鋼鉄神ジーグ(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『鋼鉄神ジーグ』(こうてつしんジーグ)とは、2007年に放送されたロボットアニメ。1975年に放送された『鋼鉄ジーグ』の続編ではあるが、設定や世界観は手を加えられている。前作の原作を担当した永井豪らしいお色気シーン、往年のロボットアニメに見られた熱血的な演出や特訓シーンなど、古き良き作品の魅力をブラッシュアップした演出が好評を博した。
初代鋼鉄ジーグと邪魔大王国の決戦から50年。結界に覆われたままの九州から出現した新たな敵を倒すため、高校生の草薙剣児は鋼鉄神ジーグの操縦者となって戦い始める。

『鋼鉄神ジーグ』の概要

『鋼鉄神ジーグ』(こうてつしんジーグ)とは、2007年に放送されたロボットアニメ。
1975年に放送された『鋼鉄ジーグ』の続編ではあるが、「ジーグと邪魔大王国(じゃまだいおうこく)の戦いが終わっていない」、「九州全域がゾーンと呼ばれるバリアで覆われて、内部がタイムカプセルと化している」、「前作では物語冒頭で死亡したキャラクターの生存」など、基本的な部分を受け継ぎつつ設定や世界観は手を加えられている。

往年のロボットアニメに見られた熱血的な演出や特訓シーン、スケベ心全開の主人公とお色気シーン、さらにモブキャラクターの中に前作の原作を担当した永井豪の漫画に登場する人物がさりげなく描かれるなど、全体的に「古き良き作品」の魅力の再現を目指した快作。
漫画家の武村勇治は「全編通して散りばめられている豪イズムに痺れまくった」とコメントし、本作を高く評価している。

初代鋼鉄ジーグと邪魔大王国の決戦の最中、戦場となった九州が謎のバリアに覆われる。バリアはいかなる物体も通さず、内部に取り残された者たちとも連絡が取れないまま、50年の月日が流れていた。厳重な監視下に置かれた九州から、突如として邪魔大王国の先兵たるロボット兵器ハニワ幻神(ハニワげんじん)が現れる。
高校生にしてプロのモーターレーサーである草薙剣児(くさなぎ けんじ)は、幼馴染の珠城つばき(たましろ つばき)に言われるまま、“新たなる鋼鉄ジーグ”こと鋼鉄神ジーグに乗り込んでハニワ幻神と対決。それは剣児たちと邪魔大王国との、新たな戦いの幕開けだった。

『鋼鉄神ジーグ』のあらすじ・ストーリー

新たなる戦いの始まり

謎に満ちた2つの銅鐸(どうたく)を巡って、人類を守るサイボーグ戦士・鋼鉄ジーグ(こうてつジーグ)こと司馬宙(しば ひろし)と、悪しき邪魔大王国(じゃまだいおうこく)は果てしない戦いを繰り広げていた。邪魔大王国の本拠地がある九州に乗り込んだ宙だったが、突如その全域が強力なバリアに覆われて彼を含む内部の者たちと一切の連絡が取れなくなり、行き来することも不可能となる。
宙の父で彼をジーグに改造した司馬遷次郎(しば せんじろう)と、かつて宙と共に戦った珠城美和(たましろ みわ)は、「サイボーグである宙も、超常的な力と技術を持つ邪魔大王国も、そう簡単にやられるわけがない」と信じる彼らは、バリアに覆われた一帯を「ゾーン」と名付け、基地であるビルドベースから厳重な監視を続ける。

それから50年もの月日が流れた2025年。ゾーンから邪魔大王国の先兵たるロボット兵器ハニワ幻神が現れ、人類を攻撃する。高校生の草薙剣児(くさなぎ けんじ)は、幼馴染の珠城つばき(たましろ つばき)に言われるまま、遷次郎が開発したロボット兵器に乗り込んでハニワ幻神と対決。これを撃破する。
つばきは美和の孫であり、剣児は邪魔大王国との新たな戦いに備えて、自分も知らないまま“新たなる鋼鉄ジーグ”こと鋼鉄神ジーグのパイロットとして訓練させられていたのだった。人類を守るためとはいえ非道な行いではあったが、剣児は「鋼鉄神ジーグがあればつばきや友人たちを守れる」と喜び、特訓を重ねながら邪魔大王国との戦いに臨んでいく。

