エトランジェ」を訪れる。

ちえこ

リチャードの幼少期の日本語の家庭教師。手作りのプリンをクレアモント家の子供たちによく振る舞っていた。クリスマスのプレゼントではリチャードに『レミゼラブル』の本を贈る。

正義の父親

正義がまだ小さい頃に母親と離婚して、それ以来ほとんど会っていなかった実父。家にいた頃は母親に暴力を振るっており、それを覚えている正義には毛嫌いされている。それでも正義の居場所を突き止めてからは、金をもらうためにつきまとう行為を続けていた。

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の用語

鑑別

鑑別とは、宝石あるいは宝石につかわれる素材を、科学的検査を行った上で、その生成起源及び種類を調べることをいう。また、鑑定はダイヤモンドのグレードを表したものである。そのため、ダイヤモンド以外の宝石には、鑑定ではなく鑑別しか行うことができない。ダイヤモンドは鑑別も鑑定もどちらも行うことができる。

ヒート

出典： jeweler-richard.com

透明であるという美しい価値を作り出すために、ヒートという加熱処理を行うことがある。ルビーは元の結晶のままだと、黒ずみや褐色が混じりくすんでいることがほとんどであるため大抵の市場に出回るルビーはこのヒートが施されている。

キャッツアイ

出典： jeweler-richard.com

キャッツアイとは宝石に上から光を当てると、その山高部にあたかも猫の目のように細い白い光の線状が現れ、石を動かすとその線状が猫の目のように開いたり閉じたりする光の特殊効果のことである。宝石の中でもクリソベリル・キャッツアイが一般的で、クリソベリルに最も美しくキャッツアイ効果が生まれる。

貝の火

宮沢賢治の短編童話。うさぎの子のホモイはある日、川で溺れかけているひばりの子を助け、そのお礼としてひばりの親から「自分たちの王からの贈り物」という「貝の火」という宝珠を渡される。ホモイが悪事を働くと、貝の火の美しかった輝きは濁り始める。オパールは非常に脆い鉱物であるため、ひとたび得た名声や権威のもろさを蛋白石になぞらえた作品ともいわれる。