ゾーンへの突入

ゾーンの中は時間が停止しており、その内部は50年前と変わらぬまま全てが保存されていた。戦闘中にゾーンの展開に巻き込まれた宙も同様で、その体内に隠された銅鐸はまだ邪魔大王国の手には落ちていなかった。
遷次郎は宙の救出のために動き出し、剣児はゾーンの内部に突入。それはゾーンの時間停止効果を解除することでもあったが、銅鐸の回収のためにはやむを得ない判断だった。

邪魔大王国の女王・妃魅禍(ヒミカ)は、これを機に宙が持つものと鋼鉄神ジーグに仕込まれたものの2つの銅鐸を一気に手に入れようと画策。未だ目覚めない宙を先んじて回収し、つばきを拉致して剣児を誘い出し、目的を果たした上で剣児たちを始末しようとする。
仲間の犠牲によってこの場を切り抜けた剣児たちはいったんビルドベースに戻り、銅鐸を融合させてさらなる力を得ようとする妃魅禍を相手に、最後の決戦を挑む。

邪魔大王国の滅亡

銅鐸は、もともとは宇宙人が地球に持ち込んだものだった。邪魔大王国もその時に地球にやって来た者たちで、再び銅鐸を手に入れることで地球を我が物として再び宇宙に進出することを目論んでいた。
ビルドベースで補給を受けた剣児たちは、同じく修理を施されて完全に力を取り戻した宙と共に邪魔大王国を追撃。月面で最後の戦いを繰り広げる。鋼鉄神ジーグと鋼鉄ジーグの「ダブルジーグ」の八面六臂の活躍により、邪魔大王国を追い詰めていく。

「銅鐸がある限り我らの勝利は揺るがない」と考える妃魅禍だったが、銅鐸を守る巫女として育てられたつばきが命懸けでこれを奪還。これを見た剣児は「つばきが死んだ」と勘違いして暴走するが、宙のサポートによって正気を取り戻し、妃魅禍を撃破する。
これにより邪魔大王国は滅び、世界は平和を取り戻す。宙や美和、遷次郎は戦いの宿命から解放され、剣児とつばきもそれまでに送っていた日常の中へと戻るのだった。

『鋼鉄神ジーグ』の登場人物・キャラクター

ビルドベース

草薙剣児(くさなぎ けんじ)

CV:小野大輔

主人公。高校生にしてモーターレーサーとして活躍する快男児。バカでスケベで下品だが情に篤く、幼馴染のつばきや友人たちを守るためなら命を懸けることも辞さない熱血漢である。

珠城つばき(たましろ つばき)

CV:植田佳奈

ヒロイン。剣児の幼馴染で、麻布都珠勾(まふつすく)神社の巫女。美和の孫娘でもあり、幼い頃から邪魔大王国と戦うための訓練を受けていた。

美角鏡(みすみ きょう)

CV:千葉進歩

剣児とつばきの同級生。文武両道の秀才で、剣児にとってはモーターレーサーとしてのライバルでもある。
実は銅鐸と共に地球にやってきた宇宙人の生き残りで、剣児にとっては叔父にあたる人物。邪魔大王国との戦いの中、剣児たちを助けるために命を落とした。

司馬宙(しば ひろし)

CV:諏訪部順一

50年前、邪魔大王国との戦いの最前線で力を振るっていたサイボーグ戦士。邪魔大王国との決戦の最中、銅鐸の暴走でゾーンを発生させてしまい、永い眠りについていた。
サイボーグである上に、時の止まったゾーンの中にいたため、50年前と同じ青年の姿で登場する。老いた父や美和の姿を見て驚くもすぐに受け入れ、戦士としての後輩である剣児を導くようにしながら戦い抜いた。

珠城美和(たましろ みわ)

